駐車場経営ではトラブルがいっぱい！経営失敗しない事前対策とは？

土地活用のなかでも少ない初期費用で始められるのが駐車場経営です。

しかし、本業と並行しやすいからこそ管理がおざなりになり、利用者や土地周辺の住民とトラブルが発生することも少なくありません。

この記事では、駐車場経営を始めようとしている方に向けて経営中にありがちなトラブルを紹介します。

記事後半ではトラブルへの対処方法や、計画段階で実施できるトラブルを未然に防ぐ方法などを解説するので、駐車場経営のリスクに備えたい方はぜひご覧ください。

駐車場経営で遭遇しがちなトラブルの例

日々多くの車や人が出入りする駐車場では似たケースのトラブルが繰り返し発生しがちです。

駐車場経営中に多いトラブル例を5つ紹介するので、トラブルを防ぐための経営準備を進める参考としてご覧ください。

無断で車を駐められてしまう

月極駐車場経営で多いのが、敷地内に車を無断駐車されるトラブルです。

多くの月極駐車場は入り口にゲート式精算機を設けていないため、誰でも簡単に侵入できるのが難点。

特に空車が多い駐車場は標的になりやすく、前もって対策しておかないと被害を受け続ける可能性があります。

個人経営だと管理人を常駐させることも難しく、無断で駐められた車を見つけても個人の特定まではできないケースも少なくありません。

利用料の請求もしづらいうえに、契約者の利用を妨げてしまう悪質なトラブルの一つです。

月々の駐車場料金を支払ってもらえない

毎月の料金を払ってもらえないのも月極駐車場でよくあるトラブルです。

銀行振込で料金を払う契約者に多く、ギリギリの収益で経営中のオーナーにとってかなりの痛手となります。

単純な振込忘れのケースなら催促が効果的ですが、期日を過ぎても一向に支払われず、連絡も取れない契約者はそのまま姿をくらませることも。

駐車場内のトラブルは個人間や法人間の権利に関する「民事トラブル」として扱われやすく、警察も介入しづらいことから解決に時間を要します。

駐車場内で事故が発生する

敷地が狭かったり、駐車台数が多かったりすると駐車場内での事故が起きやすくなります。

事故は規模の大きなトラブルになりかねないため、特に事前対策が重要です。

また、同じ駐車場事故でも車同士や車と人の接触事故、車と駐車場内設備の物損事故など、ケースによって誰が責任を負うか異なります。

不適切な駐車場管理が原因で事故が発生すると、駐車場を管理するオーナーが責任を負うことも。

個人経営の駐車場は無人になりやすく、管理を委託していても目が行き届かない部分が少なくありません。

事故の発生は駐車場利用者の運転技術に依存する部分もありますが、オーナー自ら対策できる部分も多数存在します。

駐車場の設計や管理方法を徹底的に計画し、事故の少ない駐車場作りでリスクを減らすことが大切です。

近隣から苦情が寄せられる

駐車場外からの苦情は経営に不利な影響を及ぼします。

特に住宅街での月極駐車場経営なら、その周辺に住む方をメインターゲットに据える場合も多いでしょう。

噂話が広がるほど近隣住民から良くないイメージを持たれると、顧客ニーズを満たせる駐車場にも関わらず利用を避けられるケースが発生しかねません。

以下のような苦情が寄せられやすいトラブルには常に対策を行い、地域と良好な関係を築きながら安定経営を目指しましょう。

設置した機器が故障する

設置した機器の故障はその日の営業が続けられなくなることもある致命的なトラブルです。

故障の原因は事故によるものから、メンテナンス不足まで様々。

ゲート式精算機や発券機、ロック板など、どれか一つでも欠けると駐車台数が減り、収益も低下します。

突発的な修理費用が発生すると収支バランスが崩れ、ローン返済費や管理委託費、生活費の捻出が困難になりかねません。

安定した経営を維持し、利用者にも迷惑をかけないためにも定期的な巡回やメンテナンスで機械の故障確率を下げることが重要です。

駐車場経営のトラブルが発生する原因

駐車場経営中には様々なトラブルが起こりますが、その多くの発生原因自体はわりと簡単に突き止めることが可能です。

以下で主なトラブルの発生原因を紹介するので、営業中に頭を悩ませる機会を減らせる経営準備に役立ててください。

1つずつ解説します。

駐車場経営に適さない土地を選んでしまった

駐車場に適さない土地を選ぶと、経営を妨げるトラブルが起きやすくなります。

たとえば、土地が接する道路幅である「接道幅」や土地の入り口となる「間口」が狭いと利用者が出入りしにくくなり、利便性が低く事故率は高い敬遠されがちな駐車場になります。

また、狭い道路に面した駐車場は周辺の交通にも悪影響を及ぼしかねません。

車両の出入り時に一時的に道路を塞いだり、事故が起きたりすることで渋滞の原因になります。

このようなことが頻繁に起こると近隣住民からオーナーにクレームが寄せられることもあるでしょう。

間違った土地選びは単に経営の成功率を下げるだけではなく、交通の流れや近隣住民との問題を引き起こす可能性があります。

駐車場経営は初期費用が低めで多くの方が挑戦しやすい土地活用ですが、安易に開始するとトラブル対応による負担を背負うかもしれません。

管理を怠った・管理会社選びを誤った

駐車場経営では利用者との契約や利用料回収、機械メンテナンス、清掃といったあらゆる業務が必要ですが、これらの管理業務は専門の会社に委託できます。

本業が忙しい方は管理委託することで、自身の手が回らない時でも潤滑な駐車場経営が可能です。

しかし、管理を怠った場合や、業務の委託先を誤ると経営悪化の直接的な原因となります。

悪徳業者によるずさんな管理は利用者の満足度を下げ、近隣住民からのクレームにも繋がります。

また、定期的にメンテナンスしないと精算機やロック板が故障しやすくなり、稼働率の低下や、最悪の場合駐車場内の事故が起きることもあるでしょう。

オーナーの手間を増やさないためにも、妥協しない管理会社選びが大切です。

価格設定を誤った

駐車場経営を行う際は、土地の場所や存在する需要を考慮した価格設定が重要です。

誤った価格設定は集客性を下げるうえに、利用料金の未納に繋がる可能性があります。

特に経営途中で無理な値上げをすると既存利用者が流出し、新規利用者も獲得できなくなる場合が多いです。

競争が激しい駐車場市場では少しの価格差が利用者の選択に大きな影響を与え、売上減少の原因となります。

稼働率を維持できる価格設定をしつつ、収益性を高めるためにも、周辺相場を常に意識した価格設定を行いましょう。

駐車場経営のトラブルを放置するリスク

駐車場経営におけるトラブルの放置はリスクしかありません。

ここではトラブルを放置するとどのような問題が起こるのか詳しく紹介します。

利用者が集まらなくなる

トラブルを放置すると既存顧客や近隣住民からの信頼を失い、徐々に新規利用者も集まらなくなります。

特にコインパーキングの悪評はネット上の口コミやSNSで広がりやすく、稼働率の低下という形で影響を受けやすい業態です。

仮にネガティブな口コミが広まった場合は、価格設定や管理方法、顧客対応など、手を加えやすい部分から解決し、利用者が敬遠しない駐車場作りをあらためて実施しましょう。

駐車場収益が減る

トラブルの放置によって利用者が減れば、駐車場収益も減っていきます。

特に月極駐車場は使えるスペースが限られ、複数人が入れ替わりで利用できる形でもないため満車状態になると得られる収益は上限に達します。

値上げしない限り月々の固定収入は変わらないため、収益の大幅な増加も見込めません。

そのため、一度被った損失をリカバーしづらく、当初の収支計画にズレが生じる可能性もあります。

「トラブル発生段階で対応していれば長期的な損失にならなかったのに・・・。」

上記のような状況にならないためにも、駐車場内外のトラブルにはできるだけ早く対応しましょう。

急な支出が発生する事態になる

駐車場内で事故が発生すると、その責任を駐車場オーナーが負うケースがあります。

特に、敷地内の管理不足が原因の事故が起きると利用者の車の修理費や、駐車場の修繕費が支出として発生します。

前の見出しでも記載したように、特に月極駐車場は収益上限がある程度見えており、一度発生した損失を取り返すのが難しい業態です。

管理不足によって支出が増えるより、最初から固定費を払って管理業務を委託したほうが収支計画通りの経営に近づきますよ。

駐車場経営トラブルを未然に防ぐ方法

駐車場経営では多くのトラブルが発生しますが、どれも事前に対策しておけば未然に防げるものばかりです。

特に重要なトラブル防止策を紹介するので、駐車場経営を視野に入れている方はぜひチェックしてください。

管理を業者に委託する

自身で定期的かつ適切な駐車場管理が難しい場合は、必ず管理業務を業者に委託しましょう。

専門業者は駐車場経営や管理に関する豊富なノウハウと経験を持っているため、日々の運営から緊急時の対応まで、どんなケースでも適切に対処できます。

経営する駐車場が月極タイプでもコインパーキングタイプでも、利用者の満足度を高めるには正しい管理による使いやすい駐車場の維持が欠かせません。

月極駐車場なら契約の継続、コインパーキングならリピート客の増加と、収益性アップにも繋がります。

また、共通して近隣住民からのクレームや、機械の故障による突発的な支出も減らせるでしょう。

綿密な収支計画を行う

駐車場経営を始める前には、トラブルによる支出も見越した収支計画を立てておきましょう。

トラブルが一切なく、常に満車の状態を想定した収支計画は、予期せぬトラブルが発生する実際の経営においてあまり意味を成しません。

管理費や設備のメンテナンス費はもちろん、突発的に発生する修繕費やトラブル解決費も盛り込んだ計画を立てることで、想定外の損失による赤字を防げます。

経営状況に応じて柔軟に調整しながら、リスクに対応できるよう準備を進めていきましょう。

保険に加入する

保険に加入しておけば、駐車場内での予期せぬ事故やトラブルによる損害リスクに備えておけます。

駐車場経営は収益が大きく伸びづらい性質を持っているため、一度損害を受けるとその後黒字が続いてもなかなかカバーしきれません。

不測の事態によって計画が崩れるのを防ぐためにも、保険への加入がおすすめです。

【駐車場経営でおすすめの保険】

料金・禁止事項を明確に記載した看板を設置する

敷地内に料金や禁止事項に関する記載をした看板を設置することで、利用者からのクレームを防止できます。

「駐車場内の事故の責任は負わない」という内容を示しておけば、利用者による責任追求を回避しやすくなるのです。

駐車場の管理不足による事故や事件の場合は別ですが、本来オーナーが負う必要のない責任まで背負うことがなくなるため、自己防衛の意味でも看板は設置しておくと良いでしょう。

経営前の土地周辺調査を徹底的に行う

駐車場経営を始める前に候補地周辺の調査を徹底的に実施することが成功の鍵となります。

地域の駐車需要を把握することでターゲットとなる顧客層や、設定すべき価格が見えてきて、経営戦略も立てやすくなるのです。

近隣の駐車場が常に満車であれば、まだまだ経営チャンスが眠っているかもしれませんし、逆に空きが多い場合はすでに供給過多であると判断できます。

候補地周辺の徹底した調査は経営の方向性を定め、赤字によるトラブルの確率を下げるために欠かせません。

地域の実情を知り、適切にニーズを理解したうえで経営を開始すると駐車場経営の成功確率もグッと高まります。

保証人を立てられる相手と契約する

駐車場経営において安定した収入を確保するには、できるだけ保証人を立てられる相手と契約しましょう。

保証人がいれば、万が一利用者が支払いを滞納したり、失踪によって行方をくらませても利用料金を要求しやすくなります。

自身の損害を防ぎ、経営を計画通りに進めるために効果的な手段です。

駐車場経営の失敗を防ぐなら片手間経営の意識は捨てよう

管理業務を委託できる駐車場経営とはいえ、オーナーがまったく介入しない状態だと健全に経営し続けることが難しくなります。

自身でも定期的に駐車場に訪れたり、収入や稼働率をこまめにチェックしたりすることで、より収益を出せる計画が立てられます。

また、常に管理会社任せにしていると、自身の考えと会社側の考えに齟齬が発生することも。

仮に赤字になっても損失を抱えるのはオーナーなので、納得できる経営を続けるためにも本業の片手間という意識を持ちすぎないよう注意しましょう。

まとめ｜駐車場トラブルは事前対策で防げる！

駐車場経営におけるトラブルは突発的な発生に見えて、実は管理不足を原因としているものも少なくありません。

計画段階での入念な準備や、継続的なメンテナンス、管理会社との共同管理など、事前に練った対策を実行できていれば安定した経営を維持しやすくなります。

不可抗力によるトラブルには保険で対応し、経営状況に応じて収支計画を修正することで、土地の需要を最大限活かした駐車場経営が実現が可能です。

本業と平行しやすい土地活用ではあるものの、オーナー自身が利用者と向き合わずにいればいずれ経営は破綻に近づいていくでしょう。

利益を得る最大の近道は利用者の満足度を高めることなので、片手間感覚ではなくしっかり利用者と向き合った経営の実施をおすすめします。

また、より投資的な意味合いで駐車場経営を行いたい方には、マネートレンドNaviの「コインパーキング投資」に関する記事が役立ちます。

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