証券会社で買える不動産投資信託(REIT)は物件探し・価格査定・サブリース契約などが不要でかつ安く始められる現物投資の手段として、人気です。
ただ多くの商品が存在するので選ぶのが大変という方もいらっしゃるでしょう。
そこで弊社では選択の際に重要となるいくつかのポイントをお伝えした上で、ランキングと称して国内・海外のものからおすすめのものを5つご紹介します。
不動産投資信託(REIT)とは?
不動産投資信託とは、投資家から集めた出資金をもとに専用の法人(不動産投資法人)が複数の不動産を取得・運用することで、得られた家賃収入や売却益を投資家に分配する金融商品のこと。
略称であるREIT(不動産投資信託の英訳・Real Estate Investment Trustの略称)でしばしば呼ばれています。
不動産投資信託には運用する会社とファンドそのものに投資する方法と、投資法人が証券を発行して上場させるETFのような仕組みがあります。
後者の場合は証券取引所で売買できるため、個人でも気軽に始められるのが特徴です。
東京証券取引所には、2024年1月14日現在、58銘柄が上場。
これら日本の不動産投資信託に上場するものはJ-REITと呼ばれていて日本の証券会社に登録している人であれば誰でも手軽に購入できます。
当然海外にも多くの銘柄が存在。
世界中の個人投資家やファンドマネージャーの注目を集めています。
またETFをもとにした投資信託の商品も数多く証券会社によって発売されています。
当社ではこれらも含めた上で解説します。
不動産投資信託(REIT)の4つの魅力
不動産投資信託の人気は高く、実際多くの金融系のメディアでランキングや定期的な特集記事が作成されています。
特に上場している分、株のような取引ができ、NISAも活用できるというのは大きな特徴と言えるでしょう。インフレに強い点や上場していない有名不動産投資会社の銘柄も扱えるのも大きなメリットです。
そんな不動産投資信託の魅力を以下に詳しくお伝えします。
株のように売買ができ換金しやすく、値段も安い
不動産投資信託(REIT)は株式市場に上場し、商品購入されて集めた資金をもとに投資するものです。
このため上場企業の株式と同様に証券会社のアプリやWEBページなどで購入することができ、物件訪問やサブリース会社訪問などを求められるアパートなど他の不動産投資商品と比べると非常に手軽に買えます。
売却についても株を売る感覚で行えばいいので、査定などの手間もかかりません。
また分散されている分、価格も安く数十万円ほどで購入することが可能です。
企業の株式などと比べると高くなることが多いですが、最低でも数百万円、多いと数千万円ん、数億円と莫大なコストがかかることが多いマンション投資などと比べればはるかに安いので、不動産投資の一形態と考えれば極めて低コストといえるでしょう。
そのため、不動産に興味はあるけど株式や再建などに投資しているため資金に余裕がないという人にはおすすめです。
NISAを活用できる
上述通り、REITは株式市場に上場する性格を持っています。
そのため一定額であればNISAを活用することができ、通常20.315%かかる税金を無料にすることが可能です。
不動産投資によって得られた収益をもとに投資会社から配られる分配金を全て受け取ることができるのは、さまざまな税金がかかることが多い自力での不動産投資にはない魅力と言えるでしょう。
騰落率が高くインフレに強い
近年日本でも懸念されているインフレ。
物価の値上がりを心配する人は多いかもしれませんが、不動産投資の場合は原材料や調達コストの値上がりにより所有物件の価値が上昇することが期待されるため、値上がり期待が高くなります。
実際インフレが続いていた2000年1月から2022年2月における米国の不動産投資信託(REIT)の騰落率(値上がり率)は4.59%。
この数値は株式(2.89%)や債券の0.67%を大きく上回っており、物価上昇期におけるREITの強さが伺えます。
日本の場合経済の長期低迷が続いているためインフレはそれほど拡大しない可能性もありますが、数年前からの物価上昇が継続する場合に備えて株と合わせて大きな投資効果を発揮できるかもしれません。
非上場の有名企業の銘柄も手軽に買えることがある
不動産投資と言われると、六本木ヒルズや麻布台ヒルズなどの開発で知られる森ビル、多くの温泉旅館の再生に成功した大江戸温泉グループや星野リゾートのことを思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかしこれらの企業は残念ながら非上場。
簡単に株式を入手することはできません。
ただこれらの企業は自社株の代わりに不動産投資法人が発行する投資信託のETFを上場させており、それであれば証券会社を通じて購入することが可能です。
1株あたり数十万円かかることが多く株取引より手軽さという点では劣りますが、メディアにも多数登場する有名企業が開発する案件に関われるため、自分で物件を見つけて不動産投資するよりは低リスクで行えるという点では魅力といえるでしょう。
主な有名企業の案件としては以下のようなものがあります。
- 森トラストリート(8961)
- 森ヒルズリート(3234)
- 大江戸温泉リート(3472)
- 星野リゾート・リート(3287)
不動産投資信託(REIT)を選ぶ7つのポイント
不動産投資信託(REIT)は手軽にできる不動産投資として人気の反面、通常の株式投資と比べるとコストが高くつくことも多いため、慎重に検討する必要もあります。
特に金額に制限のあるNISA枠を利用する場合は、価値が下がらないよう多くの情報を参考に銘柄を選ばなければなりません。
以下に選び方として取り上げられることの多い7つのチェック項目をご紹介します。
用途は何か?
不動産投資信託(REIT)には用途別に以下の2つの分類が存在します。
- 単一用途特化型
- 複数用途型
単一用途特化型はホテルやマンション、商業施設、物流施設、オフィスなど特定の用途1つに集中的に投資する投資商品です。
利用者や価格変動などをイメージしやすいため収益の期待値を計算しやすい、好景気時に高いリターンが期待できるというメリットがあります。
特にホテルやオフィスの特化型REITは景気の良い時期に値上がりしやすい一方で不況時に企業が削減対象にする対象にもなりやすいためハイリスク・ハイリターンな商材と言えるでしょう。
一方複数用途型は名前の通り、2つ以上の用途に投資するREIT。
これは「ホテル+商業施設」や「オフィス+ホテル」のように2種類を組み合わせて投資する複合型と、「ホテル+マンション+商業施設」など3種類以上に投資する総合型に分類されます。
複数用途型は投資対象が分散するためリスクが低くなる一方、それぞれの用途別にコストがかかるなどの理由から利益率は単一用途特化型に比べて低くなります。
リスクとリターンどちらを重視するかによって、選ぶREITを検討するようにしましょう。
利回りはいくらか?
不動産投資信託は銀行の定期預金や株式、債券などと比べて利回りが高いのが特徴です。
実際長期にわたる低金利政策のためにほぼ0%に近い銀行預金と比べて、過去10年間におけるJ-REITの平均は4%と、はるかに高いものとなっているため、長期間銀行にお金を預けるのと比べれば極めてお得といえるでしょう。
この利回りは高いものであればあるほど、収益は高くなるため長期保有で得られる金額も大きくなります。
ただ利回りが高すぎる銘柄は資金が集まらないために高く設定されている場合もあるため、値下がりリスクは大きいと言えます。
各銘柄の平均値を見てバランスを考慮することや他の数値も見た上で検討することを心がけてください。
NAX倍率や時価総額は適正か?
時価総額は不動産投資信託(REIT)が保有する資産を表した数値。
この数値が高いほど市場からの評価は高くなりますが、あまりに高いと過熱気味という状況を表すため投資には不向きとなります。
またNAX倍率はREITの価格が一口あたりの純資産の何倍かを表している数値で、この数値が1に近いほど適正な価格で販売されます。
言い換えると、NAX倍率が1より低ければ割安、高ければ割高となります。
この2つの数値は各銘柄に投資するタイミングを測る際の目安となるため、欲しい銘柄がある場合はこまめに情報をチェックするようにしましょう。
LTV(借入金比率)が高くハイリスクでないか?
不動産投資におけるLTVとは「Loan to Value」の略語。
日本語にする不動産の価値に対する借金(ローン)の比率をパーセンテージで表した数値で、以下のように求められます。
LTV = 負債額÷物件価格×100
この数値が高いほど、不動産投資信託の運営企業の借入金への依存度が高くなり、リスクは増大します。
できる限り低い企業を選ぶようにしましょう。
運用会社とスポンサー企業は信用できる会社か?
不動産投資信託(REIT)には、物件や人材、経営ノウハウなどを提供するスポンサー企業が存在します。
その戦略は保有する物件の地域や規模、用途などに大きく影響するので、欲しい銘柄があったら直近のプレスリリースや経済ニュースなどでスポンサー企業の動向をよく追うようにしましょう。
また運用会社やスポンサー会社の信用も、REITの価格安定には重要な要素となります。
思わぬ損失を被らないためにも、前述したLTVの情報を確かめるなど、信用できる企業が運営・協賛しているのか必ずチェックするようにしてください。
信託報酬は高くないか?
先ほども述べたように不動産投資信託には投資法人が発行するETFやそれをベースに組み合わせた投資信託の商材も存在します。
これらの商材は証券会社などで購入できるため手軽な一方、保有している間、信託費用(運用会社に支払う費用)がかかります。
信託費用は持っている間は価値の増減や利回りに関わらず必ずかかる固定費用となるため、費用が高くないものを選ぶようにしましょう。
など初心者の場合は投資信託会社が独自で商品を作っているものよりも、東証REIT指数など株価指数に連動するものを選ぶのが一般的に信託報酬が高くならないため、おすすめです。
日本円で購入することが可能か?
日本国内で購入できる不動産投資信託には日本国内だけでなく、海外の案件もあります。
経済成長率がより高く、かつ通貨の値上がりも期待できる海外案件の場合は、J-REITに投資するよりも多くの利益を得られることから注目する人も多いです。
ただ海外の案件の場合、日本円ではなく現地の通貨でないと購入できないことも。
両替を行うと、手数料などにより思わぬコストを強いられることがあります。
また現地通貨を扱う場合スマホで作業できなくなることも多く手間も増大してしまうため、当社としてはおすすめできません。
そのため、銘柄が日本円で購入できるかも注目するようにしましょう。
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国内(J-REIT)のおすすめランキング5選
上記の基準を踏まえ当社として検討した国内不動産信託のおすすめランキングをお伝えいたします。
いずれもJ-REITの人気銘柄として多くのメディアでも上位として紹介されることが多いものです。
以下の説明文をもとに、購入する際の検討材料にしてみてください。
1位:eMAXIS Slim 国内リートインデックス
最初に紹介するのは東証のREIT指数に連動することを目指す投資信託・「eMAXIS Slim 国内リートインデックス」です。
eMAXISシリーズは三菱UFJ国際投信が手がける指数連動型の投資信託商品で、投資家の皆様であれば聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
実際信託報酬は安い部類に入るため、米国株や全世界株式など多くの分野で大人気。
証券会社の人気ランキングには必ずと言っていいほど入る、投資家からの信頼が厚いブランドです。
「eMAXIS Slim 国内リートインデックス」においても東京証券取引所に入る全てのREIT商品を加重平均した指標に連動する形となっており、利回り率は1.62%、信託報酬は0.187%と投資家にかなり有利な条件で設定されています。
投資信託はETFと比べても初期費用が安くすみ、かつこの商品であれば分散効果も国内全ての商品に及ぶためリスクも非常に低いです。
初めて日本の不動産投資信託に触れる人であれば是非とも抑えたい銘柄と言えるでしょう。
2位:ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)
上記同様、東証REIT指数をベンチマークとして連動することを目指した運用を行う投資信託です。
最大の魅力は、利益が毎月分配される点。
収益が常に入ってくるため、安定した運用が望めます。
信託報酬も0.792%と安めな上、基準価格も1,876円(2023年1月15日現在)とポイント投資でも狙えるほど低いという手軽さもメリットの一つと言えるでしょう。
このような点から国内不動産投資信託では「みんかぶ」など多くの金融メディアのランキングで上位に入る実績を持っています。
販売している金融機関も53社(2023年1月15日現在)と他の投資信託商材に比べて多いのもメリットと言えるでしょう。
人気商材から投資を始めたいという人におすすめの銘柄です。
3位:J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)
マザーファンド投資を通じて日本の不動産投資信託証券に投資し、安定した利益と信託財産の中長期的な成長を目指す運用を行うファンドです。
上記2つと異なり指数に連動しないため信託報酬は1.1%とやや高めではありますが、プロの目線から銘柄が選ばれるため値上がり期待の大きさという点では上回ります。
三井住友信託銀行による2005年からの投資実績もあり、信頼という意味でも十分。
長年に渡り、REIT人気ランキングの上位常連銘柄の一つです。
指数だけでなく、アクティブ型の運用を行うファンドにも着目したいという方におすすめの不動産投資信託と言えるでしょう。
4位:SOSiLA物流リート投資法人(2979)
住友商事がスポンサーを務める投資法人で、同社の開発する物流施設の物件に投資するファンドのETFです。
2019年の分配金の大きさが上昇し続けており、中期的には2000億円にまで拡大予定と今後にも期待されます。
物流業界はネット通販の伸びと同時に拡大を続けている上、労働規制の強化に伴う「物流の2024年問題」により設備投資が伸びることが期待されているため値上がり期待が大きいです。
その中でもSOSiLA物流リート投資法人のREITは、他の物流系銘柄と比べて値段は安め。
特定の施設に重点投資する不動産投資信託に初めて投資するという方におすすめの銘柄といえるでしょう。
5位:日本プライムリアルティ投資法人(8955)
東京建物がスポンサーとして入る、日本各地のオフィスや商業施設を中心に保有する不動産投資信託運用会社です。
後述のように日本のオフィスはリモートワークの普及などにより余りがちな傾向があります。
ただ同法人が持つ物件は影響が比較的抑えられた中規模のものが中心。
日本プライムリアルティ投資法人は商業施設も保有しており、今後はホテル物件の取得も進める方針を打ち出しているので、コロナ禍以降の社会の変化に強いといえるでしょう。
ただ、分配金利回りは4.22%(2024年1月15日時点の予想値)で、他の特化型の不動産投資信託と比べると低め。
その分割安でもあるため、初めての投資法人への株式投資におすすめの銘柄といえます。
海外不動産信託おすすめランキング5選
国内と同時に海外の不動産信託のおすすめランキングもご紹介します。
いずれも日本の証券会社に登録していれば簡単に購入できるものが多く、当社として自信をもっておすすめします。
興味ある方は是非とも以下の5つをチェックしてみてください。
1位:日興-ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)
日興アセットマネジメントが手がける、日本を含む先進国15国へのREITに分散出資する不動産投資信託の商品です。
構成比率で見ると米国が75.3%と最も高く、続いて日本10.6%、イギリス5.2%。
投資対象にはオーストラリアやアイルランドのREITまで存在しており、幅広い分散効果が期待できます。
信託報酬は1.65%と国内の不動産投資信託と比べるとコスト高になりますが、それでも海外REITの中では安い部類に入ります。
そして利回り率は6.04%。
この数値はJ-REITの平均1.5%〜3%の倍以上となるのが魅力です。
日本国内のみならず海外にも目を向けたいものの、どの国を選ぶべきか悩む方や安定性とも両立させたい方は検討すべき銘柄といえるでしょう。
2位:ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)
大和アセットマネジメントが手がける、米国のREITインデックスである「FTSE NAREITエクイティREIT・インデックス」に連動した投資を目指す投資信託商品です。
魅力は1口あたりの価格・2,339円という安さ。
国際REITは高い価格設定のものも目立つために大きなメリットと言えるでしょう。
レートも日本円ベースであるため価値査定の際に複雑な計算をしなくていいというのも魅力です。
信託報酬も年率1.672%と海外不動産投資信託の中では安めです。
販売している金融機関も93社と業界屈指の多さ。
米国REITを手軽に買える手軽さから人気は高く、各種金融メディアの海外不動産投資信託ランキングでは上位の常連と言える銘柄です。
初心者にも自信をもっておすすめできる商品と言えるでしょう。
3位:ワールド・リート・セレクション(アジア)
日本以外のアジア各国の不動産投資信託に投資する、三井住友アセット・マネジメントが手がける信託商品です。
高い経済成長率による値上がり期待と9.69%にも達する利回りが魅力となっています。
アジア市場については、後ほど述べますが中国のバブル崩壊など不安定な側面があります。
ただ「ワールド・リート・セレクション」の構成銘柄はアジア市場の中でも長年にわたって経済成長を続けるシンガポールが8割近くを占めるため、安定した収益が期待できるといえるでしょう。
なお指標に連動する形の不動産投資信託ではないため、信託報酬が1.628%とやや高めであることはデメリットとなります。
ただ利回り率が高いためコストをカバーできる可能性も十分と言えるでしょう。
経済成長とともに長期保有による値上がり期待で持つことを好む人におすすめのREIT関連商材です。
4位:iシェアーズ 米国不動産 ETF (IYR)
20年以上にわたる投資実績のある米国投資信託で高い人気を誇る、ニューヨーク証券取引所に上場しているETFです。
魅力はなんと言っても信託報酬の安さ。
0.42%(年率・税抜)と上記に紹介した投資信託と比べると1%以上も低いコストになっています。
ETFの利回りと言える年率リターンも1年で21.5%にも及ぶなど、非常に高めです。
海外不動産のインデックスファンドランキングでも上位に来ることも多い人気ファンドのため、REITへの分散投資を検討している方は是非とも検討してみてください。
5位:iシェアーズ 先進国(除く米国) REIT ETF (IFGL)
上記同様、ニューヨーク証券取引所に上場している海外ETFの一つです。
米国以外の先進国のREITに分散投資を行う高い分散効果を発揮するETFで、こちらの信託報酬も0.48%(年率・税抜)と、通常の海外不動産の投資信託商材と比べて非常に安く抑えられています。
1年のリターンも12.3%。
高い数値を記録しており、投資家に大変有利な銘柄と言えます。
IYR同様、米国株に投資できる口座が必要などのデメリットはあるものの、コストを抑えた上でリスクの低い商材を買えるのは大きな魅力。
さまざまな国で安定した不動産投資を行いたい人にピッタリな商材と言えるでしょう。
不動産投資信託:2024年に注意すべき2つのポイント
不動産投資信託(REIT)にはいろいろな種類があり、支払う金額も少額で済むため不動産投資の入口として大きな役割が期待できます。
2024年に拡大したNISAの活用法としてもおすすめです。
一方で今年始められるなら、以下の2つについては気をつけた方がいいと言えるでしょう。
- 不安定な状況にある新興国への投資、特にバブル崩壊が伝えられる中国関連の投資
- 中心となる用途がオフィスになる投資商品
以下に詳しく説明いたします。
中国・ベトナムなど新興国への投資は要注意
海外のおすすめランキングでもお伝えしたように、アジアをはじめとする新興国は高い成長率から莫大な不動産需要が見込まれるため、十数年以上単位の長期で投資するのに向く投資です。
その一方、新興国の場合は先進国と比べると制度の不備のためか現地の大手であっても不正事件を起こすことがあり、これをきっかけに不動産市場が苦境に立たされるケースも存在します。
例として、ベトナムでは2022年に大手開発事業者が不正事件を起こし、翌年には6割以上の事業者が事業一時停止または倒産に追い込まれる事態が発生。
同国は人口が今後も増加し経済発展も進んでいることから不動産需要そのものは高いものの、不正発覚後市況は急激に冷え込み「バブル崩壊」ともまで伝えられる状況に陥いる事態になってしまいました。
(ベトナムの状況はこちらの記事に詳しいので、もっと知りたい方は是非ともご覧ください。)
新興国投資は長期間にわたって行うことが多いため、不正問題で暴落してもいずれ値上がりすることが期待できますが、一時的な大きな損失を気にされる方はいらっしゃるかもしれません。
そのような事態を防ぐためにも、投資しようとしている国・地域の取引制度や最新のニュースなどはよくチェックするようにしましょう。
また新興国の中でも中国市場は要注意です。
2020年代になって過剰供給や国の方針の変更もあって、不動産不況が深刻化。
恒大集団(エバーグランデ)や碧桂園(カントリーガーデン)といった大手不動産企業が数兆円もの負債を抱えて経営危機に陥ったというニュースを耳にした人も多いと思われます。
供給過剰になった住宅の数や負債額などがあまりに巨大なためにバブル崩壊後の日本と同様の長期低迷を予想する声もあり、中国本土の不動産に関する投資はしばらく避けた方がいいかもしれません。
また中国不動産企業の低迷は同国国内だけにとどまりません。
現在苦境に陥っている不動産デベロッパーが進めているプロジェクトの中には、マレーシアのフォレストシティなど海外案件で著名なものも含まれています。
中国企業に限った話ではありませんが、このような開発案件に関わる場合は、関わる企業を調べ上げた上で、前述した所有会社や運用会社が信用できるか報道などを見て確実に判断できるようにしておきましょう。
オフィスメインの不動産投資信託(REIT)は低迷する?
コロナ禍で落ち込んだ不動産需要については、全世界的に回復しつつあるものの、なおも懸念されるのがオフィスの需要低迷です。
オフィスは空室率が5%を超えると供給過剰と言われていますが、リモートワークの普及や相次ぐ高層ビルの完成などの影響でここ3年で急上昇しています。
実際、東京都心においては対象となる5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)のオフィス空室率は2023年8月時点で6.4%。
この数値は、大型プロジェクトである東京ミッドタウン八重洲や麻布台ヒルズなどの完成も相まって、31ヶ月連続で増加。
かなり供給過剰にあると言えるでしょう。
名古屋や大阪など他の都市でも似たような状況にあり、海外でもサンフランシスコなどIT企業の拠点が多い場所ほど空室率の多さが問題となっています。
また過去十数年にわたってオフィス需要を支えていた巨大IT企業も、ここ数年は人員削減の影響もあり勢いは鈍化。
オフィスの需要低迷に拍車をかけています。
これらの状況から、オフィスビルを中心としたプロジェクトを主に投資する不動産投資信託(REIT)はしばらく厳しい状況に置かれるかもしれません。
まとめ
不動産投資信託(REIT)は証券会社経由で手軽に帰ることも多く、かつ初期コストも抑えられるため、投資初心者にもおすすめできる商品です。
この記事に限らず多くのメディアでランキングが紹介されているので、見比べた上でご自身にあった商品を探してみましょう。
また弊社でも不動産投資信託をはじめとする現物投資についての最新情報を紹介しています。
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