「フィリピンは不動産投資先として良いの?」「フィリピン不動産投資をするときのおすすめエリアは?」
フィリピン不動産投資に興味がある方は、このような疑問を持っているでしょう。本記事では「フィリピン不動産投資のメリット・デメリット」「フィリピン不動産投資のおすすめエリア」などについて解説します。
フィリピン不動産投資についての基礎知識が身に付く内容となっているので、ぜひ参考にしてください。
フィリピン不動産投資とは
近年、東南アジアの中でも不動産投資先として人気を高めつつあるのが、フィリピンです。
ここでは、フィリピン不動産投資の特徴やフィリピンが不動産投資先として人気な理由を解説します。フィリピン不動産投資について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
フィリピン不動産投資の特徴
フィリピンでは、外国人による土地の購入が制限されているため、我々はフィリピンの土地を購入して不動産投資をすることはできません。
しかし、建物は土地のような制限がなく、外国人でも購入することができます。そのため、フィリピン不動産投資では「コンドミニアム」と呼ばれるものを購入して、不動産投資を行うのが一般的です。
「コンドミニアム」とは分譲マンションのようなもので、部屋によってオーナーが異なります。
コンドミニアムは、エアコンや冷蔵庫、ベッドなどの家電や家具は備え付けられていることがほとんどです。さらに、プールやサウナ、ジムなどがあり、マンションというよりも高級ホテルといった方がイメージしやすいでしょう。
コンドミニアムは現地の富裕層からの人気が高く、不動産投資に向いているので、多くの投資家はコンドミニアムを購入しています。
フィリピンが不動産投資先としての人気を高めている理由
フィリピンが不動産投資先として人気を高めつつある理由は、フィリピンの不動産相場が上昇し続けているという点にあります。
フィリピンは近年、経済成長の拡大と共に不動産相場も上昇を続けているのです。2018年のフィリピン経済は前年と比べて、約6.2%拡大しました。
フィリピン経済を牽引しているマカティCBD地区の不動産価格は、2010~2018年の間で約132%もの上昇をしています。
フィリピンの住宅市場は、まだアジア通貨危機による不動産相場下落前の数値には届いていませんが、順調に上昇を続けているのです。
今後もフィリピンの不動産価値が上昇するという保証はありませんが、賃料が上昇しているため、利回りが安定することが予想されます。
さらに、首都であるマニラの人口が増え続けていることや平均所得が上がっているというのも、近年の傾向です。
「不動産相場の上昇」「賃料の上昇」「人口の増加」「平均所得の増加」などの点から、フィリピン不動産投資は大きな期待をされています。
フィリピン不動産投資をするメリット
フィリピン不動産を行うメリットは、次の通りです。
- 比較的高い利回りを期待できる
- 不動産の価格が比較的安い
- 外国人駐在員による入居が期待できる
- 人口の増加による需要の拡大が期待できる
比較的高い利回りを期待できる
フィリピン不動産投資は、不動産価格に対して1年間でどれだけの利益が見込めるかを表す「期待利回り」が高いといわれています。
東京都内の人気が高いエリアの期待利回りは、4~4.3%程です。それに対して、フィリピンのコンドミニアムの期待利回りは平均6.13%もあり、中には9%を超えるコンドミニアムもあります。
不動産の価格が比較的安い
フィリピンのコンドミニアムは安価で購入することができ、東京のマンションの価格と比べて1/4程度の価格です。
フィリピンは経済成長が著しい国ですが、物価は日本の1/3~1/2だといわれています。そのため、日本と比べて、安価で不動産投資を行うことができるのです。
外国人駐在員による入居が期待できる
フィリピンのGDPは、BPO産業などのサービス業が6割を占めており、IT分野の開発業務やバックオフィス業務も盛んです。
このことから、今後は欧米諸国などの企業から派遣されてくる外国人駐在員が増えることが予想されます。
派遣される外国人駐在員は家賃補助があるため、多少高額でもコンドミニアムに居住する傾向があるのです。
そのため、フィリピン不動産投資では、外国人駐在員による入居を期待することができます。
人口の増加による需要の拡大が期待できる
フィリピンの人口は、2020年の時点で1億900万人を超えており、現在も人口の増加を続けています。
人口の分布は、若年層ほど人口が多い理想的なピラミッド型です。フィリピンの理想的な人口分布は2050年まで続くといわれており、経済成長もかなり期待されています。
年配の方が多い日本とは反対に、若い方が多いフィリピンでは、今後も人口の増加が期待できるでしょう。
人口の増加は、不動産需要に直結するので、需要の拡大が期待できるのです。
フィリピン不動産投資をするデメリット
フィリピン不動産投資を行うデメリットやリスクは、次の通りです。
- 竣工リスクがある
- 物件のクオリティが低い可能性がある
- 不動産会社の実力不足によるリスクがある
竣工リスクがある
竣工リスクとは、建設途中に購入したコンドミニアムの工事が途中で中断されてしまうことによるリスクのことです。
コンドミニアムの購入者から集めた資金は、そのまま建設費用に当てられますが、工事が途中で中断されることがあります。
一度工事が中断されると、再開されることはほとんどなく、資金も返還されることはほとんどありません。
物件のクオリティが低い可能性がある
フィリピンなどの東南アジアでは、周辺の国から出稼ぎにきた労働者が建設を担当している場合があります。
その場合、物件が完成しても、クオリティが著しく低い場合があるのです。物件のクオリティが低いと、最悪の場合、不動産投資の商品として利用することができません。
大手デベロッパーの物件を選ばなかった場合、このようなリスクがあることを考慮しましょう。
不動産会社の実力不足によるリスクがある
「不動産会社の実力不足によるリスク」とは、不動産会社の管理の実力が足りないことにより、空室ができてしまうリスクのことです。
フィリピンでは、コンドミニアムの需要は高いのですが、同時にコンドミニアムの供給も多いという特徴があります。
そのため、不動産会社の実力が不足していると「自分が所有しているコンドミニアムに入居してくれる人がいない」ということもありえるのです。
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フィリピン不動産投資がおすすめの人
フィリピン不動産投資の特徴やメリット・デメリットを解説しました。では、フィリピン不動産投資はどのような方に向いているのでしょうか。
フィリピン不動産投資がおすすめな人の特徴は、次の通りです。
- 一定以上の資金を用意することができる人
- フィリピンへの移住を考えている人
それぞれ解説するので、ぜひ参考にしてください。
一定以上の資金を用意することができる人
フィリピンの不動産は比較的安いということを解説しましたが、成功するためには、できるだけ価格の高い高級コンドミニアムを投資対象とすることをおすすめします。
フィリピンは周辺の国から外国人駐在員が派遣されるため、コンドミニアムの需要が高いです。しかし、家賃補助などの手当があるため、よっぽど利便性が良くない限り安いコンドミニアムには入居しないことが予想されます。
そのため、フィリピン不動産投資を行うには、高級コンドミニアムを購入する必要があるのです。
高級コンドミニアムを購入するためには、目安として600万円よりも多い資金が必要であると考えておいてください。
この理由から、フィリピン不動産投資で成功するためには、一定以上の資金を用意することができる人が向いているのです。
フィリピンへの移住を考えている人
フィリピンは暖かい気候が特徴で、平均気温は28度前後となっており、非常に過ごしやすい国です。
また、物価や生活費が日本と比べて1/3~1/2程度とかなり安くなっていて、家賃5万円でも高級コンドミニアムに住むことができます。
フィリピンへの移住を考えている方は、一旦居住用のコンドミニアムを購入し、その後不動産投資に利用するというのもおすすめです。
不動産投資の始め方について気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。
フィリピンの不動産価格推移
フィリピンの不動産相場は年々上昇していることを解説しましたが、どのような価格推移なのでしょうか。
ここでは、以下の3つに分けてそれぞれの不動産価格推移を解説します。
- フィリピン全体
- フィリピンの首都圏
- フィリピンの首都圏以外
フィリピン全体
フィリピン全体の不動産価格推移を調べてみると、不動産全体の価格指数は、2016年から2020年までの4年間に1.26倍になっていることが分かりました。
この価格指数の中で最も大きな上昇をみせたのが「コンドミニアム」です。
コンドミニアムは、同じく2016年から2020年までの間に1.5倍もの上昇をしています。一方で戸建は、不動産全体の価格指数を下回り、大きな上昇をみせていません。
戸建は、フィリピンの不動産の中で最も割安な物件といえるでしょう。
このように、フィリピン全体でみてみると、コンドミニアムのような集合住宅が最も大きな価格指数の上昇をみせているのです。
フィリピンの首都圏
フィリピン首都圏の不動産価格推移を調べてみると、不動産全体の価格指数は、2016年から2020年までの4年間に1.38倍になっていることが分かりました。
戸建の価格指数は、2016年から2020年の間に約2割下がっています。2階建ての住宅を表すデュープレックスの価格指数は非常に激しく変動しており、不動産全体で1番高いときもあれば、1番低いときもありました。
他の不動産の価格指数が下がっていたり、変動が激しかったりする中で、安定的に上昇をみせたのが「コンドミニアム」です。
コンドミニアムの価格指数は、2016年から2020年の間に1.5倍もの上昇をみせています。
フィリピン首都圏の不動産価格推移は、不動産全体でみてみると上昇していますが、これはコンドミニアムの価格指数が大きく影響してるといえるでしょう。
フィリピンの首都圏以外
フィリピン首都圏以外の不動産価格推移を調べてみると、不動産全体の価格指数は、2016年から2019年までは、ほとんど変化はありませんでした。
しかし、2019年から2020年の間だけ、約10%程度の上昇をみせています。
不動産ごとの価格推移をみてみると、やはり戸建はフィリピン全体やフィリピン首都圏と同じように、不動産全体の価格指数を下回っていました。
デュープレックスをみてみても、フィリピン首都圏と同じように価格指数が安定することはなく、激しい変動をみせています。
このことからわかるように、フィリピンのデュープレックスは価格が安定することがあまりなく、相場が安定しないのが特徴のようです。
コンドミニアムをみてみると、フィリピン全体やフィリピン首都圏とは違い、価格指数があまり上昇していないことがわかりました。
コンドミニアムよりもデュープレックスの価格指数のほうが高くなっています。
フィリピン首都圏外では、コンドミニアムよりもデュープレックスのほうが不動産投資に向いているといえるでしょう。
フィリピン不動産投資をするのにおすすめのエリア4選
フィリピン不動産の価格推移をみてわかるように、フィリピン不動産投資では、エリア選びが非常に重要です。
コンドミニアムの価格指数が低いフィリピン首都圏以外で不動産投資を行っても、成功する可能性は低いでしょう。
ここでは、フィリピン不動産投資のおすすめエリアを4選紹介します。
- マカティ
- ボニファシオ・グローバルシティ
- パサイ
- カビテ
それぞれのエリアについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
マカティ
マカティは、首都マニラの東南に位置している、フィリピンの経済中心地といわれているエリアです。
日本や他の国の大手企業や、多くの金融機関が多く集まっており、見上げるほど大きな高層ビルが立ち並んでいます。
多くの企業が集まっていることから、外国人駐在員も多く集まるのがマカティの特徴です。
企業や金融機関のほかにも、高級ショッピングモールなど、海外の富裕層が旅行で訪れるような施設が多くあります。
食事や買い物、娯楽まで全てマカティで完結することができるほど、施設が充実しているのです。
このことから、マカティは外国人駐在員からの人気が高く、不動産投資に向いているエリアだといえます。
ボニファシオ・グローバルシティ
ボニファシオ・グローバルシティは、先程紹介したマカティのすぐ東に位置しているエリアのことです。
以前はフィリピン軍の駐屯地として利用されていましたが、1995年に開発が始められ、近未来都市として開発が進められています。
各国の大使館やインターナショナルスクール、日本人学校もあり、日本人も多く暮らしているエリアとして有名です。
マカティのすぐ隣に位置しているということもあり、ここにも多くの外国人駐在員が暮らしています。
高級住宅地や高級コンドミニアムがあるこのエリアに住むことは、1種のステータスとして捉えられることもあるようです。
外観の整備が非常に進んでおり、高層ビルが立ち並んでいる中に、自然も取り入れられています。
国内の人であっても、海外旅行に来たような気分を味わえるエリアとして、非常に人気が高いです。
パサイ
パサイは、マカティの南西に位置しており、本来のフィリピンらしさが感じられるエリアとして有名です。
マカティやボニファシオ・グローバルシティのようなビジネス街とは違い、貿易都市として賑わいをみせています。
パサイには、フィリピン最大の貿易港「マニラ港」があり、市場の活気であふれているのが特徴です。
ほかにも、ヒルトンなどの高級ホテルもあり、観光地としても人気があります。さらに、国際空港もあるため、交通の便が良いというのもマニラの特徴です。
地元の雰囲気が楽しめるエリアとして、現地の方からも人気があるパサイは、不動産投資先のエリアに向いているといえるでしょう。
カビテ
カビテはマニラ湾に面しており、マカティのような都市部からは離れていますが、ローカルな雰囲気が楽しめるエリアです。
日本の企業の海外工場が多くあり、外国人駐在員が多く暮らしています。ローカルな場所ではありますが、比較的治安が良く、住みやすいエリアです。
都市部から離れているため、大自然を楽しむことができたり、歴史を感じられるような建造物があります。
そのため、観光地として非常に人気で、宿泊施設の需要は高いといえるでしょう。
ホテルやコンドミニアムが多く存在し、都市部に行くにも不便がない点から、不動産投資のエリアとして向いているといえます。
フィリピン不動産投資の失敗理由
フィリピンは不動産投資に向いているエリアが多くありますが、もちろん失敗するリスクもあります。
フィリピン不動産投資で失敗する主な理由は、次の通りです。
- 工事が完了しなかった
- ローンの申請が上手く通らなかった
- 家賃収入が入らなかった
- 転売するためのネットワークが良くなかった
それぞれの理由について解説するので、ぜひ参考にしてください。
工事が完了しなかった
これは、先ほど解説した工事が途中で中断されてしまう「竣工リスク」のことです。一度中断されてしまった工事は、再開されることはほとんどありません。
この工事に使用される資金は、投資家から集めたものですが、工事が中断された場合は投資家のもとに戻ってくることはないと考えておきましょう。
建設途中のコンドミニアムは、建設完了しているコンドミニアムよりも安く購入することができます。
しかし、安いからという理由だけで購入してしまうと、このようなリスクが伴うのです。このようなリスクを避けるためには、しっかりとリスク管理をする必要があります。
竣工リスクを避けるためのリスク管理の1つとして、建設を担当している企業の運営状況を把握するということがあげられます。
建設を担当している企業の運営状況が悪いことを知っていれば、その建設中のコンドミニアムを購入することを避けられるでしょう。
フィリピン不動産投資で後悔しないためにも、企業の運営状況はしっかりと把握するようにしてください。
ローンの申請が上手く通らなかった
海外の不動産を購入する際は、ローンの申請が通るまでが長引いてしまったりして、上手く通らない場合があります。
ローンの申請が上手く通らないと、自分の資金だけで不動産投資をすることになるでしょう。
自分の資金だけで不動産投資をするためには、ある程度の資金が必要になります。そのため、ローンを組むからといって、自己資金が少なくても大丈夫だと勘違いをしないようにしてください。
とはいえ、フィリピンの不動産は日本の不動産とは違い、所有権を手放すことで支払いの責任が無くなります。
契約解除後のトラブルは、比較的少ないといえるので、その点ではリスクが少なく安心できるといえるでしょう。
家賃収入が入らなかった
先ほどは工事が完了しない竣工リスクについて解説しましたが、工事が完了した後もリスクがあります。
フィリピンの新築物件は、内装の整備が進んでおらず、入居しても住みにくいと判断されてしまうことがあるのです。
最悪の場合、退去されてしまうことも考えられるでしょう。退去されてしまうと、当然、家賃収入を得ることはできません。
最後の手段として売却するという手もありますが、多くの入居者に住みにくいと判断されてしまうような物件は、高値で売れるということは考えにくいです。
フィリピン不動産投資をする際は、工事が完了するかどうかという点だけでなく、工事が完了した後にも目を向けてください。
転売するためのネットワークが良くなかった
思うような収入を得られなかったとき、フィリピンの不動産を転売・売却する手があります。
しかし、フィリピンの不動産を転売・売却するときは、日本のようにスムーズに手続きができないことが多いです。
理由の1つとして、不動産に関するネットワークがあまり良くないということがあげられます。
日本の不動産会社は多くの取引先を持っているので、すぐに転売・売却活動ができますが、フィリピンの場合はそうではありません。
フィリピンの場合は転売・売却をするとなると、取引先を探すところから始まるので、非常に多くの時間を要してしまいます。早くても半年、長くて1年はかかると考えておいてください。
フィリピンの不動産は、転売・売却ができないというわけではありませんが、非常に時間がかかるということを覚えておくといいでしょう。
フィリピン不動産投資に限らず、不動産投資の失敗事例について気になる方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
【まとめ】フィリピン不動産投資はエリア選びが重要
フィリピンの不動産は安価で購入できるうえに、利回りが高いため、投資対象として非常に人気が高いです。
しかし、解説したように様々なリスクが伴います。本記事で紹介したリスクは、エリア選びを怠らず、慎重に行うことで解決できるものが大半です。
フィリピン不動産投資で失敗しないようにするために、まずはエリア選びから始めるようにしましょう。
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