高額な世界の名画ランキング10選!流通していない史上最高価値の名画もご紹介

世界には有名な絵画が多数存在しますが、それぞれにつけられた額がかなり高額であることはご存知でしょうか。聞いたこともないような額で売却されたものばかりで、驚く人が続出することと推察されます。

今回は、高値で取引された名画を10個します。意外と知らなかった作品もあるかもしれないので、見るだけでも興味深いと感じるでしょう。

それに加えて、価格のない世界的に価値の高い名画を4つ紹介しています。価格がないのは、美術館に展示されているからです。その価値は価格に換算すると数百億から数千億円ともいわれているほどです。

本記事を読めば、世界的に名画に対する理解も深まる上に芸術的な感覚を養うことにもつながるでしょう。ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

高値がついた世界的名画10選

世界には、驚異的な額で取引された名画がたくさんあります。ここではその名画を、取引額が高いものからランキング形式で10個紹介します。

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ 『サルバトール・ムンディ』
  • ウィレム・デ・クーニング 『インターチェンジ』
  • ポール・セザンヌ 『カード遊びをする人々』
  • ポール・ゴーギャン 『いつ結婚するの?』
  • ジャクソン・ポロック 『Number 17A』
  • レンブラント・ファン・レイン 『旗手』
  • マーク・ロスコ 『ナンバー6(すみれ、緑、赤)』
  • グスタフ・クリムト 『水蛇Ⅱ』
  • レンブラント・ファン・レイン 『マーティン・スールマンズとオーペン・コピットのペンダント肖像画』
  • パブロ・ピカソ 『アルジェの女たち』

多くの方が耳にしたことのある画家が多いかもしれません。取引の詳細や絵の制作背景、画家の生活などについても合わせて解説しています。

それでは一つずつチェックしていきましょう。

レオナルド・ダ・ヴィンチ 『サルバトール・ムンディ』

レオナルド・ダ・ヴィンチの名作「サルバトール・ムンディ」は、2017年11月に行われたクリスティーズのオークションにて、4億5030万ドル(約588億692万円)で落札されました。

サルバトール・ムンディとは「世界の救世主」という意味です。

これは現在一般流通している作品で、史上最高額を記録しています。

「サルバトール・ムンディ」の購入者にまつわる話

購入者は、サウジアラビア王室の文化大臣バッダー・ビン・ファルハン・アル・サウド王子であるとされています。

しかし世界的に有名なアメリカの経済専門の日刊紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」では、本当の購入者はカショギ氏殺害事件の黒幕のムハンマド・ビン・サルマーンであると記されています。

カショギ氏殺害事件とは、2018年にサウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏がイスタンブールにあるサウジアラビア総領事館で殺害された事件のことです。

ただ表向きでは、クリスティーズは「バッダー王子がアブダビ文化観光省の代理として購入した」と確認しているといいます。

「サルバトール・ムンディ」は2017年12月に、ルーブル・アブダビで展示予定だと発表されていました。しかし2018年9月に、展示の無期限キャンセルが発表されました。

結局のところ、現在同作品がどこに所蔵されているかは定かでないのが実情です。

ニューヨークに拠点を置く、世界的なアート専門紙の「The Art Newspaper」のジャーナリストであるジョージア・アダム氏は、スイスのジュネーブの倉庫に保管されていると推測しています。

レオナルド・ダ・ヴィンチとは

レオナルド・ダ・ヴィンチはイタリアのルネサンス期を代表する画家の一人です。ミケランジェロやラファエロと並ぶのが、レオナルド・ダ・ヴィンチです。

彼は絵画だけでなく、数学や天文学、機械工学、建築学など、あらゆる分野に精通していたことが知られています。

「サルバトール・ムンディ」の他にも、「最後の晩餐」「モナリザ」「受胎告知」などが代表的な作品です。

しかし完成した絵画はそこまで多くなく、20点ほどしかないといわれています。

晩年はフランスのフランソワ一世に招かれ、クロ・リュセ城を邸宅として住んでいたとされています。

ウィレム・デ・クーニング 『インターチェンジ』

ウィレム・デ・クーニングの「インターチェンジ」は2015年、デヴィッド・ゲフィン財団がアメリカのヘッジファンドマネージャーであるケネス・グリフィンから個人間取引にて3億ドル(約395億円)で売却されました。

同作品は2015年当時、「最も高額な油絵作品である」として脚光を浴びました。現在は、シカゴ美術館で貸出展示されています。

「インターチェンジ」は抽象表現主義の作品で、キャンバスに特別なオブジェクトがないことが大きな特徴。「幸せ」「悲しい」などの特定の感情を表現しているわけでもなく、激しく躍動感のあるタッチが魅力です。

この作品はウィレム・デ・クーニングが1955年に描いたもので、20世紀の美術史では重要な存在感を誇っています。

ウィレム・デ・クーニングの作風

彼は「アクション・ペインティング」の代表ともいえる人物です。アクション・ペインティングとは作品の出来栄えだけでなく、描く行為そのものも重視する様式のこと。顔料を飛び散らせたり、垂らしたりしながら描く様式を指します。

戦後、彼は戦争に幻滅しながらも立ち直ろうという一心で作品を描いていました。作品は、世界の醜い現実を表現したものが多いとされています。

ポール・セザンヌ 『カード遊びをする人々』

ポール・セザンヌの「カード遊びをする人々」は、2011年にカタール王室が2億5000万ドル(約329億円)で購入しました。

同作品は全部で5点存在し、カタール王室が購入したのは最後の1点だったとされています。

別の4点はそれぞれ、ニューヨークのメトロポリタン美術館、パリのオルセー美術館、ロンドンのコート―ルド・ギャラリー、フィラデルフィアのバーンズ・コレクションが所蔵しています。

「カード遊びをする人々」の時代背景

「カード遊びをする人々」は、ポール・セザンヌが1894年から1895年にかけて制作した作品です。セザンヌの晩年に描かれたもので、17世紀のオランダとフランスの風俗画を強く意識していることがわかります。

一般的な風俗画では、居酒屋などで酔っぱらった悪党や賭博者たちが、騒がしくカード遊びをしている場面が描かれることがほとんど。しかしセザンヌはもっとシンプルな場面で、仏頂面の農民を描いています。

彼の作品は、人物の性格や物語性を表現する要素が欠如していることが特徴です。風俗画で決まって描かれる、酒や金といったものも描かれていません。テーブルにワインボトルが置かれているのみです。

描かれている人物は顔を見合わせることなく、カードに目を向けています。この時代、カードこそが彼らの唯一のコミュニケーション手段だったといっても過言ではないと考えられています。

ポール・ゴーギャン 『いつ結婚するの?』

ポール・ゴーギャンの「いつ結婚するの?」は、2015年2月にカタール王室のシェイカ・アル・マヤッサが2億4000万ドル(約316億円)で落札しました。

もともとは、実業家でコレクターであったルドルフ・シュテヘリンが半世紀の間、スイスのバーゼル市立美術館に貸し出していました。それをカタール王室のシェイカに売却したというわけです。

「いつ結婚するの?」に込められた意味

「いつ結婚するの?」は、ゴーギャンが純粋なプリミティブアートを制作するために、1891年に初めてタヒチに旅行したことがきっかけで誕生しました。

ゴーギャンはタヒチで、多くの先住民の女性たちを描きました。描いた女性たちはタヒチの民族衣装や西洋風のドレスを身に着けていることもあれば、ヌードであることもあったとされています。

同作品では、後ろの女性が前の女性に「いつ結婚するの?」とメッセージを送っている様子が描かれています。

批評家のリチャード・フィールドによれば、前の女性の左耳についている白いティアレの花は「夫を探しているサイン」だといいます。

タイトルにもなっている「いつ結婚するの?」はキャンバスの右下にタヒチ語で書かれています。これは女性同士でよくやり取りする言葉で、後ろの女性が前の女性に挑発していると考えられています。

ポール・ゴーギャンとは

ポール・ゴーギャンはパリ出身の画家です。フランス革命の最中(1848年)に、パリで生まれました。革命の混乱から逃げるため、幼少期は一家で南米ペルーに移り住んでいたといわれています。

1954年にペルーで市民戦争が起きると、ゴーギャンはフランスに戻って生活するようになりました。

画家になるまでは、商船の水先案内人の見習いをしていたとされています。その後はパリの証券会社で株式仲介人として働き、余暇として絵を描き始めました。

印象派の画家との交流が増え、ピサロやポール・セザンヌらと一緒に絵を描くこともあったとか。1876年に初めて風景画をサロンで発表すると、同年のうちに入選するなどの功績を収めました。その後印象派展に出品したり、自身のアトリエを持ったりして、芸術家としての活動の幅を広げていきます。

あの有名なゴッホがゴーギャンの作品に感銘を受けて、交流があったことも有名なエピソードです。ゴッホの弟テオがゴーギャンの作品を購入したことをきっかけに、二人は交流を持つようになりました。

1888年には南フランスのアルルにあるゴッホの「黄色い家」にて、9週間に渡る共同生活をしたともいわれるほどです。互いを描いた作品が残っていることでも有名です。

  • ゴーギャン作:ゴッホが自身の代表作を描く姿を「ひまわりを描くゴッホ」
  • ゴッホ作:ゴーギャンが愛用していた「ゴーギャンの肘掛け椅子」

このような作品を互いに残していることから、お互いを尊敬した良好な関係であったことが見て取れます。

ジャクソン・ポロック 『Number 17A』

ジャクソン・ポロックの「Number 17A」は2016年初頭に、ヘッジファンドマネージャーでコレクターのケネス・グリフィンがデヴィッド・ゲフィンから個人間取引にて、2億ドル(約263億円)で購入しました。

同作品は1948年に描かれたもので、絵具缶から絵の具を直接垂らして描く「ドリップ・ペインティング」と呼ばれる技法で描かれています。ポロックの数あるドリップ・ペインティングの作品の中でも、「Number 17A」は初期の作品にあたります。

ドリップ・ペインティング自体の歴史は、1947年頃までさかのぼります。当初はドリップ・ペインティングの人気度は低く、美術市場での価値も低かったのが事実です。

しかし1948年にニューヨークのベティ・パーソンズ・ギャラリーで開催された個展で作品を披露すると、「Life Magazine」というアメリカで発行されていた雑誌で掲載されます。そこでポロックは「アメリカで最も偉大な現役の画家」と紹介され、注目を集めるようになりました。

ジャクソン・ポロックとは

ジャクソン・ポロックはアメリカのワイオミング州出身の画家です。芸術家を目指していたこともある母の影響で、幼少期から芸術作品に触れながら過ごしていました。

ポロックはユングの影響を強く受けています。ユングは精神科医であり心理学者で、無意識理論を説いた人物です。

ポロックはドリップ・ペインティングやアクション・ペインティングなどを使用して精力的に作品作りをしていました。しかしそのプレッシャーからか、彼はアルコール依存症で入院を繰り返すようになります。そして飲酒した状態で車に乗り、猛スピードで走行して交通事故を起こします。その事故で、44歳という若さで亡くなりました。

レンブラント・ファン・レイン 『旗手』

レンブラント・ファン・レインの『旗手』は2022年2月に、アムステルダム国立美術館がロスチャイルド家から1億9800万ドル(約260億円)で購入しました。

描かれている男性は、旗や帽子の羽毛などからアムステルダムの市民警備会社の社員であることがわかります。

レンブラントは強い個性を描き、衣装や顔の細部から彼の並外れた技術がうかがえることが特徴です。

彼はオランダの画家で、エッチング師でした。ヨーロッパの芸術を語る上では欠かせない人物であり、歴史的にも大きな存在感を放っています。

レンブラントの作品は、かつてヨーロッパの代表的なアートであったバロック様式とは正反対のものでした。彼のエッチング技術は長い間人気があり、芸術家としての評判は高かったといいます。

レンブラント・ファン・レインとは

レンブラント・ファン・レインはオランダ生まれの画家で、裕福な家庭で育ちました。1624年にはアムステルダムに出て、有名な歴史画家のピーテル・ラストマンに師事していたとされています。

代表作としては、「夜警」が有名です。晩年には視力が低下したことから、作品数も減少。初期の細やかなタッチから一転し、晩年は厚塗りで立体感のある、光をまとった画風になりました。

エッチング技術の発展に大きく貢献したと評価されており、光と影を巧みに表現する画家として名を残しています。

マーク・ロスコ 『ナンバー6(すみれ、緑、赤)』

マーク・ロスコの「ナンバー6(すみれ、緑、赤)」は2014年、ロシアの富豪であるドミトリー・リボロフレフが、フランスのワイン商クリスチャン・ムエックスから1億8600万ドル(約246億円)で購入しました。

同作品は1951年に描かれた油彩画で、抽象主義作品の「カラーフィールド・ペインティング」とみなされています。

描かれているのは色の印象のみで、特別な主題はありません。しかしそれだけで鑑賞する人々に強烈なメッセージを伝えてきました。

ただ驚くべきことに、この時代のロスコは画家としては売れておらず、憂鬱な時期を過ごしていました。

翌年の1952年にニューヨーク近代美術館で開催された「15人のアメリカ人」展で招待されたことが、ロスコにとって大きな転機となります。同展で彼はジャクソン・ポロックやウィリアム・パツィオーツと並んで、正式に抽象表現主義のメンバーとして紹介されたことで、売れ始めました。

マーク・ロスコとは

マーク・ロスコはロシア生まれでアメリカ育ちの画家です。法律家を目指し、イェール大学に入学するも、2年で退学します。その後はニューヨークで働きながら、画家のマックス・ウェーバーに学びます。

40代後半から、「ナンバー」シリーズに着手しました。50代以降は巨大なキャンバスに単純な色、水平または垂直に配した画風に移行します。そこから鑑賞者の思考を呼び起こすような、瞑想的な表現方法を確立。

ロスコは哲学や詩を好み、運命や悲劇、恍惚といった人間の感情に関心がありました。そのため次第に自身の作品を、感情を伝えるものとみなすようになったといわれています。

グスタフ・クリムト 『水蛇Ⅱ』

グスタフ・クリムトの「水蛇Ⅱ」は2013年、ロシアの実業家であるドミトリー・リボロフレフがスイスの画商イブ・ブヴィエから1億8380ドル(約243億円)で購入しました。現在は個人蔵扱いになっています。

2023年2月3日からは、ウィーンのベルベデーレ美術館に展示されました。同作の国内での展示は約60年ぶりだったとされています。

「水蛇Ⅱ」は1904年に制作された油彩画で、80×145㎝と、かなり大きな作品であることが特徴です。

同作品はクリムトの最盛期の作品の一つで、女性を水中生物のように描いていることがわかります。このように水中生物を描くスタイルは、クリムトのような象徴主義の傾向がある画家にとって、未知で超越的な宇宙を表現する代表的な方法でした。

なお、「水蛇Ⅰ」は以下の画像です。同作品は1904年から1907年にかけて描かれています。

「水蛇Ⅰ」のサイズは50×20㎝であり、「水蛇Ⅱ」よりもかなり小さいのが大きな違いです。

グスタフ・クリムトとは

グスタフ・クリムトはウィーンで生まれ、一生をウィーンで過ごした画家です。ウィーン最大の画家ともいわれており、19世紀末から20世紀後半にかけて活躍しました。

彼は官能的な作風が大きな特徴で、始めは彼に対する風当たりは強かったとされています。クリムトの他の代表的な作品には、「接吻」「女性の三時代」「ユディト」などがあります。

クリムトの家には絵のモデルを務めた女性たちが出入りしており、その中の複数人と関係があったといわれています。婚外子は少なくとも14人はいたというほどです。

レンブラント・ファン・レイン 『マーティン・スールマンズとオーペン・コピットのペンダント肖像画』

こちらの肖像画は当初ロスチャイルド家が所蔵していました。しかし2015年以降、ルーブル美術館とアムステルダム国立美術館が折半して1億6000万ユーロ(約229億円)ずつ支払い、両美術館の共同所蔵となりました。

「マーティン・スールマンズとオーペン・コピットのペンダント肖像画」はレンブラントが描いた、一対の全体婚礼肖像画です。1634年のマーティン・スールマンズとオーペン・コピットの婚礼に合わせて注文されました。

作品は個別に分かれていますが、これまで数多くの所有者の元を転々としながらも、この2枚は常に隣同士に飾られていたといいます。

レンブラントが描いた肖像画の中でも珍しく、全身を収めた大きな規格であることも特徴です。モデルのマーティン・スールマンズとオーペン・コピットは、アムステルダムの裕福な新郎新婦が着るお揃いの衣装を身に纏っています。

パブロ・ピカソ 『アルジェの女たち』

パブロ・ピカソの「アルジェの女たち」は2015年5月にニューヨークのクリスティーズで行われた競売にて、1億7900万ドル(約215億円)で落札されました。売り手と買い手は匿名とされています。

「アルジェの女たち」はピカソが1954年から1955年の冬にかけて制作した油彩画です。フランスの画家ドラクロワの、ハーレムの女性たちを描いた「アルジェの女たち」のオマージュ作品であるとされています。作品はAからOまでの合計15連作となっています。

ピカソはまず1940年初頭にラフスケッチを描きました。そしてドラクロワの作品を研究するために、10年かけて定期的にルーブル美術館に通っていたとされています。

「アルジェの女たち」に込められた意味

そんな中で偶然にも、1954年にフランスの支配に対する独立へのアルジェリア民族戦争が発生。この時事問題に触発されたピカソは、「ムーア人が支配していた頃のアルジェリア」と「ピカソが生きている時代に発生したアルジェリアの民族戦争」を関連付けるように描きました。

このような背景の下で制作された「アルジェの女たち」の主題は、「伝統の理解と、そこからの独立」であるといえます。同作品はこの時代の戦争や、ピカソが北アフリカで発見した原始的な魅力、娼婦街の女など、様々な要素とピカソ自身の来歴が入り混じった作品なのです。

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推定過去最高額!?流通していない名画たち4選

法外な価格で取引された絵画がたくさんあることがわかりましたが、世界には流通していない名画も数多く存在します。

ここでは、流通していなくて価値がずば抜けて高いとされる名画を4つご紹介します。

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ 『モナリザ』
  • サンドロ・ボッティチェリ 『ヴィーナスの誕生』
  • エドワルド・ムンク 『叫び』
  • レオナルド・ダ・ヴィンチ 『最後の晩餐』

どれも聞いたことがあるものばかりではないでしょうか。一つずつ、詳しく確認していきましょう。

レオナルド・ダ・ヴィンチ 『モナリザ』

レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」は誰もが知る、世界的名画です。

「モナリザ」はルーブル美術館に展示されていて流通してないため、絵画としての価格はありません。しかし専門家によれば、その価値は8億ドル(約1000億円)を超えるといわれています。

1962年当時の「モナリザ」の保険価格は1億ドルで、これは美術品としては史上最高の評価額でした。当時から現在までのインフレや物価の上昇を考案した場合、8億ドルを超える価値があると推定されたのです。

「モナリザ」は1503年から1519年にかけて制作されました。今もなお、世界で最も有名で価値のある絵画だと評価されています。

同作品のモデルは、フィレンツェの裕福な商人で、行政官も務めたフランチェスコ・デル・ジョコンドの妻リザ・デル・ジョコンドだとされています。

オブジェクトの輪郭線を描かないでぼかす「スフマート」や、空気を描き込むことで遠近感を演出する「空気遠近法」などの技法が使われているのが特徴です。

サンドロ・ボッティチェリ 『ヴィーナスの誕生』

ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」は、教科書や資料集などにも載っていることが多いため、学生の頃から知っている方もいるのではないでしょうか。

ギリシャ神話の女神であるヴィーナスが海の泡から誕生し、キュプロス島パフォスの浜辺に上陸する様子を描いています。

「ヴィーナスの誕生」は盛期ルネサンスの幕開けとなった作品で、ルネサンスの特徴が色濃く出ています。ヴィーナスは古代ギリシャ・ローマの彫刻のような姿をしているのが大きな特徴です。

同作品は172×278㎝と、かなり大きな規格で制作されています

所蔵は、フィレンツェのウフィツィ美術館となっています。

エドワルド・ムンク 『叫び』

通称「ムンクの叫び」として、親しまれていることでも有名な作品です。しかし実際は、叫んでいる様子ではなく「叫び」を聴いて耳をふさいでいる状態を描いています。

ムンクは幻聴で「叫び」を聴いていたため、この作品はムンクの実体験を描いたものだとされています。ムンクはこの作品を通じて、人間の実存的不安を描きました。

作品の左上には鉛筆で「Kan kun være malet af en gal Mand!(狂人のみが描くことができる!)」と書かれています。この言葉は2021年の鑑定によって、ムンク本人が書いたと確定されました。

「叫び」の作品は全部で5点あります。

  • テンペラ1893
  • パステル1893
  • パステル1895
  • リトグラフ1895
  • テンペラ1910

テンペラとは、「混ぜ合わせる」という意味のラテン語を語源とした言葉で、卵や膠(にかわ)などで混ぜ合わせた絵具を用いる技法のこと。

この「叫び」は、ノルウェーのオスロ国立美術館に所蔵されています。

レオナルド・ダ・ヴィンチ 『最後の晩餐』

レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」も、言わずと知れた名画です。1495年から1498年にかけて制作され、最も損傷や劣化が激しい絵画としても有名です。

420×910㎝と、かなり大きなサイズであることも特徴の一つ。ダ・ヴィンチは未完の作品が多いことや、遅筆なことで知られていますが、「最後の晩餐」は彼にしては速い3年というペースで完成させました。

同作品は、聖書に登場するイエス・キリストの最後の晩餐が描かれています。「ヨハネによる福音書」の13章21節で語られている、キリストが処される前夜に12人の弟子とともに食事をした際に、「12弟子の中の一人が私を裏切る」と予言するシーンです。

裏切り者は、正面左手のユダです。青い服に黒髪の男性で、キリストの方を向いています。「最後の晩餐」は、12弟子のうち誰が裏切り者なのか、互いに顔を見合わせている一瞬を描いたものです。

「最後の晩餐」はイタリアのミラノにある、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院に所蔵されています。

絵画投資には可能性が満ちあふれている

投資の一つとして、世界的な名画を購入して、タイミングを見計らって売却する、という「絵画投資」があります。

現在海外ではもちろんのこと、日本でも新規富裕層を中心に絵画投資ブームが巻き起こっています。

また投資目的だけでなく、純粋に「所有する楽しさ」「アーティストを支援できる」という魅力から絵画を購入する人も増えているのが事実です。

事業目的での購入であれば、節税効果も期待できます。事業目的で購入した100万円未満の美術品は「減価償却資産」として認められるため、経費として計上できるようになるのです。

作品は、ギャラリーや画商から購入する方法や、オークションで入札するなどの方法があります。

作品の価値や、今後の相場を予測する審美眼を磨けば、少ない資金でも効率的に絵画投資を行える可能性が十分にあるといえます。

絵画投資の始め方やメリット・デメリットなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はぜひ読んでみてください。

資産運用にもなる絵画投資とは?メリット・デメリットから本当に儲かるかまで解説

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【まとめ】審美眼を磨いて絵画投資をしよう

今回は、世界的な名画を全部で14個ご紹介しました。

オークションや個人間取引などで高額取引されているものもあれば、「世界的に価値がある作品である」として美術館に展示されているものもあります。

絵画には作品としての美しさだけでなく、画家の個人的なストーリーや時代背景も含まれています。そのような物語性はロマンを感じさせてくれるため、作品がより魅力的に映るのかもしれません。

将来的に価値が高まりそうな絵画を購入して売却する「絵画投資」も、新しい投資としておすすめです。日本の美術市場はまだまだ伸び代があるため、将来性を見極めることができれば良い投資ができるかもしれません。

まずはアートに関する最新情報をチェックすることや、世界の名画を調べることなどから始めてみるのはいかがでしょうか。

なお、当サイトでは絵画投資をはじめとする、新しい資産運用の方法や詳細を多数ピックアップしています。

海外では流行していても、日本ではまだそこまで知られていない投資は、実は多いものです。今のうちにチェックしておくと、今後有利になる可能性も期待できます。興味のある方は他の記事もぜひチェックしてみてください。

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