「ウィスキー投資の観点でみた山崎の特徴って何?」
「山崎はどうして高値で取引されている?」
ウィスキー投資を始めてみようと思っている方の中には、このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、「ウィスキー投資の観点でみた山崎の特徴」や「山崎が高値で取引されている理由」などについて解説します。
山崎について詳しく知ることができ、山崎でウィスキー投資を行いたいという方にとって有益なものとなっているので、ぜひ参考にしてください。
山崎の特徴
近年、世界でも注目を集めているジャパニーズウィスキーですが、その中でも最高級といわれているのが「山崎」というウィスキーです。
ここでは、最高級のジャパニーズウィスキー山崎の特徴について解説します。山崎の特徴は、次の通りです。
- フルーティーな味わい
- 3つの樽の原酒がブレンド
- 数多くの受賞歴がある
山崎は、フルーティーな味わいをしていることや、3つの樽の原酒がブレンドされていること、数多くの受賞歴があることなどが特徴としてあります。
それぞれの特徴について解説するので、ぜひ参考にしてください。
フルーティーな味わい
山崎は、プラムや梅酒などのような甘みがありながら、柿や桃のようなフルーティーな香りがするのが特徴です。
また、バニラの香りや、熟成樽による木の香りも感じられ、飲むと心地よい余韻が続くような味わいとなっています。
山崎は、熟成年数によって香りが変わるというのも特徴の1つです。熟成年数ごとの感じられる香りや味わいは、次のようになっています。
山崎 | イチゴやサクランボのようなフレッシュな甘い香り・バニラの甘さ・シナモンのようなスパイス感 |
山崎12年 | 熟した柿や桃などのようなフルーティーな香り・しつこくない上品な甘さ・熟成樽由来のバニラの香り |
山崎18年 | ドライフルーツやチョコレートを彷彿させるような甘い香り・ハチミツに近い濃厚な甘さ・果実のような甘酸っぱさやスパイシーさ |
山崎25年 | 伽羅や香木に近い濃厚な香り・さらに熟した果実のような甘酸っぱい香り・蜂蜜のように濃厚さやコクが感じられる甘み・ほろ苦さ・スパイシー感 |
熟成年数が増えるごとに、味わいや香りに深みが増していき、余韻が残るのが特徴です。
山崎25年のように熟成年数が長くなると、感じられる香りや味わいの種類がかなり増えているので、複雑な味わいを楽しむことができます。
3つの樽の原酒がブレンド
山崎は、主に3つの熟成樽から作られた原酒がブレンドされて作られています。
例えば山崎12年だと、日本特有の熟成樽「ミズナラ樽」や伝統的なウィスキーの熟成樽「シェリー樽」、バニラのような甘い香りが特徴の「ホワイトオーク樽」などです。
適切な比率でブレンドされることで、3つの熟成樽の特徴が上手く合わさり、山崎の完成度を上げることができます。
特にミズナラ樽は、日本でしかとることのできない木材を使用しているので、他の国のウィスキーで使用されることはほとんどありません。
そのため、ミズナラ樽を使用した原酒は日本特有のものとなり、世界中からジャパニーズウィスキーが評価されるようになりました。
山崎の果実のような特徴的な甘さや味わいを出しているのは、「シェリー樽」です。シェリー樽で熟成されたウィスキーは、フルーティーな味わいになるので、甘くて飲みやすいものに仕上がります。
スコッチウィスキーの中でも特に人気のある「マッカラン」という銘柄も、このシェリー樽で熟成されているものです。
山崎を飲むとバニラのような香りが余韻として残りますが、これは「ホワイトオーク樽」によって香りがつけられています。
オーク樽の製造に使用されている木材の内、約90%がホワイトオーク製といわれており、ウィスキー樽には欠かせない木材です。
数多くの受賞歴がある
山崎は、酒類コンペティションで数多くの賞を受賞しているウィスキーです。山崎の受賞歴は、次のようになっています。
年代 | 受賞名・受賞銘柄 |
2003年 | ISC金賞・山崎12年 |
2005年 | SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎18年 |
2006年 | IWSCトロフィー(最高賞)・山崎18年 |
2007年 | ISC金賞・山崎18年 |
2008年 | SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎18年 |
2009年 | SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎12年 SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎18年 |
2010年 | ・SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎18年 ・SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎1984 ・ISC Supreme Champion Spirit(最高賞)・山崎1984 ・ISC 金賞・山崎12年・ISC 金賞・山崎18年・ISC 金賞・山崎1984 |
2011年 | ・SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎18年 ・WWA ワールドベスト・シングルモルトウィスキー・山崎1984 |
2012年 | ・WWA ワールドベスト・シングルモルトウィスキー・山崎25年・ISCトロフィー(最高賞・山崎18年) |
2013年 | ・SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎12年・SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎18年・ISC 金賞・山崎ミズナラ2012・ISC 金賞・山崎パンチョン2012・ISC 金賞・山崎18年 |
2014年 | ・SWSC 金賞・山崎12年 ・ISC 金賞・山崎バーボンバレル2013 ・ISC 金賞・山崎ミズナラ2013・ISC 金賞・山崎18年 |
2015年 | ・SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)・山崎25年・SWSC ベストアザーウィスキー賞 ダブルゴールド(最優秀賞)・山崎18年・ISC 金賞・山崎ミズナラ2014 |
2017年 | ・ISC 金賞・山崎LIMITED EDITION 2016 ・ISC 金賞・山崎ミズナラ2014 |
2018年 | ・ISC 金賞・山崎12年 ・ISC 金賞・山崎18年 |
SWSCとは、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションというアメリカが開催しているウィスキーのコンペティションのことです。
ISCはインターナショナル・スピリッツ・チャレンジというイギリスが開催しているウィスキーのコンペティションのことを指しています。
どちらも世界的に権威のあるコンペティションであるため、山崎は世界的に評価されているということが分かるでしょう。
ウィスキー投資の観点でみた山崎の特徴
山崎は、世界的に見てもかなり評価の高いウィスキーなので、世界中に買い手が存在します。
そのため、山崎をウィスキー投資目的で購入する方も珍しくありません。ここでは、ウィスキー投資の観点でみた山崎の特徴について解説します。
ウィスキー投資の観点でみた山崎の特徴は、次の通りです。
- ノンヴィンテージでも定価以上の価格で取引される
- 数千万円で取引される銘柄もあり投資対象として魅力的
山崎は、ノンヴィンテージでも定価以上の価格で取引されるということや、数千万円で取引されるということもあり、投資対象として非常に魅力的です。
それぞれの特徴について解説するので、ぜひ参考にしてください。
ノンヴィンテージでも定価以上の価格で取引される
山崎は、ノンヴィンテージでも定価以上の価格で取引されるという特徴があります。
近年のウィスキーの需要が急激に高まったことによる、原酒不足を解決するために、ジャパニーズウィスキーはノンヴィンテージ物のウィスキーを主流とするようになりました。
ノンヴィンテージ物のウィスキーには、熟成年数が関係なく様々な原酒をブレンドすることができるので、原酒不足を解決することができるのです。
ジャパニーズウィスキーの中でも最高級といわれている山崎も、ノンヴィンテージ物を増やすことで、ウィスキーの需要増加に対応しようとしました。
しかし、山崎の場合は人気が高いあまり、ノンヴィンテージ物でも品薄が続いているという状態になっています。
店頭で販売されてもすぐに売り切れてしまうということも珍しくありません。その影響もあり、山崎はノンヴィンテージ物でも定価以上で取引されることがあるのです。
山崎の定価は、次のようになっています。
山崎(ノンヴィンテージ) | 4,500円 |
山崎12年 | 10,000円 |
山崎18年 | 32,000円 |
山崎25年 | 160,000円 |
数千万円で取引される銘柄もあり投資対象として魅力的
山崎は、熟成年数が長いものだと、数千万円で取引される銘柄もあるので、投資対象として非常に魅力的だといえます。
熟成年数が長くなればなるほど、希少価値が高くなり、価格が高騰するようになっているのです。
山崎の場合は、ノンヴィンテージ物でも定価以上で取引されることがあるので、ノンヴィンテージ物でも投資対象として扱うことができます。
しかし、山崎25年以上に熟成年数が長いものの投資対象としての価値は、その比ではありません。
ここまで魅力的だとすぐに投資目的で購入したくなりますが、中には偽物も出回っているので、細心の注意を払うようにしましょう。
購入するときは、信頼できる取引先から購入することをおすすめします。
ウィスキー投資について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
山崎が高値で取引された事例
先ほども解説したように、山崎は数千万円という高値で取引されたことのある銘柄です。ここでは、そのような事例について解説します。
山崎の高値で取引された銘柄は、次の通りです。
- 山崎25年(125万円)
- 山崎50年(3250万円)
- 山崎55年(8500万円)
このように定価からは想像もつかないような価格で取引された事例もあります。それぞれの事例について解説するので、ぜひ参考にしてください。
山崎25年(125万円)
山崎25年の定価は、16万円ですが、現在ではその10倍近くの価格で取引されることがあります。
2021年では、購入するとしても最低で100万円以上はかかると考えておかなければならないほど高騰していました。
山崎25年のAmazonでの価格推移は、2010年で約10万円、2017年で約50万円、2022年で約200万円というように徐々に上昇しています。
山崎25年は、シングルモルト山崎の定番ラインナップの1つともいわれていますが、今では非常に珍しく、店頭などに並ぶことはほとんどありません。
そのため、価格が上昇し続けており、Amazonなどで購入するとしても100万円を超えてしまうので、ネットショップなどで購入するのもあまり現実的とは言えないでしょう。
しかし、百貨店や酒販店であれば抽選販売を行っているところもあるので、山崎25年を定価に近い価格で購入できる可能性があります。
山崎25年をどうしても定価に近い価格で購入したいという方は、ぜひ抽選販売に挑戦してみてください。
山崎50年(3250万円)
山崎50年は、2018年にサザビーズ香港で開かれたオークションで233万7,000香港ドルで落札されました。
日本円で、約3250万円という非常に大きな金額で取引が行われています。
山崎50年の定価は、1本100万円なので、定価の約30倍以上の価格で落札がされたということです。
販売数としては、2005年に50本、2007年に50本、2011年に150本の合計250本が販売されています。
販売から10年以上たっており、バーで山崎50年が開封されたという報告があることから、現存する山崎50年は250本を下回っているということになるでしょう。
また販売されることが無い限りは、希少価値は月日がたつごとに上がっていくので、今後さらに価格が上昇することが予想されます。
販売されるとしても、50年以上の熟成年数をもつ原酒は限られているので、販売数もかなり少ないはずです。
そのため、山崎50年の価格が暴落する可能性は非常に低いといえます。
山崎55年(8500万円)
3250万円という大金をはるかに上回る価格で落札されたのが山崎55年です。
山崎55年は、2020年にサントリーが数量限定の抽選販売を行ったことによって販売されました。
販売された本数は100本限定で、販売価格は330万円となっており、2020年中に購入者の手元に渡ったと考えられています。
山崎55年を購入した中の1人が国際オークションハウスに山崎55年を出品し、620万香港ドルで落札されました。
日本円に換算すると約8500万円という定価の約25倍で取引されています。
かなりの高額で取引が行われているので、山崎55年の購入者からの批判はかなりあったものの、大きな話題となりました。
山崎55年を出品した方は、山崎50年が高額で取引されたことから、確実にそれよりも高値で取引されると予想していたのです。
結果はその予想通りとなりましたが、山崎50年の2倍以上の価格で取引されたことに驚きの声が上がりました。
今後、山崎が取引されるときは、この価格が山崎の価値を判断する基準となることが予想されます。
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山崎が高値で取引されている理由
定価からは想像もできないほどの高値で取引される山崎ですが、なぜそこまで価格が上昇しているのでしょうか。
山崎が高値で取引されているのには、次のような理由があります。
- 国外での需要が増加している
- 国内でハイボールブームが起こっている
- ウィスキーの投資目的による買占め
ジャパニーズウィスキーの需要が国外で増加していることや、国内でハイボールブームが起こっていること、投資目的による買い占めなどが主な理由となっています。
それぞれの理由について解説するので、ぜひ参考にしてください。
国外での需要が増加している
ウィスキーは現在、世界中で愛されており、世界でみてもウィスキーの需要は増加しています。
ジャパニーズウィスキーは世界5大ウィスキーにも含まれるほど需要がかなり高く、中でも山崎は最高級のウィスキーとして注目されている銘柄です。
山崎が世界中から注目されるようになったのは、2003年の酒類コンペティションISCで、山崎が日本のウィスキーで初の金賞を獲得したからといわれています。
このことをきっかけに日本のウィスキーは世界から認められているというマーケティングを行い、世界でブームが巻き起こりました。
現在では、海外のスーパーでも山崎が販売されていたり、海外の日本食レストランで山崎が出てきたりすることがあります。
このように、海外でも需要があることから品薄の状態が続いており、希少価値が上がっているというのが、価格が高騰している理由の1つです。
世界5大ウィスキーについて興味がある方は、こちらの記事を参考にしてください。
国内でハイボールブームが起こっている
山崎が高値で取引されている理由として、国内でハイボールブームが起こっているということもあげられます。
国内では、ウィスキーと炭酸水を合わせることでできるハイボールの人気が高いです。酒税法によるビールの値上げをきっかけに、安価で手軽にできてヘルシーなお酒として「角ハイボール」がサントリー社から販売されました。
さらに、NHKの連続テレビ小説「マッサン」が放送され、国内でハイボールブームが起こり、ウィスキーの需要が増加したのです。
結果的に、原酒の数が足りなくなってしまったなどの理由から、品薄の状態が続くようになってしまいました。
ウィスキーは国外のみならず、国内でも需要が高いので山崎の希少価値が高くなることに繋がり、価格も高騰しているのです。
ウィスキー投資目的による買占め
品薄状態が続き、希少価値が高くなっている山崎は、投資対象として非常に魅力的です。そのため、本来は飲んで楽しむものですが、ウィスキー投資目的で山崎を購入して買い占めてしまう人もいます。
海外での需要増加や国内でもハイボールブームも相まって、山崎の希少価値が徐々に上がってきているので、このような人も現れるのです。
純粋に山崎を楽しみたいファンの方からみると、マナーの悪い人だと批判したくなるかもしれません。
しかし、購入目的の制限を設けることはできないので、品薄の状態を脱却することができずにいるのです。
このように、山崎が今ではオークションアイテムの1つとなってしまったということもあり、希少価値の上昇に拍車をかけています。
山崎を購入する方法
今では、手に入れるのが難しくなってしまった山崎ですが、購入するとしたらどのような方法があるのでしょうか。
山崎を購入する方法としては、次のようなものがあります。
- 店頭
- オンライン
- ふるさと納税
山崎は、店頭やオンラインで販売されることもありますが、ふるさと納税の還元品として貰える場合もあります。
それぞれの方法について解説するので、ぜひ参考にしてください。
店頭
定価で購入することができる可能性がある方法としては、店頭で購入する方法が1番確実でしょう。
店頭に山崎が並ぶこともありますが、抽選販売で購入することができる場合もあります。
しかし、店頭に並んでいる山崎を購入しようとすると、発売と同時にすぐに完売してしまうことがあるので注意が必要です。
入荷に関する情報をいち早く入手しようとする努力も必要になるでしょう。
抽選販売も情報を入手するために同じような努力をする必要がありますが、平等にチャンスがあるので、おすすめの購入方法です。
店頭によっては、定期的に山崎の抽選販売を行っているところもあるので、ぜひチェックしてみてください。
オンライン
定価で購入するのは難しい方法ですが、オンラインで山崎を購入するという方法もあります。
オンラインで購入する方法で利用するのは、オークションサイトやAmazonなどです。しかし、オークションでの高額落札の事例があるように、オークションサイトではかなりの高額で出品されているのが大半でしょう。
Amazonなどで購入しようとしても、同様に定価からはかけ離れているような価格で販売されていることが多いです。
そのため、山崎を定価で購入したいという方には、あまりおすすめしません。
また、オークションサイトやAmazonは、身元の分からない個人が出品している場合もあります。
偽物が出品されていることもあるので、購入する際は十分に注意しましょう。
ふるさと納税
山崎を購入する方法として、ふるさと納税の返礼品として貰える場合があります。
山崎は、サントリーが所有している山崎蒸留所という蒸留所がある大阪府島本町のふるさと納税の返礼品です。
かなり人気の高い返礼品なので、早い者勝ちにはなりますが、節税しながら山崎を入手することができる魅力的な方法だといえるでしょう。
ただし、ふるさと納税の仕組みで、山崎を入手したときに節税になるかどうかは、所得によって変わります。
ふるさと納税は節税が目的であるということを忘れず、シュミレーションなどを行い、確認してみましょう。
まとめ│ウィスキー投資をするなら高騰している山崎がおすすめ
本記事では、「ウィスキー投資の観点でみた山崎の特徴」や「山崎が高騰している理由」などについて解説しました。
山崎が投資対象として魅力的だということや、山崎がなぜここまで価格が上昇しているのかということを理解していただけたでしょうか。
ただし、投資目的で山崎を購入するのもいいですが、純粋に味を楽しみたいという方もいるということを忘れてはいけません。
買い占めなどのマナーが悪いと思われるような行為は行わないように心がけてください。
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