ダイヤモンド投資とは、実物のダイヤモンドを購入して資産防衛を行う投資方法です。
現金資産を価値が下がりにくいダイヤモンドにしておくことで、お金の価値が下がるインフレの対策となり得ます。
ダイヤモンドは数ある投資商品のなかでも急激な価格変動が起こりにくいとされ、昨今注目する投資家が増加しています。
今回はダイヤモンド投資のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。ダイヤモンド投資の可能性や、ダイヤモンドそのものの評価基準も紹介するので、気になる箇所からご覧ください。
ダイヤモンド投資とは
地球上の鉱物のなかでもっとも硬く、最高の輝きを放つダイヤモンド。
結婚指輪やネックレスといった装飾品として身に着けるイメージが強いですが、実は投資商品としての可能性も秘めています。株や為替のように急激な価格高騰を望むことは難しいですが、大切な資産を守り抜く「資産防衛」の手段としては大変有効です。
ダイヤモンドは過去60年間で価格が大きく下落した場面が極めて少なく、緩やかではあるものの価格が上昇し続けています。そのため、投資家から資産防衛の有効的な方法として注目されています。
しかし、ダイヤモンド投資自体ポピュラーではないため、正確な情報を収集するのに労力を要するのも事実です。
安全にダイヤモンド投資を行うには、正式な機関(GIAが代表的)で鑑定を受けたダイヤモンドを入手するルート探しと、売却するまでの出口を考慮した慎重な戦略立てが必要不可欠です。
資産価値を求めるなら「ルース」に着目することが大切
投資目的でダイヤモンドを購入するなら、装飾品として身に着ける「ジュエリーダイヤモンド」そのものではなく「ルース」に着目する必要があります。
ルースとは採掘されたダイヤモンドの原石に研磨やカットといった加工を施したもので、別名「裸石」とも呼ばれます。
装飾品として販売されているダイヤモンドの価格には、研磨やカット以外にもアクセサリーとして使用するためのさまざまな加工代が含まれるうえに、販売時には店や生産者が利益を得るためのマージンが入ります。
そのため、購入時は「ルース」以上の価格となるのが一般的です。
しかし、買取査定時には上記のコストを含めた販売価格は考慮されず、ルースの質のみで価格が決定されることがほとんどです。
このような仕組みがあるため、過去に購入したダイヤモンドを査定に出した際に、買取価格が購入時より圧倒的に低くなる現象がしばしば発生します。
したがって、投資・資産防衛を目的にダイヤモンドを購入する場合は、ルースの質や価値を第一に考えた取引がおすすめです。
過去60年でダイヤモンド価格は上がっている 今後にも期待◯
ダイヤモンド投資が資産を守る手段として優れている理由の一つに、過去60年で緩やかながらもダイヤモンドの価格が上昇し続けていることが挙げられます。
実は60年前と比較して、ダイヤモンドの価格は約10倍近く上昇しています。
リーマンショックといった経済危機の影響で下落する場面は少なからずありましたが、全体的に下落相場だった期間が極めて少なく、ダイヤモンドは富裕層を中心に長期保有目的の投資対象として長く親しまれています。
また、新型コロナウイルスの影響で世界的にインフレが進んでいますが、ダイヤモンドのような実物資産はインフレ相場において資産を守るのにも適しています。
インフレが進むとお金の価値が下がる反面、逆にダイヤモンドのような実物資産は価値が高まるため、所有しておくことで資産の目減りを抑えることができるしょう。
60年間続いている緩やかな右肩上がりの値動きの継続に、インフレによる実物資産の価格上昇が合わされば、今後もダイヤモンド投資の安定したパフォーマンスが期待できるかもしれません。
ダイヤモンド投資のメリット
あまり聞き慣れないダイヤモンド投資ですが、メリットは多岐に渡ります。
大切な資産を守るのに有効なポイントがいくつか存在するので、ぜひご覧ください。
- 希少価値が下がらないため価値も低くなりにくい
- 政治変動や社会不安といったリスクに強い
- コレクションとしても楽しめる
希少価値が下がらないため価値も低くなりにくい
ロシアやアフリカ大陸を中心に、世界のさまざまな箇所で採掘できるダイヤモンド。
最初に発見されたのは紀元前のインドで、人類が誕生するもっと遠い昔から地球上に存在します。
毎年約20トン近く採掘されるダイヤモンドですが、決して無限に存在するわけでもないため、希少価値は高いです。
また、ダイヤモンドの相場価格は、業界内の巨大勢力「デビアス社」が発行する「ラパポート・ダイヤモンド・レポート」を国際基準として決められることがほとんどです。
というのも、ダイヤモンド業界はもともとデビアス社の独占状態にあり、世界中に届けられるダイヤモンドの流通や生産は常にデビアス社のコントロールによって保たれていました。
ダイヤモンドの価格が急騰・急落しない理由の一つには、このような背景もあったのです。
今でこそ2割ほどの市場シェア率に下がっていますが、ダイヤモンド市場の礎を築いたデビアス社は未だ業界に大きな影響を与えています。
希少価値の高さに加え、引き続きラパポート・ダイヤモンド・レポートによる価格決定が行われれば、これまで通りダイヤモンドは安定した価格で取引される可能性が高いと言えるでしょう。
政治変動や社会不安といったリスクに強い
先でも述べたように、ダイアモンドの価格はデビアス社のレポートを参考としているため、多少の差はあれど、どこへ行ってもダイヤモンドの価値はある程度の範囲に収まります(もちろんグレードによって差はあります)。
このような仕組みであることから、ダイヤモンドは株式や為替のように一国の情勢による資産価値の変動が少ない投資商品であると言えるでしょう。
そのため、価格上昇は緩やかですが、株式のような元本割れリスクも低いため資産を守るための投資先として優れています。
コレクションとしても楽しめる
投資用として購入したとはいえ、ダイヤモンドの輝きを堪能しないのは勿体ないですよね。
価値の下落を防ぐためにもジュエリーダイヤモンドのように頻繁に身につけることはおすすめできませんが、コレクションとして保管、観賞することもダイヤモンドに投資する大きな楽しみの一つです。
所有欲を満たしながら、資産の増加にも期待できるのがダイヤモンドのような実物資産へ投資する醍醐味と言えるでしょう。
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ダイヤモンド投資のデメリット
ダイヤモンド投資にもデメリットは存在します。
比較的安全な資産運用が行えるダイヤモンド投資ですが、投資である以上損失リスクは0ではありません。デメリットを承知したうえで、自己判断による投資が大切です。
- 短期投資に向いていない
- 情報収集が難しい
短期投資に向いていない
ダイヤモンド投資は、短期間で資産を大きく増やす投機的な取引には向いていません。
今後の価格変動を保証するわけではありませんが、ダイヤモンド価格の決定に大きな影響力を持つデビアス社の意向が変わらない限りは、今後も株や為替のように短期間で値上がりすることはあまり考えられません。
また、世界で同じ評価基準が設けられていることから、一国の経済状況で価格が動くことも少ないのがダイヤモンドです。
このような理由から、ダイヤモンド投資で短期的に資産を増やすことは難しいと言えるでしょう。
情報収集が難しい
日本でダイヤモンド投資について詳しい情報を発信しているメディアはまだ少なく、日々の細かな動向や情報を集めるのが困難です。
また、ダイヤモンド価格の参考となる「ラパポート・ダイヤモンド・レポート」も閲覧できるのは有料会員のみで、誰でも簡単に情報を入手できるわけではありません。
ダイヤモンドは気軽に投資できる商品ではないので、まず第一に信頼できる情報源を確保することが、ダイヤモンドによる安全な資産運用には必要不可欠です。
ダイヤモンドの価値はおおよそ4つの要素で決まる
ダイヤモンドはおおよそ4つの要素によって価値が評価されます。
4項目それぞれの頭文字を取って「4C」と呼ばれるこの評価基準はアメリカの宝石学研究・教育期間であるGIA(米国宝石学会)が考案したものです。
4Cは以下の項目から構成されています。
- CARAT(カラット)
- CUT(カット)
- COLOR(カラー)
- CLARITY(クラリティ)
世界中でダイヤモンド価値の差異が少ないのは、ダイヤモンド鑑定の基準に4Cが取り入れられていることも理由の一つとして挙げられます。
各項目について解説していくので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
カラット
4Cを構成する1つ目の項目が、カラットです。
ダイヤモンドの価値を表す言葉として、一番聞きなじみのある単語ではないでしょうか。
カラットはダイヤモンドの「重量」を表す項目で、ダイヤモンドの大きさや輝きを表しているわけではありません。
ダイヤモンド1カラットあたりの重さは「0.2g」で、カラット数が大きければ大きいほどダイヤモンドの輝きも増します。
ちなみに0.1カラット以下のダイヤモンドは「メレダイヤモンド」と呼ばれ、指輪などのセンターに位置するダイヤを装飾するために使われます。
また、カラットは小数点第3位を「八捨九入」して表示するのが特徴です。
例えば「0.999カラット」として計測されたダイヤモンドは「1カラット」となり、逆に「0.998カラット」と計測されたダイヤモンドは残念ながら「0.99カラット」として扱われます。
頻繁に聞く言葉だけあって特に注目しがちですが、ダイヤモンドはあくまでも4Cによる総合評価が重要です。
カラットだけに注目して全体の価値を見誤らないように注意しましょう。
カット
4Cを構成する2つ目の項目が、カットです。
採掘されたばかりのダイヤモンド(ラフ・ダイヤモンド)は、カットされることで我々が想像するダイヤモンドの形状へと変化し、強い輝きを放つようになります。
ダイヤモンドの形状としてスタンダードな「ラウンドブリリアントカット」は細かなカットを施し58面体にすることで光の反射がより複雑化し、輝きが増す仕組みになっているのが特徴です。
ちなみに、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドは、EXCELLENTを最高評価とした以下の5グレードに分かれています。
- EXCELLENT(エクセレント)
- VERY-GOOD(ベリーグッド)
- GOOD(グッド)
- FAIR(フェアー)
- POOR(プワー)
同じ形をしていても、同じ輝きを放つダイヤモンドはこの世に存在しません。
理想のダイヤモンドを手に入れるためにも、カット技術にも評価基準が存在することを理解しておくと良いでしょう。
カラーグレード
4Cを構成する3つ目の項目が、カラーグレードです。
どれも透明なイメージがあるダイヤモンドですが、実はカラーグレードという評価基準によって細かく色分けされています。
カラーグレードはアルファベットの「D」〜「Z」で評価され、無色透明に近ければ近いほどDに、逆に黄色みを帯びているとZに近い評価となります。
本来ダイヤモンドは炭素が結晶化して作られるものですが、生成過程で炭素以外の不純物が混ざると、さまざまな色味に変化するのです。
しかし、色味が強いからダイヤモンドとしての質も悪いとは一概に言えません。
燃えるような赤みが特徴的なレッドダイヤモンドや、採掘されるダイヤモンドの中から1万分の1の確率でしか発見されないと言われるピンクダイヤモンドも、炭素以外の原子を取り込んで生成されます。
また、このような過程で生まれた色付きのダイヤモンドにはそれぞれ伝統的な意味合いがあります。例えばレッドダイヤモンドは「永遠の命」や「不滅の愛」といったパワフルな意味合いを持つのが特徴です。
お買い求めになるダイヤモンドのカラーは、ダイヤモンドに求める意味合いを考慮して選ぶのも面白いでしょう。
クラリティ
4Cを構成する4つ目の項目が、クラリティです。
この項目では、ダイヤモンドの透明度を評価します。
ダイヤモンド自体の色を評価するカラーグレードに対し、クラリティではダイヤモンド内部のインクルージョン(内包物)や表面の傷の存在を確認します。
ダイヤモンド内に存在するインクルージョンや傷は非常に小さいため、トレーニングを積んだ鑑定士でも顕微鏡やルーペを使用しないと確認できません。
ダイヤモンド投資の始め方
ダイヤモンドは、信頼の置ける実店舗での購入をおすすめします。
ダイヤモンドを取り扱っている貴金属店はたくさんありますが、投資目的で購入する場合は鑑定書付きのダイヤモンドを購入するようにしましょう。
この鑑定書は、先ほども紹介したGIAによって発行されたものがベストです。
ちなみに、GIAのホームページではGIAにて鑑定研修を受けたスタッフが在籍している店舗を確認できます。
ダイヤモンドの購入や相談などは、GIAによる世界基準の知識を備えたスタッフのもとで行うようにしましょう。
なお、当社でも投資用ダイヤモンドを取り扱っております。資産性が高いとされる「ピンクダイヤモンド」をはじめ、各投資家にあわせて理想のダイヤモンドをご提案させていただいております。
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ダイヤモンド投資を始めるなら業者選びは慎重に
世界の富裕層を中心に投資対象となっているダイヤモンド。
株や為替のように数百円、数千円単位の少額で始められるような投資商品ではありませんが、資産防衛として大変優れています。ただ、なかには数十万円で購入できるダイヤモンドも存在するため、やり方次第では初期費用をある程度抑えることが可能です。
これまでの価格推移や評価基準の統一性からして、投機的に売買する商品と比べて急激な価格変動が発生する可能性も低く、比較的安全な運用が期待できます。
しかし、資産価値の低いダイヤモンドを掴んでしまうなどのリスクもあります。投資を成功させるためには、GIA認定の小売業者など、信頼できる取引先を探すことが重要です。
当社では、投資、資産防衛を目的としたダイヤモンドの販売を行っております。当社が提供するダイヤモンドやサービスの内容が知りたい方は、無料で資料を配布しておりますので、公式LINEからお気軽にお問合せください。