アンティークコインに興味はあるけれど、種類が多すぎて何をどう選べばよいかわからず、戸惑っていませんか?
それもそのはず、アンティークコインは、全世界に現在20万種類ほど存在していると言われています。
その種類はあまりにも多いため、ある程度分類して整理したほうが、効率的にアンティークコインを学べるでしょう。そこで本記事では、アンティークコインの種類、分類方法について詳しく解説します。
具体的には、アンティークコインを以下のように分類していきます。
- 利用目的別
- 時代別
- 素材別
- 国別
アンティークコインを利用目的別に分けると、「地金型コイン」「収集型コイン」「通貨型コイン」「プルーフコイン」「記念コイン」などに分けられます。
時代別に分けると、大きく古代コイン、アンティークコイン、モダンコイン。素材別で分けると、金、銀、銅があります。国別で分けると、欧州を始めとする数多くの国のアンティークコインがあります。
本記事では、アンティークコインの初心者の方向けに、コインそれぞれの種類別のポイントと代表的なコインを紹介しています。
一通り読んでいただければ、ご自分がどのような種類のコインに興味が惹かれるかがわかるのではないでしょうか。
ぜひアンティークコイン選びの参考にしていただければと思います。
アンティークコインの利用目的別の分類
まず、最初に、アンティークコインを利用目的別に分類する方法を紹介します。
地金型コイン
地金型とは、金を含有し、市場価格に連動して取引されるコインのことです。
額面は、金地金の価格よりも低く設定されています。鋳造コスト、流通コストなどのプレミアムが上乗せされており、額面よりも若干高い金額で販売されるのが一般的です。
各国の造幣局が鋳造しており、通貨としても使用可能です。重量と品位は政府によって保証されているので、高い信頼性があります。
金価格をベースにしている点で、価値の安定性が高いため、投資用に使われることが多いのも特徴です。
代表的なものは、カナダのメイプルリーフ金貨です。
メイプルリーフコインは、カナダで発行されているコインで、表面はエリザベス二世の肖像画、裏面はサトウカエデの葉が描かれています。
純金度が高く、美しいため、安定的な人気があります。
発行元 | カナダ王室造幣局 |
発行年 | 1979年 |
品位 | K24(純度99.99%) |
質量 | 31.1g |
量目 | 1oz , 1/2oz , 1/4oz , 1/10oz , 1/20oz |
サイズ | 30mm , 25mm , 10mm , 16mm , 13.9mm |
額面(カナダドル) | 50 , 20 , 10 , 5 , 1 |
収集型コイン(記念コイン)
収集型コインは、記念硬貨のことです。国家的な行事を記念して、発売されることが多いのが特徴です。
額面は、金地金の価格より低く設定される場合が多い傾向にあります。しかし、取引価格は、需要と供給で決まります。希少性が高く状態のよいコインは、額面や地金価格よりも、はるかに高い価格で取引されることが多く、そのプレミアへの期待で、投機として利用される場合もあります。
世界中にコレクターが存在し、投資や投機の対象としてコインを収集する一方で、趣味としてコインを収集している人もいます。
代表的なものに、ウナとライオン金貨があります。
「ウナとライオン」(5ポンド)は、1839年の英ヴィクトリア女王の在位3周年の年に発行された金貨です。
表面は若きヴィクトリア女王、裏面には英国詩人のエドマンド・スペンサーの叙情詩「妖精の女王」に登場するウナとライオンが描かれています。
王立造幣局主任彫刻師のウィリアム・ワイオンによってデザインされており、日本では非常に人気の高いコインです。
2021年にはヘリテージコレクションで、日本のコイン商である「アンティークコインギャラリア」が歴代最高価格となる144万ドル(約1億5840万円 *110円/ドル換算)で落札されています。
発行元 | イギリス王室造幣局 |
発行年 | 1839年 |
質量 | 39.94g |
発行枚数 | 400枚 |
サイズ | 36mm |
額面(イギリスポンド) | 5 |
通貨型コイン
通貨型コインは、収集型コインと同じく記念硬貨の一種です。金融機関では、額面で発売されています。購入時の金相場が安い場合は、売却時に高くなる可能性があります。また、コレクション性が高いため、プレミアがつく場合もあるのが魅力です。
日本では10万円の記念金貨「天皇陛下御在位六十年記念金貨」と「天皇陛下御即位記念10万円金貨」があります。通貨型コインは、世界的に非常に珍しく、それゆえ大きな注目を浴びました。
発行元 | 日本 |
発行年 | 1986、1987年 |
品位 | K24(純度99.99%) |
質量 | 20g |
量目 | 10万円金貨 |
サイズ | 30mm |
額面(円) | 100,000 |
現在の価値(1oz) | およそ15万円 |
プルーフコインとは?
プルーフコインとは、古くは流通用コインを作る前の段階の「試鋳貨(しちゅうか)」を表しました。しかし、現代においてはコインの地肌に綺麗に鏡面処理が施され、スクラッチ(細い線上の傷)などがないコインのことを指します。
プルーフコインは、流通目的というよりは、収集家のためのコインで、特別に丁寧かつ手間をかけて製造されています。流通貨幣とデザインは同じです。店頭で額面通り利用できます。
アンティークコインの時代別の分類
ここでは、アンティークコインを時代別に分類し、その特徴を解説します。時代別のポイントを押さえれば、コイン投資よりが一層楽しいものとなるでしょう。
古代コイン
古代コインは、古代に発行され使われていたコインです。古代の定義は国によって異なりますが、世界史では紀元前から4世紀末のローマ帝国滅亡までとするのが一般的です。
人類が商取引にコインを利用するようになったのは、紀元前600年頃からと言われています。最初は物々交換から始まり、利便性から交通手段や支払いなどでコインを利用するようになりました。
世界最古のコインとして、大英博物館に所蔵されているコインは「リディアン・ライオン」です。紀元前670年にリディア王国(現在のトルコ)で造られました。
純金ではなく、金と銀、その他の金属を混成した「エレクトラム」という合金によって製造されていました。
代表的なコインはリディア「ライオンコイン」です。
発行元 | 古代リディア王国 |
発行年 | BC610~546年 |
品位 | Au73%・Sv27%・その他 |
質量 | 約4.7g |
額面 | スターテル |
種類 | エレクトラム |
表面にはライオンとその頭部に太陽が刻印されています。裏側は表面が盛り上がるように、へこんでおり、図柄はありません。
原始的かつ個性的でシンプルなこの図柄は、権力を象徴するものです。素朴ですがエネルギーに満ち溢れた点がこのコインの魅力と言えるでしょう。
アンティークコイン
アンティークコインは一般に100年以上前のもの、古代以降の中世、ルネッサンスを経た近世、近代の時代に発行された通貨を指します。つまり、5世紀から15世紀のおよそ1500年の長い間に発行されたコインが、アンティークコインと呼ばれているのです。
5世紀から15世紀の1500年は、主に中世、近世、近代のカテゴリに分けられます。では、中世から順番に見ていきましょう。
中世
中世は西ローマ帝国が滅亡し、ルネッサンスが起きるまでの時代を指します。中世の最大の特徴は、教会の権力が強かった点と封建制であった点にあります。
封建制度とは、土地を仲立ちとして結ばれた主従関係に基づくしくみのことです。有名な十字軍の遠征があったのも中世の時代で、11世紀末から13世紀にかけて、8回以上キリスト教徒が東欧にむけて軍事遠征を行いました。
この時代のコインには以下のようなものがあります。
まだ鋳造技術が発達する前のコインであるため、精巧というにはほど遠く、地味な風合いのコインとなっています。
発行元 | 十字軍 |
発行年 | 1163-1201 |
品位 | – |
質量 | 約1g |
サイズ | 18mm |
額面 | デニエール |
表図柄 | ボエモン3世 |
裏図柄 | 十字&新月 |
近世
近世は15世紀から16世紀のルネサンス以降、絶対主義王政、大航海時代の時代を経て、王政に反対した市民による革命が勃発する時代までを指します。
ルネサンスとは「再生」を意味するフランス語で、中世の宗教中心の思想からの解放、個性や自由を尊重した古代の思想、文化、芸術を復興しようという動きのことです。
絶対王政の時代の代表的な金貨としては、チャールズ一世の金貨があります。
表面は王冠を被ったチャールズ1世の肖像、裏面は発行年が表記されています。
直径約50mmの大型で、戦争の莫大な支出の決済手段であったと同時に、チャールズ1世の権力誇示の意図もあったと分析されています。
発行元 | イギリス |
発行年 | 1643 |
品位 | .917 |
質量 | 27g |
サイズ | 50mm |
額面 | 3ポンド |
発行枚数 | 不明 |
近代
近代は市民革命により市民社会が成立した時期からの時代を指します。この時代の代表的な出来事は産業革命とフランス革命です。フランス革命では、市民の手により、ルイ16世とマリーアントワネットは処刑されました。
以下は1775年に発行されたルイ16世のルイドール金貨です。
ルイドール金貨とは、フランス造幣局により、ブルボン王朝のルイ13世の時代から発行され続けていた金貨です。
フランス革命が起きたことにより、ルイ16世の代でルイドール金貨は廃止となりました。それゆえ希少性が非常に高い金貨です。
発行元 | フランス |
発行年 | 1775 |
発行枚数 | 8491 |
質量 | 8.16g |
サイズ | – |
表面 | ルイ16世の肖像 |
裏面 | 王冠、フランスとナバレの紋章を描いた盾 |
モダンコイン
モダンコインとは、近年発行されたコイン全般を指します。現在から100年以内のコイン、1945年以降に発行されたコインをモダンコインと称することが多いようです。
現代は造幣技術が確立されているため、非常に装飾が美しく輝きのあるものが大部分を占めます。
モダンコインは、2022年9月に没したエリザベス二世の即位60周年を記念して発行された5ポンドプルーフ金貨が有名です。
発行元 | イギリス |
発行年 | 2012 |
発行枚数 | 4000 |
品位 | 91.7% |
質量 | 39.94g |
サイズ | 38.61mm |
表面 | 女王最新の肖像 |
裏面 | 1953年の女王の肖像 |
アンティークコインの素材別の分類
次に、アンティークコインの素材別の分類を紹介します。コインの素材は金貨、銀貨、銅貨の3つがあります。
金貨
金貨は金が素材の貨幣を指します。紀元前の昔から、美しいだけではなく、希少性が高く腐食に強いため、通貨として活用されてきました。
金には、純度を表す品位という目安があります。
K24は純金を指し、999.9/1000または999/1000の金は、不純物の混入が非常に少なく、「フォーナイン」と呼ばれています。
本記事前半で紹介したメイプルリーフコインは、品位がK24で、限りなく純度が高いフォーナインです。
メイプルリーフの他に、金貨として有名なものには、以下があります。
- ウィーン金貨ハーモニー
- カンガルー金貨
- パンダ金貨
- キャット金貨
名称 | ウィーン金貨ハーモニー |
発行元 | オーストリア |
発行年 | 1989 |
発行枚数 | 4000 |
品位 | K24(純度99.99%) |
質量 | 31.1g |
量目 | 1oz , 1/2oz , 1/4oz , 1/10oz , 1/25oz |
サイズ | 37mm , 28mm , 22mm , 16mm , 13mm |
額面(ユーロ) | 100 , 50 , 25 , 10 , 4 |
現在の価値(1oz) | 170,653円 |
銀貨
銀貨は銀が素材の貨幣です。
銀は金貨や銅貨と同様に、古くから世界各地で流通してきました。本記事前半で紹介した紀元前6世紀ころのリディアの「ライオンコイン」は金と銀を混成したエレクトラム硬貨でした。
現在、金の価格は銀の約84倍となっています。しかし、アンティークコインの世界では、必ずしも金貨より銀貨のほうが高値とは限りません。
状態、希少性などの要因で、アンティークコインの種類によっては、銀貨は金貨よりも市場価値が高まる場合もあります。
次に紹介するのは、世界的に有名なテトラドラクマ銀貨です。古代ギリシャで流通していました。
表面がギリシャ神話の知恵を象徴する女神アテネ、裏面にフクロウが刻まれています。このテトラドラクマは、フクロウを意味する「グラウカイ」(ギリシャ語)とも呼ばれていました。
発行元 | 古代アテネ |
発行年 | BC510年頃から38年頃 |
品位 | 不明 |
質量 | 不明 |
額面 | 不明 |
種類 | 不明 |
また、モダンコインの銀貨としては、2020年に復刻されたスリーグレイセスイギリス銀貨があります。
発行元 | イギリスロイヤルミント |
発行年 | 2020 |
発行枚数 | 510枚 |
額面 | 10ポンド |
質量 | 156g |
素材 | 銀 |
サイズ | 約65mm |
復刻版のスリーグレイセス金貨についての記事があります。
詳細は以下の記事を御覧ください。
銅貨
銅貨とは、素材が銅で出来た貨幣のことを言います。銅が素材であるため、低コストで発掘や加工がしやすいのが特徴です。
銅は金や銀に比べて、値段が安い傾向にあります。現在の価値は、金1gが約5,220円、銀1gが約60.8円、銅1gが0.75円です。
現在の銅貨で有名なものとして、わたし達が日常で、使用している10円玉硬貨があります。10円玉が大量に存在するように、銅貨は金貨や銀貨に比べると、希少性という点で少し劣る傾向があります。
以下は1939年、フランス領インドシナで発行された1/2セントです。
発行元 | フランス領インドシナ |
発行年 | 1939 |
直径 | 21mm |
組成 | 銅 |
額面 | 1/2セント |
質量 | 不明 |
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国別の分類
ここからは、国別の分類で、各国の特徴や有名コインについて紹介します。
イギリス
イギリスは19世紀、世界の覇権を取り、パックスブリタニカ(イギリスによる平和)の時代を築きました。
そのイギリスのアンティークコインは日本で非常に人気があります。そのデザインの精巧さ、クオリティの高さ、威厳ある君主の佇まいなど、同じ王室のある国の国民として、惹かれてやまないものがあるのかもしれません。
ここでは、有名なコインの種類として、5ギニー金貨と、ソブリン金貨を紹介します。
5ギニー金貨のギニーの名は、アフリカのギニアで産出された金で鋳造されたことに由来します。発行枚数が少ないことにより、希少性が高く、高値で取引される傾向にあります。
ソブリン金貨は、イギリスの1ポンド金貨です。ソブリンとは君主のことで、歴代英国王の肖像が描かれています。
ソブリン金貨が歴史に登場したのは1489年です。それまでは、天使を描いたエンジェル金貨が一般的でしたが、王座に座る国王を描いていたことにちなんで、ソブリン(君主)と名付けられました。
以下の1720年「ジョージ1世5ギニー金貨」は、2300万円の高値がついています。
発行元 | イギリス |
発行年 | 1716年、1717年、 1720年、1726年 |
発行枚数 | 不明 |
額面 | 不明 |
質量 | 不明 |
表面 | ジョージ一世 |
裏面 | 紋章 |
以下は「エリザベス二世ヤングエリザベス聖ジョージ竜退治5ソブリン金貨」です。
1980年から4年間にわたって、故エリザベス2世の若かりし頃のヤングエリザベスを表面に刻んだコインが発行されました。
発行元 | イギリス |
発行年 | 1984 |
発行枚数 | 8000 |
質量 | 39.94g |
直径 | 36.02mm |
表面 | エリザベス2世 第2肖像 |
裏面 | ピストルッチ作の聖ジョージの竜退治 |
フランス
フランスと言えば、自由、平等、友愛の理想を掲げ、王政にNOを突きつけた、フランス革命の国を思い浮かべるかもしれません。一時期はナポレオンの勢いがとどまることを知らず、欧州中がその支配に下った時代もあります。
同時にフランスの首都は「芸術の都」として世界中の羨望と憧れを集めます。フランスには、魅力的な美とその歴史、文化が息づいていると言えるでしょう。
フランスのアンティークコインの単位は、フランです。1999年にユーロ圏に加盟したため、モダンコインはユーロで発行されています。
そんなフランスのアンティークコインでは、ブルボン朝時代のコインとフランス革命後のナポレオン時代のコインが人気です。
以下は1811年のナポレオン1世20フラン金貨です。19世紀以降の20フラン金貨を総称して、ナポレオン金貨と呼ぶ場合もあります。
流通枚数が多いため、希少性はあまり高くありませんが、英雄ナポレオンの人気が高いことから、需要高が見込まれ、注目されているコインです。
発行元 | フランス |
発行年 | 1811年 |
発行枚数 | 3,705,489枚 |
品位 | 不明 |
額面 | 20フラン |
質量 | 不明 |
直径 | 21mm |
イタリア
イタリアと言えば、ローマやミラノ、ベネチアなど世界遺産の宝庫です。歴史の長い国で、古代ローマから、ナポレオンの建国したイタリア王国を経て、1945年に共和政となり今日にいたります。
イタリア王国は1802年、ナポレオン一世によって建国されました。ナポレオンはフランス皇帝であると同時に、イタリア王国の皇帝にもなり、ナポリ王国はナポレオン一世の兄が統治しました。
そのため、イタリアはフランスに次いで、ナポレオン一族のコインが多く、同時に人気が高いのが特徴です。
もう一人、イタリアアンティークコインの中で人気のある人物として、ヴィットリオ・エマヌエレ3世が挙げられます。イタリア王国最後の君主であり、コインの熱心なコレクターであり研究家でした。
1912年には、ヴィットリオ・エマヌエレ3世の100リレ金貨が発行されています。
発行元 | イタリア |
発行年 | 1912年 |
発行枚数 | 4,946枚 |
品位 | .900 |
額面 | 100リレ |
質量 | 32g |
直径 | 35mm |
ドイツ
ドイツが帝国として統一されたのが1871年。1806年にナポレオンに滅ぼされるまでは神聖ローマ帝国でした。統一される前のドイツの地域は、314の領邦国家、1475もの帝国騎士領があり、権力分立状態でした。
そのため、統一と同時に発行されたマルクは帝国の構成国によってデザインが異なり、種類が多く存在します。
ドイツの法定通貨はドイツマルクです。ここでは、金マルクを紹介します。ドイツはブレーメン、ハンブルク、リューベックなど自由都市が多く、その都市ならではのコインも魅力の一つとなります。
以下は1906年のブレーメン20マルク金貨です。ライオンが掲げる盾の中の紋章がブレーメン都市の紋章となります。
発行元 | ドイツ |
発行年 | 1906年 |
発行枚数 | 不明 |
品位 | .900 |
額面 | 20マルク |
質量 | 7.97g |
直径 | 22mm |
オーストリア
オーストリアはドイツと同じく、かつては神聖ローマ帝国でした。ハプスブルク家が神聖ローマ帝国の皇帝として、婚姻政策を中心に盤石な地位を確立し、600年以上に渡る統治を行いました。そのため、ハプスブルク家にまつわるコインが多いのも特徴です。
神聖ローマ帝国の支配が終わりましたが、その後、第一次世界大戦での敗北で、オーストリアの領土は縮小します。ナチスドイツによる併合の後、オーストリアは永世中立国となりました。
ここでは、ハプスブルク家最後の皇帝であるフランツ・ヨーゼフのコインを紹介します。フランツ・ヨーゼフの妻はエリザベートです。ミュージカルでも「エリザベート」として上演されているのでご存じの方も多いかもしれません。
発行元 | オーストリア |
発行年 | 1909年 |
発行枚数 | 不明 |
品位 | – |
額面 | 100コロナ |
表面 | フランツ・ヨーゼフ1世 |
裏面 | 紋章 |
アメリカ
我が国日本と密接な関わりを持つアメリカ合衆国。アメリカに関するニュースを見ない日はないというくらい、アメリカは我々日本人にとって身近な国と言えます。
そのアメリカは欧州と比べて歴史が浅いため、逆にどのようなコインが注目なのか興味がそそられるかもしれません。
アメリカ大陸が発見されたのは15世紀末。アメリカが独立戦争に勝利し、合衆国が成立したのは1776年です。
広大な国土を誇るアメリカでは、バッファローやイーグルなどの動物の描かれた美しい金貨が多いのが特徴です。その他、自由の女神など、アメリカを象徴するモチーフが刻印されたコインの人気があります。
次に紹介するバッファロー金貨は、地金型金貨です。2022年に発行された純金の地金型金貨です。
発行元 | 米国 |
発行年 | 2022年 |
品位 | K24(純度99.99%) |
質量 | 31.1035g |
量目 | – |
サイズ | 32.7mm |
額面(カナダドル) | 50 |
気になるコインを探してみよう
本記事では、アンティークコインにどのような分類があるかを中心に解説しました。
コイン投資では、その分類方法や、歴史を知ると、楽しみが倍になるだけではなく、なぜそのコインに価値があるかを見抜けるようになります。
本記事を一通り読んでいただき、「もっと詳しく知りたい」と感じた部分が、ご自身が理解を深めたいコインのテーマ、領域だと言えます。
どのカテゴリとその国や歴史に興味があるのかがわかったら、そこを起点に深堀してみてください。
きっとアンティークコインへの造詣が深まるはずです。
もし迷ってしまった場合の助けとして、アンティークコインの選び方の記事も用意しております。
なお、弊社ではアンティークコインの販売を行っております。取り扱うコインはすべてIAPNの鑑定を受けていますので、安心してお好みのコインをご購入いただけます。詳細については資料を無料配布しておりますので、ご希望の方は公式LINEからご請求ください。