現在クラシックカーの価値が高まり、値上がりしていることから投資としてクラシックカーを購入する人々が増えてきています。
しかしクラシックカーであれば、どれでも良いわけではありません。投資目的でクラシックカーを購入するなら、将来的に価値が高まることが期待できる車種をしっかりと見極める必要があります。
そこでこの記事では、クラシックカー投資におすすめの車種を代表的なものから初心者向け、国産車といったジャンルごとにご紹介しています。
本記事を読めばブランドやモデルごとの特徴や背景を理解することにもつながるため、今後の調査がスムーズになること間違いなしです。
それに加えてクラシックカーを選ぶポイントや注意点、購入におすすめの専門店の紹介もしています。ぜひ最後までチェックして、クラシックカー投資に役立ててください。
それでは早速見ていきましょう。
クラシックカー投資におすすめの車種5選
ここではクラシックカー投資をするにあたって、必ずチェックしておきたい車種5つを紹介します。まず押さえておくべき車種は以下の通りです。
- フェラーリ Dino 206/246GT
- メルセデスベンツ 300SL
- BMW2002
- Alfa Romeo
- コルベット C1
いずれも海外のクラシックカーとなっています。車によって特徴や魅力が随分変わるので、それぞれしっかりと確認していきましょう。
フェラーリ Dino 206/246GT
フェラーリは言わずと知れた大人気のクラシックカーです。
特に上の画像のDinoシリーズ246GTは、フェラーリの中でも人気度がずば抜けて高いのが特徴。246GTは、206GTが発展したモデルとなっています。206GTは1967年に初めて登場しました。
246GTは206GTに比べて、V6エンジンの排気量が拡大され、ホイールベースが60mm延長されています。ボディの全長は長くなっていますが、デザインは変わっていません。両者の違いは、エンジンカバーが長くなったことと、燃料キャップの位置が移動したことのみです。
同モデルのフェラーリの価格は、この10年間で4倍にまで値上がりしました。現在では、3000万円〜4000万円ほどで取引されています。
メルセデスベンツ 300SL
メルセデスベンツ300SLは1954年にスポーツカーとして、ニューヨーク国際オートショーで発表されました。当初は市販車ではなく、プロトタイプレーシングカーとして開発されていました。
SLとはドイツ語で「Sport Leicht」の略称で、「軽量スポーツカー」を意味します。
1952年に開催された、メキシコ縦断公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」は、世界一過酷なレースとして有名です。同レースでメルセデスベンツのワークスチームが優勝し、脚光を浴びました。他にも数々のレースで勝利し、その名をとどろかせていました。
その活躍ぶりが注目され、ニューヨークの高級ディーラーであるマックス・ホフマンがベンツ社にアメリカでの販売を説得したことが、市販車販売に至るきっかけです。
現在メルセデスベンツ300SLは、1.2億円程度という驚異的な額で取引されています。
BMW2002
BMW2002はドイツでも貴重な名車として知られています。
同モデルはBMWが1966年から製造していたBMW 02シリーズの4種類あるうちの、一つです。日本では「マルニ」という愛称でも親しまれています。
BMW2002は1968年に発売が開始されました。直列4気筒1990ccのSOHCエンジンを搭載しており、ボディはBMW1602と同じものが使われています。
年々価格は高騰していますが、200万円〜500万円で取引されています。
Alfa Romeo
Alfa Romeoはイタリアの高級車です。Alfa Romeoとは、車種の名称およびメーカーの名称でもあります。
1910年に初代モデルの24HPを生み出したAlfa Romeoは、第一次世界大戦中に航空機用エンジンの生産も手掛けていました。
またAlfa Romeoは、1950年に開催されたF1でタイトルを獲得した車を開発したことでも知られています。下記の画像は、F1でタイトルを獲得したTipo 158 Alfetta（アルフェッタ）です。
アルフェッタは当初、ヴォワチュレットというシングルシーターの小型レースカーのためのレースで戦うために設計されました。
第二次世界大戦後に行われた8つのグランプリのうち、アルフェッタは参戦した4レースで全勝を収めています。
上記の画像は、2007年に登場した8C Competizione（コンペティツィオーネ）です。このモデルはAlfa Romeoの象徴ともいえるモデルで、クラシックカー投資でも人気度が高いのが特徴。
2003年に世界最大級の自動車見本市である、「フランクフルト・モーターショー」にて同モデルのコンセプトカーが発表されました。ショーではかなりの高評価を得たため、その3年後に市販化が決定されたという流れです。
8C Competizioneのエンジンは4,691ccで90°V型8気筒で、フロントに縦置きされています。軽量ボディと高出力エンジンの組み合わせにより、0～100km/hをわずか4.2秒で加速することが可能です。最高速度は292km/hを記録しています。
クラシックカー市場において、8C Competizioneは2,000万円を超える価格で取引されています。
コルベット C1
コルベットはアメリカで唯一60年以上生産され続けているスポーツカーです。今やコルベットは、アメリカンスポーツカーの代名詞ともいえるほどの地位を獲得しています。
コルベットが初めて登場したのは1953年のこと。当時のアメリカでは、第二次世界大戦後にヨーロッパから持ち帰られた、ヨーロッパのスポーツカーが流行していました。
このような状況を打破すべくアメリカでもスポーツカーが開発され始めたことが、コルベット誕生のきっかけです。コルベットの最大の特徴は、ボディにプラスチック素材（FRP）を採用している点です。これは現在まで続く、コルベットのアイデンティティとなっています。
上記の画像は、コルベット C1モデルです。アメリカで「求められるスポーツカーとはどのようなものか」を模索し続けたシリーズで、人気度が高いモデルの一つです。
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クラシックカー投資初心者に狙い目の車種3選
次に、クラシックカー投資の初心者におすすめの車種を3つご紹介します。初心者向けのクラシックカーは、以下の通りです。
- Alfa Romeo アルファスパイダー
- フィアット Fiat500
- ポルシェ ボクスター986
数百万円台で取引できるものが多いため、初心者でも手を出しやすいといえるでしょう。ではそれぞれ詳しく見ていきます。
Alfa Romeo アルファスパイダー
アルファスパイダーは、アルファロメオが1966年に製造を開始したモデルです。
2ドア式のオープンカーで、「プロダクトとして優れているだけでなく、カリスマ性も兼ね備えることが必要」だとして誕生しました。
アルファスパイダーはシリーズ1からシリーズ4までの全世代で、累計12万4,000台が生産されました。モデルとしては28年間の活躍をした、アルファロメオ史上最長の記録を誇るモデルとなっています。
アルファスパイダーは100万円～200万円ほどの価格で取引されることが多く、クラシックカー投資の初心者にもおすすめの一車です。
フィアット Fiat500
フィアットとは1899年に誕生した、イタリアを代表するコンパクトカー専門のブランドです。
人気シリーズのフィアット 500は1991年に初めて登場しました。「デザインも走りもトコトンおしゃれ」をコンセプトに、コンパクトで柔らかなシルエットが特徴的な車です。
上記の画像をご覧の通り、フィアットは外装も内装も「丸」を基調としています。柔らかいデザインが、「乗るたびにワクワクする」として人気の秘けつとなっています。
現在フィアット 500は、約100万円〜200万円で取引されることが多い状況です。そのためクラシックカー投資初心者にも手を出しやすい車種であるといえるでしょう。
ポルシェ ボクスター986
ポルシェは言わずと知れたドイツの高級車ブランドです。
中でも上記の画像のボクスター986は、スポーツカーとしての走行に加え、日常での使いやすさも兼ね備えた一車となっています。
1997年に初めて登場し、オープンカーとしてのデザイン性と、機能性の高さで長らく愛されてきました。
ボクスターは400万円～700万円で取引されています。他のクラシックカーと比べると1,000万円を下回っているため、知名度の高いクラシックカーの中では初心者向けといえるでしょう。
今後に期待？クラシックカー投資におすすめの国産車5選
クラシックカーというと海外の車の印象が強いですが、実は国産車にもクラシックカー投資におすすめの車があります。ここではおすすめの国産車を、5つピックアップしました。
- トヨタ GRMNヤリス
- スバル S207
- 日産 フェアレディ NISMOタイプ380RS
- フェアレディ Z
- スカイライン 2000GT-R
それぞれ詳しく紹介していきます。
トヨタ GRMNヤリス
トヨタのGRMNヤリスは、世界的なモーターレース大会のWRC（World Rally Championship）で勝つために作られたモデルです。
2020年の9月に発売されて以来、トヨタ自動車の社長でありレーシングドライバーである豊田章男氏が自らハンドルを握り、様々なレースで実戦投入されてきました。
GRMNヤリスは過酷なレース環境の中で、「壊しては直す」を繰り返し、プロドライバーとエンジニアとともに磨き上げられて作られた車です。
このモデルは限定500台しか販売されておらず、もちろんすでに完売しています。そのため希少価値が高く、入手さえできればかなりの利益が期待できるでしょう。
スバル S207
スバルのS207は限定400台で販売され、2021年で絶版となったモデルです。
「運転が上手くなる車」を徹底的に追及し、運転性能を磨き上げたコンプリートカーとして知られています。
24時間でどれだけ長い距離を走れるかを競う、「ニュルブルクリンク24時間レース」での経験で得たノウハウを活かして、高性能な技術が搭載されていることも魅力の一つです。
排気システムの通気抵抗の大幅削減や、最高出力328PS/7200rpm、操縦の安定性や乗り心地も文句なしの車となっています。
S207の新車価格はスタンダードなモデルで600万円、カーボンウイングなどの専用装備が供えられたモデルで約630万円でした。
中古車は680万円～730万円ほどで取引されています。
日産 フェアレディ NISMOタイプ380RS
フェアレディのNISMOタイプ380RSは、2007年に300台限定で登場しました。
スーパー耐久レースの最上位カテゴリーであるST1で勝つために開発されたモデルです。レース専用エンジンを、公道用にディチューンして搭載していることがポイントです。
アイドリングは静かでありながら、アクセルを踏み込めば高回転まで吹き上がります。
新車価格は530万円ほどでしたが、中古車は500万円台後半〜800万円ほどで取引されています。
フェアレディ Z
日産のフェアレディZはカスタム車としても人気で、海外で大ヒットしました。
上記の画像は、新型フェアレディZのイカズチイエローです。「伝統と最新技術の融合」をデザインのテーマとして、モダンで洗練されたスタイリングが施されています。
フェアレディZには、シグネチャーLEDポジションランプが搭載されています。これは初代フェアレディ（S30型）の、レンズカバーの反射で浮かび上がるアイラインがモチーフです。
数々のフェアレディのモデルの中でも、2.4リッターエンジンを搭載した輸出仕様のトップグレードである240Zは、1000万円以上の価格で取引されています。
スカイライン 2000GT-R
日産のスカイライン 2000GT-Rは、1973年1月からわずか4ヶ月間という短期間にのみ販売されたモデルです。
同車は「ケンとメリーのスカイライン」というキャッチフレーズで大人気となりました。2000GT-Rはスカイラインの中で4代目であり、200台ほどしか生産されていません。そのためかなり希少価値の高いモデルです。
ボディカラーはシルバーとホワイト、レッドの3色がありますが、200台の中で最も数が少なかったのは上記の画像のレッドです。
スカイライン 2000GT-Rは、数百万から1000万円で取引されています。
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投資用クラシックカーを選ぶ際のポイント5つ
投資目的でクラシックカーを購入する際に、押さえておきたいポイントが5つあります。ここではそのポイントを全て紹介していますので、しっかりとチェックしてください。
クラシックカー選びのポイントは以下の5つです。
- 希少価値が高いかどうか
- 書類や記録が残っているかどうか
- 歴史的に重要なモデルであるかどうか
- レース出場記録はあるかどうか
- 前の所有者に有名人はいないか
では一つずつ見ていきましょう。
①希少価値が高いかどうか
どの投資でもそうですが、希少価値が高いかどうかは重要なポイントです。
「生産台数が少ない」「珍しい特徴がある」「限定モノである」といった特徴を持つクラシックカーであるほど、高値で取引される傾向が高まります。
投資目的でクラシックカーを購入するなら、希少価値についてはよく吟味するようにしましょう。
②書類や記録が残っているかどうか
車についての書類や記録が残っているクラシックカーは信頼度が高いので、売却する際にも価値が上がりやすい傾向があります。
書類や記録とは、車の所有者の変遷や、どのように手入れ・維持されてきたか、付属品の有無などについて書かれたもののことです。他にもレース出場記録や、オリジナルのアイテムを保持することも、車の価値を高めることにつながります。
③歴史的に重要なモデルであるかどうか
歴史的に重要なモデルは、言うまでもなく車の価値がグンと上がります。
歴史的に重要なモデルとは、エンジンや速度、性能といった面での新しい技術の先駆けである可能性が高いモデルを指すことが多いです。
たとえば、現在すでにアイコニックなモデルの初期世代は、歴史的に重要なため価値が高い傾向にあります。
④レース出場記録はあるかどうか
レースに出場した記録があると、車の価値が高まります。
そのレースが伝統あるものや、レベルの高いものであるほど、その価値もより高くなるのです。有名なチームやドライバーに運転されていたら、なおさらです。
レース記録を持つ車に巡り合えることはそうそうないため、このポイントを押さえている車はかなり価値が高まることが期待できるでしょう。
⑤前の所有者に有名人はいないか
世界的なセレブや国民的スターなどといった著名人が所有していた記録があると、車の価値は一気に高まります。
それに加えて、車が映画やテレビで取り上げられた記録がある場合も、同様に価値が高まる傾向が強いです。
他にも所有者の観点でいえば、歴代の所有者の人数が少ないほど良いともいわれています。その方が手入れも行き届いていて、より新品に近いからです。
上記の5つのポイントを確認しながら、クラシックカーを選ぶようにしましょう。
クラシックカー購入前に準備しておくべきもの
クラシックカーの購入にあたって、以下の2点について準備しておくことが大切です。
- ガレージ
- 保険
それぞれの必要性について、解説していきます。
ガレージ
クラシックカーは、安全な場所に保管するようにしましょう。ガレージに保管しておけば、劣化を防ぐことができます。
車を外にそのまま置いておくと、雨風や日差しなどで劣化が早まります。ガレージは庭などに簡単に設置できるものも多く、自宅を改装する必要もないのでぜひ設置するのがおすすめです。
ガレージでの保管に加えて、定期的にメンテナンスを行うことも重要です。車両の書類にはメンテナンス記録も記されるため、しっかりとメンテナンスされていると評価が高まることが期待できます。
保険
車両保険に加入することも、忘れてはいけないポイントです。
ただクラシックカーの場合、通常の自動車保険ではなく、市場価格を考慮した専用の車両保険があります。一般的な車両保険ではなく、専用の保険に加入しておくと安心できるでしょう。
クラシックカーの購入方法
クラシックカーは十分に調査したのち、専門店や中古車専門サイト、個人売買サイトなどで購入するのがおすすめです。
クラシックカーの専門店は全国各地にあるため、まずは近隣の専門店に直接足を運んでみるのがいいでしょう。
ここではおすすめのクラシックカー専門店を3つ紹介します。
- Classic Car.jp
- VINTAGE SHONAN（ヴィンテージ湘南）
- CLASICA
それぞれの専門店について、詳しくチェックしていきましょう。
Classic Car.jp
海外の車から国産車まで、歴史あるクラシックカーを厳選して販売しています。拠点は兵庫県西宮市です。
フェラーリアンバサダー兼BMWミュージアムドライバーである小嶋氏が丁寧に対応してくれます。同氏はクラシックカーのレース出場経験もあり、戦前車から最新のF1まで乗りこなす強者です。
Classic Car.jpの公式サイトはこちらからチェック
VINTAGE SHONAN（ヴィンテージ湘南）
海外のレアな車でも、個別に探して案内してもらえます。クラシックカーの初心者・ベテランの両者ともに利用しやすい専門店です。
拠点は神奈川県横浜市と藤沢市の2店舗があります。店舗のホームページでは在庫車両をチェックすることも可能です。
VINTAGE SHONAN（ヴィンテージ湘南）の公式サイトはこちらからチェック
CLASICA
クラシカは神奈川県横浜市に拠点を置く、クラシックカー専門店。1970年代～1990年のクラシックカーを販売しています。
低走行車・修復履歴無しの車にこだわって販売しているため、比較的状態の良い車と巡り合えることが期待できるかもしれません。
クラシックカーの売却方法
最後に、クラシックカーの売却方法について簡単に紹介します。
クラシックカーは一般的に、車の価値が高まったタイミングで売却するのがおすすめです。ここ数年の間に販売された一般的な中古車を少しでも高く売却するには、新モデル発売前のタイミングを狙うことも大切です。
ただ、一般的な中古車とクラシックカーでは異なる点がいくつかあります。
- 高く売れるタイミング
- 売却先
- 現金化にかかる時間
- 税金が発生するかどうか
これらの点は一般的な中古車売却とは全く異なるため、クラシックカー投資を行う前に必ず確認しておきましょう。
上記のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてください。
【まとめ】車種は入念に調べてから購入することが重要
今回は、クラシックカー投資におすすめの車種を全部で13種類紹介しました。
クラシックカー投資は初期費用が高額であることに加え、希少価値の高いものを的確に見極める必要があります。そのため念入りな事前調査が必須です。
また、購入してから売却するまでに車を何年も保管する必要があります。したがって、ガレージなどの設備や保険なども、用意しておく必要があるでしょう。
これからクラシックカー投資にチャレンジする方は、しっかりとした計画を立てたうえで取り組むことをおすすめします。
なお、当サイトではクラシックカーをはじめとする有形資産の投資について情報発信を行っています。まだ日本では広まっていない資産運用についても解説しているため、読むだけでも知識になります。ぜひ他の記事も合わせて読んでみてください。
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