この記事では「積立投資」について説明をします。
投資ブームが起こっていますが、何から始めて良いかわからない方も多いはずです。実際私もそうでした。「投資はお金持ちがやるもの」といったイメージもあり、自分とは関係ないと思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、そんなことはありません。投資は誰でも簡単にできます。
そこで気になるのが「やめ時」ですよね。意を決してスタートしたものの、一体いつまで続けるのが正解なのでしょう。働いている間は、積み立てに回すお金の余裕があったとしても、定年後は厳しくなる可能性も大いにあり得ます。
できるだけ長く続けるのが良いとわかっていても、それを実行するのは難しいかもしれません。
そこで本記事では、積立はいつまで続けるべきなのか?メリット・デメリットや新NISAの仕組みなどについて詳しく解説していきます!
今後の資産形成をイメージできますので、ぜひ最後までお読みください。
積立投資とは
積立投資は、定期的に一定の金額を投資対象に積み立てる投資方法です。
通常、株式、債券、投資信託などの金融商品に対して行われます。積立投資の最も一般的な形態は、毎月一定の金額を指定した投資口数や資産に投資することです。
積立投資の利点の一つは、市場の変動に影響されずに投資を続けることができることにあります。
定期的な投資額が一定であるため、市場が高値の時には少ない株数や債券を購入し、市場が安値の時には多くの株数や債券を購入することが可能です。
これにより、平均取得単価を下げることができ、長期的なリターンを向上させることができます。
積立投資は資産を長期的に成長させるための戦略として利用されるのが一般的です。
また、一度に多額の資金を投資することが難しい場合や、リスクを分散させたい場合にも適しています。
いつまで積立投資をするのが良いのか
結論ですが積立投資は長く行えば行うほど効果が高いです。
例えば人気のアメリカの代表的な株価指数であるS&P500で積立投資をした場合をみてみましょう。
- 5万円/月×5年積み立て(投資総額:300万円)…平均リターン75万円(年利回り8.6%)
- 5万円/月×10年積み立て(投資総額:600万円)…平均リターン353万円(年利回り8.6%)
- 5万円/月×20年積み立て(投資総額:1200万円)平均リターン1699万円(年利回り7.8%)
- 5万円/月×30年積み立て(投資総額:1800万円)平均リターン4854万円(年利回り7.4%)
このように安定的に7%以上の利回りを実現しているため、できるだけ長く積立投資を行いましょう。
積立投資のメリット
積立投資の主なメリットは4つです。
- リスクの分散
- 長期的なリターンの最大化
- コストの分散
- 積立の習慣化
- 少ない金額でも問題なし!
それぞれのメリットについて説明をします。
リスクの分散
積立投資では、定期的に一定の金額を投資するため、市場の変動に影響されにくくなります。
このため、市場の高値や安値の影響を受けずに投資を行うことが可能です。
リスクの分散は投資を行うにあたって非常に重要なので大きなメリットになります。
無理なく行うことで成功率を高められます。ぜひ分散投資を実践しましょう。
長期的なリターンの最大化
メリットの2つ目は、長期的な視点で資産を成長させることを目指しています。
定期的に投資を行うことで、市場の変動に左右されずに積み立てを続けることができ、時間の経過とともに複利効果が働き、リターンの最大化が可能です。
基本は「長期分散投資」なので、長期投資が自然とできるのも大きなメリットになります。
積立投資であれば、毎月無理なく自然と投資を続けることができるはずです。実際に私もそうです。ぜひ皆さんも実践してみてください。簡単にできます。
コストの分散
3つ目のメリットは、一度に大きな金額を投資する必要がないため、投資にかかる手数料やコストを分散することができます。
これにより、長期的な投資のコストを抑えることが可能です。
コストは長期投資を行うにあたって非常に重要なポイントになります。コストの分散ができるのも大きなメリットになるのではないでしょうか?
コストを抑えるのは非常に重要なことなので、ぜひ日常生活において意識してください
積立の習慣化
積立投資は、定期的な投資を習慣化することが可能です。
毎月一定の金額を投資することで、資産形成の継続的な取り組みを習慣化し、将来の財政的な安定を図ることができます。
成功に近づくためには、習慣化は非常に重要です。自然と投資が習慣になるのも大きなメリットになるでしょう。
少ない金額でも問題ない
メリットの5つ目は、少ない金額でも問題資産形成ができる点です。
初心者の頃は「投資をするのはお金に余裕のある人」「まとまった資金がなければ始めることができない」と感じている方も多いはずです。
しかし実際は違います。
自分にとって無理のない範囲で金額も設定できるので、負担になることもありません。
また、余裕のある月などに、金額を増やすことも可能ですので、非常に自由度が高いと言えるでしょう。
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積立投資のデメリット
積立投資にはさまざなメリットがありますが、主なデメリットは5つです。
- 下落リスク
- キャッシュフローの制約
- 手数料とコスト
- 運用能力の依存
- インフレリスク
それぞれのデメリットについてわかりやすく説明をしますので参考にしてください。
下落リスク
積立投資は、定期的に一定の金額を投資対象にするため、市場の変動に常に露出されます。
市場が不安定な場合や一時的な下落があった場合、積立投資もその影響を受ける可能性があるのです。
キャッシュフローの制約
積立投資では、定期的に一定の金額を投資する必要があります。
一定の金額を投資できない場合、積立投資の効果が減少する可能性があるので注意が必要です。
手数料とコスト
積立投資では、定期的に一定の金額を投資する必要があります。
一定の金額を投資できない場合、積立投資の効果が減少する可能性があるので注意が必要です。
運用能力の依存
積立投資で選択した資産の運用能力に依存します。
選択した投資対象が期待通りのリターンを生み出さない場合、積立投資の効果が薄れる可能性があるのです。
インフレリスク
積立投資によって形成される資産がインフレ率を上回らない場合、実質的な資産価値が減少するリスクがあります。
新NISAとは
新NISAは2024年から新たに始まった制度です。
「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つに分かれており、合計で年間最大360万円を非課税で投資ができます。
「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の概要は以下の通りです。
成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
---|---|---|
1年間に投資できる金額 | 240万円 | 120万円 |
投資できる総額(一生涯の総額) | 1,800万円(そのうち成長投資枠は1,200万円まで) | |
投資できる期間 | 無期限 | 無期限 |
投資できる商品 | 上場株式や投資信託など | 金融庁が定めた基準を満たす一定の投資信託 |
投資方法 | 積立も単発(スポット)も可能 | 積立のみ |
対象年齢 | 18歳以上 |
成長投資枠とつみたて投資枠を合わせて合計で1800万円の投資ができます。
投資できる期間は無制限で投資できる商品は成長投資枠については上場株式や投資信託、つみたて投資枠については現行のつみたてNISAで運用できる商品です。
新NISAによくある勘違い
新NISAのよくある勘違いについてまとめてみました。主に7つあります。
- つみたて投資枠だけで1800万円使ってもいい
- 一般NISAでは買えたけど、成長投資枠では買えない銘柄もある
- 金融機関ごとに買える銘柄は違う
- 売却して投資枠が空いてもすぐには復活しない
- 売却して復活する金額=売却額ではない
- 配当金も全部非課税になる
- 家族の分も投資するとお得?
それぞれの勘違いについて、わかりやすく説明をしますので、参考にしてください。
つみたて投資枠だけで1800万円使ってもいい
新NISAは成長投資枠とつみたて投資枠に分かれています。
成長投資枠の上限は1200万円ですがつみたて投資枠の上限は1800万円です。
つまり、成長投資枠を一切使わずに全て、つみたて投資枠を使って投資することができます。
もしかすると、成長投資枠の上限が1200万円なのでつみたて投資枠の上限が600万円と思われている方がいるかもしれません。
しかし、そのようなことはなく、成長投資枠はあくまで内枠なので、使っても使わなくても問題ありません。
逆につみたて投資枠は新NISAの累計上限金額の1800万円全て使えるので、つみたて投資枠だけですべて埋めるのが可能なのです。
成長投資枠とつみたて投資枠を整理すると以下のようになります。
累計上限枠※ | 年間利用上限 | |
---|---|---|
成長投資枠 | 1200万円 | 240万円 |
つみたて投資枠 | 1800万円 | 120万円 |
※成長投資枠とつみたて投資枠合わせて1800万円まで
つまり、成長投資枠の年間利用上限金額は240万円なので、最短5年で枠を埋められます。
一方、つみたて投資枠の年間利用上限金額は120万円なので、15年かけて枠を埋める形になります。
あまり投資資金がない方にとっては全てつみたて投資枠の利用が良いでしょう。
ただし、成長投資枠でも一括で投資をせずに、毎月一定の金額を積み立てることができます。
利用できる商品も成長投資枠の方が多いので、うまく併用するようにしましょう。
一般NISAでは買えたけど、成長投資枠では買えない銘柄もある
一般NISAでは株式はもちろん、ほぼすべての投資信託の利用ができました。
しかし、成長投資枠に関しては利用できない投資信託が多いです。
例えば毎月分配型の投資信託の利用はできませんし、レバレッジのかかっている投資信託の利用もできません。
また、代表的な債券ETFのAGGやBNDも投資対象外です。
このように、成長投資枠で買えない商品が増えたのが注意点になります。
意外と成長投資枠で買えない商品が多いのを知らない方は多いです。
成長投資枠を利用する際は、成長投資枠の対象商品であるか、しっかり確認するようにしましょう。
金融機関ごとに買える銘柄は違う
金融機関ごとに買える銘柄は異なります。
例えば、SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンドで有名なSBIシリーズは現状SBI証券だけしか買えません。
楽天インデックスシリーズも楽天だけでしか買うことができません。
また、全く同じ商品でも、金融機関によっては手数料が異なります。
つみたて投資枠で利用できる商品については、購入時手数料は無料ですが、成長投資枠では金融機関によって全く同じ手数料でも購入時手数料が異なります。
特に対面の銀行や証券会社の場合、購入時手数料が高い傾向にあるので、注意が必要です。
一方、ネット証券に関しては投資信託のほとんどは購入時手数料が無料になります。
さらに、S&P500やNYダウなど全く同じ投資対象でも投資信託のランニングコストである信託報酬が全く異なる商品もあるので注意してください。
例えば、信託報酬が0.5%異なると10年運用実績は5%も変わります。
また、つみたて投資枠の対象商品もネット証券はラインナップが非常に豊富ですが、対面の銀行や証券会社はラインナップが一般的に少ないです。
選択肢が少なくなってしまうのも注意点になるでしょう。
手数料や商品ラインナップを考えると、ネット証券の利用をした方が良さそうです。
おすすめのSBI証券と楽天証券のスペックをまとめておきました。
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|---|
総合口座の数 | 約1,100万 (2023年9月時点) | 1,000万超(単体) (2023年12月時点) | |
つみたて投資枠の取扱い銘柄数 | 218本 (2024年1月1日時点) | 213本 (2024年1月1日時点) | |
米国株の銘柄数 | 約5,400銘柄 | 約4,700銘柄 | |
クレカ積立 | カードの種類 | ・三井住友カード ・Oliveフレキシブルペイ | 楽天カード |
付与ポイント | Vポイント | 楽天ポイント | |
ポイント付与率 | 0.5~最大5.0% | 0.5~1% | |
積立額の上限 | 月5万円 | 月10万円 楽天カード5万円+ 楽天キャッシュ5万円 | |
投資ポイント | 付与ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・Vポイント ・dポイント ・JALのマイル ・PayPayポイント | 楽天ポイント |
ポイント付与率 | ・1,000万円未満:0~0.15% ・1,000万円以上:0~0.25% | ・「楽天オルカン」:0.017% ・「楽天S&P500」:0.028% ・「楽天先進国」:0.033% ・「楽天日経225」:0.053% ※上記4銘柄以外は一定残高達成時のみ | |
投資信託の定期売却 | 定額 ※NISAは非対応 | 定額・定率・定口 | |
ポイント投資 | ・Pontaポイント、Tポイント →日本株、投信(スポット・積立) ・Vポイント →投信(スポットのみ) | 楽天ポイント →投資信託(スポット・積立)、 国内株式、米国株式(現物・円貨) | |
IPO投資 | 89銘柄 (全体の約97%) | 65銘柄 (全体の約71%) | |
新NISA口座での株式売買手数料 | 投資信託 | 買付・売却ともに無料 | 買付・売却ともに無料 |
日本株 | 買付・売却ともに無料 | 買付・売却ともに無料 | |
単元未満株 | 買付・売却ともに無料 (S株) | 買付・売却ともに無料 (かぶミニ®) | |
米国株 | 買付・売却ともに無料 | 買付・売却ともに無料 | |
中国株 | ETFのみ無料(株式は有料) | ETFのみ無料(株式は有料) | |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る |
売却して投資枠が空いてもすぐには復活しない
新NISAは売却すると投資枠が空くと認識している方は多いです。
確かにその通りですが、売却した場合、すぐに投資枠が空くわけではなく、翌年に投資枠が空く形になります。
例えば、成長投資枠で240万円の株式を購入し、全額売却した場合、その年、成長投資枠を利用することができません。
利用できるのは来年になってからです。
このような仕組みになったのは、長年、銀行や証券会社の営業の問題になった回転売買防止の観点もあります。
回転売買とは、短期間で売買を繰り返し、手数料を稼ぐ手法です。
証券会社や銀行の利益を稼ぐための方法として、金融庁は問題視して、大きな問題になりました。
今はほとんどの証券会社や銀行で回転売買は行っていませんが、一部残っている可能性もあります。
そのような営業手法が使われないように、このような制度になったのでしょう。
売却して復活する金額=売却額ではない
売却して復活する金額について曖昧な方が多いです。
結論、売却して復活する金額は売却額ではなく簿価残高です。
例えば、成長投資役で240万円購入をして、500万円で売却した場合、翌年また240万円の利用ができます。
逆に、マイナスになってしまい、成長投資額で240万円購入をして、120万円で売却した場合も、240万円の枠が来年復活するのです。
時価ではなく、あくまで簿価で判断しますので、覚えておきましょう。
配当金も全部非課税になる
結論としては、原則配当金に関しても全額非課税になります。ただし、日本の株式や投資信託の場合に限ります。
外国株やETFの場合、配当金(分配金)を受け取る場合、現地課税10%は発生するので注意してください、
あくまで新NISAで無税になるのは国内税だけです。
最近、米国株を中心に非常に人気がある外国株ですが、このような注意点がありますので、しっかりと覚えておきましょう。
家族の分も投資するとお得?
新NISAは成人していれば誰でも利用ができます。
投資に興味のない家族の分を使って投資したいと思う方も多いかもしれません。
確かに、家族がいるのであれば、その人の枠も使った方がお得です。
しかし、注意点もあります。それは贈与税です。
贈与税とは、お金を渡すとお金を受け取った人が払わなければならない税金です。
贈与税の税率についてまとめました。
課税価格 | 一般贈与財産 | 特例贈与財産 | ||
---|---|---|---|---|
一般税率 | 控除額 | 特例税率 | 控除額 | |
200万円以下 | 10% | – | 10% | – |
200万円超~300万円以下 | 15% | 10万 | 15% | 10万 |
300万円超~400万円以下 | 20% | 25万円 | 15% | 10万 |
400万円超~600万円以下 | 30% | 65万円 | 20% | 30万円 |
600万円超~1,000万円以下 | 40% | 125万円 | 30% | 90万円 |
1,000万円超~1,500万円以下 | 45% | 175万円 | 40% | 190万円 |
1,500万円超~3,000万円以下 | 50% | 250万円 | 45% | 265万円 |
3,000万円超~4,500万円以下 | 55% | 400万円 | 50% | 415万円 |
4,500万円超~ | 55% | 400万円 | 55% | 640万円 |
※特例贈与財産…父母や祖父母などの直系尊属からの贈与により財産を取得した受贈者(財産の贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者に限ります。)については、「特例税率」を適用して税額を計算します。
贈与税の計算式は以下の通りです。
贈与を受けた金額-基礎控除額110万円=課税価格
課税価格×贈与性の税率-控除額
贈与税には一律110万円の控除がありますので、110万円以下の贈与については税金がかかりません。
贈与税を支払わずに、家族のNISA枠を利用したいのであれば、110万円の贈与に留めておくのが良いでしょう。
ただし、贈与税の対象は1年間に受け取った金額の総額になりますので、仮に父から110万円、母から110万円の贈与を受けた場合、それぞれは110万円の贈与でも、合計220万円受け取っていることになりますので、贈与税がかかります。
まとめ:積立投資は長ければ長いほど効果は高い
積立投資は一括投資と違って、初期段階で大きな資金を必要としません。誰でも無理なくできるのが特徴です。
積立投資は長く行えば行うほど効果が期待できるため、できるだけ長く行うのが良いでしょう。
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