似たようなサービスであるため、
「コインパーキングと月極駐車場には具体的にどのような違いがあるのかよく分からない」
と感じている人は少なくありません。
コインパーキングは時間貸しサービスがメインであるのに対し、月極駐車場は月単位など長期間利用してもらう前提で契約を交わすという違いがあります。
この記事ではコインパーキングでも月極契約ができるのかどうかも含め、駐車場を経営する上でおさえておきたい両者の違いについて解説します。
コインパーキングでも月極契約はできる?
月極契約に対応している場合はコインパーキングでも月極利用はできます。対応しているかどうかは看板や公式サイト等に書かれていることもあるためチェックしましょう。
もしそういった記載が見当たらない場合でも、問い合わせることで対応してもらえることもあります。
コインパーキングは主に、
「買い物をしている間」
「最寄り駅まで車で移動したい」
といった時間単位での貸出サービスのことであり、月極契約での利用は指さないことが多いです。
しかしコインパーキングの中には月極サービスに対応しているものも存在するため、自宅近くに駐車場が欲しい場合や、通勤のために駅近くまで車で頻繁に来るために確実に駐車場を確保したいという場合は、月極駐車場だけでなくコインパーキングもチェックすることをおすすめします。
利用者に選ばれる月極駐車場の特徴5つ
月極駐車場を経営する場合、駐車場利用者がいなければ利益を得ることができません。
そのため利用者に選ばれる駐車場かどうかが非常に重要になってきます。
以下では利用者に選ばれる月極駐車場の特徴を5つ紹介します。
周辺地域の治安がいい
駐車場周辺地域の治安は駐車場経営での利益に大きな影響を及ぼします。どんなに駅近などの魅力があったとしても、駐車場周辺の治安が悪ければ利用者はなかなか現れません。
周辺地域の治安は、
- 周辺の道路の明るさや清潔さ
- 駐車場敷地内の明るさや清潔さ
- 見通しの良さ
- 人通りの多さ
- 近隣の商業施設・飲食店の雰囲気
- 警察署・交番といった施設の有無
などの印象で決まります。
「駅から近くて便利だし道も明るいけど、風俗店が林立する中にある駐車場」
よりも、
「駅から遠いデメリットはあるものの道が明るく近くに交番がある駐車場」
の方が人気がある可能性があるということです。
駐車場経営をする際には周辺の治安もチェックしましょう。
夜も明るい
夜も明るく安全に歩ける道に面した駐車場は特に女性から人気があります。
また、住宅街の中に位置するため周辺は暗いものの、駐車場敷地内の街灯設備が整備されており、夜でも明るい駐車場は安心して利用できることから利用者が集まりやすいです。
周辺道路の明るさや街灯の様子は必ずチェックしましょう。
もし周辺及び駐車場内の明るさが足りないと感じる場合は、照明設備を整備するなど工夫をすることで人気を高めることができます。
定期的に清掃されている
清潔な駐車場かどうかも利用者は見ています。ゴミが目立つ駐車場は問い合わせさえも来なくなります。
また、せっかく契約してもらっていても落ちているゴミが原因で契約を解除する人も少なくありません。
常に清潔な状態を保ち、利用者に対する印象をよくするためにも、経営している駐車場は定期的に清掃するようにしましょう。
駐車場経営に必要なかかる清掃等の業務を委託できる管理会社も多いため、忙しく清掃業務まで手が回らない場合はそうしたサービスを利用するのもおすすめです。
段差が少なく平である
きちんと舗装がされているかどうかや、段差等が整備されているかどうかも非常に重要です。
舗装が整備されておらずアスファルトの割れ目やでこぼこが目立つ駐車場は駐車難易度が高くなり、利用者にとってストレスになります。また、そうしたアスファルトの劣化は見た目の印象を悪くし、見た人に治安の悪さを感じさせる原因となりかねません。
駐車場を経営する場合は、なるべく平らな状態を保つようにしましょう。
また、駐車場と公道の境界線がなめらかかどうかも重要です。大きな段差がある場合や、公道との間に急な傾斜がある駐車場は、特に車高が低い車を運転する利用者から避けられる傾向があります。
駐車の際に障害物となるものがない
電信柱や電信柱につけられた支線、道路や駐車場内に設けられた標識、その他駐車・出庫の際の障害物となるものがない駐車場は人気があります。
逆に障害物が目立つ駐車場は駐車・出庫する度に車をぶつけないよう気をつけなければならないことが予想されるため避けられる可能性が高いです。
駐車場内はもちろんのこと、周辺に駐車・出庫の際の障害物となるものの有無は必ずチェックしましょう。
駐車場経営についてさらに詳しく知りたい方はこちらもチェック
月極駐車場とコインパーキングの違い
一見似たようなサービスであるため混同しやすいですが、月極駐車場とコインパーキングは基本的には異なるサービスです。
以下では両者の具体的な違いについて解説します。
月極駐車場は月単位など一定期間での利用サービス
月極駐車場は月単位など利用者に一定期間駐車場を提供するサービスのことを指します。従って月極駐車場サービスはアパート・マンションの賃貸サービスに似ている面があります。
例えば通勤駅まで車で行き来することを考えている人にとってコインパーキングなど満車になる可能性がある駐車場では不都合です。通勤のために車で自宅と駅を行き来する人は常に確実に駐車できる必要があるため、駅近の月極駐車場が必要になります。
また、日本では自家用車などの車両を所有する場合は必ず車の保管場所としての駐車場・車庫を用意しなければなりません。
アパートやマンションといった賃貸に住んでいる人や、自宅の駐車場がすでに埋まっている人が新車を購入した場合、自宅の近くに別途駐車場を用意する必要があります。
コインパーキングは時間単位での利用サービス
一方コインパーキングは1時間など時間単位での利用サービスです。「1時間いくら」などの価格設定に応じて収入が得られるものであるため、イメージとしてはコインロッカーサービスに近いです。
あくまでも一時的な利用を対象としたサービスであるため、収入の安定度は月極駐車場経営よりも劣る傾向があります。
しかし商業施設や駅の近くなど人の往来が多い地域では高い需要が見込めます。
月極駐車場は利用者が現れず、稼働しなければ収益が得られないのに対し、コインパーキングは立地や価格を工夫することで稼働率を上げられるため、より高い収入を狙いやすいです。
看板の表記
看板では「月極駐車場」「コインパーキング」をうたいながらも両方のサービスに対応している駐車場も少なくありません。
利用を検討している人にどのようなサービスに対応しているかが分かりやすく伝わるよう看板の表記を工夫しましょう。
尚、価格設定について分かりにくい表示をしている看板は景品表示法に定める「有利誤認表示」に該当する恐れがあります。
国民生活センターもトラブルを未然に防ぐ表示を工夫するよう、駐車場運営者・経営者側に注意を呼びかけているため、看板の表記には気を配るようにしましょう。
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月極駐車場経営の特徴
以下では月極駐車場を経営する上での特徴を解説します。
安定した収入が狙える
毎月利用料が支払われるため、月極駐車場は安定した収入が得られる経営方法です。利用者が集まり、稼働率が高くなればなるほど高い収入が得られます。
そのため安定的な収入を得たい人におすすめです。
また、駅から遠い土地であっても住宅地の中などであれば自家用車の駐車場としての需要も見込めます。
逆に言えば駐車場利用者がいなければ毎月の収入が得られないということでもあります。
「長年近隣のアパートに住んでいた人に利用してもらっていたが、引越しのために駐車場の契約も解約された」
といった場合は収入が減ることになるため、こうした事態を防ぐために月極駐車場を経営する場合は駐車場の整備・清掃を徹底するだけでなく、広告などの工夫が必要です。
時間効率が低い
長期間利用してもらう前提で利用者と契約を締結するため、コインパーキングよりも時間効率が低くなる可能性も高いです。
コインパーキング経営で短時間での利用者をより多く集めた方がいい地域もあります。
また、先述の通り利用者から解約されてしまった場合などには稼働率が著しく下がり、経営効率が悪くなる恐れもあります。
より高い収入を狙うのであれば、実際の稼働イメージをしっかりとシミュレーションした上で判断するようにしましょう。
利用者とのコミュニケーションが必要
アパート・マンションの賃貸経営と似た面がある月極駐車場の経営は、利用者とのコミュニケーションも重要になってきます。
特に利用料の未払いなどのトラブルは月極駐車場経営では珍しくありません。
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、契約前に相手の社会的信用を把握する必要があります。
また、管理会社などに委託することでこうしたトラブル対応にかかるコストを削減することも可能です。
コインパーキング経営の特徴
以下ではコインパーキング経営の特徴を解説します。
時間単位で得られる収入が多い
時間単位でより高い収入を狙いたい人にコインパーキング経営はおすすめです。立地によっては月極駐車場よりも高い収入が得られます。
月極駐車場のように毎月決まった額が支払われるわけではないため、コインパーキング経営では収入の安定度は低いです。
しかし利用者が現れない・利用者による解約などによる著しく収入が低下するリスクが低い分、全体の時間効率が高くなることもあります。
稼働率のシミュレーションはしっかりと行った上で決断するようにしましょう。
完全に月極・コインパーキングで経営するだけではありません。一部区画を月極にすることでより高い収入が得られる可能性もあります。
原状回復がしやすい
月極駐車場を経営している場合、駐車場経営から撤退する時に利用者一人一人に説明・交渉しなければなりません。
一方時間貸しサービスであるコインパーキングにはこのような手間をかけず、すぐに経営から撤退することができます。
つまりコインパーキング経営に使っていた土地を簡単に元の状態に戻せるということです。
「とりあえず当面の間だけ所有する土地を有効活用したい」
「相続した土地に家を建てるまでの間、資金を作るためにも駐車場経営をしたい」
といった場合はコインパーキング経営がおすすめです。
参入しやすい
駐車場として必要な整備をし、必要な機材を導入するだけで開業できるためコインパーキング経営は参入しやすいという特徴があります。
ただし舗装費用等は自分で負担しなければならない場合もあるため、負担費用についてはあらかじめチェックするようにしましょう。
支払い関係のトラブルに対応しなければならない
利用者による支払いを機械で管理するコインパーキング経営であったとしても、支払い関係のトラブルは絶対にないとは言い切れません。
支払いをせずに利用しようとする悪質な利用者も残念ながら存在します。
主な手口としては、
- 車止めを無理矢理乗り越える。
- 駐車区画ではない箇所に駐車される。
などがあります。
車止めを無理矢理乗り越えられるトラブルはコインパーキングで最も多い不正行為です。これはただ利用料金が取れなくなるだけでなく、駐車場の備品を破壊されてしまうことから修理費や修理期間の機会損失によるコストがかかってしまいます。
また、駐車区画ではない箇所に駐車されてしまうと利用料金が取れないだけでなく、他の利用者に迷惑がかかる恐れがあります。新しく利用したい人が入れなくなるだけでなく、すでに駐車している人が出庫できなくなるなど利用者間のトラブルに繋がりかねません。
節税効果が得られない
アパート・マンションなど住宅用地としての賃貸経営の場合は固定資産税や都市計画税が軽減されますが、コインパーキングではこうした節税効果が得られません。
コインパーキングは住宅用地として扱われないためです。
そのため税金を満額支払う必要があります。
駐車場経営の際の収入についてさらに詳しく知りたい方はこちらもチェック
まとめ:月極契約に対応するかどうかはコスパを考えた上で決断しよう
月極駐車場とコインパーキング経営ではキャッシュフローに大きな違いがあります。土地によってどちらがあっているか、あるいは混同で経営するべきかが異なるため、しっかりとシミュレーションを行った上で始めるようにしましょう。
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