ほとんどの方が世界的なアーティストとして「バンクシー」という名を聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかしバンクシーの正体は明かされておらず、「その正体を知りたい!」と気になる方も多いことと推察されます。
そこで今回は、バンクシーの正体についてのあらゆる説を詳しく紹介していきます。バンクシーの正体について知るヒントとして、ぜひ役立ててください。
他にも彼の作品に込められたメッセージや、過去の落札実績についても解説しています。本記事を最後まで読んで、バンクシーについての理解を深めましょう。
バンクシーとは?
バンクシーとは、全世界が注目するストリートアーティストです。人目に触れることなく世界中のあちこちの壁にアートを描く、正体不明の存在として知られています。彼の作品は世界中に散らばっているため、時には「アートテロリスト」と呼ばれることもしばしば。
彼の出身はイギリスのブリストルと言われています。日本でも度々、非公式のバンクシー展が開催されるほどの人気ぶりです。
人気の作品はオークションでは数億円で落札されることもあり、アート界では異様な存在感を放っています。

バンクシーの正体とは?
世界的人気を誇るバンクシーですが、その正体については様々な仮説が立てられています。ここでは現在噂されているバンクシー候補の人物について、くまなくチェックしていきます。
現在バンクシーの正体として有力なのは、下記の3名の人物です。
- ロバート・デル・ナジャ氏
- ロビン・ガニンガム氏
- ジェイミー・ヒューレット氏
いずれの人物も、バンクシーと同じイギリス出身の著名人です。それぞれの説について詳しく見ていきましょう。
① ロバート・デル・ナジャ説
現在最も有力な人物だとされているのが、イギリスのブリストル出身の音楽ユニットMassive Attack(マッシヴ・アタック)の、ロバート・デル・ナジャ氏です。
バンクシーが作品を残す場所と、Massive Attackのツアー開催地・開催期間が重なることから、バンクシーの正体ではないかと注目されています。
また、バンクシーと思われる人物がストリートアートを描いているところを激写されたことも大きな要因です。

上記の画像はスプレー缶とステンシルを持った男性の写真で、ストリートアートを描いている、または書き終えた直後と思われる状況です。そしてバンクシーは自身のInstagramにて、このアートの画像を投稿しています。
上記のInstagramの投稿は、男性が映る写真の作品と全く同じであることから、この男性がバンクシーだとする見方が強いです。
そしてこの男性の見た目が、Massive Attackのロバート氏に似ていることから、バンクシーはロバート氏ではないかと噂されているのです。

しかしロバート氏はこの説について、否定しています。
② ロビン・ガニンガム説
ロビン氏はイギリスのブリストルを拠点に活動するイラストレーターです。
ロンドン大学の研究者たちの捜査によれば、ロンドンに点在するバンクシーの作品とロビン氏の行動範囲が重なったと報告されています。この捜査は、「ジオグラフィック・プロファイリング」という、連続殺人犯などを追うために使われる手法を用いて行われました。

また、アートを描いた後のバンクシーを追跡してみたところ、見た目がロビン氏に似ていたことから「バンクシーはロビン氏ではないか」という説も浮上しています。
③ ジェイミー・ヒューレット説

ジェイミー・ヒューレット氏はイギリスのウエスト・サセックス出身の漫画家兼イラストレーターです。
ロックバンド「Gorillaz(ゴリラズ)」のキャラクターデザインなどを手掛けています。
バンクシーだと噂される要因は、バンクシーが関係する会社の多くにジェイミー氏が関わっていることです。
バンクシーの売上などの書類を辿っていくと、多くのケースでジェイミー氏が関係する会社に行きつくということが分かっています。
このような理由から、ジェイミー氏もバンクシーの候補としてささやかれています。
バンクシーの作風や込められたメッセージ
バンクシーの作品は、消費社会や戦争、ブレグジットなどを題材に描かれています。
ブレグジットとは、イギリスの欧州連合(EU)離脱を意味する造語です。英語でイギリスを意味する「Britain」と、離脱を意味する「exit」を合わせて、「Brexit」と呼ばれています。
バンクシーは、ひとつひとつの作品に政治的なメッセージを込めており、そのメッセージをハッとさせるような鋭い風刺とユーモアで表現することで、人々の心を引き付けているのです。
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有名な作品
では最後に、バンクシーの作品の中でもトップレベルに有名なものを紹介します。紹介する作品は以下の2点です。
- Love is in the Bin(愛はごみ箱の中に)
- Devolved Parliament(退化した議会)
どちらもかなり濃いエピソードがあり、バンクシーを語る上では欠かせない作品です。ここでしっかりとチェックしておきましょう。
「Love is in the Bin(愛はごみ箱の中に)」

驚異的なエピソードで有名なのが、こちらの作品です。
もともとは「Girl with Balloon(風船と少女)」という名の作品でしたが、なんと2018年のサザビーズのオークション中に、額縁に仕込まれていたシュレッダーで絵の半分近くが細断されてしまうという事態に。
その上シュレッダーにかけられたのは、バンクシーの作品の中で4番目に高額な104万2,000ポンド(約1億4,200万円)で落札された直後でした。
落札者はそのままの状態で作品を購入しましたが、「細断されたことでさらに価値が上がった」いう見方をする専門家もいるとか。
この事件は、「バンクシー本人がオークション会場にいてシュレッダーの仕掛けを作動させたのでは」という説もあります。
「Devolved Parliament(退化した議会)」

こちらの作品は2019年10月、サザビーズにて約990万ポンド(約13億円)で落札されたものです。
作品の大きさは420×250センチとかなり大きいことに加え、高額落札額されたこともあってか大きな注目を集めました。
絵をよく見ると、議会に参加している議員たちはみなチンパンジーです。牙をむき出しにしているチンパンジーやあごに手をあてて考え込んでいるもの、眠っているもの、空き瓶で遊ぶものなど、様々なチンパンジーが描かれています。
この状況は、今の英国議会の議員たちの様子を皮肉混じりに表しているとのこと。
作品が公開されたのは、イギリスがEU離脱期限の目前で混乱している最中でした。離脱派のジョンソン首相は英国議会を一時閉鎖し、合意なき離脱に持ち込もうとしました。しかしイギリス最高裁が「閉会は非合法である」として、急遽議会が再開されたのです。
再開された議会では、与野党の議員が強い言葉をかけあい、暴力的なシーンも数多くあったとか。その様子をバーコウ国会議長は「国会で働いてきた中で最悪の雰囲気だった」と評するほどのものでした。
そんな歴史的な騒動を描いたのが、バンクシーのDevolved Parliament(退化した議会)です。
バンクシー作品で始める絵画投資
ここまで、バンクシーの正体や作品について詳しく解説しました。
バンクシーは世界的アーティストでありながら、その正体はまだ明かされていません。そんなミステリアスさも相まって、彼に魅了される人々が後を絶たないのでしょう。
バンクシーの作品は高額な値段で落札されているものが多く、「投資」という視点においてもとても魅力的です。
絵画投資は作品自体を楽しむだけでなく、資産運用にもつながります。絵画に興味をお持ちの方は、彼の作品をきっかけに絵画について理解を深めつつ、資産運用にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
