「アンティークコインに税金がかかるの?」
「アンティークコインで節税はできる?」
などと疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
アンティークコイン投資は富裕層だけでなく、会社員にも人気のある投資方法です。
実際にアンティークコイン投資を行うと気になるのが税金ですよね。税金の知識がないと場合によっては脱税となってしまうため、注意が必要です。
この記事では、アンティークコイン投資の節税方法について詳しく解説していきます。税金を正しく理解できれば、投資効果も大きくなるため、ぜひ最後までお読みください。
アンティークコイン投資とは?
アンティークコイン投資とは、その名の通りアンティークコインを扱い、売買時の差額で利益を得る投資方法の1つです。
そもそもアンティークコインは、100年以上前の金貨や銀貨のことを指し、年月が経つにつれその価値も右肩上がりになっています。
富裕層の資産運用ツールとして扱われることが多かったですが、インフレに強いという特徴があるため、一般の方にも人気があります。
実際に、アンティークコインの価格推移をみてみましょう。
イギリスで発行されたコインの中で、特に価値の高い200銘柄の直近20年間の価格推移を表した「GB200 Rate Coin Index」を使って解説します。
グラフの青色線がコインの成長率となっており、20年間で右肩上がりになっていることがわかります。
2008年のリーマンショックで、相場が大きく変動したにもかかわらず、コインの成長率は下がりませんでした。
このことより、アンティークコインの価値は高くなり、安定した資産といえるでしょう。
そのため、アンティークコインへの人気が高くなっています。
アンティークコイン投資の特徴
アンティークコインは年月が経つにつれて、その価値を高めているものが多くあります。
その理由はアンティークコイン投資の特徴にあるため、それぞれを解説していきます。
1.希少性の高いコインが多い
アンティークコイン自体に希少性の高いコインが多いのが特徴です。
アンティークコインは、100年以上前に発行されたコインで、全世界で約20万種類ほどあると言われており、300万人以上のコレクターがいるとされています。
発行されたコインの中には、発行枚数が少ないものもあります。さらには金で作られたものもあるため、希少性が高いコインがあります。
希少性が高く、コレクターによる需要も増加しているため、コインの価値が高くなると言えるでしょう。
そのため、アンティークコイン投資の人気が高くなっています。
2.コインを保有しやすい
アンティークコイン投資で扱うコインは、比較的小さいため保有しやすいといえるでしょう。手のひらサイズのものが多いため、持ち運びもしやすく、保管場所もこだわる必要がありません。
他の美術品では、広い保管場所が必要であったり、持ち運びに苦労したりして扱いが大変ですよね。このようにコインを保有しやすいという特徴があります。
3.デザイン性が高い
アンティークコインの中にはデザイン性が高いものがあります。
たとえば、「ウナとライオン 5ポンド金貨」は、表面にイギリスのヴィクトリア女王、裏面にはイギリスの象徴であるライオンが描かれています。
他にも、表面に自由の女神の立像、裏面にアメリカの象徴であるイーグルを取り入れている「イーグル金貨」があります。
このようにアンティークコインの中には、デザイン性が高いものがあり、より価値が高くなりやすいという特徴があります。
アンティークコインについてより詳しく知りたい方は、以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
アンティークコイン投資で発生する税金は?
アンティークコイン投資で発生する税金を解説していきます。
1.購入時の消費税
アンティークコイン購入時に発生する税金は消費税のみです。
消費税は、商品販売やサービス提供に対してかかる税金で、2023年7月現在は消費税率が10%となっています。
たとえば、300万円で販売されているアンティークコインを購入する時の消費税は、以下となります。
消費税 = 商品の販売価格 × 消費税率 = 300万円 × 10% = 30万円
消費税としては「30万円」が発生します。
また、消費税を含めて購入時の金額は、以下です。
購入時の金額 = 商品の販売価格 + 消費税 = 300万円 + 30万円 = 330万円
このように 、アンティークコイン購入時に発生する税金は消費税のみです。
2.売却時の保有期間による所得税
次にアンティークコイン売却時に発生する所得税を解説していきます。
アンティークコインの所得税は保有している期間によって所得計算が異なります。
保有期間と計算方法を表にまとめました。
保有期間 | 所得名称 | 計算方法 |
5年未満 | 短期譲渡所得 | 売却価額 – (購入代金 – 譲渡費用) – 50万円 |
5年以上 | 長期譲渡所得 | 短期譲渡所得 × 1/2 |
このように5年以上保有する長期譲渡所得は、5年未満の短期譲渡所得に比べて、金額が1/2されるため、大きな違いがあります。 たとえば、売却価額が500万円、購入代金が300万円、譲渡費用が30万円として、計算してみます。
短期譲渡所得 = 売却価額 – (購入代金 – 譲渡費用) – 50万円 = 500万円 – (300万円 – 30万円) – 50万円 = 180万円
長期譲渡所得 = 短期譲渡所得 × 1/2 = 180万円 × 1/2 = 90万円
このように5年保有するかしないかで、課税対象となる金額が異なります。
3.売却時の利益による所得税+住民税
3つ目は、アンティークコイン売却時は利益による所得税と住民税が発生します。
アンティークコインを売却して得た利益は譲渡所得として扱われるため、給与などの他の所得と合算して総合課税形式で課税されます。
そのため、他の所得も含めて税金を計算する必要があります。
所得税の税額表を紹介します。
課税される所得金額 | 税率(所得税+住民税) | 控除額 |
1,000円~1,949,000円 | 15% | 0円 |
1,950,000円~3,299,000 | 20% | 97,500円 |
3,300,000円~6,949,000円 | 30% | 427,500円 |
6,950,000円~8,999,000 | 33% | 636,000円 |
9,000,000円~17,999,000円 | 43% | 1,536,000円 |
18,000,000円~39,999,000円 | 50% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 55% | 4,796,000円 |
たとえば、所得金額が500万円の場合、
所得税 + 住民税 = 課税される所得金額 × 税率 – 控除額 = 5,000,000円 × 30% – 427,500円 = 1,500,000円 – 427,500円 = 1,072,500円
アンティークコインを売却して得た利益は、他の所得と合算した金額で納める税金が異なります。
4.贈与時の贈与税
アンティークコインを贈与したときの贈与税が発生します。
贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間で贈与された財産の価額をもとに計算されます。
その際に、特別控除として110万円を引いた金額に対して、税率を乗じて、贈与税を計算します。
贈与税 = (その年の贈与による財産価額の合計 – 110万円) × 税率 – 控除額
税率は直系尊属からの贈与によるものか、そうでないかで異なります。
直系尊属からの贈与における税率(特例贈与財産用)
特別控除後の課税価額 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | 0円 |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
たとえば、500万円のアンティークコインを父親から贈与された場合
贈与税 = (その年の贈与による財産価額の合計 – 110万円) × 税率 – 控除額 = (500万円 – 110万円) × 税率 – 控除額 = 390万円 × 15% – 10万円 = 48.5万円
このように贈与税が発生します。
5.相続時の相続税
アンティークコインは相続時にも相続税が発生します。
相続税の対象となる価額は、アンティークコイン購入時の金額ではなく、相続時の時価を参考に決まります。
相続税の主な計算方法は以下の通りです。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
相続税 = (相続時の時価 – 基礎控除額) ×税率 – 控除額
相続税の税率は以下の通りです。
基礎控除後の相続額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | 0円 |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4、200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
たとえば、法定相続人が3人であり、基礎控除前の相続価額が1億円の場合の相続税は、
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
相続税 = (相続時の時価 – 基礎控除額) × 税率 – 控除額 = (1億円 – 4,800万円) × 税率 – 控除額 = 5,200万円 × 30% – 700万円 = 860万円
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資産運用をしたい方必見!
インフレ時代を乗り切る強い味方とも言える「アンティークコインでの資産運用」について、
アンティークコインの魅力や市場価値・過去10年間の価格推移などについて詳しく解説しております。
アンティークコイン投資で節税する6つの方法
アンティークコイン投資で発生する税金を節税する方法を6つ紹介します。
最後まで読んでいただき、効率のよい投資を行えるようにしましょう。
1.最低でも5年以上は保有する
アンティークコインを5年以上保有することで、節税が可能になります。
コインを売却するときの税金計算は、保有年数によって異なります。
5年未満:譲渡所得 = 売却価額 – (購入代金 – 譲渡費用) – 50万円
5年以上:譲渡所得 = (売却価額 – (購入代金 – 譲渡費用) – 50万円) × 1/2
このように5年以上保有するだけで、譲渡所得が5年未満の半分になるため、大きく節税ができるといえるでしょう。
アンティークコイン投資で節税したいのであれば、5年以上保有することがおすすめします。
2.110万円以内は生前贈与を行う
アンティークコイン投資は贈与時にも贈与税が発生しますが、110万円分は贈与税の課税対象となりません。
そのため、その時に贈与された合計金額が110万円以下であれば、贈与税がかからないため節税効果が見込まれます。
たとえば、500万円のものを贈与したい場合、一括して贈与してしまうと贈与税がかかります。
しかし、110万円以内に分割することで贈与税を0円にできるのです。
このように110万円以内で贈与ができる場合は、節税効果が期待できます。
3.金額の大きいものは相続税の基礎控除を利用する
金額の大きいものは相続税の基礎控除を利用することで節税効果が期待できます。
相続税の基礎控除は金額が大きく、以下の計算式で求められます。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば、法定相続人が5人の場合、以下のようになります。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 5人= 6,000万円
このように相続する金額が大きい場合は、相続税の基礎控除を利用することで節税効果が期待できます。
4.実勢価格と相続税評価額の差を利用する
アンティークコインは、実際に取引が成立する実勢価格と相続税の課税対象となる相続税評価額に差が生まれることがあります。
相続税評価額の算出方法としては、過去の取引価格を参考にする売買実例評価額を算出する方法と、専門家によって評価してもらう精通者意見価格を出す方法があります。
これらで算出された相続税評価額が実勢価格よりも低いと、相続税の対象となる価格が低いため、節税効果が期待できるのです。
実際に節税できるかどうかは専門家に相談してみてください。
5.経費で購入する(法人限定)
法人限定になりますが、アンティークコインを事業の一環として扱うことで経費で購入できます。
経費として申告することで会社の利益から必要経費として扱えるため、節税しやすくなります。
個人でアンティークコインを購入しても経費として扱うのが難しいため、法人限定で節税効果が期待できる方法です。
6.経費と利益を相殺する(法人限定)
法人でアンティークコインを扱う場合は、保有年数によって譲渡所得が半分になる恩恵は受けられません。
しかし、アンティークコイン投資の利益を会社の経費で減らせるため、節税効果が期待できるといえます。
ただし、必ず節税できるわけではないため、税理士や専門家に相談するようにしてください。
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本記事では、アンティークコイン投資で発生する税金や節税方法を解説していきました。
さまざまな種類の税金が発生し、それに伴う節税方法もいくつもありましたね。
節税を上手くすることで効率のよい投資ができるため、ぜひ参考にしてみてください。
しかし、本当に節税ができるかどうかは専門家に聞かなければわかりません。
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