モロッコアンティークコインを紹介します。特徴やおすすめ金貨・銀貨などを見てみるので、概要が分かるでしょう。なかなかユニークなアンティークコインもあり、比較的安価に入手できるので、興味がある方はぜひモロッコアンティークコインで投資をしてみてください。
モロッコ(Morocco)とはどんな国?
モロッコアンティークコインについて説明する前に、まずモロッコとはどんな国なのかを紹介しましょう。
位置情報
モロッコは北アフリカ北西部に位置し、アルジェリアや西サハラなどと国境を接し、大西洋や地中海に面しています。
国の中央には最高峰4000m以上のアトラス山脈が東西に走り、活発な地殻活動を続けています。ジブラルタル海峡の反対側にはスペインが位置し、フェリーで行き来することが可能です。
面積や人口などの基本情報
モロッコの面積は44.6万平方キロメートルで、日本の約1.2倍。人口は3,603万人(2018年 世銀)、首都はラバトという街です。最大の都市はラバトではなく、カサブランカです。
民族・言語・宗教など
モロッコの民族はアラブ人(65%)、ベルベル人(30%)で構成され、使用される言語はアラビア語(公用語)、ベルベル語(公用語)、フランス語などです。
宗教はほとんどの国民がイスラーム教(国教)スンニ派を信じています。
歴史
モロッコの20世紀以降の歴史を簡単にまとめてみましょう。
1912年3月 | フェズ条約によりフランスの保護領となる |
1956年3月 | フランスから独立 |
1961年2月 | モハメッド5世逝去、ハッサン2世国王即位 |
1962年12月 | 憲法発布 |
1970年7月 | 憲法が改正され、2院政が廃止される |
1972年3月 | また憲法改正 |
1989年2月 | アラブ・マグレブ連合条約調印 |
1996年9月 | 憲法が改正され、2院政が始まる |
1999年7月 | ハッサン2世逝去、モハメッド6世国王即位 |
2011年11月 | 衆議院選挙が実施され、公正・発展党(PJD)が勝利。ベンキラン党首が首相に任命される |
2017年4月 | エル・オトマニ内閣が発足し、改造内閣などを経て、現在まで続く |
政治体制
現在のモロッコの政治体制は立憲君主制で、元首はモハメッド6世国王(His Majesty the King Mohammed VI)(1999年7月即位)、首相は
サアディ・ディン・エル・オトマニ氏(His Excellency Mr. Saad Dine EL OTMANI)(2017年4月〜)です。
議会は2院政で、衆議院と参議院で構成されます。衆議院は任期5年で直接選挙制になっていて、参議院は任期6年で間接選挙制になっています。
経済
モロッコの主要産業は、農業(麦類・ジャガイモ・トマト・オリーブ・柑橘類・メロン)、水産業(タコ・イカ・鰯)、鉱業(燐鉱石)、工業(繊維・皮革製品・食品加工・自動車・自動車部品・電子部品・航空部品)、観光業などです。
GDPは約1,118.5億米ドル(2018年 世銀)、1人当たり国民所得(GNI per capita)は3,090米ドル(2018年 世銀)となっています。
使用されている通貨はモロッコ・ディルハム(MAD)です。
日本との関係
日本はモロッコの主要援助国で、2016年時点のODA支出ベースが152.62(単位:百万ドル)となっています。有償資金協力、無償資金協力、技術協力なども活発に行われています。
日本とモロッコの外交関係も良好で、今後も一層の相互理解が進んでいくでしょう。日本要人のモロッコ訪問、モロッコ要人の日本訪問も数多く実施されています。
モロッコのアンティークコインの特徴
モロッコという国の概要が分かったところで、この記事の本題であるモロッコアンティークコインの特徴に迫ってみましょう。モロッコアンティークコインには次のような特徴があります。
- 流通しているのは19世紀から1956年ころまでのものが中心
- デザインが特徴的
- 比較的安価に入手できる
それぞれの特徴を詳しく見てみましょう。
流通しているのは19世紀から1956年ころまでのものが中心
モロッコは長い間、アフリカとヨーロッパをつなぐ交差の場所として位置してきました。19世紀から20世紀初頭にかけては、フランス、スペイン、イギリスなどのヨーロッパ列強国がモロッコで利権を巡ってしのぎを削ります。
その後フランスの保護領になり、1956年に独立しました。モロッコのアンティークコインの多くはこの19世紀から独立年の間に発行されています。
それ以前に発行された銀貨や、以降に発行されたコインもありますが、現在市場で出回っているものの中心は19世紀から1956年頃のものになります。
デザインが特徴的
モロッコアンティークコインを見ると、デザインが特徴的なものが多くなっています。その中でもよく見られるのが六芒星デザインで、多様な種類があります。
文字はアラビア語で刻まれているので、日本人には読めませんね。でも、歴史とエキゾチックな雰囲気があふれていて、楽しむことはできます。
比較的安価に入手できる
モロッコのアンティークコインは比較的安価に入手できます。
アンティークコイン投資をしようと思っても、高価なものではなかなか手が出ないものです。特に初心者がいきなり高価なアンティークコインを購入することには抵抗もあるでしょう。
それなら、モロッコアンティークコインから始めるのもおすすめです。手頃な価格で入手しやすいのに、歴史的な価値や重みが含まれています。モロッコはアンティークコイン市場ではメジャーな対象ではありませんから、穴場ともいえそうです。
モロッコアンティークコインのおすすめを紹介
モロッコアンティークコインの特徴を見たところで、今度は具体的なおすすめコインを取り上げてみましょう。金貨や銀貨など価値の高いものがいろいろありますが、どんなモデルがあるか覗いてみます。
モロッコのアンティークコイン|タンジールロスチャイルド&サンズ銀行 500ディルハム金貨
モロッコ独立前の1954年にタンジールロスチャイルド&サンズ銀行から発行されたモデルです。モロッコが独立する前から独立時期にかけては多くのフランス人が去りましたが、その際に緊急貨幣の必要性が生じました。そこで発行されたのがこちらの金貨です。
「Morocco タンジールロスチャイルド&サンズ銀行 500ディルハム金貨 1954年」の価値は非常に大きいです。世界初の1オンス金貨でもあり、地金型金貨の先駆的モデルでもあります。
表面に刻まれているのは裸の男性で、棍棒と動物の皮のようなものを掲げています。対象になっているのはギリシャ神話の英雄、ヘラクレスのようです。
裏面には、英文でコインの特徴が記載されています。フランスの保護領であったモロッコですが、フランス語ではなく英語で記載されているのがポイントです。
こちらの金貨は1954年にしか発行されていません。地金型金貨の先駆けコインでありながらも、発行年数が限られているので、希少価値が高くなっています。
モロッコのアンティークコイン|ムーレイ アル ハサン1世 4リアル金貨
ムーレイ アル ハサン1世は、1873年から1894年にかけてモロッコの君主として活躍した人物です。その君主を記念するモデル。
このくらいの古いモデルになると、正真正銘のアンティーク金貨といえるでしょう。
話をムーレイ アル ハサン1世に戻すと、政治的、軍事的、宗教的行動によりモロッコの結束に努め、ヨーロッパの脅威に立ち向かい、内部の反乱にも適切に対応し、改革を進めました。
実際のモロッコの独立は先のことになりますが、独立に向けての舵取りをした人物ともいえるでしょう。
「モロッコ ムーレイ アル ハサン1世 4リアル金貨 1880年」の両面には六芒星とアラビア文字が描かれ、美しいデザインの金貨になっています。
モロッコのアンティークコイン|ムハンマド5世 20フラン金貨
ムハンマド5世は、モロッコのスルタン(君主のこと)、及び国王として在位した人物です。国王としての在位期間は1957年〜1961年でした。
ムハンマド5世の業績として大きいのは、1956年にフランスからモロッコの独立を勝ち取ったことです。その後、1961年に没しましたが、1973年には霊廟も完成しています。
こちらのモデルはモロッコ独立前の1952年に発行されたもので、額面がフランスの通貨単位である20フランとなっています。
独立前のモロッコの歴史を知る上で価値ある金貨といえるでしょう。
モロッコのアンティークコイン|アル・ハッサンII 50 ディルハム
ハッサン2世は、1961年から1999年までモロッコの国王として在位していた人物です。ハッサン2世に関してよく知られているのが高さ200mの尖塔のモスクで、モロッコ最大と言われています。
そのハッサン2世在位期間中に発行されたのがこちらのモデル。表面には国王自身の横顔が描かれています。モロッコアンティークコインの中では比較的新しい部類に入りますが、大事に保存しておきたい逸品でしょう。
ハッサン2世というと、肖像がモロッコで以前発行されていたモロッコ・ディルハム紙幣でも使用されていました。
モロッコのアンティークコイン|シルバー コイン 流通済 5 ディルハム CH AU
1891年、ヒジュラ暦(イスラーム暦ともいい、イスラーム世界の暦法・太陰暦が基本)の1309年に発行されたモロッコのシルバーコインモデルです。表面にアラビア語の文字がぎっしり書き込まれています。
少しマニアックなモデルですが、時代経過とともに変色しているようです。それでも価値は十分にあるでしょう。
モロッコのアンティークコイン|ムーレイ・アブドゥル・アジズ 1リアル銀貨
1903年、ヒジュラ暦の1320年に発行されたのがこちらのモデル。アンティーク銀貨です。当時、モロッコはフランスの保護下におかれ、フランスが内政や財政に大きく関わっていました。
そして、モロッコ自体はアラウィー王朝が統治。そのアラウィー王朝の君主がムーレイ・アブドゥルアズィーズ4世です。
「Morocco ムーレイ・アブドゥル・アジズ 1リアル銀貨 1903年」には、ムーレイ・アブドゥルアズィーズ4世の銘名がアラビア語で刻印され、六芒星が描かれています。
イスラーム教徒は偶像崇拝を嫌うので、よく六芒星にアラベスク紋様を組み合わせたデザインを用いますが、この銀貨もその例に倣っています。
六芒星のデザインについては、アンティークコインが発行された年代、在位した王などによって異なり、バラエティ豊かです。
モロッコのアンティークコイン|ムーレイ・アブドゥル・ハフィード 1リアル銀貨
こちらは1911年、ヒジュラ暦の1329年に発行されたモデルです。やはりアンティーク銀貨です。デザインの特徴は「モロッコ ムーレイ・アブドゥル・アジズ 1リアル銀貨 1903年」と同じで、六芒星に組み合わせたアラベスク紋様となっています。
「Morocco ムーレイ・アブドゥル・ハフィード 1リアル銀貨 1911年」を製造したのはパリの造幣局で、モロッコ国内に流通させました。
表面には君主アブドゥル=ハフィドの名銘が刻印され、六芒星の内部には「10ディルハム パリで製造 1329(ヒジュラ暦)」と記載されています。裏面上部にも六芒星が小さく配置され、リースに内部には「栄光あるハフィドによって発行された1リアル」と刻印されています。
因みに1リアルは10ディルハムです。
モロッコのアンティークコイン|ムーレイ・アブドゥル・アズィーズ4世 1リアル銀貨
偶像崇拝を嫌うイスラーム教国のモロッコには肖像が描かれたモデルはほとんどなく、こちらも六芒星デザインが特徴になっています。
ただ、「Morocco ムーレイ・アブドゥル・アズィーズ4世 1リアル銀貨 1896年」が他のモデルと違うのは、ドイツのベルリン造幣局で製造されたこと。
フランスの統治下におかれていたモロッコにはフランスのパリで製造されたアンティークコインは多くありますが、ドイツ製というのはめずらしいです。実際に表面には「ベルリンで製造 1313(ヒジュラ暦)」と記されています。
ドイツで製造されたモロッコアンティークコインは数も少なく、希少性が高くなっています。
モロッコのアンティークコイン| Abdelaziz 5 マズナスブロンズ 25.3 mm流通コイン
1903年、ヒジュラ暦の1321年に発行されたモデルで、ブロンズアンティークコインになっています。モロッコには金貨や銀貨などのアンティークコインは多いですが、ブロンズ製はめずらしいです。
表面には1321の文字とアラビア語の刻印があります。他のモデルと違うのは、六芒星が描かれていないことです。アラビア語の文字による刻印のみとなっています。
\ ここでお知らせ /
資産運用をしたい方必見!
インフレ時代を乗り切る強い味方とも言える「アンティークコインでの資産運用」について、
アンティークコインの魅力や市場価値・過去10年間の価格推移などについて詳しく解説しております。
今なぜアンティークコイン投資に人気があるのか?
アンティークコイン投資は今人気になりつつあります。なぜなのか、理由を探ってみましょう。
金融危機の影響を受けない
アンティーコイン投資をしても、金融危機の影響は受けにくいです。
他の投資商品、例えば株式などは金融危機で一挙に価格が下落することがありますが、アンティークコインにはそのような心配はありません。
アンティークコインの価格は安定していて、上昇傾向にあり、投資リスクも低くなっています。
低コストで始められる
アンティークコイン投資は低コストで始められるのが人気の理由にもなっています。安いアンティークコインなら、数百円から数千円で入手できるものもあります。
投資というと、まとまった資金を準備しないとできないのではと思っている人もいるでしょうが、ことアンティークコイン投資となると、そのようなことを考えなくても大丈夫です。
中には高額なアンティークコインもありますが、数万円から数十万円出せば、選択肢も広くなります。
低コストで始められるのは投資初心者にとっても魅力です。他の投資法に手が出せない人でも取り組みやすくなっています。
手間がかからない
アンティークコイン投資は手間がかからないのがいいところで、これも人気の理由です。
株式投資では日頃から株価や経済ニュースを追っていかなければならず、一喜一憂する場面も多いです。不動産投資では、部屋の管理が大変。
それに比べると、アンティークコイン投資は相場を確認するだけでよく、あまり手間がかかりません。買って売り時を待つだけですね。
購入したアンティークコインのメンテナンスも楽です。
富裕層の手頃な趣味になっている
アンティークコイン投資は富裕層の間でも人気になっています。
投資をして困るのが資産が大きく目減りすることですが、アンティークコインの場合は、価値が下がりにくいので、リスクも低く安全性が高いです。
そのため、富裕層は手頃な趣味としてアンティークコイン投資を楽しんでいます。
アンティークコイン投資の注意点
人気上昇中のアンティークコイン投資ですが、実際に行うに当たって注意すべきこともあります。どのようなことに注意すべきなのか、以下にまとめてみました。
詐欺に遭わないようにする
低コストで気軽に始めやすいのがアンティークコイン投資のいいところですが、その一方で、詐欺に遭うことがあるという問題があります。偽物のアンティークコインを購入してしまうことがあり、そのようなものをつかまされると大損になります。
特にネットオークションやネットショップでの購入は要注意。どんなものが提供されているか写真や商品説明では分かりにくいです。
確かなアンティークコインを入手したければ、専用の保険が付帯される業者などからの購入がおすすめです。
相場をよくチェックする
アンティークコンに関する情報は入手しにくくなっているので、相場のチェックもしにくいです。チェックするにしても英語表記のサイトでの確認になることがよくあるので、一定の英語力も必要です。
株式や投資信託に関する情報の提供元は多く、価格推移なども追いやすいですが、アンティークコイン投資では情報収集に苦労することも考えられます。
専門サイトなどをよくチェックしながら、相場展開を確認してください。代表的なアンティークコインの相場を確認できるサイトを紹介しておきましょう。
売却に時間がかかることがある
アンティークコインを売買できる市場はまだあまり整備されていません。そのため、売買に時間がかかることもあります。
今後、市場も徐々に整備されていけば、リアルタイムでの売買も可能になっていくでしょうが、今のところは時間がかかると思っておいてください。
モロッコアンティークコインの購入場所
おすすめのモロッコアンティークコインを紹介しましたが、問題はどこで購入すればいいかです。そこで主な購入先の候補を挙げてみましょう。
おすすめなのはコイン専門店です。ただし、モロッコのアンティークコインはメジャーでないことから、扱っているコイン専門店は多くはないです。利用する前に、モロッコのアンティークコインがあるのか確かめてみましょう。
オンラインショップでモロッコのアンティークコインを購入できる場合もあります。コイン専門店が運営しているオンラインショップ、オンラインショップだけを展開してるお店などがあります。
オンラインショップでの購入では、偽物かどうかの判別がしにくいのが難点。偽物をつかまされては困りますから、保証がしっかりしているオンラインショップを利用したいところです。
ネットオークションでモロッコアンティークコインを購入する方法もあります。ただ、ネットオークションの場合、詐欺に遭う可能性もあります。ネットオークションでは、出品している人の素性が分からない、品物の真贋が見極めにくいなどの問題があるのです。
モロッコアンティークコインの売却先
モロッコアンティークコインを購入したら、時期を見て売却することもあるでしょうが、その場合の候補を挙げてみましょう。
まず専門業者に依頼して、販売してもらうことができます。専門業者はアンティークコインに関する知識を持っているので、どのようにいくらで販売すればいいか熟知しています。
モロッコアンティークコインでも適切な売却をしてくれるので、安心です。販売を委託した場合は、売れた額の一部を手数料として支払うことになります。
購入場所で紹介したコイン専門店でモロッコアンティークコインを売却できる場合もあります。その際は、貴金属全般を扱っているお店よりも、コインだけを専門にしているお店を利用しましょう。買取金額が高くなる可能性があります。
ネットオークションでモロッコアンティークコインを売却する方法もあります。ネットオークションなら自宅から出品できるのがいいところ。
ただ、手間がかかるのと、期待した価格で売れないことがあります。
まとめ|特徴的なデザインのモロッコアンティークコインはとてもユニーク
今回は、モロッコアンティークコインの紹介をしました。
モロッコはイスラーム国家ということもあり、偶像崇拝を嫌い、肖像が描かれたアンティークコインはあまりありません。代わりに六芒星などのユニークなデザインのコインが多くなっています。
特徴的な六芒星デザインのコインには肖像画のコインとは違った魅力もあり、収集しても楽しめます。モロッコのアンティークコインは比較的入手しやすい価格で販売もされているので、よろしかったら購入して、投資に利用してみてください。
マネートレンドNaviでは、モロッコを始め、アンティークコイン投資に関する情報をお届けしています。今なら簡単なアンケートに回答していただくと、無料で資料を送付いたします。
興味のある方は公式LINEに登録してみてください。資料をゲットできますよ。