ジョージ4世5ポンド金貨は、ここ数年で特に価値を高めているアンティークコインの一つです。浪費王として悪名高いイギリス国王でしたが、彼がモチーフとなった金貨は2,000万円以上の価格で落札されることも。
当記事では、ジョージ4世5ポンド金貨に関する今後の価格変動やコインの歴史的背景を解説します。
価値が急上昇している「ジョージ4世5ポンド金貨」
昨今、益々希少価値を高めているアンティークコイン。そのなかでも特段価値を上昇させているのが「ジョージ4世5ポンド金貨」です。
モチーフとなっているのは1820年から10年間イギリス国王として在位したジョージ4世。表面に彫刻された彼の横顔は今にもこちらへ視線を向けてきそうなほどのリアリティで、顔のシワや髪の毛のウェーブといった細部の質感まで緻密に再現されています。
裏面に彫刻されているのは王家の紋章が描かれた「マント」のデザインで、肉眼では全容を把握できないほど精巧な作りとなっているのが特徴です。
デザインを手掛けたのはイギリスを代表する彫刻師「ウィリアム・ワイオン」で、世界で一番美しいコインとの呼び声も高い「ウナとライオン」の製作者としても知られています。
「希少性有形資産」として世界中の投資家が関心を寄せているアンティークコインですが、ジョージ4世5ポンド金貨はそのなかでも特に注目を集めているコインと言えるでしょう。
状態の良いPR63 CAMEOにはなんと約2,300万円の価格がつく
急激に価値を伸ばしている「ジョージ4世5ポンド金貨」。
2022年1月に行われたオークションでは「PR63 CAMEO」の評価がついた品が2,300万円で落札されました。手数料を含めると2,500万円にものぼり、そもそも市場に姿を表すこと自体が稀とも言えるコインとなっています。
高グレードだと落札価格が2,000万円を優に超えるケースもあるジョージ4世5ポンド金貨ですが、さらに特筆すべき点は約10年で5倍近い値上がりが起こっている事実です。
2008年5月に「PR66」に鑑定された品がオークションに出品されましたが、この時の落札価格は「55,200米ドル」でした。
当時の日本円に換算すると約570万円で、2,300万の値がついた品よりグレードが高いにも関わらず4分の1程度の入札額で落札できる価値でした。この事実からも、ジョージ4世5ポンド金貨はここ最近、投資家からの熱い注目を集めている存在であることがわかります。
同コインはコレクションとして楽しみながら堅実な投資ができる「コレクタブル資産」として大変おすすめの品です。
彫刻されている「ジョージ4世」とは?
彫刻されている「ジョージ4世」とは、イギリス・ハノーバー朝の4代目国王を務めた人物です。また、60年近くイギリスを統治したヴィクトリア女王の伯父にもあたります。
ジョージ4世は、先代国王であるジョージ3世とその妻であるシャーロット王妃の長男として1762年に生を受けます。
幼少期から英語やフランス語、ドイツ語など複数の言語を学び、芸術や文化知識にも長けていたことから「イングランド一のジェントルマン」との呼び声も高かったようです。
その反面、私生活では堕落しきった日々を送っていたという記録が残っています。
若くして多額の借金や複数の愛人を抱えており、厳格でスキャンダルも一切なかったジョージ3世は彼の利己的な性格に大変頭を悩ませていました。
1820年、父としての悩みを抱えたまま病によって崩御したジョージ3世の後継として、ジョージ4世は57歳で国王に即位します。
しかし、摂政皇太子時代から政治への介入が少なかった姿勢は王に君臨してからも変わることなく、民からは悪名高い国王として反感を買っていました。
晩年は長年の不摂政がたたり、現代でいう生活習慣病によって67年の生涯を閉じることになります。
文化発展には大きく貢献したものの、「浪費王」と呼ばれたジョージ4世はお世辞にもリーダーとしての素質に恵まれた人物ではなかったようです。
悪名高いジョージ4世の5ポンド金貨が価値を高めている理由
決して国民から慕われていたとは言い難いジョージ4世。その人物が彫刻された金貨の価値がなぜ高まっているのか、不思議に思う方も多いのではないでしょうか。
ジョージ4世5ポンド金貨がこれほどまでに価値を高めているのは、主に以下の3つが大きな理由となっています。
- 発行枚数が少ないことで希少性が高まっている
- 巨匠「ウィリアム・ワイオン」の作品
- デザインの圧倒的クオリティ
理由1:発行枚数が少ないことで希少性が高まっている
ジョージ4世5ポンド金貨が価値を高めている1つ目の理由は、発行枚数が非常に少ないことです。
その枚数はたったの「150枚」。
同じくウィリアム・ワイオンによって制作された傑作「ウナとライオン」ですら「400枚」発行されているので、この金貨の発行枚数の少なさは際立っていると言えるでしょう。
ジョージ4世が在位中だった1825年から1830年までの5年間で発行が行われ、現存しているものは発行当時よりもさらに少ないとされています。
理由2:巨匠「ウィリアム・ワイオン」の作品
ジョージ4世5ポンド金貨が価値を高めている2つ目の理由は、巨匠「ウィリアム・ワイオン」の作品だからです。
当記事の主役であるジョージ4世5ポンド金貨は、数あるアンティークコインのなかでも一番有名な「ウナとライオン」を制作した「ウィリアム・ワイオン」が手がけています。
そんなワイオンは、今もなお現存する「王立造幣局(ロイヤル・ミント)」の局長を務めただけでなく、ヴィクトリア朝を代表する彫刻師としても有名でした。
現代でも彼の作品である「ウナとライオン」や「スリーグレイセス銀貨」の復刻版が発売されると瞬時に売り切れてしまうなど、大変根強い人気を誇ります。
アンティークコイン全体の価値が上がっていることもありますが、純粋にワイオンの息吹きが宿った作品の入手を望む方が増加しているのも理由の一つとして考えられるでしょう。
理由3:デザインの圧倒的クオリティ
ジョージ4世5ポンド金貨が価値を高めている3つ目の理由は、デザインの圧倒的クオリティによるものです。
ワイオンが手がけた「ウナとライオン」に負けず劣らずのデザインを誇るジョージ4世5ポンド金貨は、とにかく精巧な彫刻が細部まで施されているのが特徴です。
特に裏面に彫刻された王室のマントのデザインには、肉眼ではディティールを確認できないほど繊細な表現がなされています。
その細かな彫刻によって、まるでひらひらと風になびきそうなマントの柔らかな質感まで再現されているのも大変見ものと言えるでしょう。
また、小指の爪よりも小さく彫刻された10匹のライオンのたてがみや尻尾の毛並みまで美しく表現されており、まさに息を呑むほどの仕上がりです。
一目見ただけで格式高いイギリス王室の雰囲気に呑み込まれそうなコインとなっています。
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他のアンティークコインの落札価格について
年々価値を高めているジョージ4世5ポンド金貨ですが、比較として他のアンティークコインの落札事例も見ていきましょう。
アンティークコインはその希少性から年々価値が上がる可能性が高く、投資するタイミングは早いほうが良いとされています。
無闇に投資し続けるのは禁物ですが、需要が高まるタイミングで投資するためにも事前に選択肢を増やしておくことは重要です。
- ウナとライオン5ポンド金貨
- ジョージ3世ソブリン金貨
- ジョージ6世5ポンド金貨
では1つずつ紹介します。
ウナとライオン5ポンド金貨 最高落札額:1億5,840万円
1例目として紹介するのは、ウナとライオン5ポンド金貨です。
2021年に開催されたヘリテージオークションでは、PF66★Ultla CAMEOという世界一のグレードに鑑定されたウナとライオンが出品されました。
落札額はなんと「1億5,840万円」。
日本企業によって歴代最高価格で落札されました。
実は2020年に開催されたオークションでも「ウナとライオン」が出品されましたが、この時の落札額は約8,000万円。
グレードが違うとはいえ、1年経過しただけで価値が倍近くになったのは大変驚きです。引き続きどのような価格推移が発生するか非常に楽しみなコインと言えるでしょう。
ジョージ3世ソブリン金貨 落札額:約570万円
2例目には、ジョージ4世の父親であるジョージ3世がモチーフとなった「ジョージ3世ソブリン金貨」の落札額を紹介します。
2021年9月に開催されたヘリテージオークションにMS65グレードが出品された際には「55,200米ドル」で落札されました。
当時のドル円レートから換算すると「約570万円」ほどで、ウナとライオンやジョージ4世5ポンド金貨までとはいかなくとも、一定の価値がついています。
また、ソブリン金貨はイギリスの法定通貨のことで、現在も発行が続いている通貨です。
ある一定期間中に発行されたコインよりも価値は低くなりがちですが、発行された年度によっては大変な価値が付くケースもあります。
今回の場合は、ジョージ3世が崩御した1820年に発行された品だったのに加え、グレードの高さゆえにこれだけの高値で落札されたようです。
ジョージ6世5ポンド金貨 落札額:約250万〜300万
最後に紹介するのは、ジョージ6世5ポンド金貨です。
コインのモチーフとなったのは1936年から1952年までの16年間をイギリス国王として務めた「ジョージ6世」。
現イギリス女王であるエリザベス2世の実の父親でもあります。2010年には「英国王のスピーチ」という映画でも話題となりました。
当時王女だったエリザベス女王と笑顔で会話している様子の写真(1946年撮影)が残っていたりと、現代に生きる私たちにとってもかなり身近な時代を生きたイギリス国王です。
そんな彼のアンティークコインは、現在約250万円から300万円程度の相場で取引が行われています。
表面には短髪で凛とした表情を浮かべるジョージ6世の横顔が、裏面には竜退治に向かうセントジョージの彫刻がなされています。
2009年には14万円で取引されることもありましたが、この10年間で着々と価値を高めており、今後の値上がりに期待したいコインの1枚です。
アンティークコインを手に入れる方法
ここでは歴史あるアンティークコインを手に入れる方法を解説します。
非常に高価なものから、比較的安価で手に入れられるものまでさまざまですが、投資目的で購入する場合は、購入経路には特に注意が必要です。
当記事をお読みいただくだけでなく、お客様ご自身でも入念にリサーチを行っていただき、信頼の置けるルートでアンティークコインをご入手いただければと思います。
- 信頼できる店舗で直接購入
- アンティークコイン専門オンラインショップで購入
- オークションサイトで落札する
1つずつ解説します。
信頼できる店舗で直接購入
アンティークコインを手に入れる1つ目の方法は、信頼できる店舗で直接購入することです。
実店舗であれば、コインを確認しながらディーラーに直接相談できます。
また、アンティークコインの格付け鑑定を行う第三者機関として世界から信頼を得ている「PCGS」と「NGC」から承認を受けているお店か事前に確認することも大切です。
アンティークコイン専門オンラインショップで購入
アンティークコインを手に入れる2つ目の方法は、アンティークコイン専門オンラインショップで購入することです。
アンティークコインは実店舗だけでなく、オンラインショップでの購入も可能です。
実店舗を経営しているショップは並行してオンラインショップも経営している場合が多いため、信頼できるお店が遠方にある場合は特に有効活用できます。
配送中の事故で商品が破損した場合の保証など、資産を守るための制度を導入しているお店を選ぶことが重要です。
オークションサイトで落札する
アンティークコインを手に入れる3つ目の方法は、オークションサイトで落札することです。
日本国内のオークションサイトでもアンティークコインは落札可能です。
しかし、落札価格が何百万円とするようなレアなコインを目にする機会は少ないでしょう。
また、お店などと比較して出品者の情報がわかりにくいため、念入りな調査を行い、安易な入札は行わないようにしてください。
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他にない希少性から今後の価格上昇に期待できる
今回はジョージ4世をモチーフとした「ジョージ4世5ポンド金貨」について解説しました。
このコインは、発行枚数の少なさや、ウィリアム・ワイオンによる圧倒的な造形美によって、これまで価値を高め続けてきました。
アンティークコイン市場全体が盛り上がりを見せているなかでも特に価格の上がり方が大きく、今後も動向を追い続けたい1枚と言えるでしょう。
浪費王として悪名高かったジョージ4世でしたが、イギリスの文化発展には欠かせない人物の一人であったことは間違いありません。
彼が愛してやまなかったイギリスの芸術は、彼自身が金貨となって今もなお受け継がれています。
コイン投資はスピードが大切なので今から始めてみよう
希少性や需要の高まりから、安定した値上がりに期待できるのがアンティークコインの特徴です。
為替や株券などは災害や経済リスクによって大幅に価値が下落する可能性が考えられます。しかし、アンティークコインはこれまでの歴史が価格に直結するため、急激に価値を下げるリスクが少ない安全資産でもあります。
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