カナダを代表する金貨である「メイプルリーフ金貨」。
流通量・知名度共にトップのメイプルリーフ金貨は日本でも実物資産として人気を博しています。
金価格が上昇した2020年頃から改めて注目を浴びるようになり、安全資産である金に投資できることもあって新たな投資先として選ぶ人々が増え始めました。
今回はこのメイプルリーフ金貨の歴史や特徴に加え、投資先として選択するメリットとデメリットを解説します。
金相場の値動きと併せて投資タイミングなども解説するので、投資を始める前に一読いただけますと幸いです。
メイプルリーフ金貨はカナダ政府が価値を保証している通貨
世界でトップクラスの流通量を誇る金貨である「メイプルリーフ金貨」。
カナダ王室造幣局が1979年から発行を開始し、2022年現在まで40年以上製造が続いています。
元々は法定通貨として使用するために発行されましたが、現在はコレクションや投資用の「地金型金貨」として有名です。
カナダ政府公認の金貨であるため国際的にも信頼性が高く、資産運用のための投資先としてもおすすめと言えます。
また、メイプルリーフ金貨は金の純度が99.99%であるため、金へ投資したい方にも適している実物資産となっています。
メイプルリーフ金貨にはカナダを象徴するデザインが彫刻
メイプルリーフ金貨には、カナダを象徴するデザインがあしらわれています。
表面に彫刻されているのは、2022年9月に崩御したイギリスウィンザー朝第4代目女王「エリザベス2世」の横顔です。
エリザベス2世はイギリスだけでなく、カナダも属する英連邦王国の君主でもあったことから、カナダの金貨にモチーフとしてあしらわれました。
メイプルリーフ金貨の製造年によってエリザベス2世の年齢や表情が違うのも大変洒落のある特徴の一つとなっています。
そして裏面にはカナダの国樹であり、国旗のデザインにも使用されている「サトウカエデの葉」が彫刻されています。
葉の質感や葉脈が繊細に表現されており、今にも風に舞っていきそうなほどのリアルなデザインが特徴です。
また、メイプルリーフ金貨が純金であることを表す「9999」の数字も記載されています。
純金の輝きと、シンプルながらも洗練されたデザインが人々から長年愛される理由で、投資先だけではなく、コレクションとしても人気を博している金貨です。
金価格の変動でメイプルリーフ金貨の価格推移に変化
純金でできているメイプルリーフ金貨は、金価格によって価格が推移します。
金価格の動きと同じようにメイプルリーフ金貨の価格も変動するため、売却益を目的とした短期もしくは中期的な保有を行う際には特に金相場を注視しなければなりません。
2022年10月現在、日本国内の金価格は10年前の2012年と比較して約3倍近くになっています。当時から金を持っていた方は大きな利益を得たことでしょう。
しかし、これから金に投資し、売却益を得たいと考えている場合は注意が必要です。
新型コロナウイルスが流行し始めた2020年には、経済リスクから逃れるために安全資産である金へ投資する人々が増加し、国内でも金価格最高値である「7,769円/1g」をつけました。
2022年突入後もウクライナ情勢の悪化といったネガティブなニュースにより金が相次いで買われ、4月には一時「9,000円/1g」まで迫るなど、急騰を見せました。
しかし、その後はウクライナ情勢や新型コロナウイルス収束の兆しにより、投資家の資金が再度他の資産に流れ、金価格は一段落したという見方が強まっています。
日本国内の金価格は円安時に高騰するケースが多く、一般的には売りのタイミングとして考えられることが多いです。
円安は現在も続いており、国内金価格も8,000円台後半という水準で推移していますが、これを頭打ちと見るか、さらに上昇するか判断するのは難しいでしょう。
希少性のある金の価格は長期的には上昇する可能性が高いです。しかし、投機目的の場合は、2022年が金貨を購入するタイミングとして適しているとは言い難いでしょう。
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地金型金貨「メイプルリーフ金貨」に投資するメリット
次に地金型金貨であるメイプルリーフ金貨に投資するメリットを解説します。
- 手数料を支払わなくても購入できる
- コイン形の実物資産だから保管が簡単
- 安全資産の金を持つことでリスクヘッジになる
手数料を支払わなくても購入できる
メイプルリーフ金貨に投資する1つ目のメリットは、手数料を支払わなくても購入できることです。
インゴットや金の延べ棒と呼ばれる「金地金(きんじがね)」は、500g以下の購入を行う場合、手数料が発生します。
一方で、地金型金貨であるメイプルリーフ金貨は、重量による手数料が発生しません。そのため、同じ予算であれば地金型金貨のほうが金そのものへ投資しやすいのが特徴です。
とはいえ、加工費や輸送費など「プレミアム」という付加価値分の手数料は加算されるので注意しましょう。
コイン型の実物資産だから保管が簡単
メイプルリーフ金貨に投資する2つ目のメリットは、コイン型の実物資産であるため保管が簡単なことです。
金貨は専用のケースなどに入れて保管しておけば汚れることはほとんどありません。また、小さなサイズなので保管スペースを必要とせず、保管コストも抑えられます。
簡単に保管できることから、保有中の出費を抑えながら資産運用を行えるのがコイン型の資産を持つメリットと言えるでしょう。
安全資産の金を持つことでリスクヘッジになる
メイプルリーフ金貨に投資する3つ目のメリットは、安全資産の金を持つことでリスクヘッジになることです。
2022年現在は、今後の金価格予想が難しい状況です。
しかし、そもそも金の埋蔵量には限度があり、減ることはあっても増えることはないため、株式や通貨のように無価値になることは考えられません。
そのため、長期的には価値が高まっていくとの見方が強いのが金の特徴です。
投資である以上絶対はありませんが、低金利が続くなか、ただお金を寝かせているだけでは資産は増えていきません。
投資に興味があり、最初は低リスクで資産運用をしてみたいという方は安全資産の金から作られるメイプルリーフ金貨に少額投資してみるのもおすすめです。
地金型金貨「メイプルリーフ金貨」に投資するデメリット
地金型金貨「メイプルリーフ金貨」に投資するデメリットを解説します。
- 保管し続けても利息がつかない
- 金価格が下落すればメイプルリーフ金貨の価値も下がる
保管し続けても利息がつかない
メイプルリーフ金貨に投資するデメリットは、保管し続けても利息がつかないことです。
投資で得る収益は、資産を持ち続けることで発生する「インカムゲイン」と、資産を購入時価格より高い価格で売った場合の「キャピタルゲイン」が存在します。
金貨は良いタイミングで売却できればキャピタルゲインが発生しますが、インカムゲインは発生しません。
株式投資であれば配当、不動産投資であれば家賃収入といったように、インカムゲインも投資における大きな収入源の一つとなりますが、金貨への投資ではその恩恵を受けられないのです。
安全資産という側面は持っていますが、他の実物資産などと比較すると多少不利な面も持っていると言えるでしょう。
金価格が下落すればメイプルリーフ金貨の価値も下がる
メイプルリーフ金貨に投資するデメリットは、金価格が下落すればメイプルリーフ金貨の価値も下がることです。
コイン投資で人気がある「アンティークコイン」などは、100年以上前に製造されたという事実が価値を保証しており、金融市場の影響は受けにくいとされています。
しかし、メイプルリーフ金貨はその日の金価格が直接価値に影響を及ぼすため、価格予想が難しく、明日価値が暴落する可能性もないとは言えません。
金融市場や世界の情勢によって常に価格が変動するため、常に市場を追いながらの投資になり、場合によっては日々の値動きがストレスとなることも考えられます。
メイプルリーフ金貨は4種類存在|オンスによって価格が変わる
メイプルリーフ金貨には「1oz」、「1/2oz」、「1/4oz」、「1/10oz」の4種類が存在します。
「oz(オンス)」とは、金貨を含む貴金属の重さを表す単位で、1ozをグラム換算すると「30.1035g」。オンス数が大きければ所持している金の量も増えるため、コイン価格は高くなります。
ちなみに、500円玉の重さは約7g。1oz金貨はずっしりと金の重みを感じられるのが特徴です。
それぞれの主な違いは重さとサイズで、製造年によるデザインの違いはあれど基本的にはすべて同じ見た目となっています。
また、メイプルリーフ金貨は本来法定通貨として発行されたため、それぞれの金貨にカナダドルの額面が記載されているのも特徴です。
メイプルリーフ金貨は金価格によって価格が決まるため、記載されている額面での取引はできませんが、発行当初のなごりを趣の一つとして楽しめます。
人気金貨ゆえに偽物も出回っている
メイプルリーフ金貨は世界でもトップクラスの知名度と人気を誇ります。
流通量も多く、手に入れたいと考える人が多数存在する金貨ですが、それゆえに偽物も多く出回っているのも事実です。
オークションサイトでメイプルリーフ金貨を購入したものの、実は銀貨に塗装を施したものだったというケースも少なくありません。
初めて金貨を購入する方だと本物かどうか見分けるのは難しく、特にネットを介しての購入は実物を確認できないため、より偽物を掴まされる可能性が高くなります。
プロの鑑定士でないと見分けがつかない場合もあるため、詳細がわからないような出品者からは購入しないことを徹底することが重要です。
メイプルリーフ金貨を高く売るために意識したいポイント
メイプルリーフ金貨を高く売るために意識しておきたいポイントを解説します。
投資目的でメイプルリーフ金貨を所持するのであれば、ただやみくもに保有しておけば良いというわけではありません。
実物資産への投資で収益を得るには、投資家的な目線とコレクター的な目線の両方が必要です。
投資を始める前に要点を抑えて、失敗を未然に防ぎましょう。
- 金相場を常に注視する
- 大切に保管して状態をキープする
- 買取業者を前もって調査しておく
金相場を常に注視する
メイプルリーフ金貨を高く売るために意識したい1つ目の注意点は、金相場を常に注視することです。
メイプルリーフ金貨は純度99.99%の金貨なので、金相場の影響をダイレクトに受けます。
長期保有を目的としていない場合は特に日頃から金相場を気にかけるようにし、値動きに敏感になるようにしましょう。
また、投資額が大きければ大きいほど金価格が下落したときの含み損も大きくなるため、適切な損切りを行うためにも日々の価格やトレンドを把握することは重要です。
大切に保管して状態をキープする
メイプルリーフ金貨を高く売るために意識したい2つ目の注意点は、大切に保管して状態をキープすることです。
金貨の買取査定額は金価格だけじゃなく、金貨そのものの状態によっても変動します。
状態の悪さによる買取査定額の値下がりによって損失が発生する可能性もあるので、金貨を取得した場合は専用のケースやアルバムに入れて大切に保管するようにしましょう。
大変美しい金貨なので手にとって眺めたくなることもありますが、将来的な売却を見据えるなら必要最低限の取り出しでとどめることをおすすめします。
買取業者を前もって調査しておく
メイプルリーフ金貨を高く売るために意識したい3つ目の注意点は、買取業者を前もって調査しておくことです。
金価格は日々変動するため、売却が1日遅れただけで査定額が大きく下がる可能性は大いに考えられます。
高騰したタイミングでスムーズに売却するためには、買取業者は事前に調査しておき、現金化までの道筋を作っておくことが重要です。
また、金貨の価格は金相場に大きく依存するため、業者によって査定額が大きく変わることはありません。
しかし、できることなら少しでも高い価格で売却したいと思うのが普通の考えです。
口コミや過去の実績から経営体制などに問題ない業者をリストアップしておき、複数業者に並行して査定依頼をすると、一番高く売れる業者を炙り出せます。
お店によっては他店の査定表を提出することで査定額を上乗せしてくれるケースもあるので、複数の選択肢を持って売却することをおすすめします。
カナダのメイプルリーフ金貨を購入できる場所
カナダのメイプルリーフ金貨は、主に地金金を取り扱う業者から購入するのがおすすめです。
オークションサイトやネットショップでも購入できますが、安全性を考えれば専門の貴金属ショップから購入するほうが良いでしょう。
製造年にこだわりがあり、オークションなどでしか希望の品が見つからない場合には、出品者の情報をできるだけ詳しく調べ、偽物を掴む可能性を完全に潰してから購入してください。
また、当社でもアンティークコインを販売しております。ご興味のある方は公式LINEの友達登録を行っていただき、そちらから資料請求をお願いいたします。
カナダのメイプルリーフ金貨は金相場を注視しながら投資しよう
今回はカナダ王立造幣局が製造しているメイプルリーフ金貨について紹介しました。
40年以上の歴史があるメイプルリーフ金貨は、純度99.99%の金貨として世界中で愛されています。
2022年は金相場の値動き予測が立てづらく、メイプルリーフ金貨の購入タイミングとしては非常に難しい年と言えるでしょう。
短期保有による売却益を目的としている場合、高値掴みとなって損失が発生する可能性も考えられるので、購入にはより一層慎重になることをおすすめします。
ベストなタイミングで投資し始めるためにも、金相場の動きを日頃からチェックし、小さなチャンスを逃さないようにしましょう。
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