あの頃あなたも憧れたであろう旧車ベンツの価格が上がっています。
実はベンツの旧車で特に人気のある車種が、資産運用の投資先として選ばれるようになっているのです。
今回は過去の名車たちに投資するメリットと注意点、価格が高まっている理由を解説したうえで、投資先としても人気のある車種を5台紹介します。
この記事を参考に、ベンツの旧車による資産防衛を検討してみてはいかがでしょうか。
ベンツの旧車が人気!理由は現物資産投資?
ドイツ生まれの自動車メーカー「メルセデス・ベンツ」。
街中で新型のベンツ車を見るとつい目で追ってしまいがちですが、昨今では過去に発売された「旧車」にも注目が集まっています。
インフレが進行するなかで資産の価値を守るには、有価証券や現物資産へ資産を逃避させることが有効的です。
そのための投資先として、希少性の高いベンツの旧車も選択されるようになりました。
価値の下がりにくい資産として人気があるうえに、コレクションとしても楽しめるため、富裕層を中心に所有する人々が増えているのです。
旧車への投資である「クラシックカー投資」は年々市場が拡大している
資産防衛のために旧車へ投資する「クラシックカー投資」。
アート投資やワイン投資のように希少性の高い資産に投資する方法で、アメリカを中心に市場が広がりつつあります。
その成長ぶりを示すひとつのデータが、高級クラシックカーの価格指数である「HAGI TOP index」です。
2008年末の価格水準として設定された「100」に比べて2022年9月末現在は「442.21」と、12年間で約4倍以上の価格になっています。
今後もインフレが進行した場合、継続的な成長を見せていることも相まって更に旧車市場が拡大し、ベンツも含めた旧車価格が上昇していくかもしれません。
このように資産防衛だけでなく、資産運用を目的とする投資先としても十分選択肢に入りうる可能性を持っているのがクラシックカー投資です。
クラシックカー投資の3つのメリット
クラシックカー投資のメリットは主に3つです。
現金を守るための投資先として選ばれる理由を、メリットの面から見ていきましょう。
- 選択を間違えなければ高いリターンを得られる
- 分散投資ができるオルタナティブ投資
- 趣味としても楽しめる
選択を間違えなければ高いリターンを得られる
クラシックカー投資の1つ目のメリットは、選択を間違えなければ高いリターンを得られることです。
旧車にもたくさんの種類があり、投資先としては向いていないものも少なくありません。
しかし、そのなかから値上がり率の高い旧車を選択して投資できれば、株式や為替といった一般的な投資商品より高いリターンを得られる可能性が高いです。
HAGI TOP indexによると、10月末時点で2022年の価格上昇率は「21.3%」。
実質利回りが5%を越えれば優秀とされる不動産投資と比べても、今年のクラシックカー投資の利益率は非常に優れていたと言えます。
抱えるリスクや投資戦略、ボラティリティなど複数の違いがあるため一概に比較はできませんが、数字だけ見れば可能性に満ちた資産の一つであることがわかります。
今年の値上がりが今後も続くとは限りませんが、希少性のあるクラシックカーは時間が経過すればするほど価値も高まる傾向にあるため期待はできるでしょう。
分散投資ができるオルタナティブ資産
クラシックカー投資の2つ目のメリットは、分散投資ができるオルタナティブ投資であることです。
伝統的資産である「上場株式」や「債権」に当てはまらない資産を「オルタナティブ資産」と呼び、これらに投資することを「オルタナティブ投資」と言います。
オルタナティブ資産は株式や債権と逆相関の動きを見せることが多く、仮に保有中の金融商品が値下がりしても、これらに投資しておけば、収益をカバーできる可能性があります。
いわゆる「分散投資」に役立つ資産であり、投資ポートフォリオの構成に組み込むことで価格下落リスクに備えられるのです。
また、伝統的資産と比べて金融市場の影響を受けにくいことから、インフレヘッジにも期待できます。
クラシックカーは金融市場の動きよりも、入手したい人々の需給によって価格が変動します。
そのため、通貨の価値は下がってもクラシックカー自体の価値は下がりにくく、資産として所有することで資産防衛にもつながります。
趣味としても楽しめる
クラシックカー投資の3つ目のメリットは、趣味としても楽しめることです。
クラシックカーの一番の醍醐味と言えるメリットで、過去の旧車たちを収集することは他には替え難いロマンがあります。
若い頃などに憧れた車に乗って出かけると、まるでタイプスリップしたかのような感覚に陥るのではないでしょうか。
資産運用のことを忘れられるほどの強いロマンを味わえるのも、旧車を所有するメリットの一つと言えそうです。
クラシックカー投資の3つのデメリット
クラシックカー投資のデメリットを3つ紹介します。
高いリターンやリスク分散が期待できる反面、旧車への投資は他の現物資産投資と比べて懸念点が多いのも事実です。
車を持つこと自体簡単ではありませんが、旧車となると更に配慮すべき部分が増えるため、検討を重ねて投資すべきかを判断してください。
- 破損や劣化リスクが付き纏う
- 初期費用・維持費用が高い
- 車種選び・売るタイミングが難しい
破損や劣化リスクが付き纏う
クラシックカー投資の1つ目のデメリットは、破損や劣化リスクが付き纏うことです。
厳密な定義こそないものの、「日本クラシックカー協会」は1975年以前に製造された車を、「国際クラシックカー連盟」は製造されて25年以上経過した車をクラシックカーと呼んでいます。
クラシックカー投資ではこのような古い車を投資対象とするため、車体の老朽化による故障は投資するにあたって大きなリスクとなります。
こまめな点検やレストアによって美しい状態は維持できますが、想定外の故障や破損がいつ起こってもおかしくないと考えておく必要はあるでしょう。
初期費用・維持費用が高い
クラシックカー投資の2つ目のデメリットは、初期費用・維持費用が高いことです。
クラシックカー市場が拡大を見せていますが、今後も値上がりするような車種はすでに相応の価格となっていることがほとんどです。
クラシックカー投資は資産にかなりの余裕がなければ成立させることが難しいのが難点と言えるでしょう。
1990年代から2000年代に製造された「ネオクラシックカー」などは比較的安価ですが、不確定要素が多く資産運用のための投資先としてはあまり向いていません。
また、維持費用も高いのもクラシックカー投資のデメリットです。
高級腕時計やアンティークコインであれば小さなスペースで保管できますが、車となれば駐車場やガレージを用意する必要があります。
パーツが故障した場合は交換が必須ですが、クラシックカーのパーツは既に供給がストップしていることが多く、必要な場合は高価な値段で取り寄せることも考えておかなければなりません。
投資という側面から見ると、多くの手間がかかることは間違い無いでしょう。
車種選び・売るタイミングが難しい
クラシックカー投資の3つ目のデメリットは、車種選びや売るタイミングが難しいことです。
クラシックカー市場こそ拡大しているものの、株式のように常に取引が行われているわけではありません。
そのため旧車の適正価格が把握しづらく、将来的に値上がりする車種を選ぶことや売買を行うタイミングが困難であると言えます。
現実的には、コレクターとしての欲を満たすか、キャピタルゲインが発生するよう売買を進めるかのどちらかを優先しなければならないケースが多いのもクラシックカー投資のデメリットでしょう。
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人気のあるベンツの旧車5選
次に人気のあるベンツの旧車を5台紹介します。これからクラシックカー投資にチャレンジしたい方は、車種選びの参考にしてください。
- W123
- W126(Sクラス)
- 300SL
- 280SL
- 190SL
W123シリーズ
最初に紹介するのは「W123シリーズ」です。
セダン型が1976年に発売され、その後続けてステーションワゴンやクーペなどが発売されました。
特にセダン形のW123は当時のドイツでタクシーとしても走行するほどポピュラーで、「旧車と言えばこんな形」と言えるような出立ちが特徴です。
生産台数が200万台を超えていますが、そのほとんどはセダンとなっています。
1985年を最後に生産が終了しましたが、その後のベンツ車にも大きな影響を与えた偉大な旧車と言えるでしょう。
W126(Sクラス)
続いて紹介するのはW126です。
今もなお続く「Sクラス」の2代目として1979年から1991年までの間に製造されていました。
セダンとクーペが存在し、日本の政治家からも愛されるなど日本国内からも支持の厚い車種です。
高い安全性と走行性能が特徴で、当時としては珍しい安全装備に優れた車でもありました。
Sクラスとしては最長の販売期間で、現代の車の在り方を先導するような車だったのではないでしょうか。
300SL
高級スポーツカーとして歴史に名を刻み、個体によっては1億円以上の値がつくことも珍しくない「300SL」。
両側のドアを上方向に開放できる「ガルウィングドア」は300SL最大の特徴でもあり、コレクターたちが愛してやまない理由の一つとなっています。
販売が始まったのは1954年と今から70年近くも遡りますが、スポーツカーなだけあって最高速度は「260km/h」と、当時では考えられないパワーの車だったようです。
クーペの製造が終了したあとはロードスターが発売され、どちらのスタイルも旧車としてトップクラスの価格で現在も取引されています。
280SL
メルセデスベンツが発売する高級スポーツカーシリーズの「SLクラス」。
先ほど紹介した300SLの後続として誕生したのがW113シリーズの「280SL」でした。
「走る貴婦人」という異名を持つ280SLは気品に満ちた美しいシルエットをしており、「パゴダルーフ」という凹みのあるルーフも特徴的です。
価格は約1,000万円を超えることが多く、デザインの美しさから今後も値上がりが予想されます。
190SL
1954年に発売された「190SL」。
300SLと同時期に発売されたスポーツカーで、オールドメルセデスを代表する1台です。
取引価格は1,500万円を超えることが多く、300SLの高騰に付随して190SLの価格が高くなる傾向にあるとされます。
300SLと比べると一般的に使いやすい車だったようで、販売台数は約2万5000台と300SLの約8倍にも上りました。
クラシックカー投資を始めるための準備
クラシックカー投資は、株式投資やアンティークコイン投資などと比べると、準備に手間がかかります。
これから始める方は、車を迎え入れるだけでなく、維持するための準備も行ったうえで購入するようにしましょう。
- 駐車場の確保と車庫証明の提出
- 保険への加入
- 所有し続けられるか判断する
駐車場所の確保と車庫証明の提出
クラシックカーを購入したら、駐車場所と車庫証明の提出を行います。
車を購入した時、もしくは駐車場所が変わる際には車庫証明の提出が義務です。
駐車場所が所有している土地かそうでないかで提出書類が変わるため、購入後にトラブルが発生しないよう前もって念入りに調べておきましょう。
車庫証明は原則管轄の警察署に提出しますが、ディーラーへ代行依頼もできるため、必要に応じて利用してみてください。
保険への加入
高価なクラシックカーに乗る場合、保険への加入は欠かせません。
自動車保険に加入することは事故発生時や車両故障時の対策として必要不可欠でしょう。
しかし、クラシックカーでも加入できる車両保険を取り扱っている保険会社は限られているのが現状です。
既に加入している保険との兼ね合いもあるため、こちらも事前に調査しておくことをおすすめします。
所有し続けられるか判断する
クラシックカーを購入する際は、事前に所有し続けることができるのかをよく検討すべきです。
クラシックカー投資は購入費用だけではなく、維持費用や駐車場所の確保など、所有すること自体にも大きなお金と労力がかかります。
維持する体力が尽きてしまえば、意図しないタイミングで車を手放すことになり、結果的に赤字になってしまうことも考えられるでしょう。
したがって、あらゆる支出を考慮したうえで、購入を決めることが大切です。
旧車に投資するなら事前準備が必須!十分な資産で維持を
ここ数年で特に拡大している旧車市場。
特にベンツは車の歴史を作ってきたメーカーでもあるため、人気な車種が多く価格も高騰しているものが多いです。
他の資産と比較して、初期費用や維持費用はかなり高いですが、その分リターンが期待できるのは魅力的でしょう。
コレクターとして楽しみつつ、売却時の利益を得るためには、事前準備と大切に乗り継ぐ真心が欠かせません。
正しい知識を持って、間違いのない旧車投資を行えるようにしてください。
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