介護報酬の入金は申請からおよそ2ヵ月後です。
それまでは手持ちの資金での運営になるため、資金繰りに頭を悩ませる事業所は少なくありません。
この2ヵ月の入金タイムラグを解消するのが介護報酬ファクタリングです。
多少の手数料が差し引かれますが、債務とならないすみやかな資金調達は円滑な運営に有効です。
ここでは、ファクタリングと介護報酬債権との適性と注意点を解説しています。
おすすめのファクタリング会社も紹介しているのでぜひ参考にしてください。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、事業者が持つ未回収の債権を第三者の金融機関や専門業者に売却する資金調達の方法です。
例えば事業所Aが取引先のB社に商品を販売し、債権が発生するとします。
この債権を金融機関であるC社に売却すると、C社からすみやかな入金がなされ、A社は資金をすぐに受け取れるというシステムです。
その際、C社から一定割合の手数料が差し引かれるため、本来の受取額より若干下がってしまいます。
しかしながら、タイムラグのない資金調達は、キャッシュフローに課題のある事業所にとって非常に有効といえます。
介護報酬債権とファクタリングの相性診断
介護報酬は申請から入金まで2ヵ月を要します。
このタイムラグを埋めるために、ぜひともファクタリングを活用したいところです。
ここでは、介護報酬債権とファクタリングとの相性を以下の4つの視点から診断します。
- 審査通過の確率は?
- 新規参入や個人経営でも参入しやすいか?
- 負債にならないか?
- 手数料は?
それぞれの問いに答えていきます。
審査通過の確率は?
介護報酬債権の相手が国保連(国民健康保険団体連合会)という公的な機関である点は、ファクタリングの審査通過の確率を高めてくれます。
なぜなら、ファクタリングの審査でもっとも重要視されるのは、債権の代金が問題なく回収できるかどうか、だからです。
回収リスクが低く、信頼できる債権相手なら審査通過は難しくありません。
介護報酬債権の相手は公的機関である国保連です。
回収リスクは、ほとんどないと考えてよいでしょう。
新規参入や個人経営でも利用しやすいか?
介護報酬債権なら、新規参入や個人経営の小規模事業所でもファクタリングを利用しやすいでしょう。
なぜなら、債権の回収リスクがほとんどないからです。
多くの業界でいえることですが、新規参入や個人経営の小規模事業所は金融機関からの融資を受けにくい傾向にあります。
特に銀行の場合、審査基準が経営状況となるため、介護業界であろうと取引実績の少ない事業所が融資を受けるのは難しいでしょう。
一方、ファクタリングの審査基準では、売掛先の信用度が大きな影響を及ぼします。
介護報酬債権の売掛先が国であれば、ほぼ間違いありません。
ファクタリングは、介護業界の新規参入や個人経営の小規模事業所にとって利用しやすい資金調達方法です。
負債にならないか?
介護報酬ファクタリングは、貸し付けではなく介護報酬債権を売却して資金化するサービスです。
したがって、負債にはなりません。
負債でないため、決算書に借入金として計上する必要もありません。
金融機関にとって、決算書は事業所の評価基準の一つです。
借入金の多い事業所は返済能力が低いとみなされ、融資を受けられないでしょう。
介護報酬ファクタリングは負債でないため、事業所の評価、その後の運営にも何ら影響を及ぼすことはありません。
手数料は?
介護報酬債権をファクタリング会社に売る際、手数料が発生します。
手数料の設定は会社によって異なり、2〜30%と幅広くなっています。
実際の介護報酬から差し引かれるため、少ないに越したことはありません。
手数料の額を減らすためには、3社間の承諾による資金調達、いわゆる3社間ファクタリングが有効です。
3社間ファクタリングとは、売掛先から債権売却の承諾を得ることです。
介護報酬債権の売掛先は国保連、債権売却の承諾を得るのは難しくありません。
なぜなら、売掛債権による資金調達を国が推奨しているからです。
したがって、手数料は低く抑えられます。
介護報酬ファクタリング利用のデメリット
相性抜群の介護報酬ファクタリングですが、デメリットがまったくないわけではありません。
以下のようなデメリットが考えられます。
- 介護報酬が減ってします
- 資金調達に上限がある
- 長期利用はかえって資金繰りが悪化する
- 介護報酬の一括受け取りができない場合もある
それぞれ解説していきます。
介護報酬が減ってしまう
介護報酬ファクタリングは資金調達してくれる会社に手数料を差し引かれるため、受け取る報酬額が減ってしまいます。
手数料は会社によってさまざまですが、多いところでは30%ほど差し引かれます。
介護報酬債権は、他の業種からのファクタリングに比較すると手数料が低く設定されているとはいえ、満額でない点はデメリットといえるでしょう。
ちなみに、2社間ファクタリングより3社間ファクタリングのほうが、手数料は低くなります。
調達資金に上限がある
介護報酬ファクタリングでは、調達できる資金に上限があります。
なぜなら、調達資金は債権額だからです。
銀行などの場合、条件によって大きな融資を受けることも可能であり、必要な資金を調達できます。
クラウドファンディングによる資金調達は時間がかかる反面、目標資金を設定しているため事業運営はやりやすいでしょう。
一方で介護報酬ファクタリングは、介護報酬債権額から手数料を差し引いた金額が上限です。
事業を展開していくために必要な資金調達というよりは、当座をしのぐ介護報酬の前払い金という認識が妥当でしょう。
長期利用はかえって資金繰りが悪化する
介護報酬ファクタリングは当座の資金調達に有効ですが、長期利用すると資金繰りが悪化しかねません。
なぜなら、毎回手数料を引かれ、本来受け取る介護報酬額より減額されるからです。
継続すると先細りするのは目に見えています。
また、利用を停止した場合、国保連からの次回の入金が3〜4ヵ月後となってしまいます。
介護報酬ファクタリングで当座をしのいでも、次の入金まで3〜4ヵ月もかかるとなると継続したくなるのも無理はありません。
しかし、常に減額された介護報酬を受け取っての運営は難しいことも事実です。
また、会社によっては契約更新料や解約料が発生する場合もあります。
介護報酬ファクタリングは、入念な資金計画の元で、期間を決めて活用しましょう。
介護報酬の一括受け取りができない場合もある
介護報酬ファクタリングは迅速な入金が持ち味ですが、会社によっては一括で受け取れない場合もあります。
その理由は、売掛先の国保連に請求した介護給付費が全額認められるとは限らないからです。
介護給付費が全額認められなかった場合、初めに全額支払ってしまうとファクタリング会社がリスクを背負うことになります。
それを避けるために、ファクタリング会社は2回に分けて入金します。
申請から数日で大半の金額を受け取れますが、全額ではない点に注意が必要です。
ファクタリング会社によって異なるので、しっかり調べておきましょう。
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介護報酬ファクタリング|利用手順と資金調達の流れ
実際に介護報酬ファクタリングを利用する際、手順と資金の流れは以下のようになります。
介護報酬ファクタリングの契約は、一つひとつの介護報酬債権に対してではなく、期間を設定しての契約が多くなります。
契約期間の長さ、更新料などを考慮しておきましょう。
契約を締結したら、いざというときのために契約書の控えを受け取り保管しておきましょう。
契約書に関してあまりにも軽視しているようなファクタリング会社には、慎重な対応が望まれます。
介護報酬ファクタリングのおすすめ7社
数多なる介護報酬ファクタリング会社の中から7社を紹介します。
- ビートレーディング
- ベストファクター
- メンターキャピタル
- トップマネジメント
- 事業資金エージェント
- アクセルファクター
- カイポケ
それぞれについて紹介していきます。
1.ビートレーディング
2012年創業のビートレーディングは、5万2千件以上の取り扱い実績を誇り累計取扱高1170億円以上という業界トップクラスの会社です。
日本の五大都市である仙台・東京・名古屋・大阪・福岡に拠点を持ち全国を網羅します。
場合によっては即日資金調達も可能、スマホからの申し込みで最短なら2時間後に振り込まれます。
スピーディーな対応が持ち味の実績豊富なファクタリング会社です。
2.ベストファクター
ベストファクターは柔軟な資金調達が持ち味のファクタリング会社です。
新規参入や個人経営の小規模事業者はもちろん、複数の借り入れがある方の相談にも乗ってくれます。
請求書買取の即日入金を徹底サポートし、最短で1時間後の入金が可能です。
手数料は2〜20%、ファクタリング利用額も30万円からと、設定額が低いため利用しやすいファクタリング会社です。
3.メンターキャピタル
メンターキャピタルは24時間365日、日本全国の介護事業所に対応してくれるファクタリング会社です。
手軽さや利用しやすさが持ち味で、電話やメールで無料査定してくれます。
契約締結後、30分後に入金されるというスピーディさはおそらく業界最短でしょう。
手数料は2%〜、ファクタリング額にも下限を設けていないため小さな売掛の多い小規模経営の事業者には、渡りに船のファクタリング会社といえます。
4.トップマネジメント
トップマネジメントは、4万5千件を超える取引と累計買取高100億円を誇る実績豊富なファクタリング会社です。
信用を第一とし、最上級のファクタリングサービスをモットーとします。
24時間全国対応し、即日入金も可能です。
持ち味はコンサルティングによる事業運営への支援、ファクタリングと並行した助成金の提案や他企業とのマッチングなどをサポートしてくれます。
長く付き合える、信頼性の高いファクタリング会社です。
5.事業資金エージェント
事業資金エージェントは迅速丁寧な対応に定評のあるファクタリング会社です。
親切丁寧な対応はもちろんのこと、スピーディさを持ち味とするファクタリング会社が多い中でも格別の早さ、オンライン査定で最短3時間後の入金が可能です。
小規模事業者に寄り添うような手数料は業界最低水準の1.5%、ファクタリング限度額も20万円以上と、気軽に利用しやすい設定になっています。
ファクタリングを介して、事業運営を親身になってサポートしてくれるファクタリング会社です。
6.アクセルファクター
アクセルファクターは2018年創業、新進気鋭のファクタリング会社としてすでに300億円の取引実績を誇ります。
「全ての経営者様の利益に繋がるファクタリング会社を目指す」を経営理念とし、日本マーケティングリサーチによる2022年の調査では「安心して利用できるファクタリング会社」の1位に選ばれています。
ファクタリング下限額は30万円で即日入金も可能です。
手数料はファクタリング額に応じて設定されています。
ぶれないコンセプトで躍進を続ける信頼性の高いファクタリング会社です。
7.カイポケ
カイポケは、医療介護に精通したファクタリング会社です。
経営は株式会社エス・エム・エス、高齢社会のインフラ整備による社会貢献をモットーとし、「介護」「医療」「ヘルスケア」「シニアライフ」の分野で40以上のサービスを展開しています。
その介護・医療分野を担うのがカイポケです。
介護事業者向けの経営支援ソフトも手掛けているため、介護事業者の実情を知り尽くしたファクタリング会社といえるでしょう。
手数料は0.8%という破格の低さ、長期利用の縛りもなく更新料も解約料も無料です。
医療介護の苦労を知り尽くしているからこその料金設定、幅広い支援の期待できるファクタリング会社です。
相性抜群の介護報酬ファクタリングで円滑な事業運営を
介護報酬債権とファクタリングは相性抜群です。
売掛先の信頼性の高さと入金タイムラグの解消という、双方のニーズが見事にマッチした資金調達方法といえるでしょう。
けれども、ファクタリング会社にはピンからキリまでさまざまなタイプがあります。
よく吟味してご自分の運営に適した選択、節度のある利用を心掛けましょう。
マネートレンドnaviでは、介護報酬ファクタリングに関してのより詳しい情報を配信しています。
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