「オーストラリアの不動産投資を始めてみたいけど、まずはメリット・デメリットが知りたい!」「日本とオーストラリアの不動産って違いはあるの?」
これから、オーストラリアの不動産投資を始めようと考えている方は、このような疑問をお持ちではないでしょうか。
不動産投資を始める上で、オーストラリアが不動産投資に向いている国なのかどうか知っておくのは重要なことです。
本記事では、オーストラリアの不動産と日本の不動産の違いやオーストラリア不動産投資のメリット・デメリット、オーストラリアで不動産投資をする際のおすすめエリアなどについて詳しく調査していきます。
オーストラリア不動産投資を始めようとお考えの方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。
不動産投資とはどのようなものか
不動産投資を始める前に、不動産投資の基本的な内容について正しく理解しておく必要があります。
近年では、副業として不動産投資を始める方も多くなってきました。
資産形成をする際にも非常に効果的だと言われている不動産投資ですが、その本質とはどのようなものなのでしょうか。
不動産投資とは、物件を購入・運用し、その物件を貸し出したり売却することで収入(利益)を得ることです。
購入した物件を賃貸として貸し出し、家賃収入を得ることを「インカムゲイン」、購入した物件を購入時より高く売って利益を得ることは「キャピタルゲイン」と呼ばれています。
インカムゲインは、家賃収入から諸費用(修繕費や管理費等)を差し引いた金額が利益となり、比較的安定した収入が見込める手法です。
インカムゲインでは、中期〜長期的な投資をするのが一般的で、時間をかけてコツコツと利益を積み上げていきます。
一方キャピタルゲインでは、物件が購入時よりも高くなれば売り時ですので、短期投資になる場合も少なくありません。
日本とオーストラリアの不動産はどこが違う?
日本とオーストラリアでは、不動産を購入する際に覚えておきたい認識や購入後の対処方法などが異なってきます。
日本とオーストラリアは非常に深い交友関係にあり、友好都市や姉妹都市なども数多く、貿易関係においても親密な関係です。
旅行先や留学先としても人気があります。
しかし、不動産においては、日本とオーストラリアで大きな違いがありますのでチェックしていきましょう。
オーストラリアの不動産①:購入時に弁護士をつけなければならない
オーストラリアで投資物件を購入する際には、必ず弁護士をつける必要があります。
購入する側・売却する側どちらにも弁護士をつけることで、より公平な交渉にするだけでなく、利益を最大限に守るための制度となっているのです。
契約内容や支払いなどのやり取りは、すべて弁護士を通じて行われますので、安全でスムーズな取引が期待できます。
また、不動産エージェントに依頼するのも一般的です。
不動産エージェントとは、日本で言うところの「不動産仲介業者」に当たる役割を担っており、価格の交渉や契約内容が適正かどうかなどの精査を任せることができます。
不動産エージェントについては、必ずしも依頼しなければならないという取り決めはありません。
しかし、売却する側は優秀な不動産エージェントを雇っていますので、損をしない交渉にするためにも不動産エージェントに依頼することがおすすめです。
オーストラリアの不動産②:FIRBの許可がなければ不動産を購入できない
日本人がオーストラリアの不動産物件の取引を行う際には、必ずFIRB(Foreign Investment Review Board)の許可が必要となります。
FIRBとはオーストラリア政府が作り上げた外資審議委員会を指しており、外国人投資家(日本人を含む)や外国の企業が投資を行う際に、国家の利益を守るための審査です。
FIRB(外資審議委員会)からの許可を貰うための申請については、インターネットから手続きすることができます。
公式サイトには必要書類や申請方法などが詳しく記載されていますので、それほど難しくはありません。
オーストラリアの不動産③:外国人(日本人を含む)は新築物件のみ購入が許される
日本に居ながら、オーストラリアの投資物件を購入する場合に覚えておかなければならないのが「新築物件のみ購入できる」という点です。
中古物件は購入できませんので頭に入れておきましょう。
しかし例外もあり、一部の特定地域やFIRB(外資審議委員会)の指定した物件であれば、中古物件でも購入が認められることもあります。
オーストラリアの不動産④:増築工事や改装工事ができない物件もある
日本では一般的に、戸建てやマンションを購入すれば、すべて自分自身の資産となります。
自分が保有している、いわば「所有物」ですので、自由に改装したり増築・修繕することが多いはずです。
しかし、オーストラリアの不動産を購入する場合は注意しなければなりません。
オーストラリアの不動産物件の中には、遺産リストに登録されている物件や建物も多く、それらの投資物件を購入した際には自ら手を加えることが禁止されています。
不動産エージェントに依頼しておくと、購入したときに教えてもらえることが多いですが、中には購入後に「遺産リスト」であったと判明したケースもあります。
オーストラリアの不動産を購入する場合は、事前の確認を徹底するようにしましょう。
オーストラリアの不動産⑤:融資(ローン)は6割~7割程度が妥当
オーストラリアの不動産投資を始めようと思った場合、物件購入費用は「ローンを組もう」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
日本であれば、マンションや一軒家を購入する際、全額ローンを組むことができます。
しかし、オーストラリアの不動産投資を行う場合には、全額融資してもらえませんので注意しましょう。
オーストラリアで融資を受けるためには、審査が大変厳しくなっています。
長い審査を待って「審査が通らなかった」ということも考えられるのです。
厳しい審査を通過して、融資を受けられると決定した場合でも、物件価格の6割〜7割程度がMAXであると考えておきましょう。
このことからもわかるように、オーストラリアの不動産投資を始める際には、手元に「現金」を用意しておく必要があります。
シドニーやメルボルン・ブリスベンなどの主要都市の不動産価格は、優に5,000万円を超えますので、投資資金に余裕がなければ厳しいかもしれません。
オーストラリアの不動産⑥:新築物件でも要注意!
日本で不動産物件を購入した場合、購入後に欠陥や不具合が見つかれば、一定期間売主側が費用を負担してくれます。
例えば、水漏れやひび割れ・雨漏りやシロアリなどの被害があった場合です。
しかし、オーストラリアの不動産物件では、契約が成立した後はすべて買主側が費用を支払う義務がありますので要注意。
新築物件だからといって、物件完成後の確認や契約内容の詳細を把握しておかなければ、思わぬ出費につながってしまいます。
購入前に、信頼のおける不動産エージェントに依頼するなどの対策を取り、購入後のトラブルから身を守りましょう。
オーストラリアの不動産⑦:物件(建物)の価値が非常に高い
日本では、物件を購入した後「建物自体」の価値は、年々下がっていくのが常識となっています。
どれだけ頻繁に修繕したり、改築・増築をしても、古くなった建物の価値は低下するのです。
しかし、オーストラリアの不動産では、建物に関する考え方や評価・資産価値が大きく異なります。
オーストラリアで物件(建物)を購入した場合、時間経過とともに建物自体の評価(価値)も上昇するのです。
物件を保有している期間が長くなればなるほど、自然と資産評価(価値)が大きくなっていることが最大の違いと言えるでしょう。
オーストラリア不動産投資の利回り
オーストラリアの不動産投資を検討している方が、もっとも気になるのが「利回り」についてではないでしょうか。
オーストラリア不動産投資の利回りは、地域によって異なるのはもちろんですが、シドニーで約2.8%~3.7%であると言われています。(2019年度の統計によるもの)
しかし実際には、この数値から「管理費」「手数料」「税金」などが引かれることとなりますので、手元に残る利益を考えるとさらに少なくなってしまうのです。
オーストラリアは人口の増加が著しいため、不動産投資での最大のリスクである「空室リスク」は避けられそうですが、効率的に不動産投資するには不向きの国と言えるでしょう。
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オーストラリア不動産投資のメリット
ここからは、オーストラリアで不動産投資をするメリットについて紹介していきます。
一つずつ、順番に確認していきましょう。
オーストラリア不動産投資のメリット①:人口の増加
オーストラリア不動産投資のメリット1つ目は、人口が増加していること。
オーストラリアの人口は、2023年も増加の一途をたどっており、現在はおよそ2,500万人強となっています。
人口の増加と不動産投資へのメリットは密接な関係を築いており、不動産投資の1番の不安点ともいえる「空室リスク」の心配が少ないというメリットがあるのです。
また、国の主要都市に人口が集中していることからも、不動産投資のエリアを絞ることは難しくありません。
日本のような「少子高齢化社会」や「人口推移の減少」の兆しはないことからも、不動産投資を始める上で大きな利点となるでしょう。
オーストラリア不動産投資のメリット②:建物の資産価値が上昇
オーストラリアで不動産投資を行うメリット2つ目は、建物の価値が上昇している点です。
オーストラリアの不動産の価値は「日本とオーストラリアの不動産はどこが違う?」の章でも記載した通り、建物自体に大きな資産価値があることが大きな魅力となっています。
それだけでなく、建物の評価額は年々増加傾向にあるため、長期保有すればするほど資産は大きくなる傾向があるのです。
もちろん、元々の建物のスペックや投資物件のエリア・経済情勢などによって価格は変動しますが、ここ30年ほどの不動産価格推移を見ても上昇を続けていることに間違いはありません。
2000年に2,000万円で購入した不動産物件が、2020年には6,000万円になるという事例も珍しくはないのです。
オーストラリア不動産投資のメリット③:法律や環境が整っている
オーストラリアで不動産をおこなうメリット3つ目は、法律や環境がしっかりと整っていること。
確かに、日本人がオーストラリアで不動産投資をするにはたくさんの手続きや厳しい審査もありますが、それはオーストラリアの法制度が整っている証拠です。
裏を返せば、外国人投資家であっても、正当な手順を踏むことで法的に守ってもらえます。
また、オーストラリアは安全性の高い国としても知られており、日本からの観光客や留学生も多いため環境が整っている点でも安心です。
オーストラリア不動産投資のデメリット
続いては、オーストラリア不動産投資におけるデメリットについて詳しく紹介していきます。
デメリットを把握しておけば、購入後のリスクも減らせますので、ぜひ参考にしてください。
オーストラリア不動産投資のデメリット①:投資利益が少ない
オーストラリア不動産投資の利回りは、前の章でも触れましたが、シドニーで2.8%〜3.7%程度です。
ここから、管理費や税金・修繕費などが引かれることを考えると、手元に残る利益はさらに減少します。
この数字からもわかるように、オーストラリアでの不動産投資は、他の国の不動産投資と比べて投資利益が非常に少ないことがわかるでしょう。
オーストラリア不動産投資のデメリット②:税金が高い
オーストラリアで不動産投資をする際に気をつけなければならないのが税金です。
オーストラリアの不動産を所持している際にかかる税金は、かなり高額となりますので、事前にしっかりと確認しましょう。
- 物件を所有していることで「所得税」がかかる:税率32.5%
- 物件を売却する場合「キャピタルゲイン税」がかかる:32.5%
このように、所有しているときや売却する際に、非常に高い税金を徴収されることになるのです。(日本でのキャピタルゲイン税は一般的に20%程度)
利回りも低く、税金も高額なことを考慮すると、オーストラリア不動産投資をするメリットは少ないと言えるでしょう。
オーストラリア不動産投資のデメリット③:物件(建物)が高額である
オーストラリアの不動産価格は年々上昇を続けており、主要都市のおすすめ投資物件は5,000万円を超えるものが大多数を占めています。
シドニーやメルボルンなどの平均物件価格は6,500万円〜8,000万円。
物件が高額にもかかわらず、利回りが小さく税金も高額です。
わざわざ高い物件を購入しても、入ってくる利益が少額だと、資産形成や投資の意味がなくなってしまいます。
オーストラリアで不動産投資をお考えの方は、収入と支出のバランスをしっかりと把握した上で、投資するか否かを決めるようにしましょう。
オーストラリア不動産投資のデメリット④:為替リスク
為替リスクも、オーストラリアの不動産投資をする際に重要なポイントとなります。
これは、オーストラリアに限ったことではなく、外国で不動産投資を行う場合には避けて通ることはできません。
為替リスクは、オーストラリアの通貨の価値が下がってしまったとき、当初に予定していた金額で物件を売却できなかったり、家賃収入が減少してしまう可能性があるということです。(他の国での不動産投資でも同様のことがいえる)
もちろん、通貨の価値は下がるだけではありません。
投資物件購入後に、その国の通貨価値が上昇すれば、利益も増えることとなります。
一概に「損をする」「得をする」とは言い切れませんが、海外の不動産投資をする際に、為替リスクがあることを頭に入れておきましょう。
オーストラリア不動産投資のデメリット⑤:融資の審査が厳しく自分で高額の資金を準備する必要がある
不動産投資を行おうと思ったとき「少ない資金から始めてみたい」「融資を受けて、不動産投資をスタートさせたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、オーストラリアの不動産投資には、かなりまとまった現金が必要となります。
まず第一に、投資物件が非常に高額であること。
先程も触れた通り、シドニーやメルボルンの投資物件の平均価格は6,500万円〜8,000万円となっています。
第二に、融資を受けるに当たっての審査が非常に厳しいため、その審査を通過するのもハードルが高いのです。
審査が下りないことも十分に考えられます。
そして第三に、審査が下りた場合でも全額融資してもらえるわけではなく、投資物件価格の約6割〜7割程度が上限です。
オーストラリアで不動産投資をする場合には、まとまった現金が必要になることも、大きなデメリットと言えるでしょう。
オーストラリア不動産投資でのおすすめエリア
オーストラリアで不動産投資をする場合、どのエリアの投資物件を購入するのが効果的なのでしょうか。
おすすめエリアを知っておくと、しっかりと利益を出すことにもつながりますし、空室リスクも避けられますので参考にしてください。
おすすめエリア①:シドニー
シドニーは、オーストラリアで1番の経済都市であり、人口は約530万人。
シドニーでは2000年にオリンピックも開催され、世界遺産が多いことでも大変有名です。
観光地として人気があるのはもちろん、日本人学生の留学先としても非常に人気があります。
日本からのアクセスは、直行便の出ており、所要時間は約9時間半。
シドニーに限らず、オーストラリア全体で言えることですが、日本に比べて物価は1.5倍〜2倍程度と考えておくと良いでしょう。
シドニーの気候は「日本とは季節が逆になっている」のが特徴です。
オーストラリアは南半球に位置していますので、6月〜8月までが冬・12月〜2月までが夏となっています。
1年を通して比較的過ごしやすい気候ですが、異常気象の影響もあり、夏には40度を越えることも。
冬は10度以下になることは少ないため、かなり住みやすい街と言えるでしょう。
おすすめエリア②:メルボルン
メルボルンは、オーストラリア南東部の海岸沿いにある、人口約500万人の大都市です。
「ガーデン・シティ」と呼ばれているほど公園が多く、メルボルンの1/4は公園で占められています。
非常に治安が良く、穏やかで緑豊かな街並みが特徴。
日本からのアクセスは、成田空港からの直行便(所要時間10時間半)の他、シドニーやケアンズからの乗り継ぎ便も出ています。
「世界で最も住みやすい都市ランキング」で何度も首位を獲得していることでも有名です。
気候はシドニーよりもやや気温が低くなるのが特徴で、冬は10度以下になることもしばしば。
1日の中に四季があると言われているほど寒暖差が激しいので、メルボルンを訪れる際には服装に注意するようにしましょう。
おすすめエリア③:ブリスベン
ブリスベンは、オーストラリア第3の都市として知られています。
人口はおよそ250万人。
専門学校や語学学校が非常に多く、学生の街としても知られていますので、留学生が多いのも特徴です。
日本との時差は、わずか1時間ですので、日本からの観光客が多いのも頷けます。
交通アクセスが良いことでも人気を集めており、世界的ビーチリゾート地として有名な「ゴールドコースト」にも電車で1時間。
気候は1年を通して温暖であり、冬でも20度前後まで気温が上がるため、半袖で過ごすこともできる地域です。
ただし、夏には雨季がありますので、かなり降水量が多くなります。
おすすめエリア④:パース
オーストラリア不動産投資おすすめエリア最後は、美しい砂浜人気のパースです。
人口はおよそ200万人で、今回紹介するおすすめエリアで、唯一オーストラリアの西側にある都市となっています。
古くからの歴史的建造物やオシャレなレストランが立ち並ぶなど、風情溢れる街並みも人気。
広大な砂漠を楽しめる「ピナクルズ」は、多くの観光客で賑わっています。
気候は1年を通してかなり温暖。
夏は潮風の影響で、気温が上がっても涼しさを感じることができます。
冬は、それほど気温は下がりませんが、かなり降水量が増えますので注意が必要です。
まとめ|オーストラリア不動産投資に大きなメリットはない!投資物件を購入する際は慎重に
今回の記事では、オーストラリアと日本の不動産の違いやオーストラリア不動産投資のメリット・デメリット、オーストラリア不動産投資のおすすめエリアについて詳しく解説してきました。
オーストラリア不動産投資は、人口の増加により空室リスクが少なく、建物の価値が上昇を続けているというメリットがありましたね。
しかし一方で、投資物件が非常に高額であることや弁護士費用もかかること、税金が高いことや利回り(利益)が低いことなどさまざまなデメリットがあるのも事実です。
税金もかなり高額になり、投資物件費用を現金で用意しなければならない点もマイナスポイントでした。
これらを踏まえると、オーストラリア不動産投資には大きなメリットはないと言えるかもしれません。
オーストラリアで不動産投資を行う場合には、事前準備や下調べを念入りに行い、信頼のおける不動産エージェントに依頼することをおすすめします。
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