趣味の車を投資に使って「お金を稼げないかなぁ」と思ったことはありませんか?
今、物の値段が上がり、インフレが進んでいます。日本でも、アメリカほどではありませんが、確実にインフレの波が押し寄せており、電気代、ガス代を始め、生鮮食品を除く食品も少しずつ確実に値段が上がりつつあります。
そんな中、現金の保有を続けていて、お金の価値が目減りするのではないかという不安を抱えている人が多くなってきています。せっかく貯めたお金を失わないようにどうしたらよいか考えるのは大切なことです。
そんな悩みを大好きな車で解決する方法があります。それは実物投資としてのクラシックカー投資。
今回の記事では、投資対象となりやすい名車であるメルセデスSLが、現在どのような価格で販売されているかを紹介します。
メルセデスSLとは
2022年10月24日、メルセデス・ベンツ日本がメルセデスSLクラスの新型である「メルセデスAMG SL」を発表。その後、販売を開始し、話題を呼んでいます。
「メルセデスAMG SL」の原点となったのは、1954年に初代として誕生した「メルセデスSL」です。世界的に「キング・オブ・オープンカー」としても知られ、快適性とスポーツ性を両立しつつも、クラシカルな風格を漂わせるメルセデスSLは、クラシックカー愛好家ならずとも、多くの車ファンを惹きつけてやまない存在です。
メルセデスSLと言えば、誰でも一度は憧れるメルセデス・ベンツの最上級オープンカーです。新型AMGの発売に合わせて、そのルーツであるメルセデスSLが改めて注目を浴びています。
メルセデスSLは、2シーターのオープンカーのフラッグシップモデルで、ボディタイプは、クーペやカプリオレの他に、両者を組み合わせたクーペカプリオレタイプもあります。
SLの名は、ドイツ語の「Sport Leicht」にちなんで付けられましたが、同時にもう一つ「Sport Luxury」という意味も込められています。
メルセデスSLは、スポーツカーとして軽量でありながら、高機能高品質を実現しているラグジュアリースポーツカーです。
また、メルセデスの創業者であるゴットリープ・ダイムラーの残した言葉である「Das Beste oder nichts」(最善か無か)も有名です。この言葉通り、メルセデス・ベンツSLは、妥協なき品質が追求され、オープンにして高速で走っても、クローズドにして公道を走っても快適なスーパーカーでもあります。
メルセデスSLの買取相場の傾向
メルセデスSLは、オープンカーでありスポーツカーとして強い人気を誇ります。特にメルセデス・ベンツ300SLは、クラシックカー価格を牽引した代表モデルと言われています。
2014年から2015年にかけて、クラシックカーバブルが起こり、その際、メルセデス・ベンツSLは中心価格が1.5億円程度となりました。現在は、その時期に比べれば、価格は下がってきています。
しかし、独立系の国際クラシックカー投資調査団体である「HAGI」の2012 年以降の「The HAGI MBCI」(クラシック メルセデス ベンツ車の市場を測定する指数)を参照すると、2012年をスタートとして127ポイント上昇、価格は1年に16.29%上昇しています。
世界の名だたるクラシックカーすべてを含めた指数であるHAGI Top指数に比べると、上昇幅が狭くはありますが、メルセデス・ベンツのクラシックカーも値段が上昇していることがわかります。
クラシックカー投資研究所におけるメルセデス・ベンツ190SLと280SLのコンディション別相場価格は以下のようになっています。
メルセデス・ベンツ190SL
コンディション | 相場価格 |
---|---|
最高・完璧 | 42,000,000円 |
非常に良い | 23,000,000円 |
良い | 12,800,000円 |
普通 | 10,500,000円 |
メルセデス・ベンツ280SL
コンディション | 相場価格 |
---|---|
最高・完璧 | 28,500,000円 |
非常に良い | 16,700,000円 |
良い | 10,300,000円 |
普通 | 6,000,000円 |
190SL、280SL共に、状態が良ければ、数千万円での販売価格がついています。クラシックカー投資として、状態の良いメルセデスSLを安い価格で入手し、適切な環境で長くそれらを保有すれば、数十年後に高く売れる可能性もあります。
メルセデスSLの値段:過去ヤフオクでの落札履歴
では、オークションでは、メルセデスSLはどのような価格がついているのかを見ていきましょう。
中古メルセデス300SL:2700万円で落札
メルセデス・ベンツ・300SLは、ガルウィングが代名詞の高級スポーツカーであるSLクラスの初代モデルにあたります。SLは、もともとレーシングカーとして開発されており、数々の国際スポーツカーレースで成功をおさめた実績があります。
当初、市販予定はありませんでしたが、高級社輸入会社を経営するマックス・ホフマンがアメリカでの需要を見込み、当時のダイムラー・ベンツ社を説得。かくして、1954年にニューヨーク国際オートショーでW198がデビューしました。
メルセデス300SLは、2022年7月1日から7月14日の間に「車選びドットコム」により入札され、2700万円で落札されました。
中古メルセデス190SL:2420万円で落札
メルセデス・ベンツ・190SLは、1954年に発表され1963年まで生産されていました。
300SLが超高級カーだとすれば、190SLは普段使いができる廉価版です
ボディサイズやエンジンがコンパクトとなったため、当時の販売価格も300SLより4割程安く設定されていました。
同車は300SLと外観が非常に似ています。2400mmのホイールベースは同一、また丸いヘッドライト、ウィング形状のオーバーフェンダーなど、非常に類似している点が多々あります。
メルセデス190SLは、2022年7月1日から7月14日の間に「車選びドットコム」により入札され、2420万円で落札されました。
中古メルセデス280SL:22,00万円
メルセデス・ベンツ・280SLは、SL300の二代目にあたる230SLの後継として1967年に誕生しました。
前述したように、初代300SLはレースに参加するなどスポーツカーの要素が強い傾向にありましたが、SL280では、ラグジュアリー性、快適性、高機能性を重視しているのが特徴です。
外観では、凹んだ独特なハードトップ「パゴダルーフ」の美しさが人気です。フランスのカーデザイナーであるポール・ブラックによるもので、シャープで洗練されたイメージが漂います。
メルセデス280SLは、2022年7月1日から7月14日の間に「車選びドットコム」により入札され、2200万円で落札されました。
インフレの時代は旧車投資がおすすめ
メルセデスSLは、名品であるがゆえの価格上昇が見込めるという点で、クラシックカー投資に向いているモデルです。
クラシックカー投資はインフレに強いと言われています。旧車、つまり実物への投資となるため、インフレで物の値段が高くなると、クラシックカーの価格も上昇しやすいためです。お金の価値が目減りするインフレの時代には、クラシックカー投資は趣味と実益を兼ねた投資方法と言えるでしょう。
メルセデス・ベンツSLは、スポーティラグジュアリーな魅力があり、特に人気の車種です。もちろん、価格や初期費用、維持費はそれなりにかかりますが、投資商品としては面白みがあります。インフレヘッジになるだけではなく、趣味として走る楽しみもあるからです。
クラシックカー投資に興味を持った人は、ぜひ以下の記事で、具体的な始め方をチェックしてみてください。