趣あるデザインで近年では投資商品としても人気のクラシックカー。しかし所有するとなると維持費用の高さや環境対応の問題などに悩む方も多いかと思います。そんな問題を解決するのが古い車両を電気自動車にするコンバートEVの技術です。この記事ではそんなコンバートEVの魅力と弊社おすすめのレストア業者を4つずつ、それぞれご紹介します!
クラシックカーの電気自動車化(コンバートEV)とは
趣味として人気があり、税制優遇を受けられる国もあることから近年では投資商品としても人気のクラシックカー。
しかし数十年前に製造されたものであるために、維持費用の高さや環境問題への対応などがどうしても新車に比べると劣るところがあります。
その問題を解決するのが、クラシックカーを電気自動車化するコンバートEVの技術です。
エンジンをモーターに、ガソリンタンクをバッテリーに置き換えるこの技術は欧米を中心に拡大しつつあります。
近年ではクラシックカーの趣味と環境保護を両立できる、新車よりも安いコストで運営できる可能性があるなど、多くのビジネスチャンスがあることから注目の的に。
2021年に元サッカー選手で自動車ファンとしても有名なデイビッド・ベッカムは、ベントレーやロールスロイス、ジャガーなどのクラシックカーの電動化で知られるイギリスのベンチャー企業・ルナズ(Lunaz)社に出資するなど、最近では著名な投資家も多く入るようになりました。
またコンバートEVは、オリジナルよりも高い値段で取引される例も現れるなど、投資商品としても注目するべきニュースが発信されることも。
クラシックカーも一つの資産として考えている方も、一目おくべき技術といえるでしょう。
最近では日本でも古い車両を扱う事業者の中にコンバートEVを扱う業者が増えるなど、欧米に比べればまだまだではあるものの確実に需要が発生しつつあります。
クラシックカーをEV化する4つのメリット
セレブにも注目されているクラシックカーのEV化のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
総じていうと、資産価値の高さやノスタルジーさなどクラシックカー特有の魅力を実感しつつ、環境やコスト、運転のしやすさなど新しい車のメリットも享受できるということにあります。
具体的には以下の4つが主なメリットと言えます。
- ガソリンではなく電気で動くため環境にやさしい
- 部品が入手しやすく修理がしやすい
- 税制優遇や修理費用の安さもあり、維持費用が減少する
- マニュアル車ではないので運転しやすくなる
それぞれについて詳しく解説します。
ガソリンを使わないため排気ガスがでない
まずEV化のメリットとしてはバッテリーを使用するため、排気ガスが全くでないことが挙げられます。
クラシックカーの場合、数十年前の基準で作られているためどうしても最新の車両と比べると対策が進んでおらず、臭いや温室効果ガスなど環境面では劣ることが多く、周囲からの目を木にする方もいらっしゃるかもしれません。
しかしEV化すればそもそも動力が違うため、古いガソリン車特有の排気ガスの心配をすることなく、安心してクラシックカーを保有することができます。
古い車は好きだけど環境問題が気になる、という方であれば魅力的な選択肢と言えるでしょう。
修理がしやすくなる
二つ目の魅力は修理のしやすさです。
クラシックカーを所有する際の問題点として、故障した時に部品を入手するのが難しく運転するまでの維持が難しいという点が挙げられます。
中には、日本車のネオクラシックカーとして人気のある「マツダ RX-7」のように、生産終了から十数年以上経過した後に部品が再生産されるケースもあるほどです。
(この日本のクラシックカーに関する事情については、こちらの記事をご参照ください。)
ただEV化してしまえばガソリン車に比べて部品数は少ないうえ、近年注目されていることから部品の入手も容易になります。
修理のテクニックの難しさやコストが課題となるクラシックカーの修理においては、点検箇所や部品の数が多いエンジンがバッテリーとモーターに変わるメリットは大きいと言えるでしょう。
維持費用が安くなる
維持費用が安くなるというのも、クラシックカーを電気自動車化するメリットになります。
先ほども述べたようにEVにすれば部品が入手しやすくなるため、修理の際の維持コストが下がります。
クラシックカーの所有における主要なコスト要因が下がるため、より保持しやすくなるといえるでしょう。
またバッテリーとモーターを利用するため充電のための電気代は課題となりますが、世界情勢が原因で燃料費が上がりやすいガソリンが必要なくなるため、比較的運用費用を計算しやすいというのも魅力の一つです。
さらに、住んでいる自治体によっては、補助金を受けられる可能性もあります。
例えば東京都では電気自動車に対して最大60万円の補助金が存在するので、クラシックカーのコンバートEVにおいても適用されるかもしれません。
その場合は維持費用をさらに削減できるかもしれません。
詳しく知りたい方は自分の住んでいる都道府県や市区町村のホームページなどでチェックしてみるといいでしょう。
運転しやすくなる
コンバートEVの四つ目のメリットは運転のしやすさです。
クラシックカーのほとんどはオートマチックではなくマニュアル車の運転となるため、クラッチ操作など現代ではトラックなどの大型車を運転していない限り使用しないテクニックも含まれます。
このことからクラシックカーは運転しにくい、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただその悩みもコンバートEVにすることで、修理と同時に運転方法を現行の普通自動車と同様のものにすることで解決されます。
希少なクラシックカーを運転してみたいけどマニュアルの免許を持っていない、などの理由で諦めていた人でも、電気自動車化することで乗りやすくできるというのもコンバート EVの魅力といえるでしょう。
クラシックカーの電動化方法
では実際に入手したクラシックカーを電動化するには、どのようにすればいいのでしょうか。
コンバートEVについてはキットが一般向けに販売されており、カスタマイズも可能です。
ただエンジンからモーターに交換するには相応の技術が必要なため、よほど技術を持つ人を除けば、プロの在籍するショップで回収することが必要となります。
クラシックカーの電気自動車化する場合は、電動化以前に様々な箇所のレストアが必要な場合も多く、自動車一つ一つに応じた調整も必要なため数百万円、場合によっては1,000万円以上かかる場合も多いです。
予算は多めにみておくといいでしょう。
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日本でコンバートEVを手がかる企業4選
それでは、弊社がおすすめするコンバートEVを手がける代表的な業者を4つご紹介します。
いずれもクラシックカーの販売業者や自動車整備業者として知られている企業で、自動車のカスタマイズに興味がある方、旧車が好きな方でよく情報をチェックしている方であればご存知かもしれません。
それぞれについて以下に詳しく解説します。
オズモーターズ(神奈川県)
最初に紹介するのは神奈川県横浜市にあるオズモーターズです。
日本国内で早くからコンバートEVに注目してきた企業として知られる企業で、多くの車両のコンバート実績があります。
中でも手軽なオプションとして数百万円台から用意しているのが、フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)をベースとした「e-BUG」。
EV化の際にはバッテリーメーターやパワーゲージなどの必要最低限の機器のみ取り付けているので、オリジナルと変わらない前方窓からの景色を楽しみつつドライブができます。
ビートルは「名探偵コナン」の阿笠博士の愛車として知られるなどの理由から、クラシックカーとしての人気も高く、アフターパーツも充実しています。
好きな方であればカスタマイズして楽しんでみてもいいでしょう。
オズモーターズではビートル以外にも大衆車から高級車まで様々なコンバートEVを扱っているので、興味がある方は相談してみてもいいかと思います。
カレント自動車(神奈川県)
続いて紹介するのは、新横浜駅近くに本社やギャラリーを置き、米国車や日本車を中心としたクラシックカーの扱いで知られるカレント自動車です。
同社も10年以上前からコンバートEV事業に参入しており、カブリオレ、フィアット500、ポルシェ930、モノリストラベラーなど様々な車両のカスタマイズ実績が存在します。
さらには電気自動車化したクラシックカー専門のレースにも参戦。
そのため単に電気自動車化するだけでなく、走行性能に対しても妥協しない手厚いサービスを受けられるのも特徴です。
クラシックカーを電動化でただ燃費を改善させるだけでなく、快適な走りも追求したい。
そんな旧車ファンにおすすめのレストア業者です。
両備テクノモビリティカンパニー(岡山県)
続いて紹介するのは、両備テクノモビリティカンパニーです。
岡山県内のバスや鉄道などの交通事業を軸に多角経営を行う両備グループの中で、自動車整備や部品販売を行なっている部門で、クラシックカーのレストアでも知られています。
電気自動車化についても多くの実績があり、中には1969年オースチン社製のロンドンタクシーの実物をEV化したものも。
この車両では骨格を強化して安全性を高めるレストアも行なっており、安全装置の扱いにも定評のある両備グループならではの整備と言えるでしょう。
チンクエチェット博物館(愛知県)
最後にご紹介するのは、愛知県名古屋市瑞穂区にあるチンクエチェット博物館です。
クラシックカーとして人気のあるイタリア車・フィアット500専門の私設博物館ならびに販売店です。
フィアット500は価格の手頃さからイタリアのモータリゼーション化に大きく貢献した車両で、日本でもかわいらしい見た目から自動車ファンを中心に人気を集めました。
映画「ルパン三世 カリオストロの城」の冒頭で繰り広げられた、有名なカーチェイスのシーンで使用した車両としてご存知の方も多いでしょう。
(フィアットについてはこちらの記事で詳しく説明しているので、興味のある方はアクセスしてみてください。)
チンクエチェント博物館では古い型から最新型まで様々なフィアット500を扱うほか、古い型のものをレストア・EV化した「FIAT 500ev」を提供しています。
イタリア・トリノのカロッツェリアOGが場合によってはパーツまで自作するほどの熟練の技で手がけた同車は年間数台しか完成できない貴重品ですが、映画やアニメで使われ多くの著名人が愛したフィアット500の旧版を現代の水準で使えることに魅力を感じる方も多いでしょう。
クラシックな趣と電気自動車の心地よい走りを両立させ、オプションでキーレスエントリーやデジタルオーディオシステム、 USBポートなども搭載できるなど現代のドライブにも適応した「FIAT 500ev」。
イタリアのクラシックカーが好きな方であればチェックしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
コンバートEVは修理や環境性能、安全基準、運転の難しさといったクラシックカーの弱点を一気に解消する可能性があり、単に古い自動車を収集するだけでなく実際に走らせてみたいと考えている方には、おすすめのカスタマイズです。
自動車の運転が好きなアニメや映画の登場人物みたいな気分を、より身近に味わえる選択肢として検討してみてもいいでしょう。
当社では電気自動車化することに限らず、個別のクラシックカーについて多くの記事を発信しています。
詳しくはこちらから確認してみてください。
また最新情報の資料配布などのサービスも行なっていますので、興味ある方は公式のLINEもチェックしてみてはいかがでしょうか。