生成AIの普及や米中対立などにより戦略物資としての需要が高まる半導体は世界各国で大型の製造拠点や研究開発拠点への投資が続けられており、日本でも兆円単位のお金が動くほどになっています。
今後もますます活況を集めるであろう半導体分野について、注目されている背景やおける国内・海外のおすすめ銘柄の情報を詳しくお伝えします!
半導体に注目が集まる2つの理由
経済ニュースを見ていると、ここ2、3年でよく聞くようになったのが半導体。
半導体関連株の株価は急上昇を続けており、日本でも大型の投資案件や大規模工場の設立で話題になっていると思われます。
ではなぜここまで半導体に注目が集まるようになったのでしょうか?
大きな理由となる2点をお伝えします。
地政学的対立〜米中対立〜
1つは半導体をめぐる米国と中国の対立が激化していることにあります。
2018年以降、米国政府は中国からの輸入品について追加関税を行うことを発表。
以降米国企業による中国への投資制限や半導体・通信機器などの先端機材の輸入制限など、安全保障面で対立を深めている中国を念頭においた制限が次々と行われるようになりました。
その結果、多くの企業や政府が中国依存を脱却し、米国内やその友好国(欧州諸国や日本、韓国、台湾など)の中でサプライチェーンを構築することを迫られて、中国以外の世界各地で工場新設や研究所設置の動きが出てくるようになりました。
米国の対中国向けの制限については共和党・トランプ政権と民主党・バイデン政権どちらでも強化されているため、今後も続くと考えられ、投資も増えるといっていいでしょう。
生成AIの普及による半導体不足
もう1つの理由が2020年代以降に普及した生成AIです。
その代表格である「ChatGPT」はもうビジネスや学業などで利用されている方もいらっしゃるかもしれません。
そのほかにも画像生成の「Stable Diffusion」や「Canva」、人工音声を作り出す「AI Talk」、動画をテキストから生成する「FlexClip」など多くのツールが開発されており、テクノロジー界隈で話題を呼んでいます。
生成AIは業務効率化につながり便利な一方、データ処理が膨大なため多くの半導体が必要という問題点が存在します。
例としてChatGPTに必要なGPU(※)の数は3万基。
ツールが増えるごとに莫大な演算装置が必要となるため、その元になる半導体もかなりの数が求められます。
その結果半導体不足が顕著となり、増産体制を整える必要が出てきたというのが同分野に投資が増えている大きな理由の一つになっています。
※GPUとは:Graphic Processing Unitの略語。リアルタイム画像処理に特化した演算装置で並列演算性能に優れていることから近年ではAIでも用いられることも多い。
半導体の製造過程
半導体業界の企業や今後の分析を行う際に欠かせないのが、ご自身の調査や投資の対象が半導体を製造するどのプロセスに関わるかということです。
あまり馴染みのないことかもしれないですが市場規模は極めて大きく、投資ニュースではよく聞く企業が数多く所属している業界なので、知っておくと今後の業績判断や株価の動きを掴むのに有利なため便利と言えるでしょう。
以下に簡単ではありますが、工程ごとに順を追ってまとめます。
専門用語が多くなりますが、各銘柄の今後の動きを分析するための前提条件になるのでしっかりおさえるようにしましょう。
特に日本株を追う場合は家電量販店で見かけることの多いCPUやメモリ、GPUなどのメーカーというより、製造過程で使われる素材や装置の方に強みがある企業の銘柄が注目されていることが多いです。
これらの業界の中に日経平均株価の構成銘柄などが含まれていることもあるので、基礎知識として必ず覚えておくようにしてください。
マスク製造工程
半導体の製造プロセスにおいてまず求められるのが通信信号を伝える回路のパターンの設計とシリコンウェーハに移すためのマスクの作成です。
まずは半導体チップ上にどのような回路を設計すれば期待できる性能を満たすことができるのかを検討することから始まります。
その際には欠陥検査装置を用いて何度もシュミレーションを実施。
最適なパターンを探し当てます。
適切な回路パターンが見つかったら、それをガラス板の表面に描き、転写するための原版(マスタ)を作成します。
回路のパターンは用途や機能ごとに異なるため、新たなチップを作る場合はその度に設計の見直しが入ります。
半導体の性能を決定づける重要な工程といっていいかもしれません。
また、マスクの作成には印刷技術が使われるため、大日本印刷やTOPPANなど一見すると半導体とは縁がなさそうにも見える企業も深く関わっていることには注視しましょう。
ウェーハ製造工程
続いて必要になるのが半導体の基盤となるウェーハの製造です。
原料であるシリコン(ケイ素、元素記号はSi)のインゴット(塊)を、ワイヤーソーを使って薄くスライスすることで作られます。
ただこの時に切断されたものは、凸凹が残っている状態。
そのため、専用の薬品やパッドを使って鏡のように磨く研磨作業を行なって平坦化されてから前工程を行う工場へと出荷されます。
なお詳しくは後述しますが、日本企業が持つシェアは実に9割以上。
日本が絶大なプレゼンスを誇る分野の一つであるため、注目の日本株として紹介する投資家も珍しくありません。
前工程
原料となるウェーハの上に電気的な通り道を作り、半導体チップを作成する工程です。
まずは表面を酸化させてトランジスタの構成要素となる膜を作ります。
続いて、材料ガスに反応して膜を作り出すCVDや放電によってイオン化した材料を衝突させるスパッタリングなどさまざまな材料の薄膜を作成。
その後は以下の工程を繰り返して設計した回路を組み込みます。
- フォトレジスト塗布:光に反応した回路パターンを焼き付けるための感光剤(フォトレジスト)をウェーハ表面に塗る。
- 露光・現像:フォトマスク、縮小レンズを通して光を照射し回路パターンを焼き付け、不要な部分を現像液によって除去する。
- エッチング:フォトレジストによって照射されたパターンに従って、感光剤に覆われていない部分の酸化膜や薄膜を除去する。
- レジスト剥離・洗浄:残っている感光剤の剥離や不純物の除去を行う。
- イオン注入:ドーパミンと呼ばれる不純物イオンを注入し熱処理によって活性化。半導体の電気的特性を変化させる。
- 平坦化:表面を研磨し、凸凹をなくす
必要な回路が組み込まれたら、ウェーハに電極配線用の金属を埋め込み、チップ外部と内部を電気的に接続できるようにします。
最後に、プローブと呼ばれる専用の針に接触させて電気的に問題ないと判明すれば、前工程は終了。
後工程に移ります。
日本勢は成膜生成・露光装置・エッチングなど市場規模の大きい装置においてはオランダ・ASMLや米国アプライドマテリアルズ、ラムリサーチなどに押されています。
ただレジストを塗る「コータ」や露光したレジストを現像する「デベロッパ」では東京エレクトロンが世界シェア9割を握るなど、業界内で強い影響力のある企業はなおも存在します。
また、各プロセスで使用される化学薬品についての日本のプレゼンスはウェーハなみに強力。
特にEUV(極端紫外線)用レジストや洗浄工程で使われるフッ化水素は韓国への輸出規制の対象となるなど、日本政府が戦略物資として外交の切り札とすることも多い分野です。
後工程
半導体製造における後工程は、ウェーハからチップを切り分けて製品化するプロセスのことを指します。
まずはダイヤモンドブレードで一つ一つのチップに分離。
その後リードフレームと呼ばれる金属枠に固定して金線で接続して配線を可能にしたのち、チップを傷や衝撃から保護する樹脂でパッケージング(モールディングとよばれます)を行います。
その後温度や電圧、電気的特性の試験や外観構造検査など何十もの試験を実施。
最後に不良品を取り除いて出荷し、後工程は完了となります。
後ほど解説しますが、切断や検査に使われる材料や装置に強い日本企業は数多く存在します。
そのため海外の大手企業も後工程専門の研究所をつくば市や横浜市に開設するなど日本の強みの一つとなっています。
半導体投資|今後日本への注目が集まる3つの理由
半導体投資においては、今後の日本での動きに注目する人もかなり見られています。
実は日本は半導体製造の歴史では欠かせない国の一つであり、1980年代には日本は世界で最も多くの半導体を製造する企業でした。
その後のIT化の進展や国内の不況、製造拠点の海外移転、韓国勢や台湾勢の台頭によりその地位は凋落してしまいますが、2020年代以降は再び脚光を集めるようになっています。
なぜ半導体投資において一旦は廃れたと言われた日本の動きが、今後注目されているのでしょうか?
3つの理由を以下に示します。
TSMC・ラピダスなどの生産拠点の設立
1つ目の理由は近年大規模な製造拠点が日本各地に作られているからです。
特に熊本県には世界最大の半導体ファウンドリー(受託製造会社)である台湾TSMCが工場を設立。
第1工場は2024年にも稼働を開始し、第2工場も近隣に建てられることになっています。
双方とも1兆円を超える投資額が入っており、近隣では関連企業の進出や住宅建設が相次ぐなど地域全体に大きな影響を与えています。
また2027年にはマイコンを製造する台湾PSMCがSBIグループの協力を経て宮城県に工場を開設することを発表。
すでに日本に製造拠点を置くキオクシアやルネサスエレクオトロニクス、米国マイクロンも既存工場へ数千億円規模の投資を行うことが決まっており、経済ニュースを騒がせています。
さらには日本政府の出資もあり、2nmという2024年現在では世界的にも極めて微細な大きさである最先端ロジック半導体を製造するラピダスが設立されました。
AIに用いられることが期待される半導体で、北海道千歳市の工場をはじめ5兆円規模の投資がなされるなど早くも産業界の注目を集めています。
このような生産拠点の新設・拡充が相次いでいることから、半導体製造において日本が再び重要な地位を占めていくのではないかという希望的観測がなされています。
そのため、半導体関連株は日本の株式市場における注目株として投資家から見做されつつあり、今後も数年にわたって高騰する可能性があると言えるでしょう。
政府による手厚い支援
2つ目の理由は、政府によって手厚い支援がなされていることです。
米中対立に追従した通称政策により中国からの半導体輸入が難しくなった日本は、国内での生産を強化することに舵を切り、多額の投資を行うようになりました。
2021年から2023年までの間に、日本政府が半導体分野に確保した金額は約4兆円。
これは欧米諸国を上回るスピードとなっており、先ほどお伝えした海外企業の誘致や国策企業の設立につながっています。
日本政府は今後も民間と合わせて12兆円以上の投資を行い、国内の半導体売上を2020年と比較して3倍になる15兆円まで伸ばしたい考えを示しています。
多くの関連企業の立地
3つ目は日本は半導体製造に欠かせない関連産業が充実していることにあります。
その昔半導体製造で栄えた日本には半導体装置のさまざまな工程において半導体の素材や製造に欠かせない技術を持つメーカーが数多く立地。
とりわけ後工程においては製造装置の日本電子(6951)、搬送システムのダイフク(6383)など世界的なシェアを持つメーカーが存在し、サムスン電子が研究開発拠点を開設することを発表するなど人的資源に注目する動きも目立ちます。
また日本にはシリコンウェーハ、各工程で使用される薬品、製造装置においても世界的なメーカーが存在し、なかにはほぼ独占状態のものも。
1国で半導体製造に必要な資源を一通り揃えている国は少なく、安全保障上大きな武器となっています。
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今後注目の半導体関連|日本株7選
2023年度の株高を牽引した日本の半導体関連株は今年度も要注目の案件が多数存在します。
その中でも代表的なものを7つご紹介します。
なお紹介する企業は業績が好調で、株価も高い銘柄が多いです。
日本株によくある100株単位の取引だと数十万円以上の投資が必要なこともあるので、1株単位での投資ができる証券会社を選ぶなどリスクを分散しやすく、負担のかからない投資戦略を実行するようにしましょう。
信越化学工業(4603)
技術力の高さから、半導体市場で大きな影響力を持つ総合化学大手メーカーです。
半導体の土台となるシリコンウェーハのシェアは1位。
露光装置の感光剤であるフォトレジストでも世界屈指の地位を占めています。
日本の半導体関連株でも代表格といえる銘柄で、株価はこの半年ほどで1.5倍に上昇。
日本株にあまり投資しない投資家からも一目を置く人物が存在するなど、動向が注目される1社となっています。
東京応化工業(4186)
半導体製造に使用される化学品を手がけるメーカーで、前工程で使用される半導体用フォトレジストを日本国内で初めて開発したことで有名な企業です。
全ての露光機に対応したフォトレジストを開発していることから、現在でも世界トップのシェアを保持。
福島県郡山市にある工場は世界的にも最大規模の生産拠点にするべく投資が続けられています。
半導体生産に欠かせない主要素材で高いシェアを持っていることから、敬愛ニュースでは信越化学工業と並び、日本の半導体株の代表的な例として紹介されることも多い企業です。
味の素(2802)
「ほんだし」などのうまみ調味料や冷凍食品などでおなじみの食品メーカーがなぜ、と思った方も多いでしょう。
実は味の素にはアミノ酸の製法を応用して開発した絶縁材料・ABF(味の素ビルドアップフィルム)の事業があり、半導体パッケージのデファクトスタンダードとなっています。
ABFは半導体パッケージ基盤が大型化・複雑化する中で需要増大が見込まれ、特に生成AIについてはPCと比べて10倍以上必要とされるため必要性がますます増大しています。
このため長年低迷気味だった株価が近年急上昇。
2019年あたりまで最安で1,600円台まで下がっていたものが、2023年には6,000円を突破するまでになっています。
また祖業の調味料や食品でも安定した需要があるため、半導体市場の行く末の影響を抑えられるのも大きなメリット。
6ヶ月以上、100株以上を保有していれば自社製品の詰め合わせの株主優待を受けられるのも、食品メーカーならではの魅力です。
イビデン(4062)
元々は電子商社でしたが、現在はハイエンド半導体パッケージ基盤を手掛けていることで知られるエレクトロニクス企業。
製造技術の高さからパッケージ基盤では世界トップクラスのメーカーで、生成AI用途でも大きな注目を集めています。
後述するエヌビディアも顧客と考えられるため、同社関連の企業として紹介されることも多い企業です。
日本電波工業(6779)
半導体の性能を十分に発揮させるには高性能な電子部品(コンデンサー、モーター、センサーなど)も必須となります。
この分野でも日本企業のプレゼンスは高く、代表例と言えるのが水晶デバイスを手がける日本電波工業です。
水晶デバイスは自動車やスマホ、電子家電、5G対応の基地局など幅広い分野に使用されていますが、同社のシェアは全分野合わせた市場全体で世界2位。
特に自動車は世界シェアで55%で第1位となっており、デンソーなど大手企業の顧客も多数抱えています。
計測機器や基地局需要の増大に伴い、今後も業績拡大が期待される企業といっていいでしょう。
アドバンテスト(6857)
システムに必要な要素を1つのチップに集積した「SoC(システム・オン・チップ)」用やメモリー用の検査装置(テスター)を製造するメーカー。
アメリカのテラダイン社とシェアを二分する企業する業界の大手企業で、特にGPU用のテスターでは50%以上のシェアを持っています。
生成AIの普及による需要増加が期待されるほか、今後はAIサーバーの普及によりメモリー用の売上も期待が高くなっています。
半導体関連銘柄としても有名で経済ニュースではよく聞く企業の一つなので、興味ある方はチェックしてみるといいでしょう。
グローバルX 半導体 ETF(2644)
これまでは個別株を紹介しましたが、株式市場では個別企業の株だけでなく投資信託商品の一種であるETFを購入することができます。
その中でも半導体銘柄に特化しているのが、「グローバルX 半導体ETF」です。
後ほど紹介するフィラデルフィア半導体株指数(配当込み)(SOX℠指数)を円換算させた値の変動率に一致させることを目的としたファンドで、米国に上場している半導体関連企業への投資を目指しています。
半導体関連企業は多額の投資がかかることもあり個別株で見ると業績悪化や株価下落のリスクを心配する人も多いかもしれませんが、分散投資によるリスク軽減が図れるファンドなら安心して投資できるというのは大きなメリット。
また指標に連動する商品であること、上場しているという点から信託手数料も安く、長期的な投資にも向くため、NISAを活用しての取引にもおすすめです。
米国の銘柄が対象ではありますが日本の株式市場に上場しているため、取引のために夜ふかしや早朝取引をして生活バランスを崩さずに行えるのも魅力といっていいでしょう。
今後注目の半導体関連|米国株6選
半導体銘柄の値上がりが続くのは日本だけではありません。
世界でも多くのプレイヤーが存在し、特に巨大IT企業が集積する米国にはここ数年で価値を数倍以上高めた企業も存在します。
そんな米国市場に上場する6つの銘柄についてご紹介します。
エヌビディア(NVDA)
GPUのトップメーカーであり、生成AIが注目されて以降はアップルやアルファベットなどと同様、動きの一つ一つが業界の注目を集めている企業です。
投資家からの人気も高く、2023年3月から2024年3月までの1年間で2倍以上にまで株価が上昇。
2024年2月には時価総額が2兆ドル(約300億円)を突破するなど、全米でも屈指の企業価値を誇る企業になっています。
AMD(AMD)
元々PCのCPU生産で知られるイギリスの半導体メーカーでしたが、2023年12月にAI半導体「Instinct MI300」シリーズを発売。
エヌビディアの主力製品「H100」を上回る性能から注目を集めています。
CPU向けで在庫調整をおこなっていたこともあり一時株価は低迷していましたが、2024年は高騰を見混む動きも。
ただAMDの株価は179.65米ドル(2024年3月22日現在)。
エヌビディアの942.98米ドル(2024年3月22日現在)に比べればだいぶ安いため手軽に購入できるという面では投資初心者や高額なコストを嫌う人にはおすすめと言えるでしょう。
英国企業ですが米国で上場しているため、ほとんどの証券会社で購入することが可能です。
TSMC(TSM)
台湾に拠点を置く世界最大級の半導体ファウンドリー(受託製造企業)。
前述したエヌビディアやAMDのGPUはこの企業が製造しています。
最先端のロジック半導体の製造に長け、アップルのiPhoneやMacにも最先端の3ナノ半導体を供給しています。
ただ台湾に製造拠点を置いているため、中国の影響を不安視する考えもあり、近年では汎用品を中心に、前述した熊本県を始めとした他国に生産拠点を置く動きも見せています。
台湾企業ですが米国にも上場しているため、日本の多くの証券会社でも購入可能です。
日本の経済ニュースで報道が出てきたらチェックしてみるのもいいでしょう。
マイクロン・テクノロジ(MU)
DRAMは記憶内容の書き換えが必要であるものの低コストで大容量化が可能であることからパソコンのメモリとしてよく使われる、DRAM(Dynamic Random Access Memory)。
マイクロン・テクノロジは製造の大手企業の一角を占める米国企業です。
日本でもかつてエルピーダメモリが所有していた広島県内の工場を取得した上で製造が行われています。
2024年にはその広島県内の工場に6394億円の投資を行った工場が稼働を開始する予定であるなど、海外勢ながら日本でも重要な企業として知られています。
汎用品のため市況に依存しやすいのが難点ですが、日本での報道も多く比較的情報を掴みやすい企業のため、海外の半導体銘柄の入門として購入してみてもいいでしょう。
ASML(ASML)
オランダに拠点を置く世界最大手の露光装置メーカー。
かつては不可能とされた10ナノ以下の微細化を、非常に波長の短い光であるEUV(極端紫外線)を使うことで初めて成功した企業であり、TSMCをはじめ世界中の半導体製造会社との取引関係を持っています。
近年ではさらに微細化した2ナノ以下を目指す動きも。
微細化技術を支える企業には超純水や防塵カバー、欠陥検査など多くの工程が加わり関連する企業も多いことから一手一手に注目する投資家も多数存在します。
オランダ企業ではありますが米国株式市場で購入できるので、海外株に興味がある方であるなら大抵の証券会社で取引できるのも魅力です。
ディレクション・デイリー・セミコンダクター・ブル(SOXL)
米国市場に上場する半導体関連株の大型株で構成される指標・NYSE半導体インデックス(ICESEMIT)の運用実績の3倍となる数値を目指す上場投資信託(ETF)。
半導体関連のETFの代表格として知られ、多くの投資家からの人気を集めています。
半導体銘柄は将来の需要増大が期待される一方、新興企業同様市況や大型投資によって大きく価値が変動することがネック。
そのデメリットを分散投資によって解決できるのが、抵抗なく買いやすいというのが大きなメリットと言えるでしょう。
SOXLは安定した大型株であるため、初心者にとっても扱いやすく、半導体関連投資にもおすすめです。
半導体株と合わせて今後注目したい現物投資3選
半導体株は2023年から24年にかけての世界・日本の株高を牽引した要因の一つであり、今後も注目度の高いものではあります。
しかし投資の基本は対象を分散させること。
多くの利益を得るためには株式以外の現物投資にも注目する必要があります。
以下に代表的な3つの現物投資を紹介するので、興味ある方はご検討ください。
不動産投資
現物投資の中でも代表的なのが不動産投資です。
土地を持っているならコインパーキングやアパートなどの契約をとることで、定期的な収入を得られるのが魅力といっていいでしょう。
管理会社をうまく選べば手軽な副業手段としても活用できます。
また多額の費用がかかると思われがちですが、土地取得を行わず不動産投資信託(REIT)に投資するなど工夫次第でコストを数十万円ほどに落とすことも可能。
急成長中の海外諸国に不動産投資を行えば、数十年後には莫大な利益を得るチャンスもあります。
ただ工夫次第で抑えられるとはいえ他の現物投資に比べれば大きなお金が動くことが多いため、物件調査や最新情勢の把握には時間をかけた方がいいでしょう。
またコインパーキングやアパート、マンションの場合は契約した人とのトラブルにも要注意です。
これらの特性上、会社を経営するような感覚で行うべき投資手段といったほうがいいかもしれません。
不動産投資に興味がある方は、こちらのページに多数の記事が掲載され順次更新しているので読んでおきましょう。
また、コインパーキング経営に興味がある方はこちらの記事を始めに読んでおくことをおすすめします。
ウィスキー投資
半導体株や不動産のように高い金額を払わなくても始めやすい取引と言えるのがウィスキー投資です。
なぜ普段飲んでいるお酒が、と思う方も多いかもしれませんが、実は世界的な需要の増大に伴い価格が高騰している銘柄が多く、投資商品としての人気も出ています。
対象となるのは「マッカラン」や「ラフロイグ」などのスコッチウィスキーの著名ブランドが多いですが、近年では「山崎」など日本産の銘柄人気も上昇。
貴重なものだと1本あたり1000万円以上で取引される事例も存在しています。
ジャパニーズウィスキーであれば日本でも抽選が必要な場合がありますが比較的入手しやすく簡単にはじめられます。
円安で海外の人が買いやすい今なら価格高騰を狙えるチャンスでもあるので、興味がある方は是非とも始めてみてはいかがでしょうか。
なおウィスキー投資のポイントについてはこちらの記事に詳しいので、アクセスしてみてください。
アンティークコイン投資
アンティークコインも手軽に始めやすい現物投資の一つです。
古い貨幣という一見するとあまり儲からないと思われがちな商材ですが、希少なものだと数百万、数千万円と非常に高額な値段がつくことも。
デザインも豊富なことから集めているだけでも楽しく、趣味と実益を兼ねて楽しめるのも大きな魅力です。
日本のものでも江戸時代の小判やオリンピックや万博の記念硬貨などは現在は非常に貴重な価値を持っており、当初の価値よりも何十倍もの価値がついていることも珍しくありません。
当社では世界各国のアンティークコインの情報を順次紹介しているので、興味ある方は是非ともこちらのページにある各記事をチェックしてみてください。
まとめ|今後の動向を見て半導体銘柄を購入しよう!
AI市場の拡大や安全保障の関係で、半導体製造関連の銘柄は価値が急騰しています。
一方で技術革新も早く設備投資に多額のコストもかかるため、価値が変動しやすいのも事実です。
今後も常にニュースをチェックし、その時々に応じてお買い得になった銘柄を購入するようにしましょう。
また現物投資と合わせると大きな利益を生みやすく、半導体関連銘柄投資との分散を図るメリットもあります。
当社では現物投資についてマネートレンドナビのほか、公式LINEでの情報発信も行なっているので、気になっている方はこちらよりお友達登録してみることをおすすめします。