記録的な円安に物価高騰など、コロナ以降生活への不安要素が尽きることはありません。
本業だけでは安心できないからと、副業をお考えの方は多いことでしょう。
FXや暗号資産など数ある副業の中で、近年注目されているのがアンティークコインへの投資です。
金と同様に安定した価値を持ち、初期投資だけで済むとなれば副業としては最適でしょう。
ここでは、アンティークコイン投資が副業に適している理由、購入におすすめのコイン、実際の運用ノウハウまでを解説します。
アンティークコイン副業入門書として、ぜひご活用ください。
アンティークコインが副業に最適の4つの理由
アンティークコインが副業として最適な理由は以下の4つです。
- 初期投資だけで済む気楽さ
- 常に携帯できる安心感
- 長期保有するほど価値が上がる信頼性
- 他の投資ほどハードルが高くないため参入しやすい
それぞれについて解説します。
初期投資だけで済む気楽さ
アンティークコインは初期投資だけで済む気楽さが魅力です。
不動産投資のような維持管理費用も掛からず、株式投資やFXのように毎日チャートとにらめっこする必要もありません。
あらかじめ売却時期を決めておけば、売り時を迷うこともないでしょう。
資産価値の高いコインは100万円以上といわれていますが、長期に保有すれば100万円を下回るコインはもちろん、30万円以下のコインでも投資対象となります。
毎日忙しくて調べたり管理したりする時間を持てない方、初期投資以外に費用をかけたくない方には最適の副業です。
常に携帯できる安心感
アンティークコインは常に携帯できる安心感があります。
不動産投資と違い、いつでもどこでも自由に持ち運べます。
また、現金や金・宝飾類のようにわざわざ保管するスペースを確保する必要もありません。
小さくて持ち運び自由なので、空き巣被害に遭うこともないでしょう。
持ち歩いても小さくて気付かれにくいため、強盗に狙われることもありません。
FXや仮想通貨のようにオンライン上の数値資産ではなく、実体を持っている点でも安心です。
アンティークコインの小ささは、資産としての大きな魅力といえます。
長期保有するほど価値が上がる信頼性
アンティークコインは長期保有するほど価値が上がります。
なぜなら、100年以上昔に発行されているためそれ以上増えることはなく、むしろ減ることで希少性が増すからです。
FXや仮想通貨のようなギャンブル性もなく堅実な資産運用法といえます。
でしょう。
実際、リーマンショックなどの金融危機において株や不動産が暴落する中でも、安定した成長を続けてきました。
コロナ以降、予断を許さない世界情勢の中、さらなる金融危機に備える必要があります。
副業はアンティークコイン一択かもしれません。
他の投資ほどハードルが高くないため参入しやすい
アンティークコインは参入しやすいメリットがあります。
株やFX・暗号資産の場合、ある程度の知識を必要とし、常に市場動向を気にしなければなりません。
また、登録や口座開設にあたって個人番号や本人確認書類の提出を求められます。
けれども、アンティークコインなら予備知識はほぼ不要、毎日毎時チャートの動向を気にすることもなく売りたいときに売れば求める利益が得られます。
購入時に個人情報のすべてを開示しなくてよい匿名性も魅力です。
公にしたくない方、本業が忙しくて時間をかけられない方にとっては最適の副業です。
アンティークコインの価値は希少性・状態・人気で決まる
アンティークコインの価値は希少性・人気・状態で決まります。
アンティークコインは100年以上前に作られ、減ることはあっても増えることはありません。
発行枚数の少ないコインほど価値が高く、減るたびに希少性が増します。
また、同じコインであっても状態によって価格が異なります。
状態は鑑定によるグレードで示され、世界的な鑑定機関としてNGCとPCGSが有名です。
多くのコレクターや投資家が、希少性が高く状態のよいアンティークコインを求めます。
すると、コインの人気が高まり、市場価格が上がるのはいうまでもありません。
つまり、アンティークコインは希少性と状態で価値が決まり、人気によってさらに価値が高まるのです。
アンティークコイン副業におすすめのコイン7選
アンティークコイン投資を副業としてスタートする場合におすすめのコインとして、下記7種を紹介します。
- ヴィクトリア女王5ポンド金貨
- モハール金貨
- ナポレオン1世20フラン
- 5ギニー金貨
- 享保大判金
- 万延小判
- 旧20円金貨
ポイントは市場での流通枚数とコインサイズです。
それぞれについて解説します。
ヴィクトリア女王5ポンド金貨
「ウナとライオン」とも呼ばれ、世界でもっとも美しい金貨といわれています。
ウナとはイギリスを擬人化した存在、ライオンは強さの象徴です。
ヨーロッパの祖母と呼ばれたヴィクトリア女王が在位中の1839年に400枚だけ発行されました。
グレードの低いコインで1,000万円ほど、2017年での相場は5,000~6,000万円です。
モハール金貨
19世紀イギリスの統治下にあったインドで発行されたコインです。
モハールとは、当時のインドの通貨単位を指します。
いくつかの種類がありますが、ヴィクトリア女王時代の1841年に発行されたコインがもっとも人気が高く高額で取引されています。
モハール金貨はバリエーションや状態によって価格に開きがあり、150万円から390万円ほどで推移しているようです。
ナポレオン1世20フラン
1811年〜1813年にかけてフランスを中心としたヨーロッパ各国で発行されたコインです。
皇帝ナポレオン1世の肖像が描かれていることからナポレオン1世20フラン金貨と呼ばれています。
総発行枚数は1,000万枚を超え、比較的入手しやすいコインです。
造幣された場所によっては高額取引されるものもありますが、数万円で購入できるコインも多く、初心者に最適といえるでしょう。
5ギニー金貨
5ギニー金貨とは、イギリスで17~18世紀にかけて発行された大型の金貨です。
ギニーとは通貨単位、アフリカのギニアで産出された金を用いたことから付けられました。
金の質量の多さと美しいデザインで人気のコインですが、グレードによって価格に開きがあります。
これまでの取引事例として、チャールズ2世のコインが2008年の銀座オークションで68万円、海外では980万円の落札記録が残っています。
享保大判金
江戸時代の中期、享保10年~天保8年(1725~1837年)に鋳造された大判の金貨です。
長期間鋳造されたため表面の墨書きは後藤四郎兵衛家十二代の寿乗から始まり、延乗、桂乗、真乗、方乗、そして十七代の典乗へと6代に渡っています。
数百万円単位での取引が多く、特に初期の寿乗による墨書きはその希少性から1千万円前後の高値が付いています。
購入に勇気を要するコインですが、本物と巡り合えたらチャンスかもしれません。
万延小判
万延小判とは江戸後期の万延元年(1860年)に鋳造開始された一両貨幣としての小判です。
他のどの小判よりも小さく、雛小判とも呼ばれています。
比較的安価で取引されるため、初心者に向いたコインといえるでしょう。
海外オークションでは極美品で10万円程、未使用なら数十万円程です。
また、裏面の刻印が「大五」の極美品は15万円程、「献上大吉」なら30万円程が相場とされています。
旧20円金貨
旧20円金貨とは、日本に新貨条例が交付された明治時代初期から明治30年(1897年)までに発行された金貨です。
直径35mmの大型金貨で発行枚数も少なく、世界のコレクターからも高い評価を受けています。
もっとも発行枚数の少ない明治10年(1877年)の金貨で2160万円程、発行枚数の多い明治3年(1870年)の金貨でも540万円の値が付きます。
高額取引される反面、贋作が多いので注意が必要です。
NGCやPCGSなどによる鑑定品の購入が賢明でしょう。
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資産運用をしたい方必見!
インフレ時代を乗り切る強い味方とも言える「アンティークコインでの資産運用」について、
アンティークコインの魅力や市場価値・過去10年間の価格推移などについて詳しく解説しております。
副業としてのアンティークコインの購入方法
実際に副業としてアンティークコインを購入する場合、主な選択肢として以下の2つがあります。
- コイン専門店で買う
- オークションで買う
それぞれについて解説します。
コイン専門店で買う
コイン専門店での購入はもっとも安心できる方法です。
なぜなら、アンティークコイン専門店にはアンティークコインのプロが多数在籍しているからです。
アドバイスを受けながら、予算に応じた本物のアンティークコインを購入できるのは間違いありません。
反面、店舗によって品揃えが異なり、欲しいコインを購入できない可能性があります。
初めてのアンティークコイン投資で迷っている方や、本物を見分ける審美眼に自信のない方におすすめの購入方法です。
オークションで買う
アンティークコインに対する知識が深まり、審美眼に自信を持てるようになったらオークションを利用するとよいでしょう。
オークション購入のメリットは欲しいコインを手に入れられること、貴重なコインやレアコイン入手の可能性が高くなる点です。
オンラインオークションなら隙間時間にチェックできるため時間短縮にもつながります。
しかしながら、オークションの雰囲気に呑まれて相場より高く落札したり、贋作を買わされたりする可能性もあります。
慣れるまでは、慎重に取引しましょう。
副業としてのアンティークコインの販売方法
副業として実際に利益を得るためには売らなければなりません。
アンティークコインの販売ルートは以下の3つです。
- 専門業者へ委託販売する
- コイン店に買取してもらう
- オークションに出品する
それぞれについて解説します。
専門業者へ委託販売する
「委託販売」「販売代行」とも呼ばれる専門業者に全て丸投げする方法です。
手間がかからない反面、売却価格から手数料を差し引かれるデメリットがあります。
以下表は代表的な販売代行業者2店と代行手数料です。
業者名 | ユニバーサルコイン | Coin&Coin |
販売手数料 | 5.5% | 6.48% |
アンティークコインは高額での取引となるため、わずかな手数料の差が利益に大きな影響を及ぼします。
慎重な選択が必要です。
コイン店に買取してもらう
コイン専門店での買取は、購入時と同様にもっとも安心で、かつもっとも早く現金化できる方法です。
安心感は絶大ですが、中には貴金属全般を取り扱う買取店やアンティークショップもあります。
そのような買取店では安価で買取される可能性があるので、できるだけコイン専門店に買取してもらいましょう。
複数店舗で見積もりをもらい、他の方法での売却額と比較しながら判断するのが賢明です。
オークションに出品する
オークションへの出品は、高値で落札される可能性が高く、もっとも利益を出しやすい方法です。
特にネットオークションならどこにいても出品できる手軽さがあり、副業として活用している方が少なくありません。
近年では、複数のオークションサイトを利用し、安価で購入したコインを他のオークションサイトで転売する方法が主流となっています。
価格設定が自由で、個人でも簡単に出品できる点は大きなメリットです。
副業としてのアンティークコイン投資|3つの注意点
アンティークコイン投資を副業とし、実際に利益を得るためには次の3つの点に注意しましょう。
- 偽物・詐欺に注意
- 古物商許可の要不要に注意
- 保有期間によって変わる税金に注意
それぞれについて解説します。
偽物・詐欺に注意
アンティークコインの偽物や投資詐欺には注意が必要です。
特に不特定多数が気軽に出品できるオークションサイトでは、偽物の出品や相場とかけ離れた価格設定が少なくありません。
手口も年々巧妙になり、NGCやPCGSの鑑定を装い、コインを保管するスラブまで偽造したケースもあります。
多くの場合、入金後に連絡が取れなくなったり、出金できなくなったりして初めて詐欺と気付くようです。
スラブの偽造は、NGC、PCGSの公式サイトからスラブナンバーを照会することで、ある程度回避できます。
また、購入先によっては、偽物に対する買戻し保証もあります。
いずれにせよ、事前に入念な情報収集をし、信頼できる取引相手を選びましょう。
古物商許可の要不要に注意
アンティークコインの転売に古物商許可が必要かどうかは議論が分かれています。
結論として、必須ではありません。
なぜなら、古物商は古物営業法により、扱う商品が下記13品目に限定されているからです。
- 美術品類
- 衣類
- 時計・宝飾品類
- 自動車
- 自動二輪車及び原動機付自転車
- 自転車類
- 写真機類
- 事務機器類
- 機械工具類
- 道具類
- 皮革・ゴム製品類
- 書籍
- 金券類
アンティークコインを敢えて登録するなら品目は美術品類となります。
しかしながら、実際の貨幣として使われていたアンティークコインに美術的価値を認められるかどうかは微妙です。
したがって、古物商許可は取引の信頼性を増すために取得しても構いませんが、無理をしてまで申請する必要はありません。
保有期間によって変わる税金に注意
アンティークコインは保有期間によって売却益への税金が変わります。
つまり、売却益は譲渡所得となり、保有期間5年を目安として課税対象額が半分になるのです。
保有期間5年以内の売却益は短期譲渡所得となり、5年を過ぎた場合は長期譲渡所得となります。
それぞれの課税対象額の計算式は以下です。
- 短期譲渡所得=売却価額-購入代金-譲渡費用-50万円(特別控除)
- 長期譲渡所得=(売却価額-購入代金-譲渡費用-50万円)÷ 2
アンティークコインの売却益を節税するなら、最低でも5年を超える期間保有し、購入時の領収書を保管しておきましょう。
まとめ|アンティークコインは投資初心者でも始めやすい副業
アンティークコインは、初期投資だけで済む手軽さとリスクの少ない投資として副業には最適です。
ただし、取引方法や相手によって、偽物を掴まされたり詐欺に遭ったりする可能性も否定できません。
手軽な資産運用法とはいえ、ある程度の情報収集と取引先の慎重な選択が望まれます。
副業として安定的な収入を得るためには、節税対策を怠らず、必要に応じて古物商許可の取得も検討するとよいでしょう。