「ベトナムの不動産投資は危機的状況って本当なの?」「ベトナム不動産投資の失敗例を知っておきたい!」
これからベトナム不動産投資をしようかな?と考えている方にとって、現在のベトナム不動産投資の状況や失敗例は気になるところではないでしょうか。
本記事では、ベトナム不動産投資の現状を中心にベトナム不動産投資のメリット・デメリットやおすすめエリア、失敗例や注意点などを解説していきます。
ベトナム不動産投資の基礎知識や、投資をする上での注意点などが理解できる内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
不動産投資とは
そもそも、不動産投資とはどのようなものなのでしょうか。
不動産投資とは、一戸建てやマンションなどを購入し、その物件を貸し出して家賃収入(利益)を得る投資方法のことを言います。
それ以外にも、購入した時よりも高く売却することで利益を得る場合もあるのです。
安全性の高い投資方法としても人気を集めており、副業として始める若い世代も多くなっています。
不動産投資で起こり得るリスク
比較的安全性が高く、副業としても人気のある不動産投資ですが、もちろん投資ですのでリスクはつきものです。
ここからは、一般的な不動産投資で起こり得る可能性のあるリスクについて見ていきましょう。
ベトナム不動産投資をする際にも知っておきたい内容ですので、参考にしてください。
リスク①:入居者の家賃未払い(滞納)
家賃収入で利益を得る不動産投資の中で、滞納によるリスクは気をつけなければばりません。
家賃収入が得られないだけではなく、対処するのに多くの手間やコストがかかってしまいます。
利益が減少するのはもちろんのこと、滞納者が出ていくまでは、次の入居者を募集することすらできません。
法律によって、家賃滞納者であっても3ヵ月間は退去させることができないため、万が一話し合いがこじれた場合などには弁護士を雇わなければならないことも。
金銭的リスクだけでなく、精神的リスクも受ける場合があるので、注意しましょう。
リスク②:空室状態
家賃収入を見越しての不動産投資で、空室によるリスクは大きな痛手となります。
空室期間が長い部屋が多いと、赤字にもなりかねません。
入居者を募りたい一心で家賃を下げてしまえば、収入が減るだけではなく破綻に追いやられる可能性も出てきます。
不動産投資を行う時には、空室リスクに陥らないよう、間取りや立地などを十分に考慮しましょう。
リスク③:不動産の価値が下落
不動産の価値は一定ではありません。
人気のエリアや利便性の高い地域の不動産であれば、価格の上昇が見込めますが、人口の減少や土地の評価・物件内での事故などによって物件の価値が下落することも考えられます。
投資する不動産を選ぶ際には、将来を見据えて需要の高いエリアを探しましょう。
リスク④:災害による被害
不動産投資をする上で、地震や火災などによるリスクも忘れてはいけません。
地震によって、建物に被害が及ぶこともありますし、大地震が起これば、倒壊してしまう可能性も考えられます。
不動産投資で地震のリスクを避けるためには、地震保険への加入や地盤に強いとされている土地を選ぶようにしましょう。
火災によるリスクを避けるためには、ご自身の火災保険の加入だけでなく、入居者への加入を義務化するのがおすすめです。
この時に気を付けなければならないのが保険料。
万が一に備えて保険に加入することは大切ですが、保険料があまりにも高額だと利益にも影響が出ます。
契約する前に、保険料の支払額や補償内容をしっかりと確認しておきましょう。
リスク⑤:金利の上昇
不動産投資を始める際には、ローンを組む方が多いですよね。
金利が上昇すると、必然的に「ローンの返済額」も上がってしまうため、家賃収入よりもローンの返済額が上回ってしまうことも考えられます。
「固定金利を選択する」「借り入れる期間を短く設定する」などして、金利の上昇のリスク対策をしましょう。
ベトナム不動産の現状
ベトナムの不動産は危機的状況とささやかれていますが、実際はどうなのでしょうか。
2023年現在、不動産関連の業者で「解散」または「事業を一時停止」しているとされる数は、昨年度より30%も増加し61%となっています。
不動産業界で働く人の7割近くが、退職や転職を迫られているのが現状です。
ベトナムの不動産の危機がここまで大きくなってしまった背景には、2022年に発覚した大手開発事業者による不正事件。
それをきっかけに、他の開発事業者の同じような不正事件も次々と明るみに出ることとなり、大きな危機的状況を招く事態となりました。
しかし、ベトナムの不動産はここ数十年で大きな成長を遂げているのも事実です。
ベトナム不動産の価格は、ネガティブな事件やコロナショックもあり低迷を続けていますが、これから購入を考えている方には大きなチャンスと言っても過言ではありません。
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ベトナム不動産投資における5つのメリット
ベトナム不動産投資のメリットを5つ紹介していきます。
ベトナム不動産投資におけるメリットは下記の通りです。
- 不動産の価格が安いので始めやすい
- 運用のコストが比較的低くなっている
- 現在のベトナムは不動産価格の上昇が見込める状況
- 人口増加により高い利回りが期待できる
- 災害によるリスクが少ない傾向
早速一つずつ確認していきましょう。
メリット①:不動産価格が安い
ベトナムの不動産価格は、日本やアジア圏の主要都市と比べて、かなり安くなっています。
価格が安ければ、少ない資金でも投資を始めやすい環境と言えるでしょう。
「マレーシア」や「バンコク」の不動産投資は、元々日本人から人気がありますが、ベトナムはマレーシアやバンコクよりも不動産価格が安くなっています。
2023年現在、ベトナムの不動産相場はさらに30%下落しておりますので、不動産投資を行うには絶好の時期と言えるかもしれません。
メリット②:比較的運用コストが低い
ベトナムは、日本と比べても物価が安く、不動産を運用するときに必要な費用についても少ない傾向があります。
例えば、日本でマンションや戸建てを購入した際に必ず必要となる「固定資産税」も、ベトナムの不動産には課税されないのが現状です。
また、火災保険などへの加入義務がない物件も多く、日本に比べて固定費を減らせる可能性もあります。(しかし、火災保険は万が一に備えて加入しておくことをおすすめします)
運用にかかるコストが低いということは、利益率が高くなりますので大きなメリットと言えるでしょう。
メリット③:ベトナム不動産の価格は上昇を期待できる状況
ベトナムの不動産価格は、2023年現在大きな下落の一途をたどっています。
不動産の価格が底値とも言えそうな現在、物件を購入し家賃収入としての投資を行うだけでなく、購入した物件の価格上昇を待って売却する時の利益を見越して投資するのが最適です。
ベトナムの経済成長率を見ても、他の国と比べてかなり高くなっていますので、今後の不動産価格の上昇に期待が持てる状態と言えるでしょう。
メリット④:高い利回り
日本における不動産の利回りは、平均すると約2.5%と言われています。
一方でベトナム不動産の利回りは、およそ3%〜5%となっていますので、日本に比べて不動産投資の効果が高いのがポイント。
また、利回りだけに重点を置いて考えると、都市の中心部よりも郊外のエリアの利回りが高い傾向があるので頭に入れておきましょう。
メリット⑤:災害によるリスクが少ない地域である
ベトナムは日本に比べて、圧倒的に災害の心配が少ない地域です。
地震や台風の被害もほぼなく、火山もありませんので、不動産投資における不安要素が減る事は間違いありません。
ベトナム不動産投資における3つのデメリット
ベトナム不動産投資には、多くのメリットがありましたね。
しかし一方で、知っておきたいデメリットもあります。
ベトナム不動産投資における3つのデメリットは、下記の通りです。
- 外国人の投資規制が厳しい
- 海外への送金手続きに手間がかかる
- 建物の耐久性に不安が残る
それでは順番に確認していきましょう。
デメリット①:外国人の投資規制が厳しい
ベトナムは社会主義国であるため、外国人投資家に対する規制が非常に厳しくなっています。
社会主義国家の主な特徴は「資本は国のものである」ということ。
例えば、気になる投資物件があった場合でも、すべての物件を自由に購入できるわけではありません。
限られた物件の中から選ばなければならなかったり、法人名義での購入の場合は「社宅用」としてのみ認められるといった規制があるので要注意です。
デメリット②:海外への送金手続きに手間がかかる
ベトナムへの送金には、社会主義国家ということも相まって、必要書類や手続きなどがかなり複雑になっています。
主な必要書類は次の通りです。
- 権利書または契約書
- 納税証明書
- 賃貸許可書
- 購入許可書
- 家賃収入証明
もちろん、個人で税理士などに依頼すれば対応してもらえますが、その分出費もかさんでしまうのが現状です。
また、ベトナムの銀行によってそれぞれ対応が異なるため、大手銀行から送金するのがおすすめになります。
デメリット③:建物(物件)の耐久性や質の問題
ベトナムは、著しい経済成長を遂げているといっても、日本に比べて「建物の耐久性」に関してはまだ及ばない部分があります。
投資物件を選ぶ際には、契約書類の内容の確認を怠らないことや、信頼できる建築会社を選ぶことを心がけましょう。
また、建築予定や建築中の物件を購入する際には注意が必要です。
現在、ベトナムでは1,200件以上ものプロジェクトが中止に追い込まれている現状があります。
再開の目処はたっておらず、88,000社を超える企業に「業務停止命令」が下されているのです。(その大部分が不動産関連会社)
投資物件を購入後に「工事が進まない」「完成予定が延期」となってしまわぬよう、十分に信頼できる業者から購入するようにしましょう。
ベトナム不動産投資物件のおすすめエリア
これからベトナム不動産投資を検討中の方が、もっとも気になるのが「どのエリアの物件を購入するか」ではないでしょうか。
人気エリア、または今後開発されそうなエリアに投資物件を購入しておくことで、安定した家賃収入を得ることができますし売却時に利益を生み出す可能性も高くなります。
ベトナム不動産投資のおすすめエリアは次の通りです。
- 観光・経済の中心である「ホーチミン」
- 政治の中心を担っている首都「ハノイ」
- ベトナム中部のリゾート地「ダナン」
- 港湾都市「ハイフォン」
- 水上マーケットが人気「カントー」
それでは早速見ていきましょう。
おすすめエリア①:観光・経済の中心「ホーチミン」
ホーチミンは、ベトナム最大の都市であり、人口は約900万人。
商業の都市としても有名で、日本からの観光客も多い街です。
東京・名古屋・大阪からは、およそ6時間の空の旅で(直行便)アクセスできるのも人気の秘密。
ホーチミンに限らず、ベトナムは治安が良い国ですので「女子旅」にもおすすめ。
気候は1年中蒸し暑さを感じるモンスーン気候となっており、日中は30度を越える日が多くなっています。
風情を感じる建築物や歴史的建造物が多い一方で、お洒落なカフェやレストランもありますので、さまざまな街並みを楽しめるのも魅力です。
また、高級住宅街や都市開発エリアが点在していますので、ベトナム不動産投資の候補として非常におすすめのエリアと言えるでしょう。
おすすめエリア②:政治の中心である首都「ハノイ」
ベトナム不動産投資をする際におすすめしたいエリア2つ目は、首都のハノイです。
ハノイの人口は、ホーチミンと同じくおよそ900万人。
ホーチミンに比べて地味な印象があり、発展も遅れているイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、現在のハノイは急速な都市開発が進みお洒落な施設もたくさんあります。
治安が良いことでも知られており、夜間でも観光を楽しむことができる地域です。
ハノイの気候は、1年中蒸し暑いホーチミンとは打って変わって「四季を楽しめる」ほど気温が下がることもあります。
ハノイはベトナムの北部エリアにあるため、1月や2月には気温が5度前後まで下がることや、夏には猛暑に加えて湿度の高い日々が続くことも。
また、不動産投資においては賃貸料が安いため、少ない資金での投資をお考えの方に最適なエリアと言えるでしょう。
おすすめエリア③:ベトナムの中部のリゾート地「ダナン」
ベトナム不動産投資のおすすめエリア3つ目は、リゾート地として人気のあるダナンです。
ダナンの人口は、およそ120万人。
リゾート・観光スポットとして栄えているエリアですので、人口はそれほど多くありません。
ビーチリゾートとして注目を集めていたダナンですが、現在は開発が進み、新定番スポットのバーナーヒルズ(神の手)や五行山なども大人気となっています。
ダナンはベトナム中部に位置し、気候は1年を通して気温が下がることなく、雨季と乾季に分かれているのが特徴です。
世界遺産もある人気観光地で、不動産投資での利回りも高いエリアですので、ベトナム不動産投資を検討している方には外せない場所になります。
おすすめエリア④:港湾都市「ハイフォン」
ハイフォンは、ハノイから車で約1時間ほどの場所にある港湾都市で、経済発展が著しい都市です。
人口は約202万人。
日本の企業が計画した事業会社があり、施工まで日本の企業が担当した分譲マンションもある都市ですので、ベトナム不動産投資をお考えの方にはピッタリのエリアとなっています。
気候は、雨季と乾季に分かれており、1年を通じて比較的過ごしやすいのが特徴です。
海の玄関口でもあり、ベトナム全体の中でも成長率ナンバーワンを誇るハイフォンは、不動産投資をお考えの方に是非おすすめしたいエリアとなっています。
おすすめしたいエリア⑤:水上マーケットが人気「カントー」
ベトナム不動産投資をお考えの方におすすめしたいエリア5つ目は、水上マーケットが人気のカントーです。
人口はおよそ120万人。
気候は1年を通して蒸し暑く、毎日のようにスコールが降るという特徴があります。
湿度が高く、年の平均気温は約28度前後。
5つの都市の中で、今後の発展が1番期待されている地域です。
ベトナム不動産投資で起こり得る失敗例
ベトナム不動産投資を検討している方に、知っておいてもらいたい失敗例について紹介していきます。
失敗例を理解しておくことで、いざ自分が不動産投資を始める際に、スムーズに対応できたり気をつけるべきポイントがわかりますので参考にしてください。
- 完成前の物件を購入し、工事がストップしてしまう
- 欠陥住宅の可能性も!
- 立地選び
- 不動産を売却した資金を日本に送金する手続きが大変
それでは、順番に確認していきましょう。
失敗例①:完成前の物件を購入したが、工事がストップ!
ベトナムに限らず、マンションや戸建てを購入する時には、建築予定や建設中の物件を買うことがあります。
日本では、特に心配するに及ばないことですが、ベトナムの物件を購入するときには細心の注意を払う必要があるのです。
「ベトナム不動産の現状」の章でも記載した通り、現在、ベトナムの不動産関連業者の多くが営業停止や解散を余儀なくされています。
購入した物件の工事がストップしてしまった場合、支払った資金が戻ってこないケースも。
このような事態を避けるためには、実績があり評判の良い建設会社を選ぶことや、日本の仲介業者に依頼することを心がけましょう。
失敗例②:購入した物件が欠陥住宅の可能性も!
日本ではあまり耳にすることがなく稀な事態ですが、東南アジアに位置するベトナムにおいては、たとえ新築物件を購入したとしても「欠陥住宅」である可能性があります。
完成した物件が、建築基準を満たしていないという場合もあるのです。
また、完成直後は問題のなかった物件であっても、何年か経つうちに次々と問題が出てきたという事例もあります。(地盤が緩かったことで多額の修繕費が発生することも)
投資物件の価値を下げないためにも、事前の確認や仲介業者選びは大切です。
失敗例③:立地選び
ベトナムの立地について、しっかりと調べることなく物件を購入してしまうと物件の価値が下がってしまったり、空室ばかりで利益を得られない恐れもありますので注意が必要です。
「首都のハノイだから大丈夫」「人気リゾート地のダナンは利回りが良い」といったような安易な考えや、現地のデベロッパー(不動産開発業者や企業)に勧められるがままに物件を購入するのは非常に危険。
できるだけ、自分で現地に赴き、自分の目と足で確かめてから購入を検討するようにしましょう。
失敗例④:売却資金を日本に送金するのが大変
「ベトナム不動産投資のデメリット」でも触れたように、ベトナムは社会主義国家ですので、送金に手間がかかってしまいます。
これは、日本からベトナムへ送金するのと同様に、ベトナムから日本への送金にも多くの必要書類が必要となるのです。
また、実際に現地まで赴き、送金ではなく現金でお金を持ち出す事もできません。(日本円にして約53万円を越える現金を持って出国できない取り決めがある)
売却して手にした資金をスムーズに送金するためには、納税した証明書類を準備しておくことを心がけましょう。
ベトナム不動産投資での注意点
最後に、ベトナム不動産投資を行う上での注意点についてまとめます。
ベトナム不動産投資での注意点は以下の3点です。
- ベトナムの不動産には所有期間が設けられている
- 中古物件について
- 法人名義では不動産投資ができない
それでは一つずつチェックしていきましょう。
所有期間について
ベトナムの不動産投資を行う際に気をつけなければならないのが、所有期間があるという点です。
購入から「50年間」が所有期間となっており、購入後に1回限り更新することが可能です。(最長100年所有できる)
しかし、購入した物件を「外国人から購入」した場合には、所有期間が引き継がれるので要注意。
前の所有者が25年間所有していた物件を購入した場合には、残り25年しか所有できないのです。
その場合も1回限りの更新はできるようになっています。
中古物件について
原則として、ベトナムでは不動産投資をする際に中古物件の購入はできません。
不動産投資をする場合は、新築物件を購入するのがメジャーです。
ただし例外として、他の外国人が所有している物件の購入は認められていますので、中古物件をお探しの方でも問題なく不動産投資ができるようになっています。
法人名義での不動産投資について
ベトナムでは、法人名義で物件を購入できるのは「社宅のみ」となっていますので、法人名義での不動産投資はできません。
ベトナムの不動産投資は「個人名義限定」となっていますので注意しましょう。
まとめ|ベトナムの不動産投資はリスクもある!物件選びやエリア選びを慎重に
今回の記事では、ベトナム不動産業界の現状や不動産投資におけるメリット・デメリット、おすすめエリアについて詳しく調査してきました。
ベトナムの不動産は、日本に比べてかなり安く購入できる点や運用コストの低さ、高い利回りなど多くのメリットがありましたね。
しかし一方で、不動産業界の危機的状況が露呈している点や外国人投資家への規制が厳しい点、耐久性の問題などのデメリットも。
ベトナムの不動産投資で失敗しないためには、物件選びやエリア選びを慎重に行うようにしましょう。
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