債券投資には比較的低いリスクで安定した収益を得られる魅力があります。
債券の利回りは発行体の信用力や市場環境によって変動するため、常にランキングや評価情報を確認することが重要です。
この記事では債券の利回りについて解説し、投資家が債券投資を始める際に注意すべきポイントを紹介します。
2023年4月現在でおすすめの債券もランキング形式で紹介するので、投資前の参考にしてみてください。
債券は国や企業が発行する証券の一つ
債券は国や企業が資金調達のために発行する有価証券の一つです。
債券に投資しても満期となる償還日を迎えれば額面全額が返済されるため、投資とは切っても切り離せない関係である損失リスクを最大限抑えることができます。
高い安全性から多くの投資家にとって魅力的な債券について、それぞれの種類を解説していきます。
- 【国債】国によって発行
- 【地方債】地方自治体によって発行
- 【社債】企業によって発行
- 【外国債】外国政府・企業が発行
【国債】国によって発行
国債は国が発行する債券で、国がお金を借り入れるために発行されます。
国債は投資のなかでも高い安全性が特徴の債券で、投資ポートフォリオの一部に組み込む投資家も多く存在します。
発行体である日本政府の信用力が高く、元本保証もされているためリスクを最小限に抑えた投資を実現できます。
個人で国債投資する際は主に「個人向け国債」を利用し、銀行や証券会社といった金融機関で簡単に手に入れることが可能です。
満期はそれぞれ3年、5年、10年で、固定金利型の3年と5年は満期まで利率が変わらないことから利回りを明確にしたうえで安全に投資できます。
最低1万円から1万円単位で購入でき、利子の支払いは年2回、発行から1年経過すれば中途換金も可能と、柔軟性
【地方債】地方自治体によって発行
地方とは各自治体が発行する債券を指します。
都道府県や市区町村から発行されており、地方債によって調達された資金は公共事業などに活用されています。
一般的には国債よりも利回りが高いうえに、自治体の事業支援にも繋がるため投資家から人気のある金融商品の一つです。
政府と同様に発行体の信用力が高いため、比較的安全に投資することができます。
【社債】企業によって発行
企業や金融機関が発行する債券を社債と呼びます。
社債も自社の事業資金調達のために発行されることが多いです。
国債や地法債と比べると信用力の低い債券が目立つこともあり、慎重に投資先を選ぶ必要があります。
【外国債】外国政府・企業が発行
外国政府や外国企業によって発行される債券を外国債と呼びます。
日本国内からでも外国債に投資でき、国債などに比べて高い利回りに期待が可能です。
違う国の金融商品に投資することでリスク分散が行えるため、国債と同時に外国債にも投資家は多く存在します。
海外の経済・政治状況に目を向けて、正しくリスク管理することが大切です。
債券に投資する最大のメリットは安全性
債券投資を行う最大のメリットはその安全性にあります。
債券が信用力の高い発行体から発行されることが多く、資産防衛を重視する投資家にとって非常に魅力ある投資方法と言えるでしょう。
債券投資のメリットを解説するので、安定的な収益を望む方は債券が持つリスク回避力についてぜひご覧ください。
- 元本が保証されるため損失リスクを最大限抑えられる
- 銀行預金よりも高い利子を受け取れる
- 途中での売却によってキャピタルゲインを受け取れる
- 予測性が高く資金計画が立てやすい
元本が償還されるため損失リスクを最大限抑えられる
国債はあらかじめ設定された償還日を迎えると投資元本が目減りすることなく戻ってきます。
株式投資やFX、投資信託のように価格変動によって元本が減少する恐れがないため、心理的にゆとりを持った投資が可能です。
リスクを抑えつつ、将来的なリターンを確保したい投資家には特におすすめの金融商品となっています。
銀行預金よりも高い利子を受け取れる
債券は銀行預金よりも高い利回りを得られる可能性が大きいため、より長期的な資産形成に適しています。
例えば、日本政府が発行する個人向け国債は0.05%の最低金利保証があるのに対し、普通預金の金利はおよそ0.001%程度と超低金利時代が続いているのが現状です。
例えば、0.05%の金融商品に1年間で10万円を投資した場合、利回りは50円となります。
一方、金利が0.001%の金融商品に同じだけ投資した場合、わずか1円の利回りしか得られません。
0.05%の金利が魅力的とは言い難いですが、銀行口座に眠らせておくよりは債券へ投資するほうが資産形成に繋がります。
なお、企業が発行する社債だと金利が3%を超えることもあるため、有利な投資を実現したい場合は選択肢に入れるのも良いでしょう。
途中での売却によってキャピタルゲインを得られる
債券投資では償還日までに定められた利率で利息を受け取るのが一般的です。
しかし、債券は中途換金に対応しており、場合によっては元本よりも高い金額で売却し、キャピタルゲインを得られます。
例えば1万円で購入した債券が何らかの理由で値上がりしたタイミングで売却すると元本よりも多い資金を得られます。
マーケット環境や資金状態によっては手放すこともできる柔軟性も特徴の一つとして数えられるでしょう。
予測性が高く資金計画が立てやすい
債券の利回りは比較的安定しているため、将来の収益予測がしやすく堅実な資金計画を立てるのに役立ちます。
例えば子供の大学費用や老後生活といった将来の支出に備えたい場合は、債券投資でインカムゲインを得ながら資金を守る方法がおすすめです。
金利水準や発行体の信用力によっては利回りが変化することも十分あり得るので、元本保証でも動向には注視し続けましょう。
債券投資は大きな利益を生むことに向いていない
債券は安定的な運用ができる反面、利益を膨らませることは非常に難しい金融商品です。
いくら元本保証という制度があっても、正しくリスクを把握していないと効果的な投資は実現できません。
投資前には必ず債券の負の部分について理解し、メリットを正しく活用できるようにしましょう。
- ローリスク・ローリターンが特徴
- 債務不履行のリスクが少なからず存在する
- 金利が上昇すると債券価格が低下する
ローリスク・ローリターンが特徴
発行体が国や企業である債券は元本保証によって損失リスクが非常に小さく、投資家もローリスクで資金を投じることができます。
固定金利型の商品であれば利率もあらかじめ決まっており、期間中は一定の利回りを得られるので資金計画を立てやすいのも特徴です。
しかし、安全性が高い分収益性に期待することは難しく、株式投資やFXのように爆発的に資金を増やすのには向いていません。
ローリスク・ローリターンという特徴から、リスク許容度が低く安定的な運用を望む方に適しているのが債券投資と言えるでしょう。
債務不履行のリスクが少なからず存在する
債券には債務不履行のリスクが少なからず存在することを理解しておきましょう。
信用力の低い発行体による債券に投資すると、債務不履行によって元本が戻ってこない可能性が考えられます。
特に社債や外債は国債よりも抱えるリスクが大きいため、高い利回りや誰かにおすすめされたという理由だけで投資するのは危険です。
将来性や自分の投資ルールに則って、検討を重ねてから資金を投じるようにしてください。
また、数ある金融商品のなかでトップクラスに安全性が高いとされる国債でも、債務不履行になるリスクは0ではありません。
国債が元本保証なのは発行体である国の信用力が極めて高いからで、万が一政府が財政危機に陥り、資金調達が困難になった場合は国債でも元本が戻らない可能性が考えられます。
政治・経済情勢を常日頃から確認し、投資中の資金を放ったらかしにしないことが投資リスクを抑えるのに重要です。
金利が上昇すると債券価格が下落する
債券価格と金利は反比例の関係です。
金利が上がると持っている債券の価格は下落し、逆に金利が下がると債券価格は上昇します。
金利が上がると今後発行される債券の利回りが上昇し、既存の債券に比べて投資家からの人気が集まる分、発行済み債券は人気も価格も下がるのです。
とはいえ、債券は定期的な利子支払いによって安定収益をもたらすため、長期投資を前提としている場合は金利上昇による価格変動に敏感になる必要はないでしょう。
中途換金の可能性がある場合は、金利上昇リスクに備えた投資戦略を慎重に考えるようにしましょう。
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利率と利回りの違い
利率と利回りは混同されがちな言葉ですが、実は違う概念です。
利率は債券や預金など、金融商品の額面金額に対して受け取る利息の割合を指します。
一方利回りとは、その商品に投資した際の実質的な収益率のことです。
例えばある債券の額面金額が100円で利率が1%だった場合、1年間で受け取る利息は1円です。
しかし、実際に債券を購入し、1年後に元本と利子を受け取った際の収益率が1.1%だった場合は、利回りが「1.1%」ということになります。
正確な理解を進めて、効果的なリスク管理や資金管理を行えるようにしましょう。
債券の選び方のポイント
債券投資は安定した収益を得られる投資方法の一つですが、選び方によってはリスクや収益が大きく変わります。
債券の選び方について2つの視点から解説するので、自身に合った債券選びの参考にしてみてください。
- 発行体の信用力
- 償還日までの期間
発行体の信用力
債券投資において、発行体の信用力を図ることは非常に重要です。
発行体の信用力が高ければ、元本を償還する能力も高まるため、投資家はより安心して投資ができます。
一方、発行体の信用力が低い場合は債券の元本が返済されなくなる可能性があるため、債券投資最大のメリットである安全性を享受できません。
発行体の信用力は格付機関によって評価され、「投資適格」という記号で各債券の信用リスクを判断できるようになっています。
投資家は自分のリスク許容度に合わせて信用力の高い発行体の債券に投資することが将来的なリスクの削減に繋がります。
償還日までの期間
債券を選ぶ際には、元本が戻ってくる「償還日までの期間」も注目しましょう。
償還日までの期間が長いと金利変動リスクが大きくなり、逆に短いと金利変動リスクが下がります。
より安定感のある投資の実現や、投資ポートフォリオの組み替えを容易にするのであれば短期の債券を選ぶと良いでしょう。
長期債券に加えて収益性が劣る可能性があることには注意してください。
債券に投資するなら投資信託がおすすめ
複数の債券を組み合わせた投資信託であれば、個別の債券に投資するより更にリスク分散が可能です。
また、投資信託は運用をプロに任せられることから、忙しい日々を送っている人の資産運用方法としても効果的といえます。
投資信託によって債券投資を行うメリットを解説するので、自身の投資知識にまだ不安を抱えている方はぜひご覧ください。
- 手軽に複数の債券に投資できる
- ファンドマネージャーに運用を任せられるr
手軽に複数の債券に投資できる
債券への投資時に、手軽かつ複数の債券に分散投資しやすいのが投資信託です。
債券に特化した投資信託は複数の債券を組み合わせてポートフォリオを構築し、投資家に代わって運用が行われます。
自身で債券選びや運用を行う手間が省けるため、本業が忙しい方でも投資を始めやすいのが特徴です。
国内だけじゃなく海外の債券を組み入れた投資信託もするため、個人では難しい幅広い投資を実現できます。
ファンドマネージャーに運用を任せられる
自分の代わりに運用を行ってくれるのは、投資や債券に関するプロである「ファンドマネージャー」です。
債券市場に詳しくない個人投資家でも、投資信託であれば専門知識を持つファンドマネージャーに運用を任せられるため、良い結果に期待することができます。
運用実績を確認できる透明性を保っているため、投資家本人も運用方針やリターンのチェックが可能です。
【2023年4月】おすすめの債券利回りランキング
2023年4月現在でおすすめの債券利回りランキングを紹介します。
今回紹介するのは債券で組まれた投資信託となっており、ランキングから投資先を決めれば自然に分散投資が可能です。
紹介する各基準価額と1年のリターンは2023年4月時点での数字なので注意してください。
- 1位:eMAXIS国内物価連動国債インデックス
- 2位:MHAM物価連動国債ファンド
- 3位:日本物価連動国債ファンド
- 4位:One円建て債券ファンド2020-11
- 5位:年金積立日本短期債券オープン
- 6位:ジャパン・ソブリン・オープン
- 7位:ジャパン・ソブリン・オープン(資産成長型)
- 8位:ニッセイ国内債券アルファ
- 9位:ダイワ住宅金融支援機構債ファンド-Mr.フラット
- 10位:One円建て債券ファンド2021-03
1位:eMAXIS国内物価連動国債インデックス
三菱UFJ国債のeMAXIS国内連動物価国債インデックスは、主に物価に連動した国債です。
連動国債なので、利付国債のように償還金額が固定ではない点に注意しましょう。
基準価額は9,761円で、1年のリターンは2.66%です。
2位:MHAM物価連動国債ファンド
アセットマネジメントOneのMHAM物価連動国債ファンドも物価に連動する国債です。
将来のインフレリスクに期待できるのが特徴となっています。
基準価額は11,652円で、1年のリターンは2.45%です。
3位:日本物価連動国債ファンド
大和アセットマネジメントの日本物価連動国債ファンドも物価に連動しており、ファンダメンタルズ分析や財政政策分析といった様々な方法でポートフォリオが構築されます。
基準価額は10,267円で、1年のリターンは2.24%です。
4位:One円建て債券ファンド2020-11
AM-OneのOne円建て債券ファンドは、投資対象が日本国内債券と円建てされた外国債券の両方であり、多様な運用が可能です。
基準価額は10,127円で、1年のリターンは0.18%です。
5位:年金積立日本短期債券オープン
日興の年金積立日本短期債券オープンは、日本国内の短期公社債に投資し、安定した運用を目指しています。
基準価額は10,292円で、1年のリターンは0.00%です。
6位:ジャパン・ソブリン・オープン
三菱UFJ国際投信のジャパン・ソブリン・オープンは、短期・長期の債券に満遍なく投資しており、金利変動リスクなどに備えられる金融商品となっています。
基準価額は9,038円で、1年のリターンは-0.27%です。
7位:ジャパン・ソブリン・オープン(資産成長型)
同じく三菱UFJ国際投信のジャパン・ソブリン・オープン(資産成長型)は、成長性の高い債券にも投資し、より高いリターンを目指すことが可能です。
基準価額は10,022円で、1年のリターンは-0.28%です。
8位:ニッセイ国内債券アルファ
ニッセイのニッセイ国内債券アルファは日本国内の債券に投資し、キャピタルゲインの獲得も目指しつつリターンの最大化を目指す金融商品です。
基準価額は9,513円で、1年のリターンは-0.47%です。
9位:ダイワ住宅金融支援機構債ファンド-Mr.フラット
大和のダイワ住宅金融支援機構債ファンド-Mr.フラットは、住宅金融支援機構が発行する債券に投資し、高い信用力を生かした運用を目指しています。
基準価額は9,795円で、1年のリターンは-0.52%です。
10位:One円建て債券ファンド2021-03
AM-OneのOne円建て債券ファンド2021-03は、日本国内債券と円建てした外国債券の両方に投資する金融商品で、国内外への分散投資が可能です。
一定以上の投資適格として評価された債券が投資対象なので、リスクの低減も可能となっています。
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債券への投資時には発行体の信用力と償還期間に着目しよう!
債券は比較的安全な金融商品で、資産防衛を行いつつ収益獲得も目指せる柔軟性が魅力的です。
投資ポートフォリオに組み込めば、元本保証による債券の安全性がリスク分散に効果を発揮し、投資家の資産を長期的に守ることもできます。
債券の利回りは発行体の信用力や償還期間、経済状況など様々な要因の影響を受けるため、安全性が高い金融商品とはいえ情報収集は欠かせません。
もし金融知識に自信がなく、どの債券に投資することが資金防衛に繋がるかわからない場合は、専門知識を持ったプロに相談するのも良いでしょう。
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