アンティークコイン投資について調査していると、「モダンコイン」という言葉を見かけることも多いでしょう。しかし「アンティークコインとモダンコインって何が違うの?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、アンティークコインとモダンコインの違いを3つのポイントにまとめて分かりやすく解説していきます。
それぞれのコインの価格や傾向についても触れているため、アンティークコイン投資の理解がより深まることが期待できるでしょう。
両コインのおすすめもご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでください。
アンティークコインとは
アンティークコインに明確な定義はありませんが、一般的にはおよそ100年以上前に発行されたコインのことを指します。
「アンティークコイン」という名称は日本特有のもので、海外では「ビンテージコイン」「レアコイン」「オールドコイン」などと呼ばれることも。
また、ただ単に古いだけで価値がないコインも存在します。そのようなコインと混同しないよう、投資用の古いコインのことはアンティークコインと呼んでいます。
モダンコインとは
モダンコインとは、最近発行されたコインの総称です。具体的な年数としては、発行されてからおよそ50年から100年未満のコインのことを指します。
モダンコインにも明確な定義はなく、一般的な感覚でそのように認知されていることが多いです。
アンティークコインとモダンコインの違い3つ
アンティークコインとモダンコインには、大きく3つの違いがあります。
- 現存枚数の多さ
- 状態の良さ
- 市場における需要と人気度
いずれも投資を行う上で理解しておきたいポイントです。しっかりと確認しておきましょう。
現存枚数の多さ
アンティークコインとモダンコインでは、現存枚数の多さにかなりの差があります。
アンティークコインは100年以上前に発行されたものを指すため、幅広い年代が対象となります。そのため、アンティークコインの枚数は数え切れないほど多いのが特徴です。
モダンコインは比較的新しいため、枚数にも限りがあります。50年~100年未満のものがモダンコインのおおまかな範囲となるので、アンティークコインとの枚数の差は歴然です。
状態の良さ
アンティークコインは年代が古いものが多いため、必然的に劣化しているものが多くなります。
もちろん状態が良いコインほど価値は高まるので、状態が良いものを選ぶことが重要です。しかしアンティークコイン投資の初心者には、品質の見極めは難しい部分もあるかもしれません。
アンティークコインの状態については、きちんと鑑定を受けたコインであればグレード評価されています。その評価を基準に見極めることがおすすめです。
グレードについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひコインを購入する前にチェックしてみてください。
一方で、モダンコインは比較的新しいため、状態が良いコインや未使用のものも多いことが特徴です。ケース付きや証明書付きなど、好条件のものが手に入りやすいというメリットも。
そのほかにも、グレードの高いコインを比較的安めに買えるのも嬉しいポイントです。
モダンコインは数量がそこまで多くないため、注目されている年代やテーマが絞りやすいことも利点です。そのため、コインに詳しくない初心者の方でも取り組みやすいという魅力があります。
市場における需要と人気度
アンティークコインとモダンコインでは、どちらの方が人気なのか?気になる方が多いことでしょう。結論から述べると、現在はアンティークコインの方が需要は高いです。
アンティークコインはおよそ2000年という長い年月が範囲となるため、数が多いです。しかしその中でも、注目される年代やテーマはある程度限られています。
その膨大なコインの中から人気・需要があるコインを選ぶことがかなり重要です。
それに比べてモダンコインの場合、対象となる年月が短いため、どのコインでも比較的入手しやすいのが特徴です。
そうなると需要や価値はそこまで高くないといえます。つまりモダンコインは、これから価値が上がるのを待つ必要があるのです。
しかし、モダンコインの中にも発行枚数が少なくて人気度がずば抜けているものも見受けられます。そのようなコインには驚くべき値が付くことも。
本記事の最後には、おすすめのモダンコインも紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
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アンティークコインとモダンコインの価格の相場や傾向
次に、アンティークコインとモダンコインの価格の相場の差を見てみましょう。アンティークコインとモダンコインでは、価格にかなりの開きがあります。
アンティークコインの場合、高額なものだと100万円を超えるものもざらにあります。
上記の中世フランスのフラン金貨は、約448万円という驚異的な価格です。
ちなみにこちらは14世紀のアンティークコインです。
上記の画像では、アンティークコインの中ではかなり安いものをピックアップしました。
ナポレオン三世の銅貨が62,000円で販売されています。
一方モダンコインの場合だと、価格帯は数万円〜、高くても30万円台であることがほとんどです。
上記のエリザベス二世の5ポンド金貨は、モダンコインの中でもかなり高額な方です。2006年発行なので、まだ20年も経っていないモダンコインということになります。
反対に、上記の20ユーロ金貨はかなり安めのモダンコインです。2008年発行のプルーフ金貨が2万円で販売されています。
このように、アンティークコインとモダンコインでは、価格帯にかなりの差があることがわかります。
おすすめのアンティークコイントップ3をご紹介
ここではアンティークコイン投資におすすめのコインを3つご紹介します。
- ウナとライオンシリーズ
- ドイツ 20マルク金貨
- 古代ギリシャのコイン
いずれもアンティークコイン投資を行う上では知っておきたいコインです。よく理解しておきましょう。
ウナとライオンシリーズ
ウナとライオンシリーズは「大英帝国の繁栄」を描いたコインで、歴史的にもロマンのある時代がテーマになっていることが魅力です。
ウナとライオンを手掛けたのは英国王立造幣局の彫刻家である、ウィリアム・ウィオン氏です。彼の作品は繊細さとエレガントさが共存する美しさで、かなりの好評を得ています。
ウナとライオンシリーズは「歴史的に人気の時代」「美しいデザイン」であることから、アンティークコイン市場ではかなりの需要があります。
上記の画像のウナとライオンは、1839年に発行された5ポンド金貨です。この金貨は発行枚数がわずか400枚であり、希少価値が高い一枚です。
描かれているのはヴィクトリア女王で、18歳の時に即位したことを記念して発行されました。
ウナとライオンシリーズのついては、以下の記事で詳しくご紹介しています。興味のある方はぜひ読んでみてください。
ドイツ 20マルク金貨
こちらは1888年発行の、ドイツ帝国の20マルク金貨です。
この金貨がおすすめの理由は、歴史的背景にあります。実はこの年代に、ドイツ帝国には皇帝が3人存在していました。
皇帝は基本的に1人であるため、同じ年代に皇帝が3人も入れ替わったということを意味します。皇帝の入れ替わりの詳細は、以下の通りです。
- ヴィルヘルム一世が1888年3月9日に崩御
- その後、皇太子のフリードリヒ三世が即位
- フリードリヒ三世が持病の悪化により、即位して3か月で崩御
- その後、皇太子のヴィルヘルム二世が即位
このような流れで、同じ年に皇帝が3人も入れ替わっていました。ちなみに最後に即位した皇帝のヴィルヘルム二世は、始めの皇帝であったヴィルヘルム一世の孫です。
同じ年に皇帝が3人も入れ替わることはあまりないため、この20マルク金貨は歴史的に貴重であるといえます。
古代ギリシャのコイン
古代ギリシャのコインも愛好家や投資家からの人気が高いアンティークコインのひとつです。
この時代はまだ貨幣の鋳造技術が発展していなかったこともあり、コイン一枚一枚を手打ちで作っていました。そのため、全てのコインが完璧に全く同じように完成することはありません。しかしその鋳造の仕方の方が、芸術的であるとして需要があるのです。
おすすめのモダンコイントップ3を紹介
最後に、おすすめのモダンコインを3つ紹介します。
- 2019年 ウナとライオン
- ミュージックレジェンドシリーズ
- クイーンズビーストシリーズ
アンティークコインとはまた違った魅力を持つコインを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
2019年 ウナとライオン
おすすめアンティークコインの項目でもご紹介しましたが、モダンコイン市場においてもウナとライオンシリーズの人気は群を抜いています。
こちらは2019年のウナとライオンで、わずか4年ほどの新しさです。
2019年のウナとライオンは発行枚数がかなり少ないため、かなり価格が高騰しているとして話題になっています。
発行枚数 | 現在価格 | |
---|---|---|
5オンス金貨 | 65枚 | 1,000万円以上 |
2オンス金貨 | 225枚 | 400万円ほど |
かなり新しいコインであるため、今ならまだ未使用品でケース付を入手することも十分に可能です。
ミュージックレジェンドシリーズ
ミュージックレジェンドシリーズとは、イギリス独自のコインです。
音楽ファンにはたまらないシリーズで、現在はQUEENとエルトン・ジョンのコインが販売されています。
シリーズ第一弾として、2020年1月にQUEENのコイン数種類が発売されました。第二弾はエルトン・ジョンのコインが、同年6月に発売されています。同氏はピアニスト兼シンガーとして有名です。
ミュージックレジェンドシリーズのコインには、ニッケルやシルバー、プラチナ、金貨など幅広いタイプのものが存在します。しかしコイン収集家でも投資家でもない、純粋な音楽ファンの購入が殺到したため、価格が跳ね上がっているものもあります。
発行枚数が200枚から300枚ほどのQUEENの100ポンド金貨は、当初およそ30万円で発売されましたが、現在は100万円以上に値上がりしているほどです。
エルトン・ジョンの金貨は、品切れのものが大半となっています。発行枚数が100枚以下のコインは150万円から700万円が相場となっている状況です。
クイーンズビーストシリーズ
こちらはアンティークコイン市場でも大人気の、エリザベス二世のモダンコインシリーズです。
ビーストシリーズは全部で10種類あり、英国の紋章とシンボルである野獣がテーマとなっています。
コインの表面は全てエリザベス二世の肖像が描かれています。英国王立造幣局の彫刻家であるジョディ・クラーク氏が全てのデザインを担いました。
発行年代によって裏面のデザインが異なるため、コレクターにはたまらないシリーズだといえるでしょう。
【まとめ】アンティークコインとモダンコインの違いを理解して投資をしよう
今回は、アンティークコインとモダンコインの違いを詳しく紹介しました。
アンティークコインとモダンコインの一番の違いは、発行された年代です。アンティークコインの方が圧倒的に古いため、対象となる年代が広くなります。そのため市場で需要のある年代やテーマのコインを見極めることが重要になります。
モダンコインはまだ数が少ないため、状態の良いコインを入手しやすいことが魅力です。しかしその分、価値が高まりにくいという特徴もあるため、現段階で人気のものを吟味して入手することが大切だといえるでしょう。
なお、当社では投資家の方に向けたアンティークコインの販売を行っています。当社のコインを購入するメリットとして、以下の2点が挙げられます。
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