資産運用にもなる絵画投資とは?メリット・デメリットから本当に儲かるかまで解説

絵画

昨今、資産運用の一つとして少しずつ人気が高まっている絵画投資。

莫大な価格で落札されるイメージを持っている方も少なくないと思いますが、果たして絵画投資は儲かる資産運用の方法なのでしょうか。

今回は、アート投資のなかでも特に市場が広がりつつある絵画投資の現状を紹介し、メリットとデメリットの観点から資産を増やす投資方法として向いているのか判断していきます。

この記事を、絵画投資の概要を知る参考としていただけますと幸いです。

目次

絵画投資とは? 儲かるには審美眼だけじゃなく相場観も大事

絵画は貴金属やワイン、アンティークコインと同じように資産防衛を目的とした実物資産の一つとして人気です。

世界中で多数の作品が高額で落札されており、ここ数年では日本でもニューリッチ層を中心に絵画投資ブームが形成されています。

ちなみに、歴代最高の価格で落札された絵画作品は、レオナルド・ダヴィンチ作「サルバトール・ムンディ」です。

「男性版モナ・リザ」とも呼ばれるこの作品は、2017年にクリスティーズで開催されたオークションにて4億5031万ドル(日本円で約510億円)というすさまじい価格で落札されました。

直近2022年5月にも、同じくクリスティーズで開催されたオークションで、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルが制作したマリリン・モンローの肖像画が1億9500万ドル(日本円で約254億円)で落札されています。

アンディ・ウォーホルが制作したマリリン・モンローの肖像画
引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/31619

このように、歴史的意義が強く知名度も高い作品には驚くべき価格が提示されるケースもあるのが絵画投資の世界です。

絵画投資はまだまだチャンスに満ち溢れている

先ほどのようなケースを知ると絵画投資は富裕層だけが行える資産運用のように思えますが、決してそうではありません。

現在投資対象となっている絵画の多くは「現代美術」と呼ばれるもので、これらは第二次世界大戦後から今日までに制作された作品を指します。

裏を返せば、今はまだ脚光を浴びていなくても、今後価値が急上昇するかもしれない作品に投資できるチャンスがたくさん眠っているということです。

今この瞬間新たに生まれている現代アートに正しく投資できれば、少ない資金でも絵画による資産運用を行える可能性があります。

投資の一環として絵画を購入する場合は個人的な審美眼だけではなく、資産として価値が高まるか判断するための相場観を持つことも大切です。

投資や運用以外にコレクションやアーティスト支援で購入する人も多い

とはいえ、将来的に価値が高まる作品はほんの一握りしか存在しないのも事実です。

実際、絵画といった美術作品を購入する人のなかで、投資を目的としている人は少数派であることがわかっています。

日本のアート産業に関する市場調査2021によると、美術作品の購入目的で一番多いのが「居住空間に飾ること」で、次点に「気に入って衝動的に購入」という理由がランクインします。

他にも「コレクションのため」や「アーティスト支援」を目的としていることが多く、美術作品の購入理由が投資目的である人の割合は、上記調査では一番少ない結果となりました。

有名絵画の高額取引自体は歴史的にも昔から行われていましたが、資産運用の手段として絵画投資が注目され始めたのはごく最近の話であるため、投資人口が少ないのも頷けます。

しかし、コロナ渦において進行したインフレによって、価値が下がりにくい実物資産への投資を行う人が増えているため、今後、絵画投資を行う人々が増加する可能性は十分考えられます。

それに伴って絵画の価格上昇が起きる可能性もあります。したがって、投資目的の人々が増える前の今から知識を蓄えておくと先行者利益が得られるでしょう。

2021年の日本の美術品市場規模は約2,100億円

「一般社団法人アート東京」主催の「日本のアート産業に関する市場調査2021」で、2021年の日本の美術品市場規模が「約2,100億円」だったことが判明しました。

2020年の美術品市場規模が「2,363億円」だったのに対し、2021年は「2,186億円」と、約7%の下げ幅となっています。

マーケットが拡大していくには価格の透明性と、売買の材料となるような情報が十分に供給される必要がある」といったコメントもあるように、日本の美術品市場の整備に課題が残っているのは明らかです。

世界の美術品市場規模から見ても日本の割合は約3%を前後しており、市場の伸び率にも顕著な変化はまだ起こっていません。

とはいえ、日本にも「草間彌生」や「村上隆」、「奈良美智」といった著名な現代アーティストがおり、彼らの作品も過去に10億円以上の価格で落札されるほど世界でも高い評価を受けています。

また、多くの人が気軽に絵画投資できるシステムも誕生しているため、日本の美術品市場の伸び代には大きな期待が寄せられます。

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絵画投資のメリット

まだまだ投資人口が少ない絵画投資ですが、メリットは複数挙げられます。

今回は以下の4つについて解説していきます。

絵画投資のメリット
  • 所有する楽しさや優越感に浸れる
  • 大きなキャピタルゲインが期待できる
  • 節税効果有り
  • アーティストを支援できる

所有する楽しさや優越感に浸れる

絵画投資の1つ目のメリットは、所有する楽しさや優越感に浸れることです。

たとえ最終目標が高値での売却だとしても、落札した絵画を身近に置くことでアーティストの魅力や絵画の作風を独り占めできたり、価値ある絵画を所有して自らのステータスを示したりといった目的を果たすこともできます。

絵画を購入する人の多くは「所有」を一番の理由としていることからも、「資産運用」よりも絵画自体に魅力を感じて購入する人の方が多いことは明らかです。

そんな絵画自体がもつ「魅力」に目を向けないのは大きな損。資産運用の一環として絵画を購入する場合であっても、背景を調べたりなどして個々の作品の魅力を探してみるとよいでしょう。

大きなキャピタルゲインが期待できる

絵画投資の2つ目のメリットは、大きなキャピタルゲインが期待できることです。

キャピタルゲインとは、保有資産を売却することで得られる購入時との差益を指します。

売却時にしか得られない収益の形ですが、保有期間中に資産価値が高まれば投資額の何倍もの収益を得られる可能性を持っています。

とはいえ、絵画投資において短期間で多額のキャピタルゲインを得るのは困難です。

絵画価格は時代の移り変わりや作風の流行り、アーティスト自身の評価によってゆっくり変動していくので、投機的な取引には向いていません。

絵画を楽しんだり、アーティストの支援などと並行して値上がりを待つのが絵画投資の基本スタイルとなります。

節税効果有り

絵画投資の3つ目のメリットは、節税効果があることです。

私用ではなく、事業目的で購入した100万円未満の美術品は「減価償却資産」として認められ、節税に一定の効果をもたらします。

減価償却資産とは時間の経過によって価値も減っていくとされる資産のことで、資産(絵画)を取得する際に発生した支出を耐用年数に応じて経費として計上できるのが「減価償却」という仕組みです。

1年ごとに減っていく資産の価値(減価)はその年の事業に使用した分と考えられ、使用するにあたって発生した金額のみを経費計上することになります。

実際は購入時に全額支払っていますが、耐用年数分だけ経費として計上できることから、節税効果が発生するのです。

アーティストを支援できる

絵画投資の4つ目のメリットは、アーティストを支援できることです。

先でも述べたように、アーティストを支援する目的で絵画を購入する人々もたくさんいます。

アーティストにとって一番の支援になるのは、実際にお金を出して作品を購入し、活動継続の土台作りに加担することです。

また、魅力を感じたアーティストのパトロンとして活動を支え、間接的に作品作りに集中できる環境を提供することには投資的な側面もあります。

才能を埋もれさせずにいれば、数十年後に作品の価値が大きく上昇する可能性も考えられ、立派な資産運用にもなり得ます。

アーティスト支援を行う場合、「プライマリーマーケット(作品の一次市場)」などアーティスト自身も収入を得られる場所での購入が重要なポイントとなります。

オークションでの落札ではアーティストが収益を得られないケースも多いので、十分注意して作品購入を検討しましょう。

絵画投資のデメリット

次に絵画投資のデメリットを紹介します。

絵画投資は投資である以上、リスクもあります。特に絵画は高額で手に入れるケースも多いので、検討に検討を重ねて投資を行うようにしてください。

絵画投資のデメリット
  • 作品の見極め・選定が難しい
  • 流動性が低い
  • 経年劣化のリスクがある(保管の必要性)
  • 短期投資には向いていない

作品の見極め・選定が難しい

絵画投資の1つ目のデメリットは、作品の見極めや選定が難しいことが挙げられます。

膨大な数のなかから、価値が高まる作品を見つけ出すのは大変困難な作業です。

株や為替はこれまでの傾向からある程度価格変動を予測できますが、絵画については不確定要素が多く、作風やアーティストの半生、時代の変遷などさまざまな要因から価格が決定します。

また、大きなパトロンがいる間には作品が高額で購入されることがあっても、そのパトロンがいなくなった途端誰も作品を購入しなくなり、値崩れするといったケースもあります。

さらに、見極めという点では「作品の真贋」について見抜く知識も必要となります。

プライマリーマーケットのように、ギャラリーやアートフェアから購入すれば偽物の作品を掴まされる可能性も低くなりますが、オークションなどはその限りではありません。

絵画投資においては、作品を見極めたり選定したりする知識を身につけることが、相場分析のような役割を果たします。

流動性が低い

絵画投資の2つ目のデメリットは、流動性が低いことです。

投資において流動性の多寡は非常に重要です。しかし、絵画は流動性が低く、投資人口も決して多いとは言えません。

株式のように流動性が高ければ自分にとってベストなタイミングで売買できますが、絵画は人によって印象の受け方が違い、また投資対象となるような作品が高額であることも多いため、簡単に現金と交換することができません。

流動性が低いことで、資金は用意できているのに出品されていない、販売が始まったのに資金が用意できてないなどの原因により、目星の作品を入手できないといったことも度々起こり得ます。

儲かる絵画投資を行うには、資金の柔軟性が求められることを念頭に置いておきましょう。

経年劣化のリスクがある(保管の必要性)

絵画投資の3つ目のデメリットは、経年劣化のリスクがあることです。

絵画が減価償却資産として定められているように、年々品質は劣化していきます。

品質が劣化すれば、買取価格が下がり損失を被る可能性もあるため、保管方法には特に細心の注意を払わなければなりません。

また、画材やキャンバスは、陽の光や湿度に弱いものも多いため、絵画の質を保つための正しい手入れ方法を身につける必要もあります。

歴史的な価値が高い作品は品質の劣化だけで大きく価格が下がることは少ないですが、比較的新しい作品は、品質を保つことが価格の維持に直結します。

購入時の資金だけではなく、管理費用なども考慮して投資し、採算が合うよう注意しましょう。

短期投資には向いていない

絵画の4つ目のメリットは、短期投資に向いていないことです。

急に価格が上昇する絵画はほとんどありません。そのため、よっぽど歴史のある作品でもなければ、購入してから数年で大きなキャピタルゲインを得られるような短期投資は不可能に近いでしょう。

アーティスト支援や、作品自体を楽しむことに意義を置いて、資産運用はあくまでも副産物として考えておいた方が良いケースも多々あるのが絵画投資です。

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絵画投資のやり方は自分のスタイルに合った方法を選ぼう

ここでは絵画投資の始め方を紹介します。絵画投資を成功させるためには、自分のスタイルに合った方法を選ぶ必要があります。

投資スタイルや絵画の楽しみ方から、最適な投資スタイルを見つけられるようにしましょう。

  • 画廊や画商から購入
  • オークションで落札
  • ANDARTなら少額投資も可能 評判も紹介

画廊や画商から購入

画廊
引用元:https://www.oida-art.com/introduction

絵画投資の1つ目の方法は、画廊や画商から購入することです。

絵画を購入する経路として一般的なのが画商(ギャラリー)を通した作品購入です。画廊では絵画が展示されているだけではなく、絵画の販売や買取も行われています。

画廊によって取り扱っている絵画のジャンルも違うため、まずはお気に入りの画廊を探してみるのがおすすめです。

そこから絵画の造詣を少しずつ深めていき、気に入った作品に投資するスタイルであれば、作品自体を楽しむことができるうえに、資産運用にもつながります。

初めての画廊なら「資生堂ギャラリー」がおすすめ

日本に現存する最古の画廊と言われているのが、大手化粧品会社「株式会社資生堂」が運営している資生堂ギャラリーです。

1919年にオープンして以来、東京の地で100年以上人々と芸術を繋げる役目を果たしてきました。

5メートルの天井高を誇る解放感あふれた空間には現代アートが中心に展示されており、非日常的な時間を満喫できます。

入場料は無料なので、徐々にアートに慣れていきたいとお考えの方には特におすすめの画廊です。

公式サイト

オークションで落札

オークション
引用元:https://www.sbiartauction.co.jp/

絵画投資の2つ目の方法は、オークションで落札することです。

オークションは主に「二次流通」の場となり、一度は誰かの手に渡った作品を入手する機会になります。セカンダリーマーケットとも呼ばれ、絵画の現時点での市場評価額が知れる機会でもあります。

しかし、オークションの性質上、他の参加者の競い合うなかで気持ちが高ぶっていき、市場評価額以上の高値がつくケースも少なくありません。

正当な価格で投資したい場合には冷静な判断力と確かな絵画知識が求められる、難しい投資方法とも言えるでしょう。

以下で絵画オークションを行っている企業のサイトを紹介していきます。

SBIアートオークション

1社目に紹介するのは、SBIアートオークションです。

さまざまな金融サービスを提供するSBIホールディングスのグループ企業で、現代アートを中心に工芸品やモダンアートといった芸術作品を扱ったオークションを開催しています。

公開型オークションが年に4〜5回行われ、50カ国以上から参加者が集うなどすでに国際的な立ち位置を獲得しているオークション業者です。

公式サイト

毎日オークション

2社目に紹介するのは、毎日オークションです。

平均1,200点の作品を出品するオークションを年に30回以上行っている国内最大規模のオークション会社です。

そのなかでも、現代アートも含め絵画を扱うオークションは年に12〜15回ほど開催され、誰でも気軽に参加できるのが特徴となっています。

インターネットからの入札も可能だったり、会場へ足を運ぶだけなら無料だったりと、芸術作品を目にする機会を作ってみたい方にもおすすめです。

公式サイト

Shinwa Auction(シンワオークション)

3社目に紹介するのは、Shinwa Auctionです。

現代アートのほかにもアンティーク品やジュエリー、ワインや漫画など、幅広い実物資産を取り扱っているのが特徴的な1989年創業のオークション会社です。

公式サイトでのオークションごとの落札結果公開や、誰でも出品可能なことから信頼性や公共性の高さが特に評価されているポイントとなっています。

公式サイト

ANDARTなら少額投資も可能 評判も紹介

ANDART
引用元:https://and-art.jp/

昨今では、1枚の作品を複数人のオーナーで保有できる少額投資システムが登場しています。

それが株式会社ANDARTの「ANDART」というプラットフォームで、好きな作品のオーナー権(共有持分権)を所有する形で、作品への投資が可能となっています。

現実的に手の届かないような有名アーティストの作品に、1枠1,000円程度から投資が行えます(最低投資金額は作品ごとに定められています)。

オーナー権を保有することで優待が受けられる

作品のオーナー権を保有すると、オーナー名の記載やデジタル証明書の発行といった優待を受けられます。

また、保有するオーナー権が複数になると、オーナー限定イベントに招待されることもあります。

作品は美術館や倉庫などで展示・保管される 不定期での鑑賞も可能

作品自体は、美術館や倉庫など、安全が認められた場所で管理されます。

また、オーナー権を持つ作品に関しては、不定期で鑑賞イベントが開催されることもあり、作品を実際に目の前で鑑賞できる機会もしっかり設けられています。

ANDARTの評判は上々 絵画作品に気軽に投資できる楽しさ

ANDARTに関する評判をいくつか紹介します。

画期的なシステムであることから、多くの絵画好きの支持を集めているようです。ひとつ目の意見は以下になります。

引用元:https://twitter.com/tanacchi_acebet/status/1460480267181723649

絵画を気軽に購入できる仕組みとはいえ、実際にお金を支払ってオーナー権を取得すれば、間違いなく絵画やアートの見方は変化していくことでしょう。

引用元:
https://twitter.com/kurocheb3275/status/1512324447390224386?s=20&t=Hpc3wW0XqxNB1aqNtXSqqQ

世界的にも有名な現代アーティスト「バンクシー」の作品のオーナー権を取得した方のご感想です。バンクシー作品を保有する喜びを感じられる機会は滅多にありません。こちらも共同所有の仕組みにより実現できる魅力のひとつです。

オーナー権自体にも価格変動が発生するため、興味がある方は価格上昇の前に投資を検討してみてはいかがでしょうか。

絵画投資は資産運用という目的以外にも趣味として楽しめる

絵画投資は資産運用だけではなく、趣味としての側面も大きいのが特徴です。

むしろ、趣味として楽しめるくらい絵画への造詣が深くなければ、今後値上がりする絵画を見つけ出すのも難しいと言えるほどです。

鑑賞することが第一の目的であった方が無理なく投資を続けられ、それが審美眼を磨く秘訣でもあります。

大きなキャピタルゲインに期待したくなる気持ちもありますが、まずは作品そのものへの思いを深めることが、人生をより彩るための投資になるのではないでしょうか。

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