華やかな色合いで、見た目がかわいらしく人気の高いピンクダイヤモンド。
投資商品としても人気がありますが、日常でも保有しているだけで嬉しくなりますよね。
購入を検討している人もいるでしょうが、これから入手しにくくなることをご存じでしょうか。
ピンクダイヤモンドの95%を占めていたアーガイル鉱山が2020年に閉山したため、さまざまな影響が出ると予想されます。
この記事では、アーガイル鉱山の閉山理由やピンクダイヤモンドが今後どうなるのかを詳しく解説していきます。
アーガイル鉱山とは?
アーガイル鉱山はオーストラリア西部に位置するダイヤモンドを採掘できる鉱山です。
大きさとして、縦幅2キロ、横幅1キロ、面積は300haとなっており、東京ドーム約64個分という広さを有しています。
アーガイル鉱山とは?
アーガイル鉱山はオーストラリア西部に位置するダイヤモンドを採掘できる鉱山です。
大きさとして、縦幅2キロ、横幅1キロ、面積は300haとなっており、東京ドーム約64個分という広さを有しています。
1983年から採掘がはじまり、2004年ごろにダイヤモンドの年間生産量で世界一になるなど、ダイヤモンド採掘には欠かせない鉱山の1つとなっていました。
採掘されるダイヤモンドの中でも特に有名なのがピンクダイヤモンド。
世界中に供給しているもののうち、95%以上がアーガイル鉱山で採掘されたものとなっていました。
過去形なのは、2020年に閉山し、約37年間に渡ったダイヤモンド採掘が終了したためです。
アーガイル鉱山が閉山した理由とは
2020年にアーガイル鉱山は閉山してしまいました。その理由は以下の3つです。
- 採掘できるダイヤモンドの品質低下
- 採掘コストの増加
- 環境問題への配慮
それぞれを詳しく紹介します。
①採掘できるダイヤモンドの品質低下
アーガイル鉱山で生産されるダイヤモンドの品質が低下していました。
採掘対象となる鉱脈の質が劣化したことや、ダイヤモンドの産出量が減少したことが原因とされています。
そのため、ダイヤモンドの品質低下により、生産量が減少し、収益が低下していたことが閉山の一因となりました。
アーガイル鉱山ほどの品質が高いピンクダイヤモンドは、他の鉱山では採掘されていないため、各宝石店の激しい取り合いが始まっているようです。
②採掘コストの増加
アーガイル鉱山は、地下深くにある鉱脈からダイヤモンドを採掘するため、大規模な坑道を掘削する必要があり、採掘に必要な設備や人員など膨大なコストが必要でした。
加えて、鉱脈の品質低下により生産量が減少したことで、収益が低下し、坑道の維持・管理費用が増加したことが閉山の一因となりました。
2020年の閉山前にも採掘コストが合わずに採掘を止めるという話しはありましたが、なんとか継続できたようです。
実際には、2002年に閉山予定でしたが、ピンクダイヤモンドを含むカラーダイヤモンドがオークションにて高値で取引されたため、一度は閉山を見送った経緯がありました。
しかし、2020年に採掘コストが見合わなくなってしまったため、閉山してしまいました。
③環境保護への配慮
アーガイル鉱山がある西オーストラリア州は、自然保護区域に指定されており、鉱山の環境影響が懸念されていたため、環境保護に最大限の配慮をしながら採掘活動を行ってきました。
しかし、長期にわたる採掘活動により、地形変化や水質汚染などの環境問題が発生したため、閉山を決定し、環境保護への取り組みを強化することとなりました。
環境への配慮はこれからはより重要視されていくため、採掘方法も環境に合わせた手段に対応できないと、アーガイル鉱山のように閉山していく可能性が高いでしょう。
ダイヤモンドは私たちの日常にいろどりを与えてくれるため、環境問題に対応してこれからも採掘してほしいものです。
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アーガイル鉱山が閉山するとどうなる?
2020年に閉山したアーガイル鉱山ですが、採掘できなくなったことでどのような影響が出るのでしょうか。
主な影響は以下の2つです。
- 採掘量が減る
- 価値が上がる
それぞれの影響をアーガイル鉱山で採掘されるピンクダイヤモンドにピックアップして解説していきます。
①ピンクダイヤモンドの採掘量が減る
アーガイル鉱山は、ピンクダイヤモンドの生産量が最も多く、世界中で流通しているピンクダイヤモンドの約95%を占めていました。
しかし、閉山により採掘できなくなるため、ピンクダイヤモンドの供給量が大幅に減少することが予想されます。
もともとアーガイル鉱山では、採掘されるダイヤモンドの原石は年間で6トン程度とされていますが、宝飾品向けのものは約1%程度となっています。
ただでさえダイヤモンドはわずかしか採掘できないのに、その鉱山が閉山してしまったら供給ができなくなりますよね。
アーガイル鉱山以外のインドやロシアの鉱山でピンクダイヤモンドが採取できたという報告もあるようですが、品質はあまり良くないため、代わりとなるような鉱山は見つかっておりません。
そのため、市場に出回るピンクダイヤモンドの数は減ってしまうことが容易に想像できます。
②ピンクダイヤモンドの価値が上がる
アーガイル鉱山の閉山により、ピンクダイヤモンドの供給量が減り、ますます希少価値の高い宝石になる可能性があります。
すでに閉山発表の後、ピンクダイヤモンドの市場価値は上昇しており、閉山後も価格の上昇が続くと予想されています。
そもそもピンクダイヤモンドは、アーガイル鉱山産というのが一つのブランドになっているため、今後はより価値が上がるでしょう。
このように、ピンクダイヤモンドの価値が上がることを見越して、投資目的で購入する人が増えています。
ピンクダイヤモンドとは
アーガイル鉱山での採掘量が世界の95%以上を占めるピンクダイヤモンドですが、どういった特徴があるダイヤモンドでしょうか。
主な特徴は以下の2つです。
- カラーダイヤモンドの一つ
- ダイヤモンドの中で価値が高い
それぞれの特徴を紹介していきます。
①カラーダイヤモンドの一つ
ピンクダイヤモンドとは、カラーダイヤモンドの一つであり、ピンク色になっているものをさします。
通常のダイヤモンドと異なり色がついている理由は、いまだ解明されておらず、不明な部分が多いです。
そのため、カラーダイヤモンドが生まれるのは奇跡に近いといえるでしょう。
②ダイヤモンドの中で価値が高い
ダイヤモンドの中でも、ピンクダイヤモンドは非常に希少価値が高い宝石の一つです。
元々ダイヤモンド自体も採掘された量からわずかな量しか取れませんが、その中から0.01%の割合しかピンクダイヤモンドは採れないと言われています。
さらには、ピンクダイヤモンドは、他のダイヤモンドと比べて色のバリエーションが少なく、大きさにも制限があるため、大きいものが採掘されたらかなりの値が付きます。
したがって、近年ではピンクダイヤモンドの需要が増え、価格が上昇している傾向が継続して続くと予想できるため、投資商品として魅力的です。
ピンクダイヤモンドについてより深く理解するためには以下の記事がおすすめです。ぜひ参考にしてください。
ピンクダイヤモンドの価値基準
ピンクダイヤモンドの価値を決める基準を解説していきます。
主な基準は以下の2つです。
- 色の濃さ
- カラットの大きさ
それぞれの基準を紹介していきます。
①色の濃さ
ピンクダイヤモンドの価値は、主にその色合いによって決まります。
色の濃さが強いほど、価値が高くなります。
ピンクダイヤモンドは、色合いによって以下のグレードに分けられ、色合いの評価がされます。
- ファンシーヴィヴィッドピンク
- ファンシーインテンスピンク
- ファンシーディープピンク
- ファンシーダークピンク
- ファンシーピンク
- ファンシーライトピンク
- ライトピンク
- ベリーライトピンク
- フェイントピンク
「ベリーライトピンク」や「フェイントピンク」はピンク色に見えないこともあるため、評価が低くなっています。
ピンク色がはっきりとわかる「ファンシーピンク」以上の評価がされているピンクダイヤモンドが人気で、市場価値が高いです。
参考までに色の濃さによる価値のグラフを紹介します。
どの種類のピンクダイヤモンドも1979年は同じ1万ドルでしたが、2014年には価値が上がり、色の濃いものほど上昇しています。
色の薄い「ファンシーライトピンク」でも1979年と2014年の価値で比較すると30倍となっており、色が濃いほど価値は高くなる傾向がありますが、薄くても十分価値は高いといえますよね。
また、色味によっても価値は変わります。
主な色味は以下の4種類です。
- 通常ピンク
- パープル系ピンク
- ブラウン系ピンク
- オレンジ系ピンク
これらの中で、パープル系ピンクは通常ピンクより価値が高くなる場合もあり、色味も色合いと合わせて価値を決める重要な要素です。
②カラットの大きさ
ピンクダイヤモンドの価値は、通常のダイヤモンドと同じく、カラット数が大きくなるほど希少価値が高まります。
ただし、ピンクダイヤモンドは他のダイヤモンドに比べて、カラット数が少ないことが多いため、その希少性からカラット数が小さくても高価な場合があります。
とはいえ、小さすぎるサイズは希少価値が低すぎるため、最低でも0.1カラット以上が望ましいとされています。
この他にもピンクダイヤモンドを含むダイヤモンドの価値を決める基準はいくつかあります。以下の記事で詳しくまとめているため参考にしてみてください。
アーガイル鉱山以外でもピンクダイヤモンドは採掘できる?
結論として、アーガイル鉱山以外でもピンクダイヤモンドは採掘できます。
世界中のダイヤモンド鉱山からピンクダイヤモンドが産出されていますが、アーガイル鉱山が閉鎖された現在、世界での生産量は非常に限られています。
南アフリカ共和国の「プレミア・ダイヤモンド・マイン」という鉱山やブラジルやロシア、カナダ、オーストラリアなどでも、ピンクダイヤモンドの産出が報告されています。
しかし、アーガイル鉱山で産出されたような深いピンク色のダイヤモンドは非常に希少であり、市場価値も高いため、他の鉱山で産出されたピンクダイヤモンドと比較すると、品質が劣っていることが多いようです。
そのため、ピンクダイヤモンドを採掘できる鉱山はいくつかありますが、アーガイル鉱山の品質を持つものは見つかっておりません。
アーガイル鉱山の閉山によりピンクダイヤモンドの価値が上がる
2020年に品質の高いピンクダイヤモンドが採掘できるアーガイル鉱山が閉山されてしまいました。
他の鉱山ではアーガイル鉱山で採掘できるほどの品質を持ったピンクダイヤモンドが見つかっていません。
そのため、価値の高いピンクダイヤモンドは、希少性がより上がるため価値が上がっていくと容易に想像できるでしょう。
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