近年、アンティークコインの価格上昇が注目されています。実際どれくらい高値で売買されているのか気になっている投資家も多いのではないでしょうか?
本記事では、アンティークコイン専門のオークションハウスで高額落札されたコインを紹介します。
また、コインが高く落札される理由や、アンティークコイン投資とはそもそもどのようなものかについても説明します。
価格推移をチェックする方法も解説しているので、本記事を読めばご自身で価格の上昇が見込まれるコインを調べることができるようになります。
ぜひ最後まで読み進めていただき、アンティークコイン投資に必要な知識を養ってください。
ヘリテージオークションズ(Heritage Auctions)で落札された高額アンティークコイン
ヘリテージオークションとは、アメリカのダラスを拠点とする、世界最大級のオークションハウスです。
アンティークコインを始め、スタンプ、コミック、スポーツカードなど扱う品は様々です。2021年までに約11万件のアンティークコイン落札実績があると言われています。
ここからは、そのヘリテージオークションで、高額で落札されたコインを紹介します。
約12億円:ニューヨーク スタイル ブラッシャー ダブルーン、翼上の EB(1787年)
このコインは、2021年のヘリテージオークションで、936万ドル(約12億円)で落札された有名なコインです。
2019年に同オークションで落札された価格は420万ドル(5億4,630万円)であったため、2年で2倍以上の価格になっています。
同コインは、1787年にアメリカ合衆国の地金商エフライム・ブラッシャーによって製造されました。表面にはブラッシャーのイニシャルEBと製造年が刻まれており、25ドル硬貨に相当する価値があります。
ブラッシャーは1744年に生まれ、ニューヨークで活躍しました。ブラッシャー・ダブルーンは、アメリカのコインの中でも最も有名な希少コインです。ダブルーンは個人的に鋳造され、ごく少数しか残っていないためです。
当時、ブラッシャーはアメリカに流通していた貨幣の品質が低く、偽造された貨幣が横行していたことに不満を持っていました。
正式に貨幣を鋳造する許可を得るために、ロビー活動を行いますが、許可を得ることができなかったため、個人でブラッシャーダブルーンを鋳造しました。
高い鋳造技術で、ブラッシャーダブルーンの人気は瞬く間に広まりました。
鑑定番号 | 5746959-006 |
NGCの説明 | 1787 ‘EB’ ON WING EPHRAIM BRASHER DBLN |
落札価格 | 936万ドル(約12億円) |
グレード数 | MS 65 |
重量 | 26.41 グラム |
直径 | 29.8 mm |
表面 | 翼を広げ、胸を盾で覆っているワシ |
裏側 | – |
約9億3,600万円: パケット ダブル イーグル(1861年)
パケット ダブル イーグルは、アメリカ合衆国のコインで、1861年に鋳造された20ドル硬貨です。
2021年のヘリテージオークションで、約9億3,600万円で落札されました。
パケットとは、このコインをデザインした版画家の名前のことです。フルネームは、アンソニー・C・パケット。19世紀にアメリカ合衆国造幣局で働いていた版画家の1人でした。
彼が彫刻したデザインのコインはパケット版と呼ばれています。
パケットは、1850年にフランスからアメリカに移住し、ニューヨークで版画家として働いた後、1855年にアメリカ合衆国造幣局に雇われました。
金貨や銀貨のデザインや版画を担当しており、美しい細部までの精密な彫刻が特徴です。
パケットの手がけたリバティ・ダブルイーグルは、文字フォントやイーグルの羽根の装飾が特徴的であると知られています。
パケット版が希少な理由は2つあるとされています。
1つ目は、パケットがアメリカ合衆国造幣局で働いた期間が短かったゆえ、作品そのものの数が少なく、結果として非常に希少価値が高くなったというものです。
2つ目は、1861年にアメリカ合衆国で南北戦争が勃発し、パケットダブルイーグルの製造が中止されたためです。
事の発端は、南部諸州が連邦政府からの脱退を宣言して、アメリカ連合国を結成したこと。南部の造幣局が連邦政府から独立して貨幣を製造したため、北部の造幣局は南部に持ち込まれることを防ごうと、パケットダブルイーグルの製造を中止したのです。
このような理由により、パケット ダブル イーグル(1861)は、非常に高額な約9億3,600万円という価格で落札されました。
鑑定番号 | 83426475 |
落札価格 | 7,200,000.00ドル |
グレード数 | MS67 |
重量 | 33.44 グラム |
直径 | – |
表面 | 自由の女神 |
裏側 | アメリカの国鳥である鷲 |
約8億5,800万円:フローイング ヘアー シルバー ダラー(1794年)
1794年のフローイング・ヘアー・シルバー・ダラーは非常に価値が高く、日本円で約8億5,800万円で落札されました。
アメリカ合衆国政府によって発行された初めての銀貨であり、アメリカの貨幣史上でも非常に重要なものです
制作したのは、当時の合衆国造幣局の主任彫刻家であったロバート・スコットです。
彼は、18世紀後半から19世紀前半にかけてアメリカ合衆国の主任彫刻家として活躍した人物です。
アメリカの最初の正式な硬貨である1792年の半セントのデザインを手掛けたことで有名で、その後も合衆国の硬貨の多くをデザインしました。
スコットは、スコットランド出身の彫刻家で、1775年にアメリカに移住し、その後はフィラデルフィアで彫刻家としてのキャリアをスタートさせます。
アメリカの独立戦争の時期には大陸軍に仕え、戦争終了後は多くの政府の公式の仕事を引き受けました。アメリカ合衆国造幣局が設立された際には、主任彫刻家に任命され、多くの貨幣のデザインを手掛けています。
スコットの硬貨の特徴としては、次の2点があります。
- 当時のアメリカ合衆国政府の象徴的価値を表現するようなデザインが多い
- 非常に細かく繊細な彫刻技術
スコットのデザインしたコインは、これらの理由から、今でもコインコレクターや美術愛好家から高く評価されています。
加えて、フローイング・ヘアー・シルバー・ダラーの発行枚数はたったの1,758枚しかありません。このため、この貨幣の現存数は非常に少なく、高い希少性を持っています。
シルバーダラーは、アメリカの独立後に発行された初めての正式な貨幣であるため、歴史的価値も高いと言えます。
鑑定番号 | 40267935 |
落札価格 | $6,600,000.00 |
グレード数 | MS66+ |
重量 | 26.96 グラム |
直径 | 39mm |
表面 | リバティ(自由の女神)の肖像 |
裏側 | イーグル |
スタックス バウアーギャラリー(Stack’s Bowers Galleries)で落札された高額アンティークコイン
スタックスバウアーギャラリーは、アメリカ合衆国の貨幣やコレクターアイテムを扱う世界的なオークションハウスです。
このオークションハウスは、Stack’sとBowers and Merena Galleriesの合併によって誕生しました。
スタックスは、1935年にハーベイ・スタックによって創業され、アメリカのコインや紙幣の専門収集会社として知られています。
バウアーアンドメリーナギャラリーズは、1983年にQ.デビッドバウアーズとローレンス・R・スタックによって設立されました。アメリカの硬貨や古銭、その他のコレクターアイテムの専門会社として知られています。
スタックス・バウアーギャラリーは、アメリカのコインや紙幣を中心に、世界各国のコレクターアイテムを扱っており、その品質や専門知識において高い評価を受けています。
また、同社は、オンラインでの入札や、世界各地での展示会など、様々な方法でコレクターアイテムにアクセスできるようにしています。
約9億3600万円:キャップド・ヘッド・レフト・ハーフイーグル(1822 年)
「1822 キャップド・ヘッド・レフト・ハーフイーグル」は、非常に希少性の高い硬貨です。
希少度8という非常に高い評価を受けており、現存している数が非常に少ないため、コレクターや愛好家にとって非常に価値があります。
また、極めて良好な品質で、PCGSでAU-50の評価を受けています。
2021年に約9億3,600万円という高い価格で落札されました。
デザインは、前述した「1794 フローイング ヘアー シルバー ダラー」と同じロバート・スコットとジョン・リーチによって施されました。
ジョン・リーチは、スコットの後継者として、1817年にアメリカ合衆国造幣局の主任彫刻家に就任した彫刻家です。多くの美しい硬貨のデザインを手がけ、高い評価を受けています。
鑑定番号 | – |
PCGS番号 | 8130 |
落札価格 | $8,400,000 |
グレード数 | AU50 |
重量 | 8.75g |
直径 | 25mm |
表面 | キャップド・ヘッド |
裏側 | 宝石に囲まれたハクトウワシ |
8億1,220万円:1804 ドレープド・バスト・シルバーダラー(1804年)
1804年のドレープド・バスト・シルバー・ダラーは、アメリカンコインの中でも最も有名なコインの1つです。
このコインの特徴として、以下の2つが挙げられます。
1つ目は、希少性です。1804年のドレープド・バスト・シルバー・ダラーは、非常に希少なコインの1つで、現在、15枚しか存在していません。そのため、市場に出回ることが非常に稀であり、高い評価を受けています。
2つ目は美しさです。ドレープド・バスト・シルバーダラーは、その美しいデザインで知られています。表面には、自由の女神が描かれ、裏面には鷲が描かれています。そのデザインは、19世紀初頭のアメリカの硬貨の中でも最も美しいものの1つとされています。
アメリカの建国から間もない時代に発行された魅力ある1枚と言えるでしょう。
鑑定番号 | 4114 |
PCGS番号 | 6907 |
落札価格 | $7,680,000 |
グレード数 | BB-304. Proof-68 (PCGS). |
重量 | 27.00 grams |
直径 | 40mm] |
表面 | ドレープド・バスト・シルバー・ダラー(左向き) |
裏側 | 鷲が栄光の矢束とオリーブの枝を掴んでいる様子 |
アンティークコインが高額となる4つの理由
前章までは、非常に高額で落札されたアメリカのアンティークコインを紹介しました。ここからは、アンティークコインが高額となる4つの理由について解説します。
- 希少性
- 歴史的・文化的価値
- 状態の良さ
- インフレの影響
希少性
アンティークコインが高額となる理由として、その希少性が挙げられます。
多くのアンティークコインは、製造から100年以上の年月が経過しており、発行された時代背景、取扱いや保存状態によって、現存する枚数が少なくなっています。
つまり、現在流通している貨幣と異なり、アンティークコインは限られた枚数しか存在しません。それゆえ、需要と供給のバランスから、高値で取引されるのです。
なお、19世紀以降のコインは、古代コインに比べると、鋳造技術や流通システムの改善により、大量に製造されています。
しかし、様々な事情で、発行枚数が少ない年も存在します。その場合、その年のコインは希少性が高いため、高値で取引されます。
歴史的・文化的価値
アンティークコインが高額となる理由として、次に挙げられるのが、歴史的・文化的価値が高いことです。
歴史的な意義のあるコイン、当時の政治や経済情勢を反映しているコインは、その価値が高まります。
たとえば、前述した1861年発行のパケットダブルイーグルは、アメリカが南北戦争に突入した年に作られた硬貨です。
以下の2つのエピソードゆえに価値が高くなっています。
- 戦争が激化する中で、この年の後半には製造が中止された
- パケットダブルイーグルが製造されたニューオーリンズ造幣局が南軍に占領され、南軍によって使用された(さらに、南軍は資金調達のために硬貨を造幣)
このように、1861年パケットダブルイーグルは、歴史的関連性も高く、コレクターの関心を集めています。
状態の良さ
アンティークコインは、状態が良いと非常に高い価格がつきます。
状態の良さに応じて、グレード、つまりコインの評価が高くなります。グレードはその他、表面の傷、摩耗、汚れ、錆の有無などからも判断されます。
アンティークコインのグレーディングを行っている団体は主に以下があります。
- Numismatic Guaranty Corporation (NGC)
- Professional Coin Grading Service (PCGS)
NGCは、1987年に設立されたアメリカ合衆国のコイングレーディングサービスを行う企業です。
鑑定基準は厳格で、専門的なグレーダーがコインの状態を評価し、その状態に応じて、グレードが与えられます。
PCGSはアメリカ合衆国に本社を置く、信頼性の高いコインのグレーディング会社です。
1986年に設立され、コイン収集家や販売業者から高く評価されています。PCGSの鑑定では、コインの状態を9段階でグレーディングし、プラス記号を使用して、細分化を行います。
NGCやPCGSのグレーディングシステムによって、高い評価のついたコインの価格は高くなります。
なお、グレードについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
インフレの影響
2020年から2021年にかけて、新型コロナウィルスの影響により、世界各国は金融緩和を行いました。市場にマネーが溢れ、物の値段が高くなり、通貨の価値が下がりつつあります。
その結果、円やドルの減少する価値を補うため、アンティークコインなど実物資産の需要が増しています。
つまり、インフレへの懸念により、アンティークコインの人気が高まり、それが価格上昇に繋がっているのです。
加えて、2022年から始まったロシアによるウクライナへの侵攻など、政治的な不安定要因も続いています。この政情の変化も安全資産である金やアンティークコインなどへの投資を後押ししました。。
結果として、ますますアンティークコインの価格が上昇するサイクルが発生しているのです。
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近年のアンティークコインの価格推移
ここからは、アンティークコインの価格推移を解説します。ご自身で価格推移を確認する方法も紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
リバティーゴールドダラーシリーズの1ドル金貨(1882年)
こちらは1882年に製造された1ドル金貨です。12年の間で、およそ70万円値上がりしました。価格の推移は以下の表のようになっています。
2010年は、10,350ドルでおよそ134万円でしたが、2022年には15,600ドルでおよそ202万円となりました。10年の間で約1.5倍価格が上昇したことになります。
少しずつですが、確実に値上がりしたコインの例と言えるでしょう。
価格のついた年 | ドル | 円(1ドル130円計算) |
2010年4月 | 10,350ドル | 約134万5,500円 |
2015年8月 | 16,450ドル | 約213万8,500円 |
2020年10月 | 11,400ドル | 約148万2,000円 |
2022年5月 | 13,800ドル | 約179万4,000円 |
2022年8月 | 15,600ドル | 約202万8,000円 |
PCGS番号 | 7583 |
グレード数 | MS68 |
重量 | 1.7g |
直径 | 14.3mm |
表面 | 自由の女神 |
裏側 | イーグル |
クラシックヘッド5ドル硬貨(1834年)
クラシックヘッド5ドル硬貨は、1845年に製造された5ドル金貨です。
22年の間で、およそ300万円値上がりしました。価格の推移は以下の表のようになっています。
1994年には、85,600ドル(約1,113万円)でしたが、2016年には111,625ドル(約1,451万円)に値上がりしました。
価格のついた年 | ドル | 円(1ドル130円計算) |
1994年7月 | 85,600ドル | 約1,113万円 |
2016年5月 | 111,625ドル | 約1,451万円 |
PCGS番号 | 8171 |
グレード数 | MS66 |
重量 | 8.36g |
直径 | 22.5mm |
表面 | 自由の女神 |
裏側 | イーグル |
PCGSでの価格推移の確認方法
オークションやeBayなどのサイトで、気に入ったコインを見つけたら、PCGSの番号をPCGSのプライスガイドのページで検索してみましょう。
すると、そのコインの価格がどのように推移しているかをチェックすることができます。
投資目的で購入する際は、過去の推移状況から、今後も価格が上がる可能性があると見込まれるコインを選ぶと良いでしょう。
以下の赤枠の箇所に番号を入力します。
たとえばPCGSの番号として「8174」を入力すると、以下のような8174のコインのグレード別の価格表が表示されます。
赤枠の箇所をクリックしてください。
次のページに移動したら、スクロールして、以下のような表を表示させます。
右上の赤枠の箇所(Go to Grade)をクリックして、調べたいコインのグレードを選択してください(今回は例として64を選びます)。
すると、PCGS8174のグレード64の価格推移が確認できます。
価格推移を表で表すと、以下のようになります。
2001年には24150ドル(およそ314万円)で、一時期20,000ドルを切りましたが、最終的に27,925ドル(およそ351万円)となりました。
2001年9月 | 24,150ドル |
2016年3月 | 19,975ドル |
2016年8月 | 16,450ドル |
2018年6月 | 25,201ドル |
2018年11月 | 27,025ドル |
近年注目を集めるアンティークコイン投資とは
ここでは、そもそもアンティークコイン投資がどのようなものかを以下の3つのポイントに分けて紹介します。
- コレクター市場と投資家市場がある
- 専門知識が必要
- 長期投資に向いている
コレクター市場と投資家市場がある
アンティークコイン市場には、2つの市場があります。
- コレクターのための市場
- 投資家のための市場
コレクターの市場では、コインの歴史的な価値やデザインが重視され、長期的な保有を前提とします。
一方、投資家市場では、コインは将来的な価値の上昇を見込んで購入されます。
短期的な保有や売却を目的としており、市場の変動に応じた最適なタイミングでの売却を理想とします。
コインの状態やグレード、過去の価格推移が重視され、市場や景気の動向などによる価格変動を分析して、最適な投資を行います。
市場を2つに分けて説明しましたが、もちろん、すべての人が綺麗に2タイプに分かれるわけではなく、その中間の人も多く存在します。コイン愛好家であると同時に投資家であるタイプの人達です。
自分のアンティークコイン投資のスタンスが先ほど挙げたタイプのどちら寄りなのかを考えたうえで、投資戦略を練ると良いでしょう。
専門知識が必要
アンティークコイン投資には、以下の3つの理解が必要です。
- コインの歴史的背景
- コインの状態(グレーディング)
- NGCやPCGSなどの認定機関
コインの歴史的背景を知ると、そのコインの価値や希少性への理解が高まります。また、コインが発行された時代についての知識を得ると、より深くコインを理解できます。
コインの状態は、価格に大きな影響を与えます。コインの状態をグレーディングするのが、NGCやPCGSなどの認定機関です。
たとえば、PCGSではコインを8つのグレードに分類します。グレードが高ければ高いほど、コインの価値は高くなります。
グレードについては、下記の記事を参考にしてみてください。
長期投資に向いている
アンティークコイン投資は、長期投資に向いています。数年から数十年以上の保有が推奨されています。
理由は、アンティークコインの価格は、少しずつ右肩上がりとなるからです。歴史的価値のあるコインは、時間が経過すればするほど、オークションなどに登場することが稀となり、希少性が高まります。
一般的に、アンティークコインは、急激な価値の上がり方はしません。よって、短期的な投資だと、思うようなキャピタルゲインを得られない可能性が高いと言えます。
手軽な値段のアンティークコイン
次に、手頃な価格のアンティークコインを紹介します。
アンティークコインには、驚くほど高額なものもあれば、比較的手に取りやすい価格のものもあります。
ぜひ参考にしてみてください。
約54万円:ビクトリア女王ゴシッククラウン (1847)
このコインはイギリスのビクトリア女王のゴシッククラウン硬貨です。非常に美しいデザインで、人気があります。
天才彫刻家と呼ばれるウィリアム・ワイオンによってデザインされ、ビクトリア女王が王位にあった1837年から1897年の間に鋳造されました。この他にも様々なデザインがあります。
ゴシック・リバイバルの影響を受けた精緻なデザインは、当時から現代まで、様々なコレクターを魅了し続けています。
以下の記事がゴシッククラウン硬貨について詳しいので、参考にしてみると良いでしょう。
また、ゴシッククラウン以外のデザインについて気になる人は、ぜひ以下の記事を読んでみてください。
グレード数 | PR58 |
重量 | 28.276g |
直径 | 38.61mm |
表面 | ビクトリア女王 |
裏側 | イギリスの紋章 |
約36万円:ジョージ 4 世ソブリン金貨(1830)
このコインは1830年に発行されたイギリスのジョージ4世の金貨です。
ジョージ4世は、1762年に生まれたイギリスの国王で、1820年から1830年までの10年間、イギリスの君主として統治しました。
ジョージ4世は、生涯にわたって豪華な生活を送り、高級品や美術品を愛しました。文化や芸術への造詣が深く、ジョージ4世の治世中には、ロンドンのウェストミンスター寺院や、バッキンガム宮殿、ウィンザー城など、多くの建物が改装されたり建設されたりしました。
ジョージ4世については、下記の記事が詳しいので、ぜひ参考にしてみてください。
NGC番号 | 6104146-004 |
グレード数 | MS62 |
重量 | 7.9881g |
直径 | 22.05mm |
表面 | ジョージ4世 |
裏側 | イギリスの紋章 |
約14万円:イギリス: ジョージ 5世 ゴールド プルーフ 1/2 ソブリン (1911)
こちらのコインはジョージ5世の1/2ソブリン金貨です。
2022年にヘリテージオークションにて1,050ドルで落札され、現在はオーナーにオファーを申し出ることができます。
ジョージ5世は、1865年に生まれたイギリスの国王で、1910年から1936年までの26年間、イギリスの君主として統治しました。
1914年、第一次世界大戦が勃発した際、ジョージ5世は率先して宮廷でのワイン飲酒を禁止、そして戦線や野戦病院、輸送船などあらゆる戦地へ自ら足を運んで、兵たちを激励しました。
さらにドイツと戦う国民の心情に配慮し、自身のドイツ由来の王朝名サクス=ゴバーク=ゴーダ朝を「ウィンザー朝」へ改めるなど、誠実な王として知られています。
NGCのグレーディングで、PR64 カメオという非常に高い評価を受けています。
NGC番号 | 6104146-004 |
グレード数 | PR64 |
重量 | 3.994g |
直径 | 19.3mm |
表面 | ジョージ5世 |
裏側 | イギリスの王冠など |
まとめ:アンティークコインの価格は上がり続ける
本記事では、高額で落札されたアンティークコインの紹介と、高値の理由について解説しました。
アンティークコインは、長期間にわたり少しずつ値上がりを続けています。
株式市場が不安定なときや、先行きが不透明なときに、実物資産の1つとして、特に注目されるのがアンティークコインです。
分散投資先として、アンティークコインのコレクションを始めると、投資としてだけでなく、趣味としても楽しめることでしょう。
なお、弊社では、投資用アンティークコインの販売やサポートを行っています。資産運用全般の相談を承っていますので、どの投資がご自分に最適なのかを選びかねている方でも、安心して相談ができます。
本記事を読んで、アンティークコイン投資に興味が湧いたけれど、何から行えばよいかわからず困っている人には、個別相談がおすすめです。
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